旧満州国の首都新京 長春の歴史を感じる観光スポット6選

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旧満州国の首都新京 長春の歴史を感じる観光スポット6選

長春市は、中国の東北中心部にある吉林省に位置します。1932年3月から1945年8月終戦までの14年間、長春は「新京」と呼ばれる満州国の首都でした。今から約80年前に、満州の大平原に大規模な都市計画に基づいて建設された都市です。

そのため長春には日本の占領時代を象徴する多くの建物が残されています。満州国の中枢機関が置かれていた建物や、南満州鉄道会社が経営していた旧大和ホテル(現在の春誼賓館)など、見どころがたくさんあります。それでは、見どころたくさんの長春の観光スポットを紹介します。

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旧満州国の首都新京 長春の歴史を感じる観光スポット6選

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1.偽満皇宮博物院

出典: D Johnston/flickr (CC BY-SA 2.0)

偽満皇宮博物院は、満州時代に満州国皇帝・愛新覚羅溥儀が住んでいた宮殿や執政していた宮廷府を観光用に一般公開している施設。現在では長春の人気観光スポットとなっています。ここは映画『ラストエンペラー』のロケにも使われて、舞台となったホールや、溥儀の乗っていた車、泳いでいたプール、防空壕など様々な施設が公開されています。

王室や将軍の服、調度品やカーペット、シャンデリアなども高級感があふれていて、煌びやかな王室の生活を垣間見ることができます。また広い庭園もあり、花が咲く季節には素敵な撮影スポットとなり、長春を訪れる観光客に人気を呼んでいます。長春ではぜひ訪れてほしい観光スポットの一つです。

2.旧満州国軍事部跡

旧満州国軍事部は、長春文化広場の南側、旧満州国国務院の向かいに位置してる観光スポット。長春の満州国軍事部は1935年に竣工され、旧満州国の軍務を掌った機関でした。現在は、吉林大学医科大学第一臨床学院として使われています。近代建築の上に日本的な屋根を乗せた重々しい外観となっていて、満州国時代、軍事部は満州国の中枢機関の中でも最重要の任務を担っていたと考えられています。

現在は病院として使われていますが、観光客も内部を見学することもできます。内部も重厚感のある造りとなっていて、重い歴史を感じさせる長春の観光スポットです。

3.関東軍司令部旧址

関東軍司令部は1919年に竣工され、現在は中国共産党吉林省委員会の建物となっています。旧関東軍の司令部は、日露戦争以前は旅順に置かれていましたが、満州国が建国された後、1934年に新京、今の長春に移転されました。当時、満州の実権を握っていたのは、満州国国務院でも皇帝溥儀でもなく、この関東軍司令部でした。

関東軍司令部旧址は日本の城の天守閣を思わせる建物で、存在感のある建物です。観光スポットとしては、中国共産党吉林省委員会の施設なので、立ち入ることはできません。しかし、外観からだけでも、当時の面影を残す建物を見ることができますよ!

4.新民大街

長春の新民大街の文化広場から新民広場に向かう一帯は、かつての満州国の官庁街だったところ。長春が新京だった当時の街並みが残されていて、観光スポットになっています。新民大街の南北に、満州国軍事部、司法部、経済部、交通部、満州中央銀行総行、国務院などが点在しています。新民大街は1.5kmほどなので、ゆっくりと歩きながら観光するのがおすすめ。現在、これらの建物は白求恩医科大学や、白求恩医科大学の病院、研究施設などに使われています。

長春の新民大街の南、新民広場に近い自由大街にも、政府機関だった建物が残っています。また、新民広場から西に1kmほど行くと、かつての満映こと満州映画協会を受け継いだ長影旧址博物館があります。満州国時代の長春を味わうなら、ぜひ観光に訪れてみてください。

5.長春文化広場

長春文化広場は、かつての新京(長春)の中心にある、総面積約20haの面積を誇る広場です。ここは観光スポットであるとともに、多くの市民の憩いの場所となっています。広場の西には長春科技大学があり、南側には新民大街の大通りが伸びていて、長春は大規模な計画に基づいて作られた都市だったことが分かります。

長春文化広場の北側にあるのは、吉林大学の地質宮博物館。もとは満州州国皇帝溥儀の新宮殿として建てられたものですが、太平洋戦争の勃発で地下のみ完成した段階で工事が中断。戦後の1950年代に地質宮殿として完成しました。長春文化広場から延びる新民大街には、満州国の官庁街で観光スポットとなっています。ぜひ観光に訪れみてください。

6.万宝山事件跡

長春の歴史探訪で忘れてはならない観光スポットが万宝山事件跡。万宝山事件は長春の北にある万宝山で1931年に起こった事件。吉林省の移住地を追われた朝鮮半島からの農民が、用水路の開設工事をめぐって地元の中国人農民と 衝突した事件です。

死者が1人も出なかったにもかかわらず、旧関東軍は朝鮮人記者を使って800人の移住朝鮮人が中国人農民によって殺されたという記事を捏造。それをきっかけに、朝鮮半島で中国人に対する報復運動が起こり、在朝鮮中国人が100人以上殺されるという大惨事になりました。長春からやや離れた場所にありますが、現在ここには長春の観光スポットとして万宝山事件の碑が建てられています。

◎まとめ

長春は中国東北部にあり、冬の寒さは厳しいですが、夏は過ごしやすいことで知られています。また、かつて南満州鉄道会社が経営していた旧大和ホテルは現在、春誼賓館としてリーズナブルな料金で泊まれるのでおすすめです。

長春の観光スポットは、満州国皇帝の宮殿など長春が満州国の首都「新京」と呼ばれた時代に建てられたものがメインです。日本や中国の歴史を感じさせるものとなっています。中国を訪れた際には、ぜひ長春も訪れてみてください。

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