宮ノ下温泉と底倉&堂ヶ島の観光情報!箱根七湯の3つをまとめてご紹介

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宮ノ下温泉と底倉&堂ヶ島の観光情報!箱根七湯の3つをまとめてご紹介

箱根登山鉄道の中途にある宮ノ下温泉。脇を流れる蛇骨(じゃこつ)川沿いの底倉温泉や、早川の谷底にある堂ヶ島温泉と並んで、箱根七湯として古くから親しまれてきた湯治場です。由緒ある箱根の7つのお湯のうち、この3つは歩いて観光できる範囲に固まっています。今回はそんな宮ノ下温泉を起点に、隣り合う底倉温泉や堂ヶ島温泉も含めた観光スポットをまとめてご紹介します。

目次

宮ノ下温泉と底倉&堂ヶ島の観光情報!箱根七湯の3つをまとめてご紹介

1. 宮ノ下温泉

宮ノ下は、明治・大正時代に急速に開発されたエリアです。箱根駅伝のコースでもある小涌谷方面の国道1号線と、仙石原に向かう箱根裏街道の分岐点であるため、今も交通の要所としてにぎわっています。

◆富士屋ホテル

出典: ヒデキ / PIXTA(ピクスタ)

宮ノ下温泉の顔ともいえる富士屋ホテルは、慶應義塾を卒業したばかりの山口仙之助が明治11年(1878年)に開業しました。外国人専用のホテルというコンセプトと、西洋人に日本文化を伝えるという意図から、独特の和洋折衷スタイルの建物になっているのが特徴です。欧化主義の象徴ともいえる鹿鳴館建設に先立つこと5年という、当時では実に画期的な宿泊施設でした。

明治や大正のクラシックホテルの草分けでもある富士屋ホテルには、開業以来さまざまな外国の著名人が宿泊しました。ヘレン・ケラーや喜劇王チャップリン、ジョン・レノン、文化人や政治家、武官に外交官など数え上げれば枚挙にいとまがありません。彼らが実際に宿泊した部屋を予約することもできるんですよ!

宿泊以外にも、名だたる来賓たちの写真や資料を展示しているサロンや史料室もあるので、立ち寄り観光も可能。宿泊のいかんを問わず、宮ノ下を訪れる観光客のために「館内案内ツアー」も開催されています。お土産には、併設ベーカリーのパンやスイーツがおすすめです。

◆宮ノ下共同浴場 太閤湯

宮ノ下温泉で地元の人たちに親しまれている「宮ノ下共同浴場 太閤湯」。住民の方々が共同で管理している地域のための浴場ですが、観光客の利用可能で、「箱根一安い立ち寄り湯」ともいわれています。

無色透明でアツアツのお湯は、宮ノ下温泉ではなく、同じ箱根七湯の底倉温泉から引湯したもの。奇をてらわない大衆的な佇まいが、より温泉情緒を掻き立てます。小さな公衆浴場なので、大勢で騒ぐような入り方は厳に慎むようにしましょう。

◆あじさい電車

出典: 釣りどれ / PIXTA(ピクスタ)

箱根登山鉄道の名物としてすっかり定着した「あじさい電車」。箱根の山をゆっくりと登っていく単線鉄道の両脇に、色とりどりのあじさいが咲き連なります。とくに宮ノ下~大平台駅間は、建物のほとんどない山肌を縫うように進むので、右を向いても左を向いてもあじさいの花という景色を楽しめますよ。

日没後に運行される「夜のあじさい号」も観光客に人気!こちらは予約制で、強羅駅または箱根湯本駅のみでの乗り降りとなります。宮ノ下駅でも、ライトアップされたあじさいとの記念撮影用に停車時間が設けられています。一般車両からでもライトアップは観賞できるので、宮ノ下に宿泊しても夜のあじさい観光はしっかりできます。

2. 底倉温泉

蛇骨川の深い谷に湧く底倉温泉は、箱根の中でも古くから知られた源泉です。戦後までは3軒の温泉旅館があり湯治場として知られていましたが、今では1軒を残すのみ。宮ノ下の交差点からは歩いて5分とかからない場所にあります。

◆蛇骨渓谷(太閤石風呂)

出典: ターキー / PIXTA(ピクスタ)

山深い箱根の早川沿いにあって、とくに谷筋がV字型に切れ込んでいる蛇骨(じゃこつ)渓谷。これは、蛇骨川の渓流がおよそ3万7千年前の泥流堆積物層を削ってできたものです。底倉温泉のお湯がこの岩肌に白く固まり、まるで蛇の骨のように見えることから、蛇骨渓谷の呼び名が生まれたといわれています。

宮ノ下交差点の西麓から延びる遊歩道沿いには、かつて豊臣秀吉が小田原北条氏を攻めた際に作らせたとされる「太閤石風呂」があります。入浴はできませんが、遊歩道から川向うに岩をくり抜いたような湯船の跡を眺めることができますよ。この石風呂には、小田原攻めの際に遅参の謝罪に訪れた伊達政宗が入浴したとも伝えられています。

