東西文化が融合する中央アジア・カザフスタンの5つの世界遺産!

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東西文化が融合する中央アジア・カザフスタンの5つの世界遺産!

中央アジア北部にあるカザフスタンは古くから遊牧民族が行き交い、東西の文化が融合しました。世界第9位という広大な国土面積を誇り、中央アジア屈指の近代都市を有しながら、歴史的な見どころも多いのが魅力です。中央アジアのイスラム教徒にとっての聖地や歴史とロマン溢れるシルクロードなど、登録されている世界遺産は文化遺産3ヵ所、自然遺産2ヵ所の計5ヵ所。今回はカザフスタンの世界遺産について紹介します。

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東西文化が融合する中央アジア・カザフスタンの5つの世界遺産!

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1.ホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟

カザフスタン南部のテュルキスタン市にある「ホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟」は、イスラム建築の霊廟です。ホージャ・アフマド・ヤサヴィーとは、この地にイスラム教を布教したイスラム神秘主義・ヤサヴィー教団の教祖。1397年から1405年に建てられたこの壮大な廟は、ティムール帝国時代の建物の中で最大級であり保存状態が良いことから、カザフスタン初の世界遺産として2003年に登録されました。

ホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟はカザフスタンの定番観光スポット。青空に映える鮮やかなターコイズブルーのドームは、見る人を惹きつけて放しません。幾何学模様の青いタイルで彩られた壁も必見です。廟内部は白でまとめられ華麗で美しく、展示品も見ごたえがあります。中央アジアにあるイスラム教徒の聖地のひとつと言われている、ホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟。見逃せないカザフスタンの世界遺産です。

2.シルクロード:長安ー天山回廊の交易路網

東西の国を結び、交易だけではなく文化や宗教を広め、歴史的に重要な役割を果たしたシルクロードは大きく3つのルートに分かれています。その中の長安(現在の西安)から天山回廊を通るルートとシルクロードに関連した遺跡が、2014年に世界遺産登録されました。その総延長は中国、キルギス、カザフスタンをまたがる約8700km。登録された遺跡は33ヵ所で、3ヵ国共有の世界遺産となっています。

遺跡はアルマトイ州のカヤリク・タルガル・カラメルゲン、ジャンブール州のアクトベクラン・オルネク・アクルタス・コストベの全8ヵ所が世界遺産に登録されています。登録された地域は東西貿易の要衝であったり、防衛施設がありました。シルクロードファンや世界史好きの方にはたまらない、必見のスポットです。

3.タムガリの考古的景観にある岩絵群

カザフスタンの最大都市アルマトイ。そこから北西に約180km離れたところにあるタムガリ渓谷一帯には、紀元前14世紀以降に描かれた岩絵彫刻が残っています。なんとその数は約5000点。周辺には住居跡などの遺跡群も見つかって、2004年にはカ世界文化遺産として登録されました。

タムガリの岩絵は洞窟の中ではなく、広い平原の屋外にある岩面に描かれています。タムガリ渓谷一帯は様々な民族が行き交った場所。描かれた岩絵は動物や人物、人々の暮らしぶりなど多様で、その芸術性の高さが評価されています。岩絵の中で最高傑作と言われているのが、太陽神とそれを取り囲む人間と動物が描かれているもの。古代の人々の描写力に圧倒されます。アルマトイから日帰り観光も可能な世界遺産です。

4.サリャルカ - 北カザフスタンのステップと湖群

出典: commons.wikimedia.org

国土の大部分が広大な平原の中、湖沼と湿地帯が広がっているサリャルカ。「黄色い山脈」を意味するサリャルカは、カザフスタン北部にあります。一帯はナウルズム国立自然保護区とコガルジュン国立自然保護区になっていて、多くの動植物が生息する楽園です。カザフスタン初の自然遺産として、2008年に世界自然遺産として登録されました。

湿地帯は渡り鳥の重要な中継地。1500万羽以上もの鳥たちが集い、餌を食べ、アフリカやヨーロッパ、シベリアや南アジアなどへ飛び立っていきます。開発されることなく手つかずの自然が残っているこの一帯は、野生の動植物や絶滅危惧種の鳥類、動物が生息する貴重な場所。絶滅の危機に瀕しているサイガにとっての大切な避難場所でもある重要な世界遺産です。

5.西天山

出典: commons.wikimedia.org

西天山はカザフスタンで最も新しい、2016年に登録された世界遺産です。カザフスタン南部にある西天山は、世界最大の山脈である天山山脈の西側部分。国境をまたいで拡がっているためカザフスタンのみならず、キルギス、ウズベキスタンの3ヵ国共有の世界遺産となっています。

広大な西天山には7つの国立自然保護区や国立公園があり、アクス・ジャバグリ国家自然保護区、カラタウ国家自然保護区、サイラム・ウガム国立公園の3つはカザフスタンにあります。特にアクス・ジャバグリ国家自然保護区は観光するのにアクセスが良く、チューリップの原種の宝庫として有名。咲き誇る自然のチューリップの美しさは見逃せません。咲き乱れる花々を楽しめる春に訪れるのがおすすめです。

◎まとめ

中央アジアのカザフスタンは日本ではまだまだ馴染みがない国ですが、折しも2017年には首都アスタナで万国博覧会が開催されました。今後も世界の注目がカザフスタンに集まること間違いないでしょう。カザフスタンの歴史を感じ、自然を満喫できる世界遺産へもぜひ足を運んでみてくださいね。

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