【世界遺産】グラナダのアルハンブラ・ヘネラリーフェ・アルバイシンをご紹介

画像出典:Jose Ignacio Soto/Shutterstock

【世界遺産】グラナダのアルハンブラ・ヘネラリーフェ・アルバイシンをご紹介

イスラム時代の残る都市、グラナダの世界遺産についてご紹介します。

カトリック大国として名高いスペインですが、8世紀にも及ぶイスラム支配の時代があった事をご存知でしょうか?スペインを代表する世界遺産アルハンブラ宮殿は、長い間支配していたイスラム勢力最後の王国となったグラナダ王国のシンボルです。キリスト教によるレコンキスタによって滅亡しましたが、現在も史跡や文化などの名残があり、希少性から世界遺産に数えられています。

1984年に登録されたこの世界遺産は、アルハンブラ宮殿、王族の避暑地として作られたヘネラリーフェ、そしてグラナダで一番古い地区のアルバイシン、この3か所が1つの世界遺産を構成しています。以下では、それら世界遺産の遺跡たちについて詳しくみていきましょう。

目次

【世界遺産】グラナダのアルハンブラ・ヘネラリーフェ・アルバイシンをご紹介

アルハンブラ・ヘネラリーフェ・アルバイシンとは?

グラナダの名前が歴史に登場するのは、最初にイスラム勢力がアンダルシア地方を支配してから300年が過ぎた頃でした。あちこちの町が国土再征服運動(レコンキスタ)により、カトリック軍の手におちていく中で、コルドバのオメヤ王国が征服され、13世紀からほぼ2世紀の間、グラナダ王国はイスラム勢力の拠点になっていました。

そしてそれは最後の砦となります。フェルナンド王とイザベル女王率いる軍隊はついにグラナダを包囲し、1492年にアルハンブラ宮殿の無血開城に成功しました。グラナダ王国最後の王、ボアブディルは栄華を極めたアルハンブラ宮殿を去る時に振り返って涙したと語られています。

アクセス

マドリードのアトーチャ駅からは国鉄の特急で約4時間半、航空機だと1時間です。セビージャとコルドバからはバスが便利で3時間程です。

グラナダの市バスは今まで多くの路線が市内を通っていましたが、環境に配慮し、中心部の交通量を減らすために、2014年6月から大幅に体系が変更され、LACという大型循環バスが加わりました。

市の中心部からアルハンブラ宮殿にはC3、アルバイシン地区へはC1となりました。場所によっては、従来の市バスとの乗り継ぎなどもあるので、宿泊ホテルなどで確認しましょう。

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アルハンブラ宮殿

まず最初の世界遺産は、アルハンブラ宮殿です。イスラム勢力の象徴だったアルハンブラ宮殿が何故破壊を免れたか?それは、その卓越した優美さのおかげだと言います。宮殿の中心となるのがナスル宮殿で、メスアール宮、コマーレス宮、ライオン宮の3か所からなっています。

中でも有名なのは、王の居住空間として作られたライオン宮で、中庭には水路が十字に走り、中央には12頭のライオンに支えられた噴水があります。ライオンの口から出た水は四方の部屋へ流れる作りで、水時計の役割もしていたというから、その知恵と工夫には驚かされます。

どこを見ても美しいのですが、天井を見上げると見事な鍾乳飾りがあり、壁にはアラベスク模様のタイル、コーランの大切な言葉などが刻まれています。透かし彫りの装飾や、外からは内部が見えない造りになっている窓枠などイスラム美術が結集しているといっても過言ではありません。どこをとっても文句なしに世界遺産と言えるのが、アルハンブラ宮殿です。

ヘネラリーフェ

2か所目の世界遺産は、ヘネラリーフェです。アルハンブラ宮殿から徒歩で約10分ほどの丘を登った所にあり、1319年に王族の夏の離宮として造られました。水の宮殿と称される離宮には、ネバダ山脈の雪解け水が引かれ、各庭園には、土地の高低差を利用して造られた池や水路が数多くあります。

あちこちに水飲み場があるので、冷たい水を味わってみてはいかがですか?砂漠からやってきたアラブの民にとって、水は憧れであり、生命の象徴でした。そのため、イスラム王は、最高の贅沢として、水にこだわった庭園を造ったといわれています。

一番人気のある場所は、中央付近の中庭です。約50mの細長い掘割を囲むように花壇や噴水が配置されていて、水路を囲む噴水からは、ちょうど弧を描くように水が噴出していて見事です。一番奥の離宮の周辺が14世紀のオリジナル部分、ジャスミンの香りが漂い、心地よい水の音が涼を誘う、そんな楽園のような場所が、ヘネラリーフェです。

アルバイシン地区

3か所目の世界遺産は、アルバイシン地区です。アルハンブラ宮殿からダロ川を挟んだ対岸に位置する地区で、かつてはアラブ人の居住区でした。街は敵の侵入に備えて、細い路地が迷路のように入り組んだ造りになっています。建物の壁はアンダルシア地方の特徴である白壁で、これは日光を反射し、室内の温度の上昇を防ぐ役割があります。

アルバイシン地区の中央にある、サンニコラス教会の展望台は、アルハンブラ宮殿の全景が美しい姿で見える事から人気のスポットになっています。特に夕陽に染まるアルハンブラ宮殿、その後のライトアップされる姿を見ようと多くの観光客が集まります。天気が良ければ3000mを超えるシエラネバダの山も見えますよ!

注意事項

現在アルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ庭園では1日8000人という入場制限をしています。30分毎に300人ずつしか入場できないので、入場券を購入できても希望の時間に入れない可能性もあるので、時間の余裕を持って日程を組みましょう。

また、入場券は事前にネットで購入できるので、日程が決まり次第購入するのがベスト。特に夏の観光シーズンには世界中の観光客がこの素晴らしい世界遺産を見にやって来るので注意してくださいね。また、このシステムは良く変わるので、事前に確認する事をお忘れなく。

◎まとめ

スペインには50カ所近くの世界遺産がありますが(2023年8月現在)、中でもアルハンブラ宮殿・ヘネラリーフェ・アルバイシンは別格とも言えるかも知れません。よくある王宮や宮殿と違うのは、

当時の家具や調度品などがほぼ何も置かれていない事。できる限りの想像力をかきたてて、当時の栄華を極めたグラナダ王国の様子を思い浮かべて見ましょう。一度は行くべき世界遺産がここにあります!

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