スペインの世界遺産48カ所をご紹介|実は古代遺跡の宝庫?

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スペインの世界遺産48カ所をご紹介|実は古代遺跡の宝庫?

世界遺産の宝庫「スペイン」。スペインには2016年に新たにに登録されたアンテケラのドルメン遺跡を含め、全50カ所近くの世界遺産があります。文明や歴史が長く、遺跡も多くが残るヨーロッパ。スペインは一時世界最強の大国として数えられるなど、度々歴史の中心となりました。当時から残る史跡が世界遺産に指定されています。

また近年の例に漏れず、周辺の重要史跡をまとめて一つの世界遺産としているスポットが多めです。例えばスペインといえば「サグラダ・ファミリア」が有名ですが、UNESCOには「アントニ・ガウディの作品群」と5作品合わせて登録されています。素晴らしい建築物が至る所にあり、歩けば世界遺産にぶつかりそうなスペイン。その詳細を以下で覗いてみましょう。

目次

スペインの世界遺産48カ所をご紹介|実は古代遺跡の宝庫?

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スペインの世界遺産①アントニ・ガウディ

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スペインの世界遺産と言えばサグラダ・ファミリアを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。天才と呼ばれたスペインの建築家アントニ・ガウディの作品のうち7つが世界文化遺産として登録されています。

カタロニア・モダニズム建築の代表作で言わずとしれた未完成作品「サグラダ・ファミリア」。とても鮮やかで個性的なデザインが印象的な「カサ・バトリョ」、バルセロナが一望できる「グエル公園」などの建物もスペインを代表する人気の観光地です。1984年に世界遺産として登録された後、2005年に追加登録も行われました。スペインで一度は見てみたい作品ばかりです。

スペインの世界遺産②コルドバ歴史地区

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スペインのアンダルシア州にある世界遺産コルドバ歴史地区。この街は「西方の宝石」と呼ばれている美しい所です。スペインでありながら歴史的にイスラム教やキリスト教、ユダヤ教が繁栄した地域であることが建築物から見てわかります。

世界遺産に登録されている建造物は、メスキータ(聖マリア大聖堂)をはじめ、ローマ橋やアルカサル など。特にメスキータはスペインでも有名なイスラム建築で、独特な色とデザインの回廊は必見です。またユダヤ人街の花の小径も世界遺産の一部。1つの街で様々な風景を見ることができますよ。

スペインの世界遺産③グラナダのアルハンブラなど

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スペインのアンダルシア地方で、1984年に世界文化遺産として登録された「グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン」。グラナダはイスラム教徒によって創られたナスル朝の首都だった所です。ここにはスペインでも最高峰と名高いイスラム建築「アルハンブラ宮殿」「ヘネラリーフェ」「アルバイシン地区」の3つが世界遺産として登録されています。

アルハンブラ宮殿はイスラム建築の華と呼ばれる建築物。イスラムの天国をイメージした庭園があるヘネラリーフェやスペインで最も古い世界遺産都市のアルバイシン地区は、観光地としても人気の場所です。

スペインの世界遺産④セビリア大聖堂・インディアス古文書館

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スペインの南部セビリアの代表的な建築物「セビリアの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館」は、1987年に登録された世界文化遺産です。この3つの建物はそれぞれ異なった建築様式で建てられたもの。セルビア大聖堂はスペインで最も大きく、世界でも有数の大きなゴシック建築の大聖堂です。

スペイン語で王宮を意味するアルカサルは、イスラム様式がベースですが、のちにゴシック様式やルネサンス様式が加えられた複雑な建物になっています。インディアス古文書館はルネサンス様式の建築物です。この世界遺産に登録された3つの建物は一箇所にまとまっているので比較して見やすいのも嬉しいですね。

スペインの世界遺産⑤ドニャーナ国立公園

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ドニャーナ国立公園は1994年に登録された世界自然遺産です。スペインの南部にあるヨーロッパ最大級の国立公園は、世界遺産だけでなく生物圏保護区、ラムサール条約登録地にも登録されている自然保護地区。スペイン政府とWWFによって1969年に国立公園として指定されたドニャーナ国立公園には毎年多くの観光客が訪れます。

絶滅危惧種を含めた多くの生態系が暮らしていてオオフラミンゴやチチュウカイカメレオン、アカシカなどの珍しい動物に出会うことができますよ。特に渡り鳥にとって重要なドニャーナ国立公園はスペインに3つある世界自然遺産のうちの1つです。

