ボリビア多民族国の世界遺産7つをご紹介!中央アンデスを望む南米の内陸国

ボリビア多民族国の世界遺産7つをご紹介!中央アンデスを望む南米の内陸国

南米中部に位置する内陸国のボリビア多民族国(通称:ボリビア)。ブラジルやアルゼンチン、ペルー、チリ、パラグアイに囲まれ、周辺国に比べてやや目立たない感がありますが、日本の3倍以上の面積をもつ広大な国です。また、事実上の首都であるラパスは、世界で最も高い標高約3,640mにある首都として知られています。

人口の60%が純粋な先住アメリカ系の祖先とされていますが、さまざまなルーツをもつ多民族の国家とされ、日系人も7000人ほどいるといわれています。そうした文化的・歴史的な背景から、ボリビアでは7つの世界遺産(文化遺産6・自然遺産1)が登録されています。ではさっそく、ボリビアの世界遺産7つを順にご紹介しましょう。

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ボリビア多民族国の世界遺産7つをご紹介!中央アンデスを望む南米の内陸国

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1. サマイパタの砦

サマイパタの砦(ボリビア多民族国の世界遺産)

ボリビア第二の都市サンタ・クルスの南西山中にあるサマイパタの遺跡地域は、1998年にユネスコの世界遺産に登録されました。名称に「砦」とありますが、実際には戦いのための施設ではなく、サマイパタに住む先住民族の宗教上の祭祀遺跡と考えられています。

サマイパタの遺跡は大きく分けて宗教・政治的な儀式の中心とみられている彫刻の多い丘と、丘の南にある行政・住宅地区跡の2つエリアからなっています。具体的にどの民族がつくったものなのかは特定されていませんが、岩に刻まれた紋様がとても印象的で、さまざまな想像を掻き立てさせる世界遺産です。

サマイパタの村から10kmほど離れた丘の上にあり、村からバスが頻繁に運行されています。観光客が岩の上を歩くことによる損傷が問題となっているので、できるだけ貴重な遺跡を踏み荒らさないように見学しましょう。

2. チキトスのイエズス会伝道所群

チキトスのイエズス会伝道所群(ボリビア他民族国の世界遺産)

17世紀末から18世紀中ごろにかけて、フランシスコ・ザビエルが創設したイエズス会は、ボリビアのサンタ・クルス県内を中心に多くのキリスト教伝道所を建設しました。そのうち、サンタ・クルス東方のチキトス地方に残る6つの主要な修道院(サン・ハビエル、コンセプシオン、サンタ・アナ、サン・ミゲル、サン・ラファエル、サン・ホゼ)が、1990年に世界遺産に登録されました。

それぞれの伝道所は、ネイティブとヨーロッパの建築要素を組み合わせるユニークな方法で建てられました。バロックを基調としながら、現地の伝統建築らしく木造で建てられている伝道所は、しばしば"混血の建築様式"と表現されます。

サンタ・クルスから各伝道所へのルートは、多くが観光用に舗装されていますが、一部未舗装のところもあるので、訪ねる建物を選んで行くと良いでしょう。

3. ティワナク:ティワナク文化の宗教的・政治的中心地

ティワナク: ティワナク文化の 宗教的・政治的中心地(ボリビア他民族国の世界遺産)

首都ラパスからもほど近いチチカカ湖畔の町ティワナクにある遺跡は、インカ帝国成立以前のアンデス文明の諸文化の1つとみられています。ボリビアのほかペルーやチリ、アルゼンチンに痕跡を残すプキナの古代国の首都であったと考えられていて、1~10世紀ごろにかけて栄えていました。

当初はチチカカ湖の港湾施設から始まり、インカ文化を代表する都市にまで発展したと推定されています。この文明の文化的および政治的意義が他に先行するものと評価され、数あるアンデスの遺跡のなかでティワナクが世界遺産に登録されました。

十字形ピラミッド構造のアカパナをはじめ、カラササヤ、半地下式方形広場、月の門など複数の遺跡がボリビア政府によって保護されています。ただ近年は風化が激しく、一部が復元されているものの、表出している遺跡の大部分が破壊されてしまっています。出土品はティワナクの博物館に移送されているので、ぜひ併せて観光してください。

