日本の歴史の原点となった明日香村を代表する観光スポット18選

日本の歴史の原点となった明日香村を代表する観光スポット18選

飛鳥時代のことはみなさんご存知かと思います。小学校の頃、あるいは中学生の歴史の授業で必ず習うことであり、詳しく覚えてなくてもその名前は忘れることはないでしょう。ただ、その飛鳥時代に栄えた町が、現在のどこにあたるのか、ということはあまり知られてないかも知れません。

奈良県の明日香村が、まさに飛鳥時代に都として栄えた町なのです。名前も「アスカ」とその名残を引き継いでおります。現在は、自然豊かな田園風景が広がる、のどかで素晴らしい街並みです。日本の始まりの地であり、ふるさとでもあります。

飛鳥時代にはここでどんな暮らしがされていたのか、そしてここから日本はどのように発展していったのか。その原点を感じるとることができるでしょう。そんな明日香村に観光に来るのであれば外せない、そんな観光スポットをいくつか挙げていきましょう。

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日本の歴史の原点となった明日香村を代表する観光スポット18選

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1.飛鳥寺

飛鳥寺

飛鳥時代の代表的なお寺の一つが、その名を冠している「飛鳥寺」です。かつて蘇我馬子は、自らが手にした権力を各方面に誇示し、皇族・民衆を畏怖させるため、巨大で斬新な建造物を造ることを決めました。そして596年、この飛鳥寺が完成したのです。日本で最初の大寺院と言われており、奈良県の観光には欠かせない、そんなお寺です。

講堂の中には本尊飛鳥大仏が祭られており、重要指定文化財にもなっております。豆知識ではありますが、飛鳥大仏はゆびとゆびの間に、襞がついて繋がっております。例外なく漏らさないで救いあげるという、まさに仏の教えを示しているのです。

お寺と大仏がメインなので、観光スポットとしては決して派手ではありませんが、日本の歴史を感じることができる重要な場所です。

2.蘇我入鹿首塚

蘇我入鹿首塚

飛鳥時代で有名な人物といえば、その一人が蘇我入鹿ではないでしょうか。そんな蘇我入鹿は、大化の改新の前夜に、飛鳥板蓋宮で中大兄皇子らによって暗殺されました。その時に首が落ちたと言われる場所があります。それが「蘇我入鹿首塚」なのです。飛鳥時代には、その栄華を極めた蘇我一族の没落した場所、そして新たな時代の幕開けとなった場所。

今は有名な観光スポットとなっており、誰でも訪れることができます。飛鳥寺の境内を西に抜けると、そこに立っているのが五輪塔です。高さ149cmの花崗岩製となっており、笠の形の火輪の部分が他より大きく、そして軒に厚みがあります。

五輪塔は、鎌倉時代、もしくは南北朝時代に建立されたと見られておりますが、どちらにしろ歴史あるモニュメント。「飛鳥大仏前」バス停を下車し、徒歩2分とアクセスもよいので、まずは明日香村観光の際に押さえておきたい、そんなスポットです。

3.石舞台古墳

石舞台古墳

飛鳥時代の象徴といえば古墳でしょう。先ほども出てきましたが、蘇我馬子の墓とも言われているのが、「石舞台古墳」です。日本最大級の横穴式石室を持っており、大きな石を重ねて造られております。その総重量がなんと2,300トン。重機もない時代に、どうやって持ち運んだのか気になりますが、それは永遠の謎でしょう。

元々は、一辺あたり約55メートルの古墳でしたが、ある時期に古墳上部の盛土が失われ、巨大な石室が表れたようです。その形状から「石舞台」と呼ばれる由来となりました。周りには桜も咲くので、春は特に見どころが満載です。

飛鳥巡りをするのであれば、その象徴とも呼べる観光スポットであり、外せない場所です。週末には観光客が多く訪れるのですが、最近では外国人ツアーのバスも多く見られます。入場料も一般で250円とお手頃な価格で、年中無休。飛鳥巡りの観光旅行には、必ず入れておきましょう。

4.高松塚古墳

高松塚古墳

実は、高松塚古墳が発見されたのは比較的最近の話でした。1962年頃、明日香村の村人が、ショウガを貯蔵しようと直径約60cmの穴を掘ると、穴の奥に、擬灰岩の切石が発見され、その後に古墳近くに遊歩道を設置するため調査が必要となり、奈良県の考古学研究所に発掘を依頼、そして1972年3月から正式に発掘が開始されました。そして開始間もない3月21日、極彩色の壁画が発見されたのです。これは当時ビッグニュースとして全国各地で大々的に報道され、のちの考古学ブームを引き起こしたきっかけともなったのです。