スペインの世界遺産⑥ウベダとバエサのルネサンス様式の記念碑的建造物群

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スペインの南部アンダルシア州にある、2つの街ウベダとバエサにあるルネサンス様式の建築物が世界文化遺産として、2003年に登録されました。8kmほど離れた両街は双子の街と言われるように類似点が多く、8世紀ごろはイスラム勢力に支配をされていた地域。この2つの街にあるルネサンス期に整えられた区域のみが「ウベダとバエサのルネサンス様式の記念碑的建造物群」として世界遺産に登録されました。

ここは世界遺産として認められるまでに時間を要した経緯がありますが、素朴ながら歴史を存分感じることのできる素晴らしい場所です。

スペインの世界遺産⑦アンテケラのドルメン遺跡

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スペインで近年世界遺産として登録されたのが、アンテケラのドルメン遺跡。2016年に新たに登録されたこの場所は、巨大な石のモニュメントが点在するとても迫力のある世界文化遺産です。ここでは多くの古代遺跡を見ることができますが、世界遺産に登録されているのはそのうち保存状態がいいものに限ります。

特に注目はスペインが世界に誇る世界最大級の支石墓。幅25m、高さ4m、奥行き5mもある巨大な墓は紀元前3000年ごろに造られたものです。

スペインの世界遺産⑧アラゴンのムデハル様式の建築物

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アラゴンのムデハル様式の建築物は、1986年に登録されたスペインアラゴン州の世界遺産。当初は「サンタ・マリア大聖堂」「サン・ペドロ教会」「サン・マルティン教会」「エル・サルバドル教会」が世界文化遺産として登録されましたが、2001年にはさらに6つの建築物が追加されました。

この地域はイスラム勢力により支配されていた地域ですが、キリスト教アラゴン王国が統治していた歴史のある場所。そんなアラゴンにはキリスト教のベースにイスラム教建築のエッセンスを取り入れた「ムデハル様式」の建築物が数多くあります。イスラム教の雰囲気を感じるスペインの世界遺産です。

スペインの世界遺産⑨ピレネー山脈のモン・ペルデュ

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スペインとフランスが共同で登録している世界遺産がピレネー山脈のモン・ペルデュ。ここは後にご紹介するスペインの世界遺産「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」と「イベリア半島の地中海沿岸の岩絵」の一部でもある場所です。1997年に登録がされたのち、1999年には範囲が拡大されました。

この一帯には標高3,352mのモン・ペルデュとスペイン、フランスそれぞれの国立公園があり、渓谷や段々畑などがとても美しい景観が楽しめます。農牧民の文化を現在に伝えることとこの地域一帯に住む植物や生態系を守ることが世界複合遺産として登録された場所です。

スペインの世界遺産⑩アストゥリアス王国の建造物群

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オビエドとアストゥリアス王国の建造物群は、スペインアストゥリアス州にある世界遺産。オビエドアストゥリアス地方の中心都市であり、アストゥリアス美術が発展してきた原点である場所です。

1985年の最初の登録では、サン・ミーゲル・デ・リーリョ聖堂をはじめ3つの教会が、追って1998年に街にある他3つのロマネスク様式の建造物が世界文化遺産として登録されました。ロマネスク様式の始まりの場所でもあるスペイン王国の原点と言われるオビエドの世界遺産です。

スペインの世界遺産⑪イビサの生物多様性と文化

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スペインの東バレアレス諸島に位置するイビサ島は、スペインで2つめの世界複合遺産。古代遺跡とその独特な地形、島と海の自然と生息する珍しい生物が認められ、1999年に世界遺産として登録されました。このイビザ島はその昔フェニキア人が建設した島。その後古代ローマ人やアラブ人が占領した時代もあることが建造物から伺えます。

イビザ島は世界遺産だけでなく、クラブカルチャーなどが有名なスペインの観光スポットですが、島には手つかずの自然が数々の生態系を守るために保護されていて、絶滅危惧種が住む場所としてもとても貴重。様々な景色が見られるとても魅力的な場所ですよ。

スペインの世界遺産⑫ビスカヤ橋

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スペイン北部の港湾都市、ビルバオの西側にある橋が世界遺産のビスカヤ橋です。この橋はエッフェル塔で有名な建築家ギュスターヴ・エッフェルの弟子アルベルト・パラシオによって設計され、1893年に完成しました。