4. 古都スクレ

古都スクレ(ボリビア他民族国の世界遺産)

南米を征服したスペイン人によって16世紀に建設された「ラプラタ」は、ボリビア最初の首都。1825年にボリビアが独立した際にその調印がここで行なわれ、後に初代大統領であるアントニオ・ホセ・デ・スクレにちなんで都市名が「スクレ」と改称されました。現在も憲法上の首都は「スクレ」ですが、ボリビアの事実上の首都は、行政・立法府が置かれたラパスになっています。

植民市時代の美しいコロニアル様式の街並みが残り、白壁に赤屋根の建物が多いことから「白の街」とも呼ばれる古都スクレ。1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。教会や修道院だけでなく、市内の町屋の多くが白で統一されているため、散策しているだけで楽しめる世界遺産の街です。

5. ポトシ市街

ポトシ市街(ボリビア他民族国の世界遺産)

スクレの南西に位置するポトシは、都市としては最も高い標高約4000mの高山地帯にあります。なぜこんなに高い場所に街が形成されたのかというと、かつてここには中南米三大銀山の1つがあったからです。採掘には多くのインディオやアフリカ人の奴隷が強制的に従事し、産出した金や銀はヨーロッパへと運ばれました。

今ではほとんど希少資源は枯渇しましたが、世界遺産に登録されたことから近年は観光の街として整備されています。市内のホテルなどで銀山ツアーに申し込めるほか、旧貨幣製造所が博物館になっています。歴史的な鉱山に加えて、バロック様式で装飾された聖ローレンツォ大聖堂などの街並みも、観光スポットとしておすすめ。

富士山頂よりも高いところにあるので、観光で訪れる際には高山病にご注意くださいね。

6. カパック・ニャン アンデスの道

世界遺産「カパック・ニャン アンデスの道」

太平洋沿岸からアマゾンの盆地までを結ぶ美しいアンデスの道「カパック・ニャン」は、古代インカ帝国によって整備された道路網です。ボリビアだけでなく6か国(ぺルー、エクアドル、コロンビア、ボリビア、チリ、アルゼンチン)にまたがり、その長さは3万kmを超える神秘的な道。まさに南米のシルクロードといえます。

インカの通信、貿易、防衛など広範なネットワークの動脈として、数世紀をかけて建設されました。6か国を横断するカパック・ニャンは、実に273件もの構成資産から成り立っています。

アンデス周辺各国の歴史と誇りがずっしりと詰まった一大世界遺産「カパック・ニャン アンデスの道」。ボリビア国内では、ティワナク郊外からチチカカ湖畔にかけてその痕跡が見られますよ。

7. ノエル・ケンプ・メルカード国立公園

ノエル・ケンプ・メルカード国立公園(ボリビア他民族国の世界遺産)

ボリビア北東部、ブラジルとの国境付近に広がるノエル・ケンプ・メルカード国立公園は、南米大陸のへそといえる位置にあります。東西南北四周それぞれに特徴があり、独特の豊かな生物相が育まれている貴重な自然保護区です。約4,000種の植物、600種以上の鳥類、世界中で絶滅のおそれのある脊椎動物などが多数生息しています。

もともとはウアンチャーカ国立公園として設立されましたが、後のこの公園での調査に尽力したノエル・ケンプ・メルカード博士を讃えて、「ノエル・ケンプ・メルカード国立公園」という現在の名称になりました。深く複雑に入り組んだ渓谷が美しく、落差80mのアルコ・イリスの滝をはじめ、水と山の織り成す自然のアートが楽しめます。

◎ボリビア他民族国の世界遺産まとめ

チキトスのイエズス会伝道所群(ボリビア他民族国の世界遺産)

ボリビアといえばウニユ塩湖が有名ですが、実は世界遺産には登録されていません。ですが、ボリビアには多くの歴史的に価値の高い遺跡や建物、美しく雄大な自然など、世界遺産にふさわしいスポットがいろいろあります。せひウユニ塩湖観光と併せて、ボリビアの世界遺産をめぐる旅を楽しんでください。

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