何といっても特徴は、壁画です。石室の4面に描かれており、それぞれに男子・女子の群像が描かれております。西側にある女子群像は鮮やかな色彩になっており、教科書にもカラーで紹介されている上、「飛鳥美人」としても有名であり、飛鳥観光の際は外せない観光ポイントです。

5.高松塚壁画館

高松塚壁画館

古墳から発見した石槨内部の模型と、永久に保存しようと図られている出土品が飾られているのが、高松塚壁画館です。

西壁女子群像

特に有名なのが「西壁女子群像」。誰もが一度は教科書などで見たことがあるのではないでしょうか。それ以外にも数々の壁画を初め、太刀飾金具や木棺金具といった、さまざまな埋葬物のレプリカを展示しております。

場所は、高松塚古墳の隣にありますので、セットで見ておきたい観光名所です。ただ、公共機関を利用するとなると、地下鉄飛鳥駅から徒歩で15分と、ちょっと遠いです。観光客の方であれば、バスツアーや、レンタカーで訪れることが多くなるでしょう。

飛鳥時代の概要を知ることができる、そんな観光スポットなので、飛鳥巡りをする上でぜひ一度は足を運んでおきたいです。

6.キトラ古墳

キトラ古墳

先ほど説明した、高松塚古墳に続いて発掘されたのが、大陸風の壁画古墳である「キトラ古墳」です。奈良県には古墳がたくさんありますが、中でもキトラ古墳は、高松塚古墳の兄弟と称されたり、珍しい壁画があることもあって、近年非常に注目が集まっております。

中でも特に有名なのが、「天文図」。1998年に発見され、太陽や月、そして北極星を中心とした円形星座が描かれており、非常に精密です。そして現存する天文図としては、世界最古である可能性がでてきています。7~8世紀に造られたと言われており、そんな古くから存在していたものが、ここ20年で見つかるという奇跡を果たしました。

何かと謎が多い飛鳥時代ですが、最近になってこうした天文図が発見されたことで、また一つ謎が増えました。飛鳥巡りの観光に行った際は、この天文図は一見の価値ありです。きっと壮大な歴史のロマンに、胸を打たれることでしょう。

7.飛鳥水落遺跡

飛鳥水落遺跡

飛鳥寺の西側に位置する、特異な基壇を持つ大形の正方形の遺跡が、「飛鳥水落遺跡」です。あの大化の改新で有名な中大兄皇子が造ったとされている、漏刻台(水時計)があります。

今は時計が発明されたため、時間を簡単に知ることができます。でも飛鳥時代にはそういったものは当然ありません。時間の知り方は、世界各国でさまざまな手法が取られました。そして中大兄皇子は、民衆に時間を知らせるために、漏刻を造ったと言われております。

時間というものの概念がすでにその時からあり、それを正確に図ろうとしていたということに感動を覚えるでしょう。飛鳥水落遺跡は、そこまでの大きさではありませんので、観光スポット巡りをする上で、滞在時間はそこまで長くはなりません。ただ、飛鳥時代の中心とも呼べる中大兄皇子が造ったとされる、漏刻は、飛鳥巡りの観光には欠かせない見どころの一つです。

8.奈良県立万葉文化館

奈良県立万葉文化館

「奈良県立万葉文化館」は、日本最古の歌集として知られている「万葉集」をテーマとしたミュージアムとなっております。国内の古代文明についての調査や研究、そして文化の振興を図るためのミュージアムとしての施設と、万葉集に関しての情報の収集と提供を行う図書や情報サービス機能を併せ持っております。発掘した文化資産の保管も行っており、遺跡と共存した、総合文化施設です。

一階部分には、万葉集をテーマにした日本画を展示したり、ミュージアムショップなどがあります。地下一階には万葉おもしろ体験コーナーから、万葉劇場など、万葉集をこれでもかと満喫することができます。飛鳥時代には、どんな人がどんな気持ちで歌を作っていたのか、その想いと当時の暮らしを伺うことができます。

万葉集は、5世紀から8世紀にかけて詠まれた4,500余首を収めております。飛鳥時代だけではなく、平安時代にかけてどう変わっていったのかも見どころです。ここは、老若男女楽しむことができる、そんな観光名所となっております。

9.甘樫丘展望台

甘樫丘展望台

「甘檮岡(味橿丘)に立つと、飛鳥の展望は美しい」、そんな言葉が生まれたのは1977年に出版された門脇禎二氏の名著「新版 飛鳥 その古代史と風土」からです。甘檮岡とは、現在では甘樫丘と表記されている、明日香村の西の端にある丘陵のこと。