ビスカヤ橋は、世界最古の運搬橋。鉄の建築物としてとても画期的であったこと、加えてデザイン性と機能性を併せ持つこの橋は人々に受け入れられ、スペインだけでなく世界各地でも運搬橋が造られるようになりました。

世界文化遺産として2006年に登録されたビスカヤ橋ですが、今もなお現役!水面からの高さは45mもあります。観光都市ビルバオからも近いので、合わせてスペイン唯一の橋の世界遺産を見に行ってみてはいかがでしょうか。

スペインの世界遺産⑬ガラホナイ国立公園

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ガラホナイ国立公園は、スペインのカナリア諸島ラ・ゴメラ島にある世界自然遺産です。ここにはマデイラ島同様、この地域特有の照葉樹林がみられる場所。マグマによってできた切り立った山々が目の前に広がり、カナリア諸島の固有種「ビニャティゴ」が這うように伸びた森の中を歩けば、スペインにいることを忘れてしまうかもしれません。

中には1000年もの巨木もあります。スペインの世界遺産といえば建築物が多いので、自然遺産はあまり知られていませんが、ガラホナイ国立公園はのびのびと広がる自然を全身で感じられる場所です。

スペインの世界遺産⑭サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ

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スペインカナリ諸島の1つ、テネリフェ島北部の街サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ。都市全体が、世界文化遺産である場所です。一般的にラ・ラグーナと呼ばれるこの街は、年間を通して温暖な気候であることからもスペインの中の観光地としてとても人気がある都市。

18世紀までに築かれた街並みは、パステルカラーの建物がとても綺麗です。1999年に世界遺産として登録されましたが、人気のゾート地でもあります。スペインの先住民と血を流すことなく発展をしてきたことや、都市デザインから以降ラテンアメリカの都市発展のモデルにもなった場所でもあります。その街並みは現在もよく保存されており、スペインの異文化の歴史をその美しい景観から感じることができます。

スペインの世界遺産⑮

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カナリ諸島テネリフェ島にあるテイデ山は、スペイン最高峰の世界遺産です。標高3718mの火山は、スペインだけでなく大西洋にある島の中でも最も高い山。テイデ山とその周辺がテイデ国立公園になっています。

世界遺産として登録されたのは2007年。過去の噴火で周辺に多大な被害を及ぼした「テイデ山」は原住民グアンチェ族の言葉で地獄を意味する言葉が由来だです。

彼らが足を踏み入れることを拒んでいたテイデ山には、固有の植物がとても多く、世界自然遺産として登録された所以でもあります。公園内にはホテルやロープウェイなどもあるので、スペイン最高峰の山にチャレンジしてみてくださいね。

スペインの世界遺産⑯古都トレド

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スペインの観光地として有名なトレド。「もし、1日しかスペインに居られないのなら、迷わずトレドへ行け」と言われるくらい有名な「古都トレド」は1986年に世界文化遺産として登録されました。街全体が博物館と言われるくらい歴史的建造物が美しいトレド。

街中にはイスラム教、ユダヤ教、キリスト教由来の各時代の建築物が残されている歴史を感じる世界遺産です。見所はサンタ・マリア・ラ・ブランカ教会やサン・フアン・デ・ロス・レイェス修道院、トランシト教会にトレド大聖堂など。トレド大聖堂はスペイン3つの指に入る純ゴシック建築としても知られています。

スペインの世界遺産⑰歴史的城塞都市クエンカ

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スペインカスティーリャ=ラ・マンチャ州にある都市、クエンカの旧市街は1996年に登録された世界文化遺産です。石灰岩の切り立った地形が特徴的なクエンカには9世紀ごろにイスラム勢力によって造られた要塞のある城下街。

「歴史的城塞都市クエンカ」として世界遺産に登録されているこの場所にはスペインゴシック様式のクエンカ大聖堂を始め、ペトラス修道院やサン・ミゲル聖堂、サン・ペドロ聖堂など教会を中心とした見所がたくさん。特に注目したいのが「宙吊りの家」と呼ばれる断崖に建てられた家の数々です。特に下から見上げた景色はとても不安定で心配になってしまいますが、このスタイルはクエンカを代表するもの。

スペインの歴史の中で宗教都市として栄えたクエンカで世界遺産級の建築物を堪能してみてはいかがでしょう?

