宿場町が大復活!世界が注目する「馬籠」の見どころ12選

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宿場町が大復活!世界が注目する「馬籠」の見どころ12選

岐阜県の中津川市にある「馬籠」は、江戸時代を中心に「中山道六十九次」の四十三番目の宿場町として栄えた地域です。中山道は江戸と京都を結ぶ五街道の一つとして有名。他の道よりも取り締まりや危険な難所が少なかったことから、当時は比較的通行人も多かったといいます。しかし、山の尾根にある里村であることから、水に恵まれず火災が多かったのだとか。

1800年代には多くの建物が焼失し、宿場の廃止も追い風となり街は廃れていきました。しかし近年、古き良き日本の宿場町としての姿を復活させ改めて脚光を浴びているのです。この地で生まれ育った「島崎藤村」の歴史や、多くの文化人たちが訪れた街の歴史と文化は、地元の人々によって守られ受け継がれています。今回は、そんな馬籠の見どころを厳選してご紹介していきます。

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宿場町が大復活!世界が注目する「馬籠」の見どころ12選

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1.「藤村記念館」で観られる、文豪・島崎藤村の歴史とともに眠る馬籠の面影

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明治から昭和にかけて日本文学を支えた「島崎藤村」は、ここ「馬籠」で生まれ育ちました。彼がここで眺めていた風景は、歴史小説として現代でも高い評価を受ける代表作「夜明け前」の言葉の中にも描写されています。

教科書にも度々登場する偉大な文化人の生家は、明治28年の火災で焼失。その後、地元住民や彼の家族の力により文学館「藤村記念館」として建て直されました。現在は県の文化財に指定され、藤村の長男が寄贈した五千点以上の貴重な資料や愛用品などを展示。

建物の裏手にある島崎家の菩提寺「永昌寺」や、唯一焼失を免れた隠居所など、彼が観た当時の「馬籠」の面影と共に、彼の新たな一面に触れることができます。「夜明け前」の作中に万福寺の名で登場する「永昌寺」には、彼の遺髪や遺爪とともに家族が眠り、その墓石は藤村が設計したものと言われています。

2.「枡形・水車小屋」は馬籠の生活と安全を守った街のシンボル!

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馬籠宿入り口付近にある桝形の道はは、城郭の桝形を模したもの。極端に曲げられた街道は、敵の侵入を難しくするために設けられました。現在の形は、交通の不便を解消するため明治38年に改修されており、比較的歩きやすくなっていますのでご安心ください。

「馬籠」のシンボルのような存在感がある石段沿いの水車小屋は、昔の趣をより一層引き立てています。昔からこの水車で水力発電がされており、地元の生活の源でもあるのです。思わず立ち止まらずにはいられない情緒は、時代を舞い戻ったかのような気分にさせてくれますよ!

3.「馬籠峠」はハイキングにぴったり!石畳から感じる歴史と情緒!

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長野県との県境に位置する「馬籠峠」。馬籠宿からの難所とされ馬を宿に置いて行ったことから「馬籠」という地名になったと伝えられています。とはいえ標高801mで、馬籠から妻籠に向かう方向であれば登り坂も緩いので、ハイキングにもおすすめ。

「馬籠峠」を含めたハイキングをしたい方は、荷物を預けて身軽になって望むのもアリ!妻籠まで荷物を運んでくれて、ハイキング後に現地で荷物を受け取れるのでとっても便利です。古人達が旅した石畳の道を歩けば、当時の趣を肌で味わうことができるかもしれません。

4.時代背景が見えてくる!「馬籠宿高札場」は国と庶民の距離感をもっとも感じる場所!

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馬籠宿北側の中山道への入り口付近に建つ「馬籠宿高札場」。江戸時代当時は、お代官様から庶民へ向けた布達を伝える役目として掲げられていました。時代劇でもよく登場する「高札場」は、今でいう掲示板のような存在。地元民や旅行者はここで地域の決まりごとを確認したのです。

現在は、約300年前に発行された御朱印、切支丹(「きりしたん」の当て字)や薬剤に関する定書などが復元され掲示されています。現代はテレビやインターネットで政治の情報を逐一チェックできますが、当時の人々はここに書かれた言葉がすべて。役人と庶民の距離感が今よりももっと遠かった事を象徴する場所。

5.「清水屋資料館」に友人が残した島崎藤村との信頼の証

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この地の宿役人を代々務めた清水屋。島崎藤村の作品「嵐」に登場する森さんのモデルになった8代目当主・原一平の家。原家と藤村家の親交が深かったことから、藤村の書簡や掛け軸などを展示。歴史小説「夜明け前」の構想を練ったといわれる部屋も残ります。

友人の部屋でじっくり考え事ができるのだから、よっぽどの信頼関係であったことがわかりますよね。また2階の展示室には、輪島に漆器や唐津・伊万里の陶磁器などが遺り、全国から多くの文化が行きかう宿場町としての歴史を感じずにはいられません。

6.先人達の言葉が染み込む茜の空「夕陽の丘」は夕陽の絶景スポット!

