名称:ヴィルンガ国立公園
住所:Virunga National Park, Congo
公式・関連サイトURL:https://virunga.org/
アフリカ大陸で2番目に大きな国土を持ち、大自然に恵まれたコンゴ民主共和国。世界遺産に登録されている場所が5ヶ所もあり、その5ヶ所全てが自然遺産です。コンゴは自然豊かなアフリカの中でも自然遺産保有数が最も多く、絶滅危惧種の動物や固有種などがたくさん生息しています。この記事では、コンゴにある5ヶ所の美しい世界遺産を詳しくご紹介します。ぜひアフリカの世界遺産を巡る旅の参考にしてくださいね。
目次
自然遺産保有件数がアフリカで1位!コンゴの世界遺産5つをご紹介!
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1. ヴィルンガ国立公園
8,000平方キロメートルもの広大な敷地をもつヴィルンガ国立公園は、1979年にコンゴの世界遺産に登録されました。コンゴの数ある国立公園の中でも最古の歴史をもつヴィルンガ国立公園は、1925年の設立です。
1996年にはラムサール条約の登録地にもなったヴィルンガ国立公園には、全世界のマウンテンゴリラの生息数約650頭の半数にも及ぶ数のマウンテンゴリラが生息しています。さらに世界最大のカバ繁殖地にもなっていて、アフリカのコンゴとウガンダ国境にあるエドワード湖周辺には、多くのカバが生息しているんですよ。
その他にもアフリカゾウ、ライオン、ヒョウ、チンパンジーなど様々な動物が生息しており、絶滅危惧種を含む706種以上の鳥類も確認されています。しかし、密猟や地域情勢の不安定化などによって野生動物の数が減り、危険遺産リストにも登録されている世界遺産です。
2. カフジ=ビエガ国立公園
1980年にコンゴの世界遺産に登録されたカフジ=ビエガ国立公園は、ルワンダとの国境にある湖の西岸に広がる国立公園です。国立公園の名前のとおり、標高3308メートルのカフジ山と標高2790メートルのビエガ山の森林地帯が含まれています。
コンゴを中心とする一帯の高地にしか生息していない固有種、グラウアーゴリラが生息しているカフジ=ビエガ公園には、グラウアーゴリラの他にもアフリカスイギュウやアフリカゾウなどの哺乳類、コンゴゴシキタイヨウチョウやアフリカミドリヒロハシなどの鳥類など、たくさんの野生動物が生息している世界遺産です。森林地帯や竹林はゴリラの生息域となっていて、さらに動物だけではなく泥炭湿原やサバンナなどの様々な植生も見どころのひとつですよ。
名称:カフジ=ビエガ国立公園
住所:Kahuzi-Biega National Park, Congo
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/137
3. サロンガ国立公園
36,000平方キロメートルでアフリカ第2位の面積を持つサロンガ国立公園は、1984年にコンゴの世界自然遺産に登録されました。熱帯原生林としては最も大きく、公園内にはコンゴ川、ロメラ川、サロンガ川の3つの川が流れています。世界遺産サロンガ国立公園へのアクセスは水路しかなく、まさに生き物の楽園と言えますね。
サロンガ国立公園最大の特徴は、約2万頭ものヒト科チンパンジー属に分類される霊長類ボノボがしていることでしょう。ボノボはコンゴ民主共和国の固有種で、争いごとを好まない特殊な生態をしています。ボノボの他にも、脚の縞模様の美しさから森の貴婦人とも呼ばれているキリン科のオカピ、センザンコウ科に属する哺乳類のセンザンコウ、アフリカゾウより小柄なマルミミゾウなど、珍しい野生動物がたくさん生息しているんですよ。世界遺産として保護されていますが、悲しいことに森林伐採や密猟などが絶えず、危機遺産にもリストアップされています。
名称:サロンガ国立公園
住所:Salonga National Park, Congo
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/280
4. オカピ野生生物保護区
1996年にコンゴの世界自然遺産に登録されたオカピ野生生物保護区は、スーダンやウガンダとの国境に近い場所に位置するイトゥリの森にあります。広大な面積をもつ保護区内には、世界三大珍獣の一つにもなっている美しい動物オカピが多数生息しています。その他にも哺乳類52種、鳥類376種など、たくさんの野生動物が生息する場所です。
絶滅危惧種のケナガチンパンジーやコンゴモリシャコ、マルミミゾウなどの珍しい動物もいる世界遺産。コンゴの大自然が広がっている美しい野生生物保護区ですが、地域紛争の影響で環境が悪化したことや違法な金鉱発掘、いまだ続けられる焼き畑農業などで危機遺産に登録されています。
名称:オカピ野生生物保護区
住所:N4, Congo
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/718
5. ガランバ国立公園
スーダンとの国境近くにあるガランバ国立公園は、1938年に創設され1980年に世界自然遺産に登録されました。ガランバ国立公園には、絶滅寸前のキタシロサイが生息していた貴重な保護区なんですよ。キタシロサイの他にもアフリカスイギュウ、コーブ、アフリカゴールデンキャット、サバンナモンキーなど様々な種類の動物たちが生息しています。
1963年には約1300頭もいたキタシロサイですが、密猟などにより1984年には15頭にまで減少してしまいました。一時は生息数が回復傾向にあったものの、2006年以降には全く目撃されなくなってしまいます。そのため世界遺産から除外される可能性も高くなり、さらに危機遺産としてもリストアップされていますが、多様な動植物の大事な生息地には変わらない世界遺産です。
名称:ガランバ国立公園
住所:Democratic Republic of the Congo
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/136
◎まとめ
コンゴ民主共和国の世界遺産を全てご紹介しました。大自然に恵まれているコンゴでは、日本では見ることのできない野生生物が多数生息しており、コンゴの世界遺産では普段見る機会のない珍しい動物を見ることができますよ。しかし、長引く内戦や紛争などにより世界遺産の管理が行き届かなくなり、密猟や森林伐採が横行する悲しい事態になっています。そのため全ての世界遺産は危機遺産としても登録されています。さらに国境沿いの北部や南部は外務省がレベル4の退避勧告を発令しており、その地域以外でもレベル2の不要不急の渡航は控えるようにとの勧告が出ています。コンゴ民主共和国での治安回復が待ち遠しいばかりですね。