スペインの世界遺産⑱シエガ・ベルデ先史時代の岩絵遺跡群

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ポルトガルとスペインの共同で世界遺産に登録されているのが、コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群。先にポルトガルで発見された岩絵遺跡群が登録されていましたが、2010年にスペインのシエガ・ベルデのものが追加で世界文化遺産として登録されました。

国境を挟んで保存されている古代の岩絵は馬や牛、ヤギなどの動物を中心としたもの。世界的に洞窟内などで発見されることの多い岩絵ですが、ここの岩絵は野外にむき出しの状態であるのが、とても珍しく世界遺産に登録された所以でもあります。夏場はかなり暑くなるスペインなので、見学の際には暑さ対策を忘れずにしてくださいね。

スペインの世界遺産⑲水銀の遺産アルマデンとイドリヤ

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こちらはスペインのアルマデンとスロベニアのイドリヤに、それぞれ残る水銀鉱山が登録された世界遺産。この場所はスペインの水銀生産に不可欠な場所で、アルマデンだけで2000年の間に世界の1/3にも及ぶ水銀を生産しました。

環境汚染が問題になる2004年まで、水銀の生産が継続的に行われていたアルマデンには、鉱山開発に関連した7つの施設が世界遺産として登録されています。スペインにおける水銀生産の歴史を今に伝える世界遺産です。

スペインの世界遺産⑳ブルゴス大聖堂

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スペインブルゴスにあるブルゴス大聖堂は、1984年に登録された世界文化遺産。同じく世界遺産に登録されているセビリア大聖堂、トレド大聖堂と並びスペインのゴシック建築の最高峰と言われているブルゴス大聖堂です。

ゴシック様式の建築物としての素晴らしさは、建物全体からも見てとることができます。中にあるユニークなアートコレクションや絵画、ステンドグラスやクワイヤなど、細部にわたる芸術性の高さはスペインでも随一!細く美しいゴシック美術の作品の数々を見れば世界遺産に登録されているのも納得ですよ。

スペインの世界遺産㉑セゴビア旧市街とローマ水道橋

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スペインのマドリードから日帰りで行くことのできる世界遺産「セゴビア旧市街とローマ水道橋」。ローマ帝国時代の歴史的建築物の中でも特に水道橋やアルカサル(古城)、セゴビア大聖堂の保存状態が良く1985年にスペインの世界文化遺産として登録されました。

小高い丘の上にある旧市街には、ディズニー映画『白雪姫』のモデルになった美しいお城とゴシック建築のセゴビア大聖堂がおとぎ話の中にいるような気分にさせてくれます。水道橋は幅2.4m、高さ30mもあり、高くそびえ立つ姿から「悪魔の橋」との呼び声も。物語の中から出てきたようなスペインの世界遺産です。

スペインの世界遺産㉒アビラ旧市街と市壁外の教会群

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スペインの県都で最も標高が高いアビラは、岩山の上の平らな地に街が広がっている場所です。全長2.5km、高さ12mの城壁に囲まれた旧市街とその外にある教会群が世界文化遺産として登録。旧市街の外の教会群には、スペイン有数のゴシック建築であるアビラ大聖堂やサンタ・テレサ修道院、エンカルナシオン修道院などがあります。中でもサン・トマス聖堂にある大理石のモニュメントは必見ですよ!

カルメル会の改革者アビラのテレサでも有名なこの地域は、1985年に世界遺産になりました。スペインで最も空に近い街の世界遺産です。

スペインの世界遺産㉓サラマンカの旧市街

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1988年に世界遺産として登録された「サラマンカの旧市街」。この街にあるスペイン最古の大学「サラマンカ大学」は「知識を欲する者はサラマンカへ行け」と言われるほどスペインで有名な総合大学です。

そのほかに新旧の2つのサラマンカ大聖堂は、ロマネスク式とゴシック式建築を見ることができますよ。またプラテレスコ様式を代表するサン・エステバン修道院など、ヨーロッパの様々な建築様式の建物が存在するので歴史的建造物を堪能できます。

中には貝の家と呼ばれる帆立貝を外壁に埋め込んだ珍しい建物も!スペインの建築物を巡りたい方におすすめの世界遺産です。

スペインの世界遺産㉔ラス・メドゥラス

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スペインにかつて金鉱山があったことを今に伝える世界遺産がラス・メドゥラス。ここは古代ローマ時代に金の採掘が行われた場所で、切り立つ荒々しい山々は鉱業の過程で人工的に出来上がったものです。

