名称:大足石刻(ダイソクセッコク)
住所:402360 中国大足県境内
公式・関連サイトURL:http://www.dazusk.com/
大足は、重慶市区の西端に位置する小さな街です。もともとは大足県でしたが、2011年に重慶市に併合されました。この大足には唐末から南宗時代にかけて作られた石刻群があり、峨眉山に並ぶ仏教徒の聖地とされ、観光客がひっきりなしに訪れています。「上りて峨媚に朝し、下りて宝頂(大足の山)に朝す」という言葉も残っているんですよ。1999年には、ユネスコの世界遺産にも登録されました。
大足川が県内には流れていることが、大足という地名の由来とか。また、他にも宝頂山に巨人の足跡があったからという説もあるんですよ。世界遺産の大足石刻のほかにも、宗教関連の石刻が大足地区の至る所にあります。今回は、重慶市大足区でおすすめの観光スポットをご紹介しましょう。
1.大足石刻
大足石刻は、大足随一の観光地です。昔、字の読めなかった人たちも信仰を持てたということが分かる、仏教の野外博物館のような場所です。1999年に世界遺産にも登録されたこともあり、多くの観光客が訪れています。開闢されたのは唐高宗永徽元年(西暦650年)で、9世紀末~13世紀ごろまでが最盛期とされ、約1200年に渡って多くの石像が造られました。石像のモチーフは仏教が80%を占め、他にも道教が12%、儒教が5%、残りが歴史的人物となっています。岩壁に彫刻された石像の数は5万体にも及び、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
大足石刻の中でも、とくに「宝頂山石刻」と「北山摩崖石刻」の2つが観光の中心となっています。周囲は緑に囲まれた山奥にありますが、道も整備されているので安心して訪れることができます。山に上るほど色鮮やかな石窟が残っていて、美しい石像が見られますよ。
2.宝頂山石刻
宝頂山石刻は、大足市街の北東約15キロメートルの宝頂山にある、世界遺産の大足石刻のなかでもとくに観光客に人気の仏教石窟です。12世紀後期に仏教の修験場として仏像が彫られたのがはじまり。13の石像群で構成されていて、とりわけ仏陀の入滅を描いた『釈迦涅槃聖跡図』は全幅31メートルの長さを誇り、観光客の目を驚かせています。この涅槃像は大足だけでなく、中国国内でも最大といわれているんですよ。2014年には入口が改修され、観光もしやすくなりました。
また、金箔が張られた眩いばかりの千手千眼観音は実際に1007の手をもち、こちらも中国最大の千手観音像とされています。ほかにも、大足石刻の宝頂山にある「華厳三聖」は、真ん中が如来像、右の文殊菩薩、左には普賢菩薩が並び、この宝頂山最大の立像です。仏教の輪廻思想とされる「天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道」を車輪の中に表した『六道輪廻図』も見応えがありますよ。
名称:宝頂山石刻
住所:402360 中国大足県龙岗镇东北16千米
3.北山摩崖石刻
北山石刻は大足の街から北に約2キロメートルほど離れた石刻群です。宝頂山石刻、南山石刻、石篆山石刻、石門山石刻と共に「大足石刻」として、世界遺産に登録されている観光地です。9世紀末~12世紀中期にかけて彫られた5000体の石像は、大足石刻の中でも特に保存状態が良く、規模は宝頂山石刻より小さいですが、彫りが精巧なのが魅力!全部で452窟あり、時代ごとに異なった特徴を見られるのが観光の見どころです。
初期はふくよかで細密な衣紋など唐時代の流行が見られますが、10世紀ごろからの衣は複雑な模様となり、唐から宋への過渡期の変遷がうかがえます。石像は、一体一体の表情が美しく穏やかなことでも知られており、観光客に安らぎを与えています。とくに、北山石刻第125窟の「数珠手観音窟」や北山石刻の中でも美しいといわれる「孔雀明王像」は必見ですよ。宝頂山石刻より比較的観光客が少ないので、ゆっくり見学できます。
名称:北山摩崖石刻
住所:重慶市大足県北山路7号
◎まとめ
大足は石刻の故郷として知られ、40を超える石刻のポイントがあります。大足にある大足石刻は、中国の石刻芸術の精華として世界遺産に登録されています。今回は、大足石刻にある5つの世界遺産から観光客が多く集まる「宝頂山石刻」と「北山石刻」をご紹介しました。
重慶を早朝に出れば、日帰り観光も十分可能です。宝頂山と北山は離れていますが、共通券も発行されているので、合わせて訪れるとより大足が誇る石刻を学べます。ぜひ、訪れてみてくださいね。