中世の城や歴史的な街並みが魅力のスロバキア!世界遺産7か所をご紹介

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中世の城や歴史的な街並みが魅力のスロバキア!世界遺産7か所をご紹介

中欧のスロバキア共和国は、オーストリアやチェコ、ハンガリー、ポーランド、ウクライナと多くの国に囲まれています。山岳地帯が多いスロバキアには、手つかずの自然が作り出す2つの自然遺産と、中世の歴史的建造物が数多く残る街並みなど5つの文化遺産の計7つが世界遺産に登録されています。

スロバキアは多くの国と隣接していることから、7つの内の2つは他国と共有の世界遺産です。スピシュスキー城やカルスト洞窟など、観光地としても人気の高いスロバキアの世界遺産を一挙にご紹介します。

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中世の城や歴史的な街並みが魅力のスロバキア!世界遺産7か所をご紹介

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1: レヴォチャ歴史地区、スピシュスキー城及びその関連する文化財

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スロバキア東部のプレショフ郊外にある「スピシュスキー城と周辺の歴史的建造物」は、1993年に世界遺産に登録されました。雄大な裾野をもつ岩山の上に築かれたスピシュスキー城は、中部ヨーロッパでもっとも規模の大きな中世の城の1つといわれています。ジブリ映画『天空の城ラピュタ』のモデルともいわれているんですよ。モンゴルなどの侵攻に備えて12世紀に建てられ、その後も重要な防衛拠点として増改築が重ねられましたが、1780年の火災で焼失し廃墟となりました。

2009年には、城の麓にある「レヴォチャの歴史地区」も追加登録されました。歴史地区や城下町には、聖ヤコブ聖堂やスピシュスカ・カピトゥラ大聖堂など100軒以上もの歴史的建造物が残っています。スロバキアの中世の街の様子がよく分かる世界遺産として、観光客からも人気の高いスポットです。

2: アデレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群

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スロバキア第二の都市コシツェの南東に位置するスロヴェンスキー・クラスと呼ばれる丘陵地帯には、世界遺産に登録されているカルスト地形が広がっています。広大なカルストは隣国のハンガリーにもまたがっているため、両国で保有する世界遺産となっています。

この地域には、発見されているだけでも700を超える洞窟群があり、一部の洞窟は地下で国境をまたいでいます。なかでも、ハンガリーではバラドラ洞窟、スロバキアではドミツァ洞窟と呼ばれる全長25キロメートルの鍾乳洞は、ヨーロッパで一番美しい洞窟とも言われているんですよ。長い時間をかけて創り出された鍾乳洞の美しさは、まさに自然の芸術品です。

3: ヴルコリニェツ

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スロバキア中央部に位置するヴェリカー・ファトラ山脈の中腹にある小さな村「ヴルコリニェツ」。スロバキア語で狼を意味するヴルコリニェツは、昔から狼を狩る猟師の村として知られていました。18世紀に建てられたスラブ民族の木造家屋が45軒保存されていて、1993年に世界遺産に登録されました。

ヴルコリニェツの見どころでもある鐘楼や聖母教会、井戸なども、伝統的な工法で作られた木造建築。周囲の山の自然とマッチして、素朴でのどかな風景を作り出しています。古くからの村独自の伝統が維持されていることも評価の重要なポイントで、ヴルコリニェツには今も代々の住人が暮らしています。世界遺産に登録されているなかで実際に人々が生活している村落は、スロバキアのヴルコリニェツを含めて、日本の合掌造り集落ほか3件しかありません。それだけに、観光に訪れる際は、地元の人たちの邪魔にならないよう気をつけましょう。

4: バンスカー・シュチャヴニツァ歴史地区と近隣の工業建設物群

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1993年に世界遺産に登録されたバンスカー・シュチャヴニツァは、スロバキア中部の山の中の街。バンスカーとはスロバキア語で「鉱山」の意味で、かつては金・銀が採掘で栄えました。鉱山は17~18世紀に最盛期を迎え、ハンガリー王国やハプスブルク帝国の財政を潤しましたが、採掘が停滞した19世末以降衰退していきました。現在はスロバキアの世界遺産の街として、多くの観光客が訪れるスポットになっています。