山を切り崩して砂金を採掘するために利用されたのはなんと水。細かく掘られたトンネルに水を勢いよく流すことによって金を採っていました。金が枯渇しローマ帝国は滅びましたが、現在見られる景色はまさに絶景!スケールがとにかく大きく人の手で切り開かれたとは到底思えません。スペインの世界遺産の中でもインパクトが強いものの1つ。壮大な景観を求めている人におすすめの世界遺産です。

スペインの世界遺産㉕アタプエルカの古代遺跡

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スペイン北部にある世界遺産アタプエルカの古代遺跡は、2000年に登録されました。ここからは旧人類から青銅器時代までわたる様々な遺跡が採掘されていて、スペインでも有数の考古学的に非常に重要な世界遺産です。

ヨーロッパ最古と言われる出土品や約35万年前の人骨などまだまだ新しい発見が期待できます。人類の進化の秘密が隠されているスペインのアタプエルカの古代遺跡で、古代に想いを馳せてみてはいかでしょうか。

スペインの世界遺産㉖アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器洞窟美術

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スペイン北部のアルタミラ洞窟にある洞窟画の世界遺産「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器洞窟美術」。ここには旧石器時代のマドレーヌ期に描かれた動物中心の洞窟画がある場所です。約3万5000年前から1万1000年前頃に描かれた牛やイノシシ、馬やトナカイなどがあります。洞窟の中にあるため保存状態がとても良く、その芸術性と合わせて1985年に世界文化遺産に登録されました。

現在は、世界遺産保護の観点からオリジナルを見ることができないのが残念ですが、精巧に再現されたレプリカでもその素晴らしさは堪能できますよ!躍動感のある動物達から古代に想いを馳せてみませんか。スペインでも人気の観光地なので、早めの時間に行くことをおすすめします。

スペインの世界遺産㉗バルセロナのカタルーニャ音楽堂

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バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院は、カタルーニャ地方特有の建築様式が表れている世界遺産です。スペインの建築家リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーによって設計された「モデルニスモ」様式の建築物。モデルニスモは、バルセロナでよく見られるフランスのアール・ヌーボーによく似たスタイルで、バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院は1997年に世界文化遺産に登録されました。

サン・パウ病院は、2009年に閉鎖されるまで現役の病院だった場所。カタルーニャ音楽堂は、現在もコンサートなどで利用されています。機会があれば世界遺産で音楽を鑑賞してみてくださいね。

スペインの世界遺産㉘ポブレー修道院

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スペインでも最大級の修道院の世界遺産ポブレー修道院は、人里離れた葡萄畑の中にあります。1151年に建てられたシトー会の修道院は、宮殿と修道院が一体化している珍しい造り。バロック式やロマネスク式、ゴシック式を敷地内に見ることができるのも世界文化遺産である所以です。

加えてこの修道院は、ワイン作りでも有名な場所。修道院で現在も作られているワインは、入り口付近のワイナリーで購入が可能です。スペインの修道院で作られたワインをぜひ試してみてください。ワイン好きに特におすすめの世界遺産です。

スペインの世界遺産㉙タラゴナの考古遺産群

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スペインの港湾都市であるタラゴナも世界遺産の街の1つです。タラゴナの考古遺産群は、2000年に登録された世界文化遺産。タラゴナは皇帝崇拝の中心地であり、ローマ帝国の中心的な都市だった場所です。

リストには古代ローマ時代に築かれた水道橋や円形競技場、タラゴナ大聖堂などの迫力のある建築物があります。考古学の道と呼ばれる城壁に沿って長く続く散歩道も世界遺産の一部。街中に現れる古代ローマの跡は、保存状態が良いのでタイムスリップしたような感覚になりますよ。

特に円形競技場は、客席部分がしっかり残っており、背景に見える海とともに見る景色は壮観。古代ローマ時代の遺跡を堪能できるスペインの世界遺産です。

スペインの世界遺産㉚バル・デ・ボイのカタルーニャ・ロマネスク様式教会群

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バル・デ・ボイは、スペイン北東部のピレネー山脈にある谷の名称です。ロマネスク様式教会群は、2000年に世界文化遺産として登録されました。11~12世紀ごろに建てられた教会群は、バル・デ・ボイの山に囲まれた渓谷が他からの侵略を遠ざけていたため、現在でも保存状態が良く残っています。

