戦争の英雄たちが眠る、ヴォルゴグラードのおすすめ観光スポット20選!

戦争の英雄たちが眠る、ヴォルゴグラードのおすすめ観光スポット20選!

口シア連邦の西部を南北に流れるヴォルガ川は、ヨー口ッパ最長の川と言われています。そしてこの川の下流域西岸の大都市がヴォルゴグラードです。ヴォルゴグラードは気温は夏は高く、冬はマイナス20度と厳しい気象環境ですが、産業大都市でもあるため世界各地からビジネスマンや観光客がたくさん訪れています。

ヴォルゴグラードは1925年から1961年の間、スターリングラードと呼ばれていました。1925年にヨシフ・スターリンが当時の反革命勢力と戦って勝利を収め、旧帝国の名を廃止して新たにスターリングラードと名付けたものなんです。1942年から1年にも及んだスターリングラード攻防戦ではたくさんの人々が犠牲になり、それぞれの場所で戦い抜いた伝説のヒー口ーたちが眠っています。

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戦争の英雄たちが眠る、ヴォルゴグラードのおすすめ観光スポット20選!

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1. ママエフの丘 

1942年のスターリングラード攻防戦に於いて、ドイツ軍が今のヴォルゴグラードを攻撃し、このママエフ・グルガンを守るソ連軍との間で壮絶な戦いが繰り広げられました。ドイツ軍はヴォルゴグラードの中心地、ママエフの丘を勝ち取れば町全体を掌握できると考えていたのです。ソ連軍はママエルフの丘を守りぬくために丘の斜面のいたる場所に地雷などを設置し、大合戦となったのです。

その際、女戦士が自分の命を投げ出し勇敢に戦ったというエピソードも残されています。ママエフの丘は現在で観光名所としても重要な役割を果たしています。当時たくさんの若者がこの戦争によって血を流し、愛する人とのつらい別れとなったこの丘では、今でも人骨や戦闘で使った武器などの破片が見つかるそうですよ。ママエフの丘には5つの戦争の爪痕を残す記念館が観光名所としてあります。

2. スターリングラード攻防戦パノラマ博物館

出典: commons.wikimedia.org

凄惨なスターリングラードの戦いについて知ることのできる観光スポット。館内へ入ると、3,500枚にも及ぶ目を疑うような数々の絵画が目に飛び込んできます。1942年から1年間続いたスターリングラ-ド攻防戦で使われた機器や武器をはじめ、当時の兵士が着ていた兵隊服などが数多く展示されています。

パノラマで描かれている絵画の一枚一枚には、この戦いで若くして命を失った女兵士や、たくさんの市民たちが犠牲になっている様子も細かく描かれています。館内に展示されている資料などを見ていると胸が詰まる思いに駆られることでしょう。

3. 旧製粉所

出典: Alexxx Malev

ヴォルゴグラード市の製粉所として建造されたこの建物もまた、スターリングラード攻防戦で破壊されました。パノラマ博物館のすぐ隣に立っていますが、当時の戦闘の様子を語るように廃墟のままで保存されています。当時の建物としては、唯一残されたものなんですよ。

今ではヴォルガ川のほとりで、静かな時間を取り戻していている廃墟の建物。第二次世界大戦の重要な戦跡として、多くの観光客が足を運ぶスポットです。

4. 母なる祖国像

出典: Alexxx Malev

ママエフの丘の頂上にそびえる、ヴォルゴグラ-ドのシンボルともいえる母なる祖国像。高さは52m、手にした剣の長さが33mもあり、像の重さは7900トンにもなるんですよ。1967年に建造された時には世界一の巨像でした。この巨大な像は、スターリングラ-ド攻防戦で勇敢に戦った女性兵士の姿とされています。

像までの200の階段からはヴォルガ川の風景が広がり、この像の周辺にあるそれぞれの記念館も、観光の見どころですよ。丘の上からはヴォルゴグラードを一望することができ、スターリングラード攻防戦においてこの丘がいかに重要であったかが実感できるでしょう。

5. 中央堤防

ヴォルガ川の見つめるように建つ3人の踊り子の像は、川沿いに延びる中央堤防のシンボルです。ポビェディ公園(勝利公園)とも呼ばれるこの広く爽やかな広場には、レストランやカフェなどが立ち並び、観光客だけでなく多くのヴォルゴグラード市民も憩いを求めて訪れます。他にも音楽劇場やコンサートホール、遊覧船の河岸などもあり、ヴォルゴグラードの文化観光の中心地ともなっています。

