オランダを守るための要塞群!世界遺産「アムステルダムの防塞線」

画像出典:Defence Line Amsterdam (CC BY 2.0)

オランダを守るための要塞群!世界遺産「アムステルダムの防塞線」

「アムステルダムの防塞線」は、その名の通りオランダの首都アムステルダムを防衛する目的で築かれたもの。アムステルダム中心部から10~15kmほどのところに、要塞群と堤防が建設されました。

現在は機能を失っていますが、観光名所として整備されている個所も少なくありません。アムステルダムのディフェンス・ラインは、1996年に世界文化遺産として登録されました。

目次

オランダを守るための要塞群!世界遺産「アムステルダムの防塞線」

アムステルダムの防塞線とは?

アムステルダムの防塞線は、1874年に計画され、1914年に完成しました。アムステルダム市街をぐるりと囲む全長およそ135kmもの要塞群および堤防で、有事には防塞線の外側が冠水するようになっていました。

完成に多大な労力と歳月を要したものの、完成するころには航空機が実戦投入されていたため、すでに時代遅れのものとなってしまっていました。それでも1960年代までは使用可能な状態に手入れされていましたが、一度も実戦で活躍することはなく、現在に至っています。

アムステルダムの防塞線へのアクセス

オランダのスキポール空港はアムステルダム市内から15キロメートルの場所に位置しています。空港からアムステルダムへは連絡バスまたは鉄道を利用します。

空港からもっとも近い要塞は、空港駅からアムステルダム方面と反対側にひと駅のホーフトドルプ駅で下りて、歩いて10分ほどのホーフトドルプ要塞です。ここは、内部には入れませんが、周囲を見て回ることはできます。

ほかにも、いくつかの要塞はハイキングコースやサイクリングコースなどとして整備されています。以下、代表的なものをピックアップしてご紹介します。

アムステルダムの防塞線おすすめポイント①:パンパス要塞

出典: Caseman (CC BY-SA 3.0)

パンパス要塞は、アムステルダムの防塞線のなかで唯一海上に築かれた人工島の要塞です。1895年に完成しましたが、1度も実戦を経験することなく、1932年にアイセル湖が締め切られるとそのまま役割を失いました。

現在は、アムステルダム郊外のアイブルフ港から連絡船が出ています。また、さらに南東の町マイデンからの遊覧船に乗ると、コースの一環としてこのパンパス要塞に立ち寄ります。

要塞では、当時の部屋や装備されていた機関砲や目にすることができます。カフェレストランも併設されているので、オランダの水の上でのんびり過ごしてみるのもいいですね。

アムステルダムの防塞線おすすめポイント②:防塞線サイクリング

スキポール空港の南のアールスメール要塞から、空港北西のフェイフハイゼン要塞までは、堤防がサイクリングロードとして整備されています。水路に挟まれた緑の道をまっすぐ自転車で走り抜けるのは快感ですよ!

起点は、空港のすぐ隣のホーフトドルプ駅。ここから南に向かえば3kmほどでアールスメール要塞に着き、反対側へ行けばホーフトドルプ要塞を経てフェイフハイゼン要塞に至ります。フェイフハイゼン要塞はおしゃれな要塞レストラン(Fort Restaurant)として生まれ変わっているので、ここで食事や休憩をとるのがおすすめです。

◎まとめ

アムステルダムをぐるりと囲む世界遺産「アムステルダムの防塞線」をご紹介しました。42の要塞の多くが今も残っていますが、もともと市街の外側で敵を食い止める施設だったため、アクセスがあまり良くないというのが実情です。

公共交通機関を利用して見学できるうえに観光地として整備されているものとなると、おそらくほとんど上述の2コースに限られてしまうでしょう。それゆれに、アムステルダムほどの有名観光地においてもかなり穴場のスポットですよ。

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