標高148mの丘陵であり、数か所の登山口があるため、展望台へどのルートでも上ることができます。特に、春には満開名桜が咲くため、それはもう美しい景色となります。

特におすすめが、豊浦展望台です。春には、飛鳥巡りの観光の途中訪れる多くの観光客で賑わっており、有名な観光名所でもあります。そこから見下ろす飛鳥一円の景色も素晴らしく、二上山、葛城山、また金剛山なども一望できます。誰しもが”飛鳥の展望は美しい"と思わずつぶやいてしまいそうな、そんな魅力的な展望台です。

10.稲渕棚田

稲渕の棚田

明日香村の奥飛鳥地域は、「にほんの里100選」にも認定された綺麗な景色が拡がる里山です。風光明媚な眺めが広がり、誰しもが持つ日本の古き良き風景が広がっているそんなエリアです。

その中にある、稲渕地区は、なだらかな傾斜に湾曲した水田が不規則に続いた棚田で埋め尽くされています。現在も、田植えや稲刈りが行われており、飛鳥時代から続く農作の文化を、日本の原風景として味わうことができます。

観光で出向くのであれば、特に秋がおすすめです。9月下旬になると、棚田のあぜ道には彼岸花が開花し、その周辺には黄金色の稲穂で埋め尽くされており、言葉にできないほどの絶景になります。稲穂に夕日が差しこむ画には、「日本っていいなぁ」と思わずつぶやきたくなることでしょう。

もし、観光見物に出かけるのであれば、農家の方の迷惑とならないよう、マナーには気をつけましょう。飛鳥時代から今も続く稲作、そしてこれから先も永遠に続いてほしい稲渕の棚田の景色は、飛鳥巡り観光に行くたびに目に収めたくなる、そんな風景です。

11.鬼の俎・鬼の雪隠

鬼の俎・鬼の雪隠

飛鳥巡りをしていると、数多くの巨大な造形物を見る機会があると思います。明日香村の野口から、平田に向かう途中の遊歩道には、「鬼の俎(おにのまないた)・鬼の雪隠(おにのせっちん)」という石造物もその一つ。

鬼の俎は、遊歩道の右手の高大の上にあり、鬼の雪隠は滑り落ちたような格好で反対側の畑の中にあります。一体これらは何なのでしょうか。実はこれは、崩壊した横口式石槨の石室と底石です。

石室にあたるのが雪隠であり、底石にあたるのがまな板となっております。何の目的で造られたのかははっきりとはしておりませんが、欽明天皇の陪塚として、7世紀ごろ作られたと推測されています。

また、鬼が付近を通る旅人を捕まえて、まな板の上で料理をし、雪隠をトイレとし用を足したという言い伝えも存在しております。飛鳥時代にはこうした大きな石でできた造形物が多く、今では観光スポットとして有名になっております。

12.亀形石造物

亀形石造物

こちらもユーモラスな形が特徴の石造物です。「亀形石造物」は、一件すると、トイレのようにも見えますし、亀の形にも見えます。飛鳥時代に造られたものは、なぜか亀の形をしたものが多いのも気になります。

さて、こちらは長さ2.3メートル、幅約2メートルの亀の形をしているのですが、円形の甲羅の部分には深さ0.2メートルの水槽が掘られてあり、頭の部分が取水口となっております。甲羅にたまった水が、尻尾から流れ出るような仕組みです。

またこの南側には、水を亀の頭部箇所へ補充するための形の貯水槽が、さらに南にはレンガ状に加工された湧水施設があります。船の形をした水槽に向かって湧水の施設から水が流れ、さらに貯水槽から亀形石造物へ流れる構造となっているのです。

飛鳥時代には、この場所で何かしらの祭祀が行われていたのではないかと推測されております。観光に訪れる場合、滞在時間は短くなるとは思いますが、一見の価値ありです。

14.酒船石

酒船石

先ほど紹介した、万葉文化会館の南隣りには、小高い丘があります。その頂上付近の竹やぶの中に、「酒船石」という謎の石造物があるのです。その長さおよそ約5メートル。幅は2.3メートルの巨大な花崗岩であり、何かのメッセージかと思われるような奇妙な模様が描かれております。

飛鳥時代に、お酒を搾るのに利用されたといった説や、薬を利用するのに使われたなどの諸説があり、目的は謎のままです。ただ、この近くに水を引くための土管などがあり、この酒船石に引かれていたのは分かっております。