6. 永遠の炎

出典: Alex Tarassov / PIXTA(ピクスタ)

ヴォルゴグラードには「永遠の炎」と呼ばれるモニュメントが2つあります。1つはママエフの丘にある複合施設の中。巨大な手の形をした像が、炎を掲げています。

もう1つは中央堤防の奥に続く「戦没兵士広場」にあります。この下には、スターリングラード攻防戦で命を落とした兵士たちのうち100人が埋葬されています。近くにはロシア人とスペイン人、そしてタタール人兵士の3人の戦没者のお墓も別個に建てられています。

広場周辺にはヴォルゴグラードきっての高級ホテルや劇場、中央郵便局などの立派な建物が立ち並んでいて、いずれも見ごたえあります。レストランやカフェも多いので、ヴォルゴグラード観光での食事や休憩にもちょうどよいですよ。

7. ヴォルゴグラード鉄道駅

ヴォルゴグラードのメインステーションは、1862年に木造建築で造られましたが、1942年から続いたスターリングラード攻防戦によって破壊されてしまいました。その後1954年にスターリン様式で再建され、現在では観光名所となっています。

駅内部の天井には戦闘の様子が描かれた装飾があり、思わず見上げてしまうことでしょう。ただし入口や出口などの周辺には厳重な警備体制が敷かれていて、観光客などの所持品も徹底して調査されます。観光の際は注意してくださいね。

8. 全聖人教会

ママエフの丘に建つ、金色の丸いドームが特徴の全聖人教会。登る途中には戦車の塔が建っていますが、教会に入る前のこの辺り一面はスターリングラード攻防戦当時、遺体だらけとなったことから血の床としても伝えられています。

教会自体はソビエト連邦が崩壊した後に建てられたものですが、このママエフの丘で戦死したドイツ軍やソ連軍の多くの将兵の魂を、優しく見送っているかのようです。教会の中には亡くなった若い兵士や女戦士の名前なども刻まれています。

9. 英雄通り

スターリングラード攻防戦で一番の激戦区だった場所が、今のヴォルゴグラードの中央堤防と戦没兵士広場の間にある、ヒ-口ーたちの彫像が並んでいる英雄通り周辺です。ドイツ軍とソ連軍の兵士だけでも、合わせて数十万人がここで亡くなったとも伝えられています。

その中でも127人の英雄が眠るこの場所は、昼には緑や花に囲まれ、夜になると灯りが通りを素敵に照らし、昔はここが血の戦場だったとはとても思えません。通りの両脇にはポプラ並木が続き、沿道には小物を売る人たちや散歩を楽しむヴォルゴグラード市民の姿を数多く見かけます。

10. レーニン広場

ソ連でおなじみのレーニン。ヴォルゴグラードにもレーニンの名を冠した広場と彼の銅像があります。ヴォルゴグラードの目抜き通りの東端にあって、その中央には高さ9mの雄々しいレーニン像が立っています。レーニン像の近くにはスターリングラード攻防戦で勇戦した赤軍の第10師団と第23師団の戦没者慰霊碑もあります。周辺には攻防戦にまつわるモニュメントがいくつかあるのでじっくり観光してみるといいでしょう。

11. パヴロフの家

レーニン広場の隣にあるパヴロフの家は、スターリングラード攻防戦から50週年を記念して造られたものです。もともとはアパ-トで、スターリングラ-ド攻防戦でドイツ軍の強烈な攻撃からこの建物を守り続けた英雄パヴ口フ軍曹の名が付けられました。

その外壁にはレンガ風の印象的なモニュメントがあり、壁面には「この家には労働と武勲の両方が兼ね備わっています。親愛なるスターリンラードよ、我々があなたを守ります」と刻まれています。

12. ロッソシュキ記念墓地

出典: commons.wikimedia.org

ヴォルゴグラードの北西郊外のロッソシュキ村には、広大な敷地をもつ共同記念墓地があります。ここには第二次世界大戦で戦死したドイツ軍とソビエト軍の兵士10万人以上が埋葬されています。

広漠とした土地に墓碑が並んでいますが、今なお氏名が明らかになっている赤軍戦没者は一部に過ぎません。その中央には鎮魂の鐘が据えられたモニュメントが静かに佇んでいます。ヴォルゴグラード市内からはバスツアーが出ているので、時間に余裕のある方はぜひ観光に訪れてみてください。

