和洋折衷の文化と「うだつ」の町並みを巡る脇町の観光スポット10選

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和洋折衷の文化と「うだつ」の町並みを巡る脇町の観光スポット10選

脇町は、古くから商人の町として栄えた町。徳島県美馬市に位置しているこの町には、観光スポットはもちろんのこと、歴史や伝統文化をじかに体験できるスポットが多数存在するため老若男女を問わず幅広く楽しめる町。ここでは、脇町のおすすめ観光スポットを10選でご紹介します。

町を歩いていると、江戸時代や明治時代など、昔からの歴史を誇る建物に出くわします。中には国の文化財に指定された建物もあり、長い歴史の中で人々に支えられてきたことがうかがい知れます。この機会に、違った視点から町の魅力を垣間見てみましょう。

目次

和洋折衷の文化と「うだつ」の町並みを巡る脇町の観光スポット10選

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1.旧長岡家住宅から徒歩約10分。昭和初期を彷彿とさせる劇場「脇町劇場」

脇町劇場は、1933年に徳島県美馬市の脇町に建てられた劇場です。20世紀初頭の西洋を彷彿とさせるかのような造りで、その場に居るだけでどこかタイムスリップしたような錯覚を起こさせます。当時はこのように本格的な芝居をするための場所がほとんどなかったため、大変重宝されました。

かつて一世を風靡した松竹映画『虹をつかむ男』のロケ地は脇町劇場でした。これを機に脇町劇場は一躍有名となり、一般の方々からも「建物の中をぜひとも公開してほしい」という要望が多くなりました。建物は既に老朽化しており、一旦取り壊しを行わないと厳しい状態でしたが、「昭和初期の貴重な建物だからこその価値がある」と判断され、今に至ります。時代の面影を感じる劇場に、ぜひとも足を運んでみましょう。

2.茅葺屋根の住宅「旧長岡家住宅」

旧長岡家住宅は徳島県美馬市の農家をイメージさせるような住宅で、最明寺から徒歩5分ほどの至近距離にあります。この住宅が建てられたのは江戸時代の1735年の話で、当時からまさに「純農家」として機能していました。今では国の指定重要文化財と位置付けられており、この場所を訪れただけで日常の喧騒を忘れてしまいます。旧長岡家住宅に足を踏み入れてみると、当時の農業が現代のものとは全く異なっていたことに気づきます。

現代社会では、いかに能率良く大量に生産をしていくかにフォーカスが置かれる傾向にあります。しかし、当時は今のように技術が進展しているわけではなく、手植えが基本でした。こういう状況下で農業を営んでいくのは、決して容易なものではありません。当時の「純農家」に生きた先人の知恵がいかなるものだったか、茅葺屋根の住宅の中で体感してみましょう。

3.うだつの町並みの中で目立つ洋風の資料館「美馬市観光文化資料館」

美馬市観光文化資料館では、その名の通り、美馬市の観光に関する情報を発信しています。この資料館のルーツを探ってみると、元々は税務署でした。明治時代に脇町税務署が法務局になり、法務局が資料館になるという流れを踏み今に至ります。建物の中では、うだつの町並みの歴史や観光スポットなど、様々な情報をみることができます。

脇町のうだつの町の中にあるので、観光のついでに訪問しやすい場所。周辺の町並みは和風の建物の方が多いのですが、だからこそ洋風の建物が一目置かれます。しかも建物の前に設置されている電話ボックスも、どこか時代を感じますね。美馬市観光文化資料館はこじんまりとしていますが、その分落ち着いた時間を過ごすことができます。観光の休憩で利用してみるのもおすすめですよ。

4.脇町の豪商、吉田直兵衛の住宅「吉田家住宅」

出典: バリーさん (CC BY-SA 3.0)

吉田家住宅は、藍商として事業を始めた吉田直兵衛によって建てられた住宅です。別名「佐直」という屋号もあるのですが、当時の商人としてはかなりの実力がありました。脇町界隈では、三本の指に入ると言っても過言ではないぐらいでしたから、地元では非常に有名だったと察することができるでしょう。吉田家住宅では、当時の藍商がどんな生活をしていたのかについて垣間見ることもできますよ。

出典: バリーさん (CC BY-SA 3.0)

現在では、美馬市の文化財として指定されており、同時に一般の方でも施設内に入場することができます。吉田家住宅の建築様式がいかに素晴らしいものか、じかに体感するには絶好の機会です。毎年1月には、「うだつをいける」という独特の華道展も開催されているので、建築と文化を同時に堪能することも可能です。また、住宅のすぐ近くには、カフェやお土産コーナーもあるので、ゆっくりとした時間を過ごしてみるのも良いでしょう。

5.脇町の伝統文化から食まで「美馬市観光交流センター」

美馬市観光交流センターは、美馬市の伝統を通じて観光者と地元の市民が交流することを目的として設立されました。施設内には様々なコーナーがありますが、どのコーナーも交流センターでしか体験できないような貴重な時間を過ごすことができます。こういうスポットを訪れると、伝統の重みを痛感しますね。

では、それぞれのコーナーの特徴について見てみましょう。観光交流室では、脇町の観光情報を入手することができます。次に伝統文化体験施設ではどうでしょうか。このコーナーでは、藍染めや和傘の制作など、脇町で受け継がれてきた伝統に触れるのには最適な場所。そしてカフェスぺースでは、農薬を一切使っていない食材を味わえます。素材が本来持っている旨味が最大限に出る調理法によるメニューが出されるので、健康に良いと評判ですよ。

