古代歴史散歩。歴史好きな人にはたまらない橿原市の観光スポット8選

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古代歴史散歩。歴史好きな人にはたまらない橿原市の観光スポット8選

橿原市(かしはらし)は奈良県中西部、奈良盆地の南部にある町。大和三山と呼ばれる畝傍山(うねびやま)・耳成山(みみなしやま)・香久山(かぐやま)を含む平地の多いエリアです。橿原市の名前は、神武天皇が即位したあとに建立した「橿原宮」に由来。市のシンボルマークは神武天皇にゆかりのあるトビがモチーフです。日本で最初の都城、藤原京ができたのもこの地。橿原市は694年に藤原京が遷都されて以降、平城京になるまでの16年間にわたり都として栄えました。

一方で、橿原市は奈良県で2位の人口を抱える大都市でもあります。市内には金融機関や証券会社、報道機関などのビルが並び、商業施設が充実。近代化が進むとともに歴史や伝統を失わない橿原市は、昔と今の共存という意味で非常に稀有な存在です。そんな魅力の詰まった橿原市を観光するなら、ここで紹介する7つのスポットがおすすめです。

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古代歴史散歩。歴史好きな人にはたまらない橿原市の観光スポット8選

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1.橿原神宮

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橿原神宮は1890年(明治23年)、明治天皇が神武天皇を祀るために創建。神武天皇が即位したとされる畝傍山南麓の「橿原宮」に建てられています。橿原神宮は約50万平方メートルの広大な神域を有し、初詣の参拝者数が多いことでも有名。春日大社と並ぶ、奈良を代表する神社のひとつです。

一の鳥居をくぐって大参道を進み、宮川にかかる神橋を渡ると二の鳥居があります。檜皮葺き(ひわだぶき)の本殿や神楽殿は、厳かな雰囲気。お参りをしたあとは、南側にある深田池にも行ってみましょう。

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南神門広場の南にある深田池は、遊歩道が整備されていて散策におすすめ。ツツジ、藤、水連、花しょうぶなど、四季の花もを楽しめますよ。

2.香久山

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香久山(かぐやま)は大和三山(やまとさんざん)の中で2番目に高い山で、標高は152.4m。「天香久山(あまのかぐやま)」ともいわれる神聖な山です。『伊予国風土記』逸文には、天から落ちた山が2つに割れたものの1つであると記されています。

また、香久山は藤原京から向かって東にあることから、太陽信仰の地であったともいわれています。このように人々に愛されながらも、どこか神秘的な雰囲気をまとう香久山は『万葉集』にも登場。「春すぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」という持統天皇の歌からも雰囲気がうかがえるのではないでしょうか。香久山は、国の名勝に指定されると同時に、歴史的風土特別保存地区。現在も多くの観光客が訪れる人気のスポットです。

3.橿原市昆虫館(香久山公園)

香久山を観光して和歌の世界に酔いしれた後は、少し体を動かしてみましょう。香久山の南麓丘陵部にある香久山公園は、観光客のみならず橿原市の市民にも愛されるふるさと公園です。広大な敷地には橿原市の豊かな自然がいっぱい。簡単なお弁当を持参してピクニックを楽しんだり、春には桜、秋には紅葉を愛でることができます。また、公園内には遊具が充実。子ども用にはアスレチックや滑り台、大人にはぶら下がり健康器具などの筋力トレーニング用の遊具がおかれています。

もうひとつ、香久山公園でぜひ観光したいところが昆虫館。県内唯一の自然博物館である「橿原市昆虫館」が香久山公園にあります。見るだけでなく触って感じる、をテーマに昆虫標本と化石標本など1000点以上が展示されています。放蝶温室では、蝶が元気に飛び回る姿を見ることができますよ。

4.橿原市立こども科学館

「橿原市立こども科学館」は、身体を使って遊びながら科学を学べる参加体験型の科学館。力、磁石、光と音、宇宙、空気など不思議で楽しい体験ができる家族連れにおすすめの施設です。

特に人気なのは、宇宙飛行船を操縦するスペースシップシミュレーター !ほかにも、さまざまな科学現象をわかりやすく紹介してくれる実験工房、地球の自転がわかる「フーコの振り子」や大画面のシアタールームなど、子どもだけでなく大人もワクワクしながら楽しめます。また、期間限定のイベントを季節ごとに実施しており、3月には科学の祭典「サイエンスフェスティバル」を開催。サイエンスフェスティバルは、科学館を含む「かしはら万葉ホール」全館を使用した盛りだくさんのイベントで、スペシャルゲストも楽しみ!事前に公式ページをチェックしておきましょう。

