中国・杭州が誇る名所:西湖周辺の必見観光スポットを紹介!

中国・杭州が誇る名所:西湖周辺の必見観光スポットを紹介!

杭州の西湖は、面積6.5平方km、外周15km、最高水深2.8mの浅い湖です。湖畔およびその周辺には観光スポットが集中しており、湖の周りには遊歩道が整備されているので、ゆっくり歩きながら観光するほか、サイクリングや遊覧船を利用して観光することもできます。

西湖という名前は、宋時代の詩人蘇軾が中国四大美人の西施にちなんでつけたと言われています。杭州の西湖には「西湖十景」と呼ばれる10か所の観光スポットがありますが、杭州の西湖には、そのほかにも見逃せない観光スポットがたくさんあるので、西湖の周りを東西南北の各エリア、中央エリア、そして西湖の周辺エリアの6つに分けてご紹介します。

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中国・杭州が誇る名所:西湖周辺の必見観光スポットを紹介!

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1.柳浪聞鶯・西湖天地

杭州の西湖の東エリアは柳浪聞鶯から始まります。ここは西湖十景の一つで、柳浪聞鶯と書かれたベージュの門から入園しますが、園内のあちこちには多くの柳が植えられています。柳浪聞鶯という名前の通り、柳が風に波のようにたなびき、優雅な美しい風景を作り出し、運が良い時には鶯の声を聞くこともできます。庭園の造りは江南風で、水路や石橋などを特徴としており、春にはお茶屋が園内に店を出すので、お茶を楽しむ観光客で賑わいます。

また、近くに西湖天地というエリアがあります。西湖天地は、西湖の東側の湖畔にあるスナック・喫茶エリアです。杭州駅から行くと、西湖大道という大通りをまっすぐ行ったところにある観光スポットで、世界遺産登録を示すモニュメントがあるのですぐわかります。柳の木が風にたなびく小さな公園の中にあり、都会的でおしゃれなカフェやレストランが集まっています。

2.湖浜公園

出典: Credit:gaoshanshan

杭州の西湖の東エリアを更に北に進むと湖浜公園に出ます。湖浜公園には6つのエリアに分けられそれぞれ「一公園」から「六公園」まで名前が付けられています。また六公園にはマルコポーロの銅像があります。夜になると、湖浜公園では、音楽に合わせイルミネーションが点灯され、湖畔近くにある噴水から上がるしぶきが、このイルミネーションに映え美しい光景を作り出します。

3.断橋残雪・平湖秋月

出典: Credit:ChenWeiDing

杭州西湖の北エリアを特徴付けているのは白堤と呼ばれる長い堤防とそれに続く狐山と呼ばれる小島です。この付近に2つの西湖十景があります。一つがこの白堤の北側の端にある断橋残雪です。

このスポットと白堤を繋ぐところに橋が架かっていますが、この橋と「白堤」と呼ばれる堤防に雪が積もって、天気が良いと、日の光が橋の南側だけに当たり、そこだけ雪が解け、まるで橋が半分に切れているかのように見えるため断橋残雪という名が付きました。

もう一つの西湖十景である平湖秋月は、前述の断橋残雪から続く白堤を20分ほど行った所にある狐山にあります。ここにある亭台楼閣は、湖水の高さぎりぎりの所に建てられているため、渕まで行くとまるで湖の上に立っているかのような錯覚に陥ります。特に、秋の満月の夜になると、その名月と平坦な湖水が調和しなんともいえない風景を作り出すため、それが十景の一つに選ばれています。

4.曲院風荷・蘇堤春暁

曲院風荷は杭州西湖北エリアにある狐山を出てから10分ほど行くと入口が左側に見えてきます。曲院風荷には池があり、そこには蓮が多く植えられています。特に初夏から夏にかけては蓮の花が満開になるので、たくさんの観光客が訪れます。

この観光スポットが曲院風荷と呼ばれているのは、杭州のこの辺りは宋の時代、「曲院」と呼ばれる宮廷のお酒を作るところで、お酒の匂いが風にた漂っていたのですが、それに掛けて蓮の花の匂いが漂う所という意味で付けられました。

この北エリアにあるもう一つの十景である蘇堤春暁は歴史的なスポットです。ここからは岳王廟の向かいから、出ている蘇堤と呼ばれる2.8kmほどある長い堤防の美しい風景が楽しめます。名前の通り、柳が芽を吹く頃が最も美しいのが特徴です。堤防の途中にはいくつもベンチが置かれており、杭州を訪れる観光客や地元の人々の憩いの場にもなっています。