飛鳥時代は、こうした何かに利用されたであろう、石造物が数多く存在しております。いくつかは観光名所ともなっておりますので、飛鳥巡りの観光をすれば、必ずコースに入ってきます。飛鳥時代に人々はどういいた生活をしていのか、色々と考えさせられます。歴史や過去に思いを馳せる、大人向けの観光スポットといえますね。

15.岡寺

岡寺

明日香村にある「岡寺」は天智天皇の時代に、義淵僧正が草壁皇子の岡宮をもらったことで創建されました。岡宮をもらい受けた事から「岡寺」と名付けられておりますが、正式には龍蓋寺といいます。本尊は女性の厄除け観音として、信仰を集める如意輪観音坐像です。西国三十三所第7番札所として、多くの観光客で賑わう観光スポットとなっております。

また見どころはそれだけではありません。春には満開の桜が、そして秋には見事な紅葉が周りを色どり、それはもう美しい光景。かつて飛鳥時代から続くこの景色に、多くの日本人が癒されてきたことでしょう。日本のお寺の多くが、飛鳥時代頃に造られ始めたとされており、その一つでもあります。

飛鳥巡りの観光旅行で尋ねるのであれば、春か秋がおすすめです。季節ごとの景色を楽しみたいときにはもってこいの観光スポット。

16.橘寺

橘寺

飛鳥時代で一番の有名人といえば、やはり聖徳太子です。かつてはお札にもなっており、何といってもあの肖像画は誰でも一度は見たことがあるのではないでしょうか。そんな聖徳太子が生まれた地として知られているのがこの「橘寺」です。それにちなんでか、本堂のご本尊は聖徳太子座像となっており、御年35歳の御姿とされております。

ただ、梅原猛氏の著書「飛鳥とは何か」の中で、橘寺は最も分からないお寺であるといったことが述べられております。その理由は、寺伝と正史が異なるから。聖徳太子が橘寺で生まれたとされるのが寺伝であり、正史では生まれた地は、用明天皇の「磐余池辺双槻宮」と言われております。

どちらか真実なのかは、もはや知るよしはありません。ただ、時代を感じさせるお寺です。観光名所としても人気が高く、多くの観光客でにぎわっております。飛鳥時代の事に興味がある人は、必ずや面白い場所になるでしょう。

17.奥明日香さらら

明日香村の奥にある、奥明日香で営業をしているのが、「奥明日香さらら」です。ギャラリーと食のお店として地元で人気のお店です。築50年の古民家を改装して造られております。

1階の洋室は、2015年の2月からギャラリーを併設したお食事スペースとなっており、ガラスや陶器など、店主の選んだ作家作品が並びます。作品によっては、購入することが可能なので、食事を楽しみながらギャラリーを見て満喫することも可能。

なお、こちらも食事の場合はさらら膳というメニューのみとなります。鶏肉の生姜焼きや、手作りこんにゃく、神奈備豆腐などバランスのよい食事が可能。カフェメニューも充実しており、ぜひゆったりとした時間を過ごしてみてください。

お土産品も売っておりますので、飛鳥観光に来られた方はここでちょっと変わったお土産品を買って帰ると喜ばれること間違いなしです。

18.あすかいちご狩りパーク

あすかいちご狩りパーク

奈良県のいちごといえば、あすかルビーと呼ばれる品種が有名。そのいちごを満喫できるのが「あすかいちご狩りパーク」です。毎年1月の上旬から5月下旬と、期間限定でオープンしており、完全予約制でいちご狩りが楽しめます。30分間食べ放題なので、摘みたての新鮮ないちごを現場で試食することができるのです。

明日香村で、10カ所以上で開園されておりますので、好きな所へ行っていちごを満喫しちゃいましょう。飛鳥巡りとは少し趣が離れてはしまいますが、飛鳥時代の歴史を学び、ちょっと疲れた頭を農園にきてリラックス。観光客から、近隣の住民の方まで、多くの方でにぎわっております。

開園日も開園時間も限られておりますので、事前に予約をして、いちご狩りを満喫してみてはいかがでしょうか。

◎まとめ

いかがでしたでしょうか。飛鳥時代から伝わる造形物だったり、歴史的な名所を中心に紹介してきました。飛鳥時代にはまだまだ謎が多く残っており、当時どういったことが行われていたのか、どんな暮らしをしていたのか、明日香村にくることで少し見えてくるかもしれません。

明日香村は日本の原点でもあり、政治が始まったと地とも言われています。飛鳥時代から人々が紡いできた歴史をぜひ肌に感じながら、新しい発見をしていければよいですね。また観光で足を運んだ際には、明日香村で食べられる美味しい食事や、さまざまな景色と共に、ぜひ時代の流れを感じてみてください。きっと新しいものが見えてくることでしょう。

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