大自然と奥深い文化を持つ花蓮県のオススメ観光スポット15選

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大自然と奥深い文化を持つ花蓮県のオススメ観光スポット15選

太魯閣渓谷(タロコけいこく)に代表される花蓮県(かれんけん)は台湾東部の大きな都市で、東華大学も設置され文化水準も高いです。高速道路の「蘇花公路」も二車線に拡張されたので、車でも観光しやすいエリア。さらに、北回帰線が通る場所も花蓮県にあり、地理に興味のある方にもぜひ観光にオススメしたい場所なんですよ。他にも花蓮県では、瑞穂牧場のように自然を体験できるファミリー向けの観光スポットが多く、のんびりと自然を満喫できます。台湾の都会観光に飽きたら、ぜひ花蓮県へ出かけてみませんか?

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大自然と奥深い文化を持つ花蓮県のオススメ観光スポット15選

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1. 長春祠

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花蓮県の絶壁に造られた長春祠は中国・唐時代の「亭台楼閣」を基調としたデザインで、精巧であるとともに荘厳さも兼ね備えた観光スポットです。清らかな水が山肌から湧き、滝となって落下していきます。それは「長春飛瀑」と呼ばれ、花蓮県の「中横公路」の風景を際立たせています。

周囲には歩道が整備され、観光客はいろいろな角度から峡谷を観察できます。祠の裏には梯子が架けられ、観音洞へと続いています。祠の下には滝があり、滝の上からの眺めを楽しむのもオススメ。さらに進むと「太魯閣楼」と「鐘楼」があり、鐘楼は歩道の最も高い所に設置されています。

観光スポットの鐘楼から見下ろせば、峡谷と高速道路が一望できますよ。祠のところから峡谷まで90度以上に曲がった「曲流」と言われる流れが3箇所あり、長春祠が作り出した特異な地形は見逃せない観光ポイント。美しい「亭台楼閣」と終生枯れることがないと伝えらえる「長春飛瀑」の風景は、花蓮県で訪れておきたい場所です。

2. 石梯坪

石梯坪は花蓮県の豊浜郷石梯湾の南にある観光スポット。エリア全体は広い海岸となっており、波によって侵食された地形を観賞することができます。サンゴ礁が隆起し波によって削られた岸壁は、花蓮県だけでなく台湾でも1・2位を争うほどの景観ともいわれているんですよ。

石梯坪海岸はサンゴ礁と熱帯魚の生息地で、潮の満ち干きによってできた岩穴に海水がたまり、海藻や貝が育ちます。海へ潜れば多様な生態系が観察でき、海釣りにもぴったりの観光地です。

観光する際は事前に旅行センターにある展示室で地形の特徴や動植物などをチェックしてから、ゆっくりと花蓮県が誇る太平洋の雄大な景観を味わいつつ観光するのがオススメ。石梯坪では宿泊も可能で、月明かりの中、散策したり満天の星を眺めるのも素晴らしい旅の思い出になりますね。

3. 花蓮文化創意産業園区

「花蓮文化創意産業園区」は花蓮県の市街地にある観光スポット。26棟の歴史ある倉庫が建ち並び、面積は4ヘクタールにも及びます。元々は酒類の工場で、日本統治時代に民間の「宜蘭振拓株式会社花蓮港稲住工場」として酒類の製造をしていました。

1922年に花蓮県を含む台湾全土で酒類専売が開始されると、台湾総督府により工場は接収され現在に至ります。1988年に花蓮県の工場は閉鎖され、土地は荒れ果ててしいきました。そして2012年から2015年の間に文建会計画によって再び整備され、観光向けに「花蓮創意文化園区」として公開されました。区内は展覧会やレストラン、花蓮の特産品やいろいろな芸術が展示されています。建物は1927年のもので、中には当時のままの場所もあり、くもりガラスや窓、銅製の取っ手、ランプに木製のサッシなど昔の花蓮を偲ばせるレトロな雰囲気タップリですよ。

花蓮文化創意産業園区は日本統治時代の名残りを間近に見ることができる貴重な施設といえます。区内は車両の出入りが禁止され、休日には親子連れや観光客、またペットを連れて散歩をする人などで賑わうオススメ観光スポットです。

4. 蘇花公路

出典: 大頭家族

高速道路である「蘇花公路」は台湾の東側を走る花蓮県の幹線道路です。台湾9路線のひとつで日本統治時代に修築され、1932年に開通した当時は「臨海道路」とよばれていました。第二次世界大戦後に「蘇花公路」と名前を改め、以後トンネルや道幅の拡張が行われ1990年10月には二車線に拡張されました。

北は宜蘭県に始まり、南は花蓮県まで続いています。全長は102.4kmで、道路沿いには太平洋や断崖絶壁が観光客の目を楽しませてくれる、台湾はもとより世界的に有名な観光高速道路となっています。台湾を車で観光するのならぜひ訪れてほしい名所です。