バンスカー・シュチャヴニツァには、ロマネスク様式の鉱業会館本部や聖カタリーナ聖堂、ゴシック様式の旧城、ルネサンス様式の新城など、歴史的価値のある建物がたくさん残っています。また野外鉱山博物館では、地下坑道を見学できます。中近世の鉱山のようすをうかがい知ることのできる、スロバキアの世界遺産です。

5: バルデヨフ市街保護区

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スロバキアの北東部に位置するバルデヨフは、1241年には文献に記載されていたという長い歴史をもつ街。古くから温泉保養地として知られ、13~14世紀ごろには交易の要衝として栄えていました。14世紀に造られた城壁が取り囲む旧市街には中世の歴史的建造物が数多く残り、2000年に世界遺産に登録されました。

とくに旧市街にある長方形の広場には、バルデヨフの見どころが満載です。博物館となっている旧市庁舎は、スロバキア初のルネサンス建築。ゴシック様式の美しい聖アエギディウス教会にある展望台からは、世界遺産の街並みが見渡せます。中世に迷い込んだようなスロバキアの美しい街、バルデヨフ。スロバキアの第二の都市コシツェから、バスか鉄道で行くのがおすすめです。

6: カルパティア山脈などの欧州各地のブナ原生林群

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スロバキア国土の大部分を占めるカルバティア山脈。その東部に広がるブナ原生林は、スロバキアとウクライナの2国が共有する世界遺産として「カルパティア山脈のブナ原生林」の名称で2007年に登録されました。カルパティア山脈は世界最大のブナの原生地域であり、スロバキア4箇所、ウクライナ6箇所のブナ林に加え、2011年にはドイツの15箇所も世界遺産に追加登録。2017年には「カルパティア山脈などの欧州各地のブナ原生林群」として登録範囲が12ヵ国に広がりました。スロバキアのブナの原生林は、ポロニニ国立公園で見ることができます。

カルパティア山脈の最高峰2663メートルの山はスロバキアにあります。夏でも涼しい山ではブナとモミの原生林だけでなく、絶滅危惧種の動植物も生息する貴重な場所。夏はトレッキング、冬はスキーを楽しむ観光客が世界中から訪れるスポットでもあります。

7: カルパティア山脈地域のスロバキア側の木造教会群

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カルパティア山脈沿いの村々には、16~18世紀に建てられた約50もの木造教会が点在しています。そのうち8つの木造教会と鐘楼が、スロバキアの世界遺産として2008年に登録されました。3つの異なる宗派のキリスト教会が建てられていて、世界遺産に登録されたのはカトリックが2箇所、プロテスタントが3箇所、ギリシャ正教会が3箇所となっています。

木材を用いて伝統的な工法で建てられた教会は、宗派によって外観や内装などが異なり、それぞれに見応えがあります。スロバキア最古と言われる聖フランチェスコ教会や、木製のパイプオルガンがあるケジュマロ`クの教会などは必見ですよ。

◎まとめ

スロバキアの世界遺産を7ヶ所ご紹介しました。スロバキアの世界遺産は、中世に逆戻りしたような美しい街並みの歴史地区が多いのが特徴です。人気の名城スピシュスキー城や、ルネサンスにゴシックといったさまざまな様式の建物、そしてヨーロッパでは貴重な木造教会など、見どころ満載です。

スロバキアとは切っても切り離せないカルパチア山脈は、夏は避暑に、そして冬はスキーなどのウィンタースポーツに訪れる観光客でにぎわいます。通貨はユーロですが、物価がとても安いので、世界遺産めぐりだけでなく、グルメやレジャーも満喫できますよ。

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