5.岳王廟

岳王廟は杭州西湖北エリアの西側にある観光スポットで、南宋時代の英雄「岳飛」を祀られている場所です。岳飛は金との戦いの際に主戦論を唱えましたが、反対派の秦檜に反逆罪で訴えられ、39歳の若さで死刑に処せられてしまいました。その後、名誉が回復され、英雄として祀られるようになりました。

廟内には、岳飛の偉業を称える様々な資料が展示されていますが、中でも出征する岳飛を励ますために背中に入れ墨を入れる母親の姿を描いた絵などはその時の戦の緊迫感をうまく表現しています。敷地内には岳飛を陥れた秦檜とその妻が半裸でひざまずき、頭を垂れた姿を像にして展示しています。かつてはこの像に唾をかける習慣がありましたが、現在では禁止されています。岳王廟は、杭州西湖北エリアの歴史的な観光スポットとして有名です。

6.双峰挿雲・花港観魚

杭州西湖の西エリアには、双峰挿雲と花港観魚という西湖十景があります。双峰挿雲は、西湖の西側にある霊隠路の中ほどにある洪春橋から見える眺めを指しています。この洪春橋に立つと、杭州の南高峰と北高峰が見えますが、昔はこの2つの山に塔が立っていました。現在ではこの塔は残っていないため、その橋から見える西湖の風景を楽しむことになります。また、清代の皇帝が自ら建てた石碑だけを見るために訪れる人も多くいます。

花港観魚は、杭州西湖の西エリアの南寄りにある庭園で宋時代に作られました。花港観魚という名前は、花と港(船着き場)があり、魚を観て楽しむという意味で、紅魚池には1000匹以上の鯉が飼育されています。また、牡丹の花が有名で、クジャクが見られるエリアもあります。

7.郭庄・茅家埠

出典: Credit:zhaojiankang

杭州西湖の西エリアには、郭庄という別荘があります。この別荘は杭州の商人宋瑞甫が1907年に建てたものですが、その後「郭」という人に譲渡されたので、その名が現在の名前になっています。正式には汾陽別荘と呼ばれており、西湖を背景に中国の古典的な庭園をあしらった別荘で、ゆったりとした時間を過ごすのに適したスポットになっています。

この郭庄から少し南に降りていくと、茅家埠と呼ばれるエリアに着きます。ここでは、かつて杭州の西湖の周りにあった民家などが再現されています。そしてここはガイドブックなどであまり紹介されていないためか、観光客があまりいない穴場となっています。

湖畔には、小舟に乗って笛を吹く人やそれを聞きながら優雅なひと時を過ごす人々の様子を銅像に仕立てたモニュメントが展示されています。このように茅家埠は、昔の西湖の生活を思い描くことのできるでしょう。

8.雷峰夕照・南屏晩鐘

杭州西湖南エリアには、西湖十景の雷峰夕照と南屏晩鐘があります。雷峰夕照は、雷峰塔で有名なスポットです。この塔は春秋時代に建てられたものですが、現在のものは再建されたもので、高さ71mあり、塔の中にはエレベーターがあり、最上階から西湖の全景が楽しめます。十景に選ばれた夕日に映える雷峰塔の風景は塔の東側の湖上に作られた遊歩道あたりから見るのが一番のようです。

杭州西湖南エリアのもう一つの十景である南屏晩鐘は雷峰塔の向かいにあります。南屏晩鐘には浄慈寺という寺院がありますが、この寺院の鐘の音を聞きながら西湖を眺めるのが素晴らしいということで、南屏晩鐘の名前が付けられました。この寺院の鐘の音が特に素晴らしいのは、音が周辺の岩などにぶつかって独特の音色を作り出すためと言われています。

9.浙江西子賓館・太子湾公園

出典: Credit:zhaojiankang

杭州西湖南エリアにある浙江西子賓は、杭州の5つ星ホテルの中でもトップのホテルで、西湖十景で知られている雷峰塔の山麓の湖畔沿いにあります。1958年に開業しましたが、1979年までは毛沢東をはじめとする要人のみが利用できるホテルでしたが、1980年から一般の観光客も利用できるようになりました。ホテルの立地は素晴らしく、湖畔に立つと蘇堤、三潭印月、柳浪聞鶯などが見渡すことができます。