5. 松園別館

花蓮県にある文化イベントや展覧会、セミナー講座などが行なわれる観光スポット「松園別館」。かつて旧日本軍によって第二次大戦後期に建てられた、「兵事部」の事務室でした。隣には「放送局(現在の中広公司花蓮台)」と「海岸電台(現在の中華電信)」があり、自前の水道機能まで有していたそうです。周囲は松で覆われ、北浜海灘の港も眺望できます。花蓮県でもアクセスが良く、花蓮港と南浜海の船の出入りや南飛行場の離発着も目視できるため、軍事的に重要な場所とされていたんですよ。

日本統治時代のこの地は最高司令官の休憩場所にもなっており、神風特攻隊員が最後の出征前にここに宿泊し、天皇からの「御前酒」を賜る場所として利用されたこともあります。そんな重要施設だっただけあり、現在は「花蓮でもっとも完成度が高い日本建築」といわれる名観光スポットになっています

終戦後は国民政府軍に接収され、現在は国家財産局の所有となっています。今でも日本と台湾のつながりが感じられる花蓮県の歴史的観光スポットと言えるでしょう。

6. 東華大学

東華大学は1994年の7月に開校した比較的新しい大学で、キャンパス内は気軽に観光できます。花蓮県を代表する総合大学として、今日まで地道に規模を拡大し学部を増やしてきました。2004年には海洋生物博物館と合同で海洋科学学部を新設。また「屏東校」を新たに開校し、2008年には花蓮教育大学と統合しました。

自然の観光資源や人材が豊富な花蓮県。教育の多様化を実現すると同時に台湾東部の文化水準を高め、産学共同で「大学の町」「科学の町」という両面性を持った国際的な一流大学を目指しています。台湾留学を視野に入れている方や、そうでない方でも東華大学を訪れて、ちょっとだけ台湾の大学生気分を楽しんでみるのも観光の良い思い出になりそうですね。

7. 花蓮観光糖廠

花蓮観光糖廠はかつて花蓮県を含む台湾東部において重要な製糖工場でした。2002年に工場としての製造を停止し、「観光糖廠」へと生まれ変わりました。日本式木造家屋・レストラン・糖廠アイス・台湾砂糖の特産品に地元の商品など、「住む」「食べる」「遊ぶ」という体験をすることができます。

花蓮観光糖廠は観光資源の豊富な花蓮県光復郷に位置し、周辺にも観光するのに素晴らしい景勝地がたくさんあります。1年を通して子どもから大人まで多くの観光客が訪れる花蓮県のオススメ観光スポットです。

8. 花蓮吉安慶修院

花蓮県の寺「吉安慶修院」は日本統治時代に建てられました。台湾でもっとも保存状態のいい日本式寺院といわれ、観光客にも評判です。前身は真言宗高野派「吉野布教所」で、花蓮県に住む日本人の信仰の中心であっただけでなく、病院や学校といった役割も果たしていました。

境内には弘法大師・不動明王・毘沙門天が祀られています。慶修院は木造の日本伝統建築で造られ、屋根には日本風の瓦が使われています。特徴的なのは四角い銅板の「宝形造り」の屋根で、中には「布教壇」が置かれています。

庭には草木が生え、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。観光の合間にほっと一息つくのにも最適ですね。花蓮県で日本式の寺院が見られる珍しい観光スポット、この機会に台湾の日本統治時代に思いを馳せながら、ゆっくりと観光してみませんか?

9. 赤柯山

赤柯山はもともと「赤柯木」がたくさん生えていたことから、その名が付けられました。日本統治時代に日本人が資材として使用するため、山から赤柯木をほとんどすべて切り出しために赤柯山は荒れ果てた山となってしまいます。終戦後には大陸から花蓮県に漢民族が移住し、とうもろこしや落花生、カボチャなどのさまざまな作物を植えましたが、やがてワスレグサ(金針花)を植えるようになります。高山帯に咲くワスレグサは品質が良く、海抜900mの赤柯山では温度が低いためワスレグサの生育に適していました。

さらに雲や霧による適度な湿気もあり、土壌の赤土もワスレグサの育成にピッタリ。そのためたいへん品質の高いワスレグサが産出されるようになったということです。50年近い開墾を経て近年、ようやく赤柯山は荒れた山からワスレグサが咲き乱れる花蓮県を代表する生産地、そして観光景勝地へと変貌しました。

10. 瑞穂牧場

花蓮県に属する瑞穂牧場は、30ヘクタールもの美しい黄金の草原が広がる中央山脈の水源にあります。自然豊かな瑞穂牧場で育った乳牛から採れる濃い牛乳は台湾随一の品質で、三年連続で台湾の酪農コンテストで優勝。「瑞穂牛乳」は高品質の代名詞となりました。

牧場は年中無休で無料開放しており、良い環境を維持しつつも「最低限のコストで最高の体験を」という理念のもと営業しています。しぼりたての牛乳はその場で飲める他、チーズ、チーズケーキ、牛乳アイスといったスイーツにも加工されています。スイーツは観光客に人気で、おみやげ用としても購入できますよ。