6.三味線・太鼓・餅つきの絶妙なコンビネーション「三味線もちつき」

「三味線もちつき」の歴史について紐解いてみると、ルーツは江戸時代までさかのぼります。元々は美馬市脇町で年末に三味線を弾き、そのついでに餅つきをしたことが始まりでした。三味線もちつきは1972年(昭和47年)に無形民俗文化財として指定され、それを機に美馬市役所の前で公開されています。市役所の仕事納めに当たる日に毎年公開しているので、年始に脇町を観光することがあれば、ぜひ市役所前に立ち寄ってみてください。

三味線や太鼓などに合わせて、三味線もちつき歌を歌いながら餅つきをします。そのため、にぎやかな行事であると同時に、どこか縁起の良さも感じますよ。つき手と返し手が以心伝心で餅をつくのはまさに職人芸。餅をつくスピードも並大抵のスキルでは成し遂げることができないものであり、圧巻です。

7.グローバルな次元で評価された脇町の華麗な洋蘭館「あんみつ館」

蘭(らん)のショールーム、兼、直売所である「あんみつ館」は、徳島自動車道の脇町インターから車で約5分という交通至便の場所にあります。名誉館長は、華道家でタレントの假屋崎省吾(かりやざきしょうご)氏。美馬市は大自然に囲まれていますが、だからこそ自然の恵みを存分に受けた洋蘭に巡り合うことができるのです。あんみつ館という名前は、かつてテレビで放送されていたアニメである「あんみつ姫」が由来になっています。

施設に足を踏み入れてみると、胡蝶蘭やシンビジウムなどはじめとした様々な洋蘭に囲まれた時間を過ごせます。このような贅沢なひと時を過ごすことはなかなかない貴重な体験。それもそのはずで、あんみつ館は洋蘭で世界一と称された実績があるのです。2002年にオランダで開催された園芸博覧会では、鉢物部門で金賞を受賞しています。

8.オランダ人が日本に貢献「デ・レイケの堰堤」

美馬市役所の近くを流れる大谷川の上流には、「デ・レイケの堰堤」と呼ばれるダムを見られます。このダムはいわゆる砂防ダムなのですが、対策や指導を中心的に行った人物の名前からそのように呼ばれています。明治時代にヨハニス・デ・レイケというオランダ人が来日して吉野川を調査し、その調査結果に基づいて土砂流出の対策が大谷川に施されました。

堰堤の近くには、デ・レイケ公園という名前の公園があります。ヨハニス・デ・レイケにちなんで、オランダの象徴である風車が風車が建てられ、毎年4月ごろにはカラフルなチューリップが公園内に華麗に咲き誇ります。チューリップの本数は約15000本。風車とチューリップが美しい脇町のデ・レイケ公園で、オランダの雰囲気を思い切り味わってみましょう。

9.脇町のリラックス交流促進宿泊施設「美村が丘」

脇町の交流促進宿泊施設「美村が丘」は、6000平方メートル以上におよぶの広大な敷地にあります。そのため、初めてこの場所を訪れた観光客は、広さに圧倒されることでしょう。しかも阿讃山地や紀伊水道などの自然に囲まれており、絶景を楽しむこともできます。大自然に触れることで、日常の喧騒を忘れるにはまさにもってこいですね。

美村が丘は、滞在型の施設。和室ひと部屋に最大で5人まで泊まることができるので、家族やグループでの観光におすすめです。食事は、山菜の天ぷらや、そばをふんだんに使ったぞうすいなど、この地でしか味わうことのできないメニューを味わえます。浴室や展望台からは、脇町の景色を思う存分堪能でき、リラックスしたひと時を過ごすにはおすすめ。非日常の体験を美村が丘で過ごしてみませんか。

10.栄華を極めた瓦造りを目の前に、うだつを上げよう!「脇町うだつの町並み」

出典: Johan Hoenselaar (CC BY-SA 3.0)

「脇町うだつの町並み」と耳にすれば、「うだつが上がらない」ということわざを連想する人が多いのではないでしょうか。このことわざの由来は複数あるのですが、なかには「脇町うだつの町並み」ではないかという説も存在します。「うだつ」というのは、2階の屋根の両端に外壁面から突き出た火よけ壁のこと。この町並みは、うだつが上がる白壁の町とも言われているだけあって、ワクワクしますね。

江戸中期頃から藍商人たちは、吉野川の水運によって上手く商売をすることができました。好調な時は100人以上もの藍商人が隆盛することもあったと伝わります。そこで、栄華を極めた証拠として、瓦を連ねたような造りをした屋根を作るようになりました。脇町のうだつの町並みは、そうしてできたまさに、うだつが上がっていることを物語るもの。鬼瓦の中には家紋が入ったタイプのものもあり、それぞれの家紋の違いを楽しむのもおすすめです。

◎まとめ

徳島県美馬市を形作っている町の一つである脇町は、和洋それぞれの伝統文化に支えられています。どのような伝統にしても、一朝一夕で出来上がるものではありません。脇町を作ってきた先人達の知恵や努力があるからこそ、町の魅力が現れているのです。この町を訪れてみれば、これまでには見たことのない光景に出会うことができますよ。

江戸時代や明治時代の町並み、オランダにいるような街並みなど、様々な光景が人々を魅了するのです。日常生活がどこかマンネリ化してきたと感じたら、思い切ってこの町を訪れてみてはどうでしょうか。観光スポットとして楽しめる場所がたくさんあって飽きることがありません。美しい景色が脳裏に焼き付いて、素敵な旅の想い出を作れることでしょう。

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