名称:紅石峡
住所:719000 中国楡林市榆阳区城北3公里处
公式・関連サイトURL:なし
340万人ほどの人々が暮らす、陝西省の北端に位置する楡林市(ゆりんし)。中国最大の観光スポット、万里の長城が通る都市としても知られています。北方からやってくる人々が長安へ向かう際に立ち寄る場所でもあり、交通の要所として機能していました。
また、鉱石や鉱物資源の埋蔵量が多いことから「中国のクウェート」と呼ばれることもあり、楡林の主産業として神木県に巨大炭鉱地帯があります。神府炭田は世界7大炭田の一つ。そんな楡林の観光スポットを6ヵ所ご紹介します。
1.紅石峡
出典: Caitriana Nicholson (CC BY-SA 2.0)
楡林の街から北へ約3km進んだところに位置する、紅石峡。紅山の麓にあり、その名の通り赤い色の岩肌が見えることからそう呼ばれています。
おすすめの訪問時間帯は、夕方頃。夕日が沈んでいくとより一層紅色が増し、その美しさは楡林八景の一つにも選ばれ「紅山夕照」と称されています。
また、約10ヵ所の石窟から成る宋、元代の雄山寺ではダイナミックな景色が待ち構えていますよ。
紅石峡の見どころは、自然景観だけではなく崖に刻まれた詩も必見。その昔、儒学者や文官が楡林を訪れた際にこの地で詠んだ詩を刻んで帰る、という風習が流行り、今でもそれらの作品を鑑賞することができるんですよ。
書をたしなむ人たちからの間ではとても有名な観光スポットです。
2. 鎮北台
楡林の市街地から北へ4kmほどのところにある、鎮北台。紅山長城の一角にあり、款貢城という城壁に囲まれた重要な軍事施設で見晴らし台の役割でした。今では大勢の観光客が訪れる楡林の有名な観光スポットです。
この鎮北台が最初に建てられたのは戦国時代。その後1607年に明の時代に、北方を鎮圧するために再建されました。高さ約30m、正方形の4階建てからなっており、敵の侵入を素早く察知できるような場所に建設されています。台に上ると数10km先まで見渡すことが出来ると楡林の中でも一番の絶景スポットです。
悠久の歴史を感じることのできる観光名所と言えるでしょう。
名称:鎮北台
住所:719000 中国楡林市榆阳区城北之红山
公式・関連サイトURL:なし
3.白雲山
道教の聖地として中国で名高い白雲山。楡林市佳県から南へ下った黄河のほとりに位置しています。
1年中白雲が浮いていることから名づけられた白雲観は、中国西北地区最大の道教建築群であり、楡林有数の観光名所です。
宋の時代に建設が始まり、明や清の時代に時の皇帝が道教の書をこの白雲観に収めるなどして全国的に注目を浴びるようになったことで建設が盛んになりました。このように長きに渡り建設されたことで今では54の建築物があり、200種以上の神、400体以上の像が安置されています。
また、道教の神以外にも仏教や儒教、民間信仰の神なども祀られ、さまざまな宗教が融合している稀有な観光名所です。その独特の雰囲気を味わいに観光へ行ってみてはどうでしょうか。
名称:白雲山
住所:中国陕西榆林市佳县白云山
公式・関連サイトURL:なし
4. 統万城
出典: Caitriana Nicholson (CC BY-SA 2.0)
榆林郊外の観光名所である古代の都市遺跡、統万城。5世紀に五胡十六国時代末期の匈奴の赫連勃勃が築き、「天下を統一し、万邦に君臨する」という意味を与えるために統万城と名づけました。
防衛機能を高めるために重要な意味を持つ城壁は3cm以上キリが刺さらないほど非常に固く作られていたという記録が残っています。
黄土に草ともち米を煮詰めて極限まで固くしていたようで、3cm以上キリが入るとその壁を作った作業員は殺された後に壁に埋め込まれたという背筋が凍る逸話も残っているほど。
敷地はとても広大で北京の紫禁城の大きさに匹敵するほどだったとも伝えられていますが、遺跡は1,500年の時を経て風化していたり、草や木がところどころに茂っていて栄枯盛衰の歴史を感じ取ることでしょう。
名称:統万城
住所:718500 中国靖辺県红墩界镇白城则村
公式・関連サイトURL:なし
5. 红碱淖
出典: Caitriana Nicholson (CC BY-SA 2.0)
中国最大の砂漠の淡水湖である红碱淖。楡林の街の中心部から北へおよそ100kmのところに位置する神木県の中にあります。
ここの観光の見どころは、渡り鳥のゴビズキンカモメ。絶滅危惧種に指定されているこの種の棲息地であり、ここで繁殖も行われています。
また、楡林の人々が生活の糧を得る場でもあり、魚釣りに勤しむ姿を見かけるかもしれません。周りに建物がほとんどないので空は広く、開放的な景色の中、水遊びをしたりモーターボートで疾走したりとさまざまな観光アクティビティが楽しめますよ。浅瀬が続くので安全なのも嬉しいところ。
水辺での観光を楽しみたいなら、楡林から少し足を伸ばして红碱淖へ行きましょう。
名称:红碱淖
住所:719300 中国神木県境内
公式・関連サイトURL:なし
6.波浪谷
榆林の街から南西へおよそ130kmほど離れたところに位置する靖辺県にこの波浪谷はあります。榆林の隠れた観光名所として知る人ぞ知る観光スポット。
波浪谷が比較対象に挙げられるのが、アメリカのアリゾナ州にある「ザ・ウェーブ」。地層が織り成す異世界、異次元の絶景が話題を呼んでいますが、なんと1日20人限定の観光地。
この波浪谷は「ザ・ウェーブ」と同緯度にあり、同じような景色が見られるんです。
巨大な熊手で線を引いたような模様は、気の遠くなるような歳月をかけて風雨に侵食された末に完成したもの。直線や曲線といった模様から、穴が開いてドアの形状になっていたり、地面に突き刺さった剣に見える柱があったりととにかく自然の神秘を感じざるを得ません。榆林の観光でおすすめのスポットです。
名称:波浪谷
住所:中国陕西省榆林市靖边县龙洲
公式・関連サイトURL:なし
◎まとめ
楡林の観光スポット6ヶ所の紹介、ご紹介しました。モウス砂漠と黄土高原を併せ持つ楡林は、ユニークで美しい景観を見ることができます。そこに万里の長城や白雲山、統万城といった建築物の要素も加わり自然と人間の文化が組み合わさった雄大な観光を楽しむことができると言えます。
今も残る城壁は、完璧ではありませんが街の輪郭をはっきりと表しており、この楡林が当時重要な拠点であった面影を残しています。古都長安への中継地点としても発達した楡林への観光計画を立てる際に、ぜひ参考にしてみてくださいね。