ロマネスク様式の教会が1箇所に集まっているのはとても珍しく、その希少性が世界遺産登録の決め手です。特にタウル集落のサント・クリメント聖堂は、教会群の中で最も大きく、保存状態も良いためスペイン観光の際には必見!山々と青空を背景に見る教会群の景色はまさに絶景ですよ。

スペインの世界遺産㉛カセレス旧市街

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スペインで中世に飛び込んだような感覚にさせてくれる世界遺産カセレス旧市街。ここは紀元前25年に古代ローマ人によって建設された街です。建築物も登録されていますが、街全体が中世のような雰囲気を保っているため街歩きを楽しみたい世界遺産です。

スペインだけでなく世界でも現実感の無い景観が珍しく、ロケ地としても良く使われているカセレス旧市街。坂が多く、コウノトリの巣が多いことでも有名なこの世界遺産の街では、中世に想いを馳せながら過ごすのがおすすめです。

スペインの世界遺産㉜サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院

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スペインで最も重要な修道院とされてきた、サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院。13世紀後半に見つかった聖母像がきっかけで建てられた修道院は、1993年に世界遺産として登録されました。1835年まで世俗化されることなく、スペインでも重要な隠遁地としての役割もあったのです。

世界遺産の名にふさわしい壮観な建物は、一見の価値あり。中にはバロック様式の礼拝堂や、ムデハル様式とゴシック様式の回廊など各所に異なった建築様式が見られますよ。

スペインの世界遺産㉝メリダの考古遺産群

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スペイン南部にある街メリダの考古遺産群は、1993年に登録された世界遺産です。紀元前25年にローマ人の植民地として建設された都市で、今も多くの遺跡が残されているメリダはスペインの「ローマ」。

街中には29にも及ぶ遺跡群があり、特にローマ劇場や円形闘技場、全長約400mのスペイン最良のクルクスなど1つの街に世界遺産の見所がたくさん詰まっています。スペイン最長の橋もこの街にありますよ。古代ローマに迷い込んだような気分になること請け合いの世界遺産です。

スペインの世界遺産㉞サンティアゴ・デ・コンポステーラ旧市街

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スペイン北西部の街サンティアゴ・デ・コンポステーラは、ガリシア州の政治の中心地。ここの旧市街もスペインの世界文化遺産の1つで、エルサレムやバチカンと共に、キリスト教の三大巡礼地の1つでもある街です。世界中から帆立貝をぶら下げた巡礼者が絶えず訪れます。巡礼地の終着点であるサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂は、とても壮観なスペインバロック様式の建築物。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路自体も世界遺産として登録されており、この地域は宗教的にスペインで最も重要な場所かもしれません。サンティアゴの日である7月25日には旧市街を中心に盛大なお祭りが行われますよ。

スペインの世界遺産㉟ルーゴのローマ城壁

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スペイン北西部の州都ルーゴは「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の経路でもある街。この街にあるローマの城壁は、スペインの世界遺産として2000年に登録されました。2世紀後半にこの地を侵略したローマ人によって建てられた 2131mに及ぶ城壁がなんと損傷なく現在も残っているのです。

相次ぐ攻撃やムーア人の侵略も防いだ頑丈な城壁は、高さ10~15mと迫力満点。ローマ帝国の建築技術の高さを伝えてくれる重要なスペインの世界遺産です。

スペインの世界遺産㊱ヘラクレスの塔

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スペイン北西の港町、コルーニャのシンボルであるヘラクレスの塔もスペインの世界遺産の1つ。高さ57mあるこの塔は、西暦1世紀にベースが造られた歴史ある建造物です。現在も当時の原型を残し、現役である灯台は世界中探してもここでしか見られません。

古代グレコ-ローマ時代の貴重な建築技術が残されている例として、2009年に世界文化遺産として登録されました。スペインを侵略したローマ人が「地球の果て」と表現した場所に佇むヘラクレスの塔を見に出かけてみませんか?