また、蛇骨渓谷は箱根でも有数の紅葉の名所!とはいえそこまで観光客も多くないので、底倉温泉や宮ノ下温泉に宿泊すれば、ゆったり歩いて紅葉狩りが楽しめるでしょう。

◆そこくらの湯 つたや

江戸時代には4軒の湯宿があったとされる底倉温泉ですが、時代とともにその数は減り、最後に残った「蔦屋」が現在「そこくらの湯 つたや」として営業を続けています。
かつて湯治場として栄えたお湯は今も健在!蛇骨渓谷の景色を眺めながら底倉の湯に浸かれば、日頃の疲れもいっそう癒やすことができるでしょう。

◆凾嶺

宮ノ下温泉が発展しはじめた明治時代には、温泉観光地といえども山間の箱根宮ノ下には医者がいませんでした。そこで、富士屋ホテル創業者の山口仙之助と、当時の蔦屋主人沢田武治が医師を招き、底倉に「凾嶺医院(かんれいいいん)」を開業したのです。

現在、大正時代に建て替えられたままの建物が日帰り温泉「凾嶺」として利用されています。入浴客はお風呂を建物ごと借り切るシステム。大正モダンにあふれる建物と箱根七湯の源泉を独り占めできるなんて、こんなに贅沢なことはありませんよね。1日に入浴できるのは6組が限度とのことなので、気になったら早めに予約しましょう。

3. 堂ヶ島温泉

堂ヶ島温泉、宮ノ下から早川の谷底へ下りたところにありました。「ありました」というのは、最近まであった2軒の旅館がいずれも相次いで閉館してしまい、現在「堂ヶ島温泉」を名乗る宿泊施設がなくなってしまったからです。この2軒は、それぞれ自家用のケーブルカーとロープウェイを所有していたことから、箱根の名物旅館としても親しまれていました。

宿はなくなってしまいましたが、遊歩道の整備された堂ヶ島には観光スポットがいくつかあるので、宮ノ下から行ける格好の散策コースとして見どころをご紹介します。

◆チェンバレンの散歩道

かつて宮ノ下に書庫を設けたイギリス人教師、バシル・ホ-ル・チェンバレンにあやかって名付けられた「チェンバレンの散歩道」。宮ノ下と堂ヶ島をつなぐ遊歩道です。宮ノ下駅と富士屋ホテルの中間付近にある「デジャヴュ坂」から始まり、途中少し急な坂や吊り橋を渡りながら渓谷の底へと通じています。

チェンバレンは、外国人としては初めて東京帝国大学で教鞭をとった人物。日本文化を研究し、世界に広く紹介するという功績を残しました。「チェンバレンの散歩道」は、お散歩というより立派なハイキングコースですので、観光の際は歩きやすい靴を着用するのがおすすめです。

◆堂ヶ島渓谷

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堂ヶ島温泉まで降り着いたら、今度は早川沿いにスライドして歩いてみましょう。およそ1.5kmの堂ヶ島渓谷遊歩道が木賀温泉まで続いています。箱根といえども、実際に渓流を歩ける道はそう多くはありません。せっかくなので360度自然に包まれた堂ヶ島渓谷遊歩道で、清らかな空気を胸いっぱい補充しましょう。

◆夢窓国師山居跡

堂ヶ島温泉を開いたと伝わる室町時代初期の禅僧夢窓国師(むそうこくし)は、この地に閑居していた時期があるとされています。堂ヶ島で営業していた旅館の1つ「対星館」の跡から吊り橋を渡った先がその住居跡と伝わり、今は小さな庵が建てられています。

日本庭園の発展に大きく寄与した夢窓疎石の足跡が宮ノ下にあると思うと、自然の中にあって厳かな気持ちがさらに深まっていくのが感じられるでしょう。宮ノ下から堂ヶ島温泉まで歩いてきたなら、立ち寄ってみて損はない観光スポットです。

◎まとめ

箱根観光の要所ともいえる宮ノ下温泉に歴史薫る渓谷の底倉温泉、そして絶好の渓谷歩きポイントになっている堂ヶ島温泉。宮ノ下周辺を歩いているだけで、温泉以外の観光もしっかり楽しめてしまうのが魅力的ですね。箱根は広範なエリアに選びきれないほどの宿泊施設が林立する一大温泉観光地。どこに泊まろうか、どのお湯に浸かろうかと迷ってしまったら、まずは宮ノ下を起点に考えてみましょう。大涌谷や芦ノ湖遊覧船、元箱根の関所などその他の観光名所へも、宮ノ下駅から強羅へ向かい、ケーブルカーにロープウェイと乗り継げば効率よく回ることができますよ。

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