観光センターでは屋外カフェや親子あそび場、サイクリングロードなどがあり、牛に草を与えたりできるファミリー向けの観光スポットです。花蓮県の自然とおいしい牛乳を味わうのなら、瑞穂牧場を観光プランに追加しておくといいでしょう。

11. 花蓮鉄道文化園区

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「花蓮鉄道文化園区」は旧花蓮駅をリノベーションした観光スポット。1908年に日本が「花東線」鉄道を敷設すると総督府を花蓮県の北浜一帯に置き、花東線鉄道の基地としました。花東線鉄道と花蓮港ができたことで周囲は発展し始め、当時の台湾東部では最も栄えた場所となりました。

1988年に花蓮駅が拡大のため移設されると、役目を終え使われなくなった旧花蓮駅は廃れていきました。やがて過去の遺産として見直され、歴史家や地元住民の手によって旧花蓮駅は歴史的建築物に指定されました。

歴史的背景と地理的特性も相まって、花蓮県の文化局が「鉄道文化園区」とし、花蓮県の観光センターを設置するまでに至ったのです。リノベーションに興味のある方や鉄道好きな方、そうでなくてもレトロでノスタルジックな雰囲気が好きな方にはぜひ観光してほしいスポットです。

12. 慈母橋

花蓮県の観光スポット「慈母橋」は鮮やかな赤い色が印象的な橋です。1990年に洪水の被害に遭い、1995年に白の大理石を採用して再建されました。橋の両端には一対の獅子が置かれているのも特徴的ですね。

緑水の東およそ1kmのところにあり、慈母橋の東から西にかけては大理岩峡谷の変化に富んだ地形が観光客の目を楽しませてくれます。上流には立霧渓や支流との合流地点が見られ、中横公路(高速道路)もほど近いため、観光客もよく訪れる景勝地となっています。花蓮県の曲がりくねった渓谷と川の合流地点が見られる自然豊かな観光地なので、リフレッシュするにはぴったりの場所と言えるでしょう。

13. 北回帰線標誌公園(記念碑)

「北回帰線標誌公園」は、夏至に太陽が真下を照らすという記念碑がある観光スポット。北緯23.5度の地点では、夏至の日になると正午には影がなくなるという気象現象が起こります。北回帰線はちょうど台湾島を通過していて「嘉義県水上郷」と「花蓮県瑞穂郷」、「花蓮県豊浜郷」に北回帰線標誌があります。

1933年、瑞穗郷に設置されたこの北回帰線標誌は、もともと瑞穂駅の西側にありました。しかし1981年の東部幹線の拡張工事により舞鶴台地へと移設させられ、現在は9号線沿いにあります。そのため正確な北回帰線の通っているのは現在の北回帰線標誌から南におよそ2kmほどずれた場所なのです。

実際の位置と違う場所に建っている記念碑、というある意味レアな観光スポットです。こんな南国台湾らしい、大らかなところも微笑ましいですよね。ぜひ花蓮県観光で訪れてみてくださいね。

14. 六十石山

出典: Yu-Ching Chu/flickr

六十石山は、花蓮県富里郷竹田村の東にある海岸山脈です。赤柯山と並ぶワスレグサの生産地としても知られています。また日本統治時代に名付けられた「六十石山」という名前には、諸説あります。

水田での収穫量は一般的に40から50石だったところ六十石山周辺では60石も収穫できたからとも、一帯の山々に茂っていたクスノキを全て伐採したところ禿山となり、残ったのは60個の巨石だけ、ともいわれています。

そんな六十石山も現在はワスレグサが一面に咲くキレイな観光地なので、一見の価値ありですよ。花蓮県観光に来たのなら、美しいワスレグサの絨毯を眺めながら六十石山の名前の由来について想像してみるのも楽しいかもしれません。

15. 阿美文化村

阿美文化村は、台湾先住民である阿美族の文化が体験できる花蓮県の観光スポット。花蓮県は、阿美族の祖先が台湾に初上陸した場所なのです。村の中央には22mの神の像が祀られ、信仰の対象とされています。阿美族が台湾に上陸したときに乗ったとされる、木製の船の模型も見ることができますよ。

阿美村には5つのステージが設置され、定例の舞踊公演と「特別ステージ」が行われています。特別ステージでは、 毎年豊年祭で選ばれた「阿美皇后」が司会を務め、婚礼の舞いや農耕の舞い、勇士精神の舞いなどを披露します。花蓮県でもなかなか触れることのない、先住民族の文化を体験できる貴重な観光スポットです。

◎まとめ

長春祠や瑞穂牧場など、自然の観光資源が豊富にある花蓮県。太平洋側に面しているため、台中などの都市とは違った雰囲気の観光が楽しめます。交通の便も良いので、過去に台北や高雄をすでに訪れた方は、次は花蓮県の観光プランを立ててみるのも面白いですよ。また、花蓮県は日本統治時代の遺産が多く見られるのも興味深いところ。台湾先住民である阿美族が最初に上陸した場所でもあり、知れば知るほどその奥深さにハマってしまいそうな魅力を秘めています!ぜひ花蓮県を観光しに訪れてみてくださいね。

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