アラビア半島の南端、アデン湾を望むイエメンで守りたい世界遺産4選

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アラビア半島の南端、アデン湾を望むイエメンで守りたい世界遺産4選

イエメンはアラビア半島の南東にある国で、サウジアラビアとオマーンに隣接する中東の国。南には紅海の入り口でもあるアデン湾が広がり、その向こうにはソマリアがあります。そんな立地条件からイエメンは古代から交易の地として栄えてきましたが、同時にさまざまな国からの支配も受けてきました。そして歴史深いイエメンの首都サヌアは現存する最古の都市のひとつでもあり、サヌア旧市街として世界遺産にも登録されています。今回は旧約聖書の時代から続く古の国イエメンにある世界遺産を紹介しましょう。

目次

アラビア半島の南端、アデン湾を望むイエメンで守りたい世界遺産4選

1. サヌア旧市街

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サヌアはイエメンの首都で、その旧市街は世界遺産に登録されています。古代ギリシャや古代ローマの時代には「幸福のアラビア」と呼ばれ、また現在は「煉瓦の摩天楼」と呼ばれる、とても美しい街です。しかし、イエメンは隣国サウジアラビアの空爆で深刻な損傷を受けていて、世界遺産とともに2015年には「危機遺産リスト」に追加されました。

イエメンのサヌアは世界最古の町のひとつで、ノアの箱舟のノアの息子・セムによって建設されたと言い伝えられています。旧市街は高さ12mの城壁に囲まれ、多くのモスク、公共浴場、古い家屋が連なり、「アラビアンナイト」を彷彿とさせますよ。その街並みは多くの観光客を魅了する、一生に一度は見てみたいイエメンの世界遺産です。

2. ソコトラ諸島

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ソコトラ諸島はアデン湾沖合、インド洋に浮かぶ世界遺産です。「インド洋のガラパゴス」とも呼ばれるほど独自の進化をとげた動植物の宝庫として知られる、イエメンの自然世界遺産。ソコトラ島の固有種とされ、他の地域では見られない動植物は300種にもおよびます。

イエメンのソコトラ島には赤い樹脂を流す竜血樹やその見た目がかわいらしいボトル・ツリーなど、珍しい植物が自生しています。もちろん鳥類や昆虫などの動物も固有種がたくさんいます。たくさんの固有種が住む世界遺産の島に降り立てば、まるで別の世界に来てしまったかのような錯覚におちいることでしょう。イエメンに訪れることがあれば、ぜひ見てみたいですよね。

3. シバームの旧城壁都市

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シバームはイエメンのハドラマウト地方の都市で、1982年に世界遺産に登録されています。2015年には内戦で破壊される恐れがあるとして、シバームの旧城壁都市は危機遺産リストに追加されています。

イエメンの世界遺産として登録されたシバームの旧城壁都市は、その独特な高層建築物が特徴。500年以上も前に泥で作られたにも拘わらず、5階から9階建て、建物間には連絡橋があり地面に降りずに行き来することができるなど、現代のビルに引けを取りません。窓などの装飾は細かく美しく、「砂漠の摩天楼」や「砂漠のマンハッタン」、「最古の高層ビル群」とも呼ばれています。シバームの町は2000年以上の歴史がありますが、泥で造られた建物は脆く、なんども再建されているんですよ。治安情勢も相まって、この世界遺産も危機遺産とされています。

4. 古都ザビード

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ザビードはイエメンの西部に位置するフダイダ県に属する都市。イエメンで最も古いモスクが造られた場所として知られている世界遺産です。9世紀からイスラムの地方王朝の首都として発展し、スンニー派のシャーフィイー派の宗教的中心都市でもありました。

またイエメンのザビードは南アラビアの学問の中心地として栄え、神学大学があることでも知られています。中世には200以上の学校やモスクが造られていたそうですよ。ザビードの旧市街は1993年に世界遺産に指定されましたが保存状態が悪く、こちらも世界遺産の中でも危機遺産に指定されています。

◎まとめ

イエメンは大半が砂漠地帯であるため産業が発達しにくく、中東で最も開発が遅れた国とも言われています。世界遺産に登録されているものは4つありますが、そのうち3つは内戦などで破壊の危機にさらされていることから「危機遺産リスト」に追加されています。さらにイエメンは外務省の治安情報によると、全域がレベル4の退避に分類されてます。現在渡航することはできませんが、いつか治安が回復したときには長い歴史を持つ興味深い世界遺産を見に行きたいですね!

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