13. 戦車襲撃犬のモニュメント

熾烈を極めたスターリンラード攻防戦では、なんと犬も戦力として投入されました。ただし人と犬が一緒に戦うというような美談では決してありません。背中に爆弾をくくりつけた犬を戦車の下に潜り込ませ、もろともに爆破するというものでした。この作戦により30を超える戦車の破壊に成功しましたが、この数字は同時に犠牲となった犬の数でもあるのです。

そんな犬たちの悲話を伝えるために建てられたのが、この犬のモニュメント。爆弾を背負った犬の姿に動物の好き嫌いに関わらず胸が詰まることでしょう。ヴォルゴグラードの郊外にあってアクセスが良いとはいえませんが、スターリンラード攻防戦の陰の部分に触れられる観光名所です。

14. 空爆犠牲者記念モニュメント

1942年の8月、当時のスターリンラードに対してドイツ軍は航空機のべ2000機、爆弾総量1000トンにおよぶ大空爆を行いました。中央堤防の東側には、この空爆をモチーフとした記念像が建てられています。戦後50年を記念して1995年につくられたもので、悲しみに暮れる市民が爆弾を頭からかぶっっているという姿をしています。

その特異なデザインに誰もが戦争の悲惨さに思いを馳せることでしょう。ちなみにヴォルゴグラードは、同じく空からの爆撃によって灰燼と化したドイツのケルンや日本の広島市と姉妹都市協定を結んでいます。

15. ワシーリー・チュイコフ元帥記念碑

出典: commons.wikimedia.org

ヴォルガ川沿いの静かな公園の中に、チュイコフ元帥の記念碑があります。ワシーリー・チュイコフはスターリングラード攻防戦で防衛指揮官を務め、現在も踏襲されている室内近接戦の基礎を編み出した人物です。ドイツのベルリン攻防戦でも活躍し、ボルゴグラードとソ連の英雄として語り継がれています。

外套を手に抱えた姿は、チュイコフ元帥が今なおヴォルゴグラード市民の敬意を集めていることを象徴しているようです。川沿いの公園内はたいへん広く緑に覆われていて、記念碑はちょっとわかりづらい場所に建っています。観光の際は付近の人に尋ねてみた方が良いでしょう。

16. Monument to Mikhail Panikakha

出典: commons.wikimedia.org

人体を斜めに浮かせ、何かに飛びつくような格好をした不思議な彫像です。実在の人物とされるMichel Panikaheをモチーフとしたもので、1度目はドイツ軍の戦車を災上させ、2度目にはドイツ軍の強固なタンク装甲の中へ爆弾を抱えて自ら身を投げたとして、ヴォルゴグラードの英雄とされています。

17. 悲しみの広場

ヴォルゴグラードのシンボルともいえるママエフの丘に、母親が子供を抱きかかえる悲しげな姿をした彫像があります。スターリングラードの戦いで肉親を失った家族の悲痛な思いや戦争の悲惨さを、亡くなった血まみれのわが子を抱きかかえる母親の姿で表現しています。

18. アレクサンドル・ネフスキー記念像

出典: commons.wikimedia.org

アレクサンドル・ネフスキーは13世紀のウラジーミル大公で、中世ロシアの英雄とされています。当時、ロシアのウラジーミル大公国はドイツやスウェーデン、モンゴルなどから狙われる辺境国に過ぎませんでしたが、ネフスキーはこれらの侵攻をことごとく退け、独立を勝ち取ってきました。

第二次大戦中のスターリングラード攻防戦にまつわる観光スポットが多いなか、中世ロシアに思いを馳せることのできる観光名所といえます。

20. スホーイ Su-2

スターリングラード攻防戦パノラマ博物館はの屋上には、SU-2という戦闘爆撃機が展示されています。1937年に軽爆撃機として開発されましたが、スターリングラード攻防戦の始まった1942年には、すでにドイツ軍の爆撃機の前には歯が立たなかったと言われています。逆にいえば、ソビエト時代初期の貴重な機体ということになるでしょう。ヴォルゴグラードを訪れるなら一見の価値はありますよ。

◎まとめ

「史上最大の市街戦」「独ソ戦の転換点」と言われているスターリングラード攻防戦。その舞台となった今のヴォルゴグラードには、激しい戦いを物語るモニュメントや博物館がたくさんあります。そしてその目の前には、ロシア有数の大河が変わらず悠々と流れているのです。

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