作家・有吉佐和子の故郷、紀の川へ。独特の空気間に触れる紀の川観光7選

画像出典:柳井研一郎 / PIXTA(ピクスタ)

作家・有吉佐和子の故郷、紀の川へ。独特の空気間に触れる紀の川観光7選

「紀の川」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが有吉佐和子の小説です。彼女の出身地を舞台とした小説「紀の川」をはじめとする紀州ものを読むと、いつも感じるのはその独特の風土。関西でも中部地方でも四国でもない。和歌山の自然に育まれたその空気間は、旅の情緒を盛り上げてくれること間違い無しです。

紀の川市にはイチゴ狩りや猫のたま駅長で有名になった貴志駅もあり、家族連れで訪れても楽しく観光できる場所。古い寺社や景色のキレイな場所もあり、様々な観光プランが可能です。近くには熊野古道や伊勢神宮など有名観光スポットもありますが、もう一歩脚を伸ばして紀の川観光はいかがですか?行きなれた観光地とは一味違ったディープな魅力にはまってしまうかも。

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作家・有吉佐和子の故郷、紀の川へ。独特の空気間に触れる紀の川観光7選

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1.猫好きの聖地?!猫駅長のいる駅「貴志駅(たまミュージアム)」

猫好きさんなら知らない人はいない、あのたま駅長の駅です。貴志駅は和歌山電鐵貴志川線の終着駅。和歌山から片道30分のローカル電車の旅です。さあ、カワイイたま電車に乗って紀の川観光に出かけましょう。電車の中ではたま文庫でたまの歴史に触れましょう。電車内の装飾も見逃さないで!

初代たま駅長は2015年に残念ながら虹の橋を渡ってお空へ。この時は和歌山電鐵の社葬で3000人が参列。廃線寸前の貴志川線を救ったスーパー駅長は今や名誉永久駅長となり、現在は二代目駅長「にたま」が貴志駅を守っています。

そんなたまの歴史やにたまの雄姿を見たい方はぜひ貴志駅こと「たまミュージアム」へ。リニューアルした駅舎には「たまカフェ」もあり、肉球のカフェモカやたまコラボのお菓子やケーキがいっぱい!壁もたま、椅子もたま、ドリンクカップもたまとたま満載。ぜひカメラのバッテリーを増量してお出かけください。

貴志川線はもともと西国三社参りのための路線です。お参りと猫を楽しむ観光は、ここ紀の川ならではですよ。

2.不思議な伝説と庭園が魅力のお寺「粉河寺」

出典: masa / PIXTA(ピクスタ)

粉河寺(こかわでら)の開創は770年、奈良時代末期からこの紀の川の地にある歴史あるお寺。その昔この地には白い米のとぎ汁のような水が流れる川があったのだとか。河内国の長者の娘が病に苦しんだ時、紀伊国那賀郡粉川から来たという童行者が救ってくれました。お礼に宝を差し出すも行者は受け取らず、さげさやと袴のみを受け取り立ち去ります。翌春、粉川を訪れた長者一家は白い水が流れる川のほとりの庵で行者にお礼として渡したさげさやと袴を持った千手観音を発見。この千手観音が粉河寺のご本尊です。

西国三十三カ所巡りの第三番札所として慕われるこのお寺、境内の見事な枯山水庭園も観光スポットとして人気です。石組みの庭園があり、石組みの中にはソテツなどの木が植えられていて珍しい風情。周囲の美しく丸いフォルムに刈り込まれた木と石組みとのコラボが見事です。桜の名所としても知られ、桜の時期には境内の桜の古木が満開に。どの季節でも大満足な観光が楽しめるお寺です。

3. 奇祭で有名。大国主命をお祭りする神社「大国主神社 」

大国主命と言えばかの有名な出雲大社にお祭りされている神様。その昔大国主命が紀の川の地を訪れた事があると言われており、貴志駅から歩いて10分程の場所にも大国主命をお祭りする神社があります。

この神社のすぐ近くには国主淵という貴志川で最も深い場所があり、かつて紀の川一帯が大干ばつに襲われた際、川も干上がりこの淵にだけ水があったため、普段は淵に住むという龍を恐れて近づかない村人たちがこの淵の水を汲んで日照りをしのいだという言い伝えがあります。

この淵に住む龍は人をさらうと言われ、生贄伝説もある場所。そこでその龍を鎮めるため、大国主神社では約10年に一度「大飯盛物(おいもりもの)奉納神事」が行われています。6000個もの餅を奉納する奇祭で、この餅の一部は「沈め餅」として龍神に捧げ、残りは見物人や観光客に配られます。珍しいものなので縁起物としてとっても人気なんですよ。祭りの時に観光に来られたら最高ですね。

4. 紀伊随一の夜景観光スポット「最初ヶ峰展望所 」

観光に行ったらやっぱり景色を楽しみたいものですよね。紀の川周辺は山あり、川ありのとても風光明媚な所ですが、その景色を楽しめる場所が少な目。そんな場所にあって、観光にぴったりなのがこの最初ヶ峰展望所です。