太子湾公園は、南宋時代の太子の庭園でした。面積は80ヘクタールの広大な庭園は、現在杭州きってのウェディング用の庭園として利用されています。また、庭園には何十万本のチューリップが植えられており、春になると見事な風景を作り出し、多くの観光客が訪れます。

10.三潭印月・西湖遊覧

三潭印月は、「田」の字型をした小瀛州という杭州西湖の真ん中にある島にあります。島の南側の湖には3つの石灯籠が立っていて、満月の夜には、島と3つの石灯籠が大変美し風景を作り出します。島内には、池がたくさんあり、そこには九曲橋が架かっており、人気のある観光スポットとなっています。

島に渡るには西湖の各船着き場から出ている遊覧船に乗ります。最も一般的な遊覧観光の仕方は、東側湖畔の湖浜公園の船着き場から乗船し、まず西湖の一番小さい湖心亭という島で下船します。湖心亭には売店があり、杭州のお土産を売っています。そこからまた乗船し、三潭印月のある小瀛州に向かいます。

三潭印月については上述の通りですが、小瀛州は西湖のほぼ中央にあるので、ここからは様々な方向に遊覧船が出ています。あとは自分の行きたいところに合わせて乗船し、観光してくださいね!

11.湖上ナイトショー「印象西湖」

出典: Credit:syrnx

杭州西湖の観光で必見の湖上ナイトショー「印象西湖」の特徴は、ショーを演じる人がまるで湖の上を歩いているように演出していることです。杭州西湖の浅い湖底を利用してステージを湖面ぎりぎりの所に作ってあるためこのような演出が可能になっています。

プロデューサーは中国映画の監督で有名なチャン・イーモウ氏で、『白蛇伝』の一部、白娘子が許仙と恋に落ちて結婚する場面をダンスショーとしてアレンジしています。壮大なセッティングだけでなく、ストーリーの展開、音楽、踊りとすべてが高い質の物で、杭州の西湖の観光では絶対に見逃せないおすすめのショーです。

12.霊隠寺・飛来峰

杭州の西湖の西側でご紹介するのは霊隠寺と飛来峰。霊隠寺は飛来峰の敷地内にあり、通常はこの2つをセットで観光します。ただし、チケットが別になっているため、入場するには2枚のチケットが必要です。霊隠寺はインド出身の慧理が326年に開いた仏教の寺院で、杭州では最も古い寺院です。霊隠という名前は、周囲の山々が仙霊の棲む所のように感じられたため、付けられたと言われています。

飛来峰は岩肌や洞窟に刻まれた宋や元の時代の338体の石仏で有名な観光スポットです。飛来峰には霊隠寺の他、「永福寺」「稲光寺」という禅寺もあります。飛来峰は杭州の山地にあるため、一つの寺院から次の寺院に移動する際の山道の風景には心癒されるものがあります。

13.龍井茶(ロンジンチャ)の産地

杭州の西湖の西側にある龍井村は龍井茶の産地として有名で、多くの人が訪れる人気の観光スポットです。杭州の龍井茶は龍井村のほか、獅峰、虎跑、雲栖、梅家塢でも生産されています。茶畑は、西湖の西山路にある楊公堤の林道を進んでいくと見えます。中国ではお茶の質を称えるのに「四絶」と言う言葉を使います。四絶とは「緑の茶」「平らな茶葉」「まろやかな味」「まろやかな香り」の4つの基準を指しますが、龍井茶はこの4つの基準を満たす逸品として知られています。

ただし、お茶を製法する際に日本のように蒸すことがないので、製法されたお茶にお湯を注いでも日本の緑茶ほど緑にはなりません。龍井茶の産地では観光客向けの茶館がいくつもあり、試飲のコーナーを設けられているので、ぜひ味わってみてくださいね!

◎まとめ 

杭州の主要観光スポットである西湖は、西湖十景に代表されるように、古代から幻想的でロマンに満ちた場所として多くの人に愛されてきました。男性的な険しい山が多い中国にありながら、この西湖は女性的な感性に訴える観光地だということができます。西湖だけでなくお寺や、お茶のおいしい所でも有名です。ぜひ、そんな魅力の詰まった杭州を思う存分楽しんでくださいね!

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