スペインの世界遺産㊲サン・ミジャンのユソ修道院とスソ修道院

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サン・ミジャンのユソ修道院とスソ修道院も「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の一部であり、スペインで重要な修道院の世界遺産です。スペインのサン・ミジャンにある2つの修道院は、数100mしか離れていませんが、別々の時代に異なる建築様式で建てられました。

10世紀に建てられたスソ修道院は、レポブラション期にみられるシンプルな作りが特徴的。ユソ修道院は再建が繰り返され16世紀~18世紀のルネサンス様式やゴシック様式を見ることができます。ユソ修道院にある図書館には10世紀の作品もありますよ。1997年に登録されたスペインの世界遺産です。

スペインの世界遺産㊳マドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地

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スペインの首都マドリードにあるマドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地は、1984年に登録された世界遺産。マドリード郊外にある巨大な宮殿には、修道院や図書館、博物館が備わっています。この施設は、スペインの反宗教革命の研究を目的に建てられたもの。

厳格な古典様式でデザインされたという巨大な建物は、当時の政治的支配力を表しています。マドリードから日帰りで足を運ぶことができる手軽さも人気なスペインの世界遺産なので、ぜひ訪れてみてくださいね。

スペインの世界遺産㊴アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区

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アルカラは、スペイン最古の大学都市の世界遺産。1499年に創設したアルカラ大学は、スペインでも有数の複合大学として栄えますが、衰退期にはマドリード中央大学として場所を移し閉校しました。再開を求める声によって1997年に再度開校。翌年の1998年にアルカラの歴史地区と共に世界遺産として登録されました。

スペインの首都マドリードから約30kmのところにある、アクセスも良い世界遺産です。観光客と学生が多い街で、落ち着いた雰囲気が楽しめますよ。

スペインの世界遺産㊵アランフエスの文化的景観

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スペインの首都マドリードから南へ48km程のところに位置する街アランフエスは、建築と自然の景観美が堪能できる世界遺産です。16世紀にフェリペ2世によって建設され、18世紀に完成した王宮を中心とした見所が盛りだくさん。ヨーロッパ式の庭園「王宮庭園」やヴェルサイユ宮殿を模倣した「農夫の家」、バロック様式のゴンドラがある「王家の小舟博物館」などもあり、必見です。

特に王宮庭園は噴水や草花が美しく、花の綺麗な時期に訪れたい場所。スペインの世界遺産の中でも豪華絢爛なこの王宮は、観光客にも人気があり毎日多くの人が訪れます。マドリードからアクセスもしやすい世界遺産ですよ。

スペインの世界遺産㊶ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ

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スペインのバレンシアにあるラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、15世紀末に建てられた絹の商品取引所の世界遺産。バレンシアの当時の経済力を示すような立派なスペイン後期のゴシック様式の建物は、お城のような壮大さがあります。1996年に世界遺産として登録されたこの建物は、外観はもちろん内装にも注目したい建築物。

柱のサロンと呼ばれる大広間に広がる印象的な柱は、絹糸が広がる様子からデザインされたとても美しい空間。バレンシアの中央市場に面しているので、散策の合間に訪れられる気軽さも嬉しい世界遺産です。

スペインの世界遺産㊷エルチェの椰子園

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スペイン東南部にある都市エルチェには、アラビア文化の影響を色濃く残す椰子園が見られます。2000年に世界文化遺産として登録されたこの椰子園は、8世紀にさかのぼりアラビア人が都市緑化と景観のために造園した場所。椰子の木が広がる景色は、南国リゾートのようでスペインにいることを忘れそうになります。

現在も約20万本のナツメヤシが残っており、樹齢が300年を超えるものも多くありますよ。ナツメヤシの実も収穫されています。スペインに残る、アラビア式の農法が見られるヨーロッパでも貴重な世界遺産です。

スペインの世界遺産㊸トラムンタナ山脈の文化的景観

出典: vulcano/shutterstock

バレアレス諸島にある人気の観光地、マヨルカ島北部にそびえるトラムンタナ山脈とその文化的景観もスペインの世界遺産。

標高約1,000mの厳しい環境下で発展してきた農業文化を見ることができる場所です。様々な動植物の生息地であるトラムンタナ山脈は、自然保護地区として長年都市化を免れてきたエリア。降雨量が多い天候や山岳地帯という地形、地質学的な希少価値はあるものの耕しにくい土地で、農業をするには適さない場所です。しかし8世紀ごろから石垣と棚田を利用して農業文化が発展してきました。