日中は紀の川・和歌山市内・熊野方面など広々と見晴らしがよく、夜になれば夜景の名所。土地柄、大都会のような光の絨毯というイメージではなく静かに瞬く光を楽しむ場所、という感じ。大地に寄り添うように暮らす人々の営みが感じられる、大人向けの夜景観光スポットです。

このあたりは南北朝時代の古戦場跡なのだとか。遠い昔、ここが戦場だったころにはこんな夜景などなく夜には真っ暗闇だったのでしょう。その代わり星が降るような空を見られたかもしれませんね。ここ紀の川はそんな昔をちょっと身近に感じられる場所なのかもしれません。公園内ですがかなり足元が暗くなるので、懐中電灯装備で楽しんで下さいね。

5.バードウオッチングを楽しめる公園「平池緑地公園 」

和歌山電鐵貴志川線の甘露寺前駅から歩いてすぐ。ここは「野鳥の楽園」と呼ばれる自然豊かな池ですが、実は人造池なんです。それでも環境をしっかり整え、水鳥が住み渡り鳥が飛来する池にまでなりました。バードウオッチングができる場所が駅から徒歩数分なんて夢のような環境ですね。

公園内にはこの地にもともとあった古墳が3つ点在。池の中にも古墳があって、ちょっと他では見られない造形美です。この古墳を朝日・夕日が照らす姿がとても美しいため「和歌山の朝日・夕日百選」にも選ばれています。

更に夏は大賀ハスが咲き乱れるハスの名所。古墳や噴水がある池をハスが埋め尽くします。大賀ハスといえば2000年前の地層から発見された種子を育て開花させた古代蓮。古墳とともに古代ロマンを感じさせてくれます。更にさらに冬にはなんとライトアップも行っているんです!けっこう欲張りさんの平池緑地公園、紀の川観光に行ったら季節を問わずカメラを持って立ち寄りましょう。

6. 医聖・華岡青洲を知ろう「道の駅 青洲の里」

「青州」でピンと来なくても、フルネーム「華岡青洲」ならお分かりですよね。紀の川は医聖と呼ばれた華岡青洲の故郷。手術で麻酔を使う習慣がなかった頃、苦しむ人々を救う為に自分の母や妻に実験台になってもらって研究を行い、ついに全身麻酔による乳がん手術を成功させた人物です。なんとアメリカでの成功例より40年以上も前の事だったそう。有吉佐和子の小説「華岡青洲の妻」で有名になりました。

この青州の功績を楽しみながら知る事ができる施設が「青州の里」。道の駅ですが、青州の自宅兼診療所「春林軒」や故・黒川紀章氏デザインのフラワーヒルミュージアム(青州が麻酔に使ったマンダラゲの花がモチーフ)などがあります。

もちろんショッピングや食事も可能。青州がテーマとあって健康増進のためのお料理がたくさんですが、「良薬は・・・」の例えに反して味も美味しいと評判です。紀の川観光のついでに、ちょっとアカデミックに楽しんでみては?

7. 果物好きならここ。イチゴもみかんもあります「紀の川フルーツファーム」

和歌山・紀の川といえばみかんのイメージ。でも実はイチゴの産地でもあるんです。たま駅長で有名な貴志川線にも、たま電車より先にイチゴ電車がありましたよね。それほどイチゴが美味しい場所で、イチゴ狩りもさかん。特に「まりひめ」という品種は和歌山特産なんです。さちのかとあきひめから生まれた新品種で、コクのある甘味と豊かな香りが特徴。このまりひめが食べ放題という嬉しいイチゴ狩りができるのが、紀の川フルーツファームです。

こちらではイチゴ狩りは12月から始まり、なんと元旦も営業しています(しかも普段より料金がお得)!初詣が終わったら初イチゴ、なんてここ紀の川でしかできません。こんな観光も超レアで面白いかも。もちろん元旦以外もイチゴ狩りが楽しめるほか、桃・梨・柿・みかん・みかん以外の柑橘類と様々な食べ放題アリ。季節を変えて何度もリピートしたくなる、魅力いっぱいの観光農園です。

◎まとめ

紀の川の観光名所をご紹介しました。それほど広くはないエリアですが、かわいいたま電車に乗って観光旅行に行ってみたら、歴史に触れたり自然を楽しんだり、美味しいものと出会えたりとたくさんの「紀の川ならでは」が見つかりそう。

ついでにお土産も買えちゃうところが多いので、買い物を気にせずゆっくり観光を楽しめますね。熊野や伊勢にも近いので、土地や神社などの名前が古めかしいのも観光気分を盛り上げてくれそう。いにしえに思いをはせつつ、紀の川に流れるゆったりとした時間に身を任せるような観光旅行へぜひどうぞ。

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