アゼルバイジャンの飛び地ナヒチェバンでおすすめの観光スポット4選!

アゼルバイジャンの飛び地ナヒチェバンでおすすめの観光スポット4選!

黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス地方には、ロシア・トルコ・イランの3つの大国に囲まれたアゼルバイジャン・アルメニア・ジョージア(旧グルジア)の3つの小国があります。この地域の地図を見ると、そのうちの1つアゼルバイジャンには、国にもかかわらず飛び地があることに気が付くでしょう。この飛び地領はナヒチェバン自治共和国といい、その首都がナヒチェバンです。その地理的性格からトルコとのかかわりが強く、市内には世界遺産の暫定リストにも載っている、12世紀セルジューク・トルコ時代の遺跡もあります。また、旧約聖書の「ノアの方舟」伝説にも登場する神聖な場所でもあるんですよ!今回は、そんなナヒチェバンを観光する際に押さえたい観光スポットを厳選して4か所ご紹介します。

目次

アゼルバイジャンの飛び地ナヒチェバンでおすすめの観光スポット4選!

1. 街を見渡せる史跡「ノアの霊廟」

出典: commons.wikimedia.org

旧約聖書の『創世記』に登場するノアは、すべての動物を1組ずつと自分の家族を方舟に乗せ、40日に及ぶ大洪水を耐えました。その後に方舟が底を着けたのが、ナヒチェバン北西にそびえるアララト山とされています。

ノアはその後950歳まで生き、アルメニアの言い伝えによれば、その墓は今日のナヒチェバンの街中にあるとされています。8世紀にはノアの霊廟が建造されましたが、月日とともに荒廃して基壇を残すのみに。2006年に、上部が新しく付け加えられました。

建物の横の青い階段から、霊廟内部の埋葬室へ入ることができます。部屋には石の支柱があり、ノアの遺物がその下に埋まっているとされています。光の当たり具合によっては、まるで黄金が輝いているかのような外観。外壁に施された装飾もまた、独自の美しさを放っています。

霊廟の建つ小高い丘からの眺めもおすすめ!ナヒチェバンの街並みはもちろん、コーカサスの雄大な山並みも一望できますよ。

2. アラビア文字最古の書法の碑文「モミネ・ハトゥン廟」

ナヒチェバンの中心部に静かに佇む「モミネ・ハトゥン廟」は、世界遺産暫定リストにも登録された街のシンボルです。モミネ・ハトゥンは、12世紀にセルジューク朝の地方政権イルデニズ朝を興したイルデニズの妻。1187年に、2人の子ジャハーン・パフラヴァーンによって建造されました。

入口の上にはアラビア文字最古の書法「クーフィー体」で書かれた碑文の銘板が掲げられ、外壁は星形の組み合わされた幾何学的な模様に彩られています。さらに近づいてみると、クーフィー体とアラビア語の繊細な装飾が施され、霊廟上部の青いタイルと合わせて当時の技術の高さがうかがえるでしょう。

高台にあって眺めも良く、コーカサスの山々の稜線に、高さ約27.5mの十角形の塔がよく映えます。ナヒチェバンの輝かしい歴史を伝える遺跡としても、ぜひ訪れたい観光スポットです。

3. 天国のような高原「シャハブズ国立保護区」

ナヒチェバンの北東、アルメニアとの国境近くに広がるシャハブズ国立保護区は、2003年に絶滅危惧種保護のために設置された比較的新しい自然保護区。域内にはヒグマやアナグマ、オオヤマネコなどさまざまな野生動物が生息し、またヤマウズラやナイチンゲール(小夜啼鳥)などが見られるバードウォッチングスポットとしても人気です。

また、国道沿いには3つの小さな湖があり、そのなかでもバタバート湖(Batabat)は水面の青色がとりわけ深くて神秘的!高原の山々に囲まれた湖は静寂に包まれていて、時間が経つのも忘れてしまいそうなくらいです。ナヒチェバン観光でコーカサスの自然を満喫するなら、シャハブズ国立保護区はピッタリの場所です。

4. 今は絨毯博物館「ナヒチェバン・ハーン宮殿」

出典: commons.wikimedia.org

モミネ・ハトゥン廟の奥に建つナヒチェバン・ハーン宮殿は、1747年に成立したナヒチェバン・ハン国の君主の館です。ナヒチェバン・ハン国は1828年にロシア帝国に併合されて消滅しましたが、君主(ハーン)の子孫は帝国の騎兵将校として続き、宮殿は軍の司令本部として存続しました。西洋とアジア、そしてイスラームの文化が融合した独特の建築様式は、コーカサス地方の地理的な特殊性を如実に表していると言えるでしょう。

1998年からは絨毯博物館として利用され、館内には300を超える古今東西のカーペットが展示されています。ほかにも銅器や陶磁器、民族衣装など、ナヒチェバンの民俗的な資料も多数収蔵。ナヒチェバン地方の歴史を知るには打ってつけの観光スポットとなっています。

◎まとめ

アゼルバイジャンの飛び地となっているナヒチェバン自治共和国の首都ナヒチェバンの観光スポットをご紹介しました。ナヒチェバンへは、アゼルバイジャンの首都バクーや同国第2の都市ギャンジャから飛行機を利用するほか、アララト山のあるトルコ側からバスで向かう方法もあります。日本ではなじみのない地域ですが、ノアの洪水伝説にちなむ旧跡があるなど、ナヒチェバンは世界の歴史とも深くかかわっています。コーカサス地方を旅することがあれば、ぜひナヒチェバンにも目を向けてみてください。

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