5.橿原考古学研究所付属博物館

「橿原考古学研究所付属博物館」は、1938年以来、奈良県立橿原考古学研究所が発掘調査を行い出土したものを展示している博物館。旧石器時代から縄文~弥生~古墳~飛鳥奈良と平安~室町時代までの展示にわかれています。歴史を学べる博物館はほかにもありますが、これほど多くの実物を目にすることができる博物館は珍しいのではないでしょうか。特別展は、リピーターも楽しめる様々な企画を行っています。

また橿原考古学研究所付属博物館では、小学生や中学生向けワークシートを用意。「楽しみながら学べる」をコンセプトにしたワークシートは、勉強というより、クイズをする感覚で楽しんで学べます。なるほど、そうなんだ!と思うことがたくさんあって、大人にもおすすめです。橿原観光で、考古学のコアな魅力にはまってしまうかも。

6.神武天皇陵

神武天皇は紀元前660年に橿原宮で即位、初代の天皇になったという伝説上の人物。『古事記』と『日本書紀』に登場し、現在もなお、多くの人に語り継がれています。「神武天皇陵」は畝傍山(うねびやま)の北東側山麓にある円丘で、周囲約100m、堀の幅は約16m。明治20年につくられた神武天皇陵は、六角形の石垣で囲い、その周辺にさらに垣を張り巡らせたものでした。しかし大正時代になって、神武天皇がいたとされる時代の古墳は円形であることが判明。再び円形に作り替えられ、現在に至ります。

神武天皇が即位した場所で有名な橿原市は、シンボルマークが金鵄(金色のトビ)。『日本書紀』に登場する金鵄は、神武天皇の弓にとまって光り輝き、敵を追い払ったといいます。神武天皇陵の南には橿原神宮があるので、一緒に観光するのがおすすめです。

7.藤原宮跡(奈良文化財研究所、橿原市藤原京資料室)

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藤原宮跡は、藤原京の中心だった藤原宮があった場所です。現在は藤原宮自体はなく、コスモスやハスが咲く台地が広がるのみとなっています。しかし、四季折々の植物を見ながら当時の貴族文化を学ぶことのできる場所でもあります。藤原京跡を観光した後は、橿原市藤原京資料室と奈良文化財研究所藤原宮跡資料室へ行ってみましょう。

橿原市藤原京資料室は藤原宮跡から250mほど西側にあります。当時の都を再現した1/100の模型でや出土品、古代衣装をまとった人形などが展示されています。大型モニターでは、コンピューターグラフィックスを使用して藤原京を再現。アニメ上映では人々の暮らしを知ることができます。観光の思い出は写真撮影コーナーでどうぞ。

奈良文化財研究所は、藤原京周辺で出土した土器や木器、木簡などを保管しているところです。資料室では数多くの貴重な資料と、藤原京がつくられるまでの様子を模型とともにわかりやすく展示しています。

8.歴史に憩う博物館

ここまでご紹介してきたように、橿原市には多くの歴史や神話が残されています。それぞれの観光スポットに行くのはとても貴重な体験になりますが、観光に時間は限られています。とにかく効率的に観光したい方には、まずはこちらの博物館へ行くことををおすすめします。

「歴史に憩う博物館」では、旧石器時代から江戸時代までの出土品や資料を幅広く展示し、解説しています。観光の最初にあらかたの歴史を理解してから、行きたい観光スポットをピックアップして訪れるという方法はいかがでしょう。歴史に関する展示のほか、発掘された土器に触れたり、体験学習が行われたりとイベントもさまざま。橿原市観光の入り口として、もしくは最後の総集編として、ここ「歴史に憩う博物館」を利用してくださいね。

◎まとめ

神武天皇の歴史からはじまった橿原市には、今もなお当時の歴史が息づいています。神武天皇陵をはじめ、数々の出土品を扱った博物館や資料館ではそれを目の当たりにできるはずです。歴史を学んだあとに見る大和三山や橿原市の景色は、何か違ったものを私たちに訴えかけているようです。アミューズメントパークで遊びつくす観光も楽しいですが、日本誕生の歴史を巡る観光もまた良いものです。

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