棚田のある山岳風景とその奥に見えるバレアレス海の景色が素晴らしい世界文化遺産。マヨルカ島は、スペインのリゾート地のイメージが強い場所ですが、山の景観美と中世の山岳文化を同時に楽しめるこの世界遺産もチェックしてみてくださいね。

スペインの世界遺産㊹サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路

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フランスからスペインに渡り複数の州をまたぐ世界遺産が サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路。フランスのピレネー山脈からスペインの北部にかけて1,500km近く続く巡礼路はなんと1,000年以上の歴史がある道。現在も年間10万人以上がこのルートを通り、フランスのピレネー山脈からスペインに入っています。

道の世界遺産は世界でも珍しく、この巡礼路の途中や終着地もまた世界遺産という世界遺産づくしの巡礼路。観光目的で巡礼する人も近年は多いですよ。

スペインの世界遺産㊺地中海沿岸の岩絵

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スペインの地中海沿岸1,000kmにも及ぶ世界遺産「イベリア半島の地中海沿岸の岩絵」。文字通り地中海沿岸にある岩絵で、範囲はスペインの6州(カタロニア州、アンダルシア州、ムルシア州、バレンシア州、アラゴン州、カスティーリャ=ラ・マンチャ州)に渡ります。700箇所以上の場所で発見されている岩絵群は、ヨーロッパでも最大規模。

岩絵の題材は、動物や人物が中心で生活様式や習慣などを知りえる貴重な資料として1998年に世界文化遺産に登録されました。スペイン岩絵群のサイズは比較的小さく、メキシコやフランスで発見された他の世界遺産とは時代の違うものと考えられています。

スペインの世界遺産㊻プラド通りとブエン・レティーロ

プラド通りとブエン・レティーロとは、世界的なサッカークラブである「レアルマドリード」で知られるスペインの首都、「マドリード」市内にある世界遺産です。マドリードは16世紀から首都として整備され、現在に至るまで発展してきた歴史を持ちます。プラド通りとブエン・レティーロにはスペインを代表する「景観」が詰まっており、都市部ながら中世ヨーロッパの面影を感じるポイントが満載です。タイムスリップしたような貴重な景観に包まれることでしょう。

マドリードが都市建設され発展してきた時期は、スペインが最も世界史の主人公として活躍していたまさしく最盛期です。市内はそんな時代を思わせながらも、17世紀、18世紀の都市開発も残ります。

プラド通りとブエン・レティーロはマドリード市内における初の世界遺産となりましたが、首都でありながらマドリードの世界遺産はこのプラド通りとブエン・レティーロのみです。(2023年現在)

スペインの世界遺産㊼リスコ・カイドとグラン・カナリア島

スペインの世界遺産、続いては「リスコ・カイドとグラン・カナリア島」をご紹介します。

グラン・カナリア島とはカナリア諸島に浮かぶ25kmほどの島で、島の中央部には標高2000m弱のニエヴェス山がそびえています。世界遺産としては、自然が生んだ断崖・渓谷、この地に住んでいた先住民の集落やロックアートがあります。スペインに編入されたのは15世紀。すでに原住民の支配が終わってからは600年が経過していますが、これら島民の文化をや島の景観を後世に残すため、世界文化遺産として登録されています。

島内には原住民の博物館なども残り、散策できるスポットも多め。観光地としておすすめの離島と言えるでしょう。

スペインの世界遺産㊽メディナ・アサーラ

2018年に新しく「カリフ都市メディナ・アサーラ」が世界遺産として登録されました。

スペインは有史以来、ローマ帝国など当時の覇権国の一部であったり、王国になったり貴族が支配する国であったりなどカテゴリーの違うさまざまな国がその地を支配していました。中でも、レコンキスタで知られるキリスト教徒による再征服が行われるまではイスラム教の国が支配していた歴史を持ちます。当時の遺跡やイスラム風の建造物は現在も残り、「カリフ都市メディナ・アサーラ」もそのうちの一つです。

◎まとめ

歴史や文化、自然が揃ったスペインは間違いなく世界遺産大国。1つの世界遺産登録に複数の建築物や地域が登録されている案件も多く、スペインを訪れると世界遺産を目にする機会が何度もあります。

バラエティに富んだスポットが多いので、惹かれる場所が必ず見つかるはずですよ。気になる場所を見つけて、世界遺産を楽しむスペインの旅を計画してみてはいかがでしょうか。

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