おとなりの宿場町・落合宿方面から石畳を抜けた先にある見晴らしの良い「夕陽の丘」。サンセット100選にも選出された絶景スポットです。馬籠宿方面からも行けますが、落合の石畳から向かう十曲峠の道は昔の面影が残り、情緒あふれる景色の中を歩くことができるのでオススメ。

人通りが少なくなったことで使われず埋まっていた昔の石畳を、改めて掘り起こし修復した道。長い歳月を超えて、いま古人達と同じ石畳を踏むことができるんです。歩いた後に観る夕陽の眺めは、まさにご褒美。周辺には正岡子規や松尾芭蕉の句碑もあるので、先人達が眺めた雄大な景色に思いを巡らせるのも良いですよ。

7.秋の馬籠を暖める「馬籠宿場まつり」の行燈の光!幻想的なおもてなしは必見!

11月の週末に行われる「馬籠宿場まつり」は、暖かい光の行燈が街道に並び、街が幻想的な雰囲気に包まれる一大イベント。LEDなどの人工的なものではなく、昔も今も変わらない柔らかい火の光。ひとつひとつに暖かさが宿り、訪れた人の心まで温めてくれます。

昔この街を訪れた人々が感じた馬籠の美しさを、より一層味わえる瞬間です。期間中はこの「あかり街道」のイベントの他にも、公園内のライトアップされた紅葉や地歌舞伎公演も開催。一度訪れた方も、新たな馬籠の一面に出会えるはずです。

8.静かに街を見守る「馬籠諏訪神社」。自然の中に佇む癒しのパワー!

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地元の神様といえばここ「馬籠諏訪神社」です。観光客の多い街の中心から少し外れますが、静かで神聖な雰囲気が佇む癒しのスポット。鬱蒼と茂る杉の森林の中に敷かれた参道を一歩一歩すすむだけで、なんだか心まで少しずつ洗われるような気分になります。

木々に囲まれた境内は、まるでその一部のように自然の中に溶け込み、長い年月で培われた厳かさを感じます。秋に行われる「諏訪神社例祭」は毎年この地域の豊作を願う恒例行事。坂道が多い馬籠の街で神輿を力強く担ぐ姿は圧巻です。

近くには、島崎藤村の父「島崎正樹」の碑もあります。小説に描かれたことで藤村の父としての印象が強い「島崎正樹」ですが、彼自身も学問に通じた優秀な国学者であったと言われています。

9.街散策に疲れたら「水車塚」ののどかな風景でホッと一息!

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馬籠宿から妻籠宿方面に向かう途中にある憩いのスポット「水車塚」は、まわりを自然に囲まれたのどかな風景が広がり、ハイキングの休憩ポイントとしてもおすすめです。この場所に立つ藤村の石碑は、当時ここに住んでいた一家が災害の犠牲となってしまった事に胸を痛めた藤村が、遺族の依頼により建てたもの。地元を大切にする藤村の一面が窺えます。現在はゆるやかに流れる川と緑が、昔の日本の田舎風景そのままによみがえり、訪れる人々の身も心も癒してくれています。

10.チャンスは年に1日だけ!「木曽路氷雪の灯祭り」の奇跡の光を観に行こう!

中山道(木曽路)の宿町を光の道でつないでいく「木曽路氷雪の灯祭り」。秋に行われる「あかりの街道」とは違い、こちらは冬ならではのアイスキャンドル!各地区が趣向を凝らし、それぞれが毎年違う作品で来る人々を楽しませてくれます。

各宿町で一日ずつずらしながら順番に開催され、馬籠で観られるのはたったの1日だけ!日程を「木曽路氷雪まつり」に合わせながら木曽路を歩く旅もまたおもしろいかもしれませんね!氷でできたお手製のアイスキャンドルだから、火を灯せば消えてしまう暖かく儚い奇跡の光。冬の馬籠に訪れる際は、日程チェックをお忘れなく!

11.自然植物の宝庫!「まごめ自然植物園」で馬籠の新たな一面発見!

落合宿から馬籠宿に向かう途中を左に曲がると見えてくる「まごめ自然植物園」。「公園」ではなく「植物園」と表現されるだけあり、そこは自然の宝庫!人の手で造られた後付けの自然ではなく、植物たちだけが息づく自然の世界へ足を踏み込む事ができる、そんな場所。

山の上方にも関わらず2万㎡に及ぶ敷地のほとんどは湿原で、300種類を超える植物が生息しています。遊歩道を歩けば珍しい植物にも出会えるかもしれません!施設内にはテニスコートやバーベキュー場まであり、馬籠の楽しみ方の幅を更に広げてくれますよ!

12.セレブ専用宿泊施設?!「馬籠脇本陣史料館」で当時の様子が覗けちゃう!

江戸時代、宿場町として栄え多くの人で賑わった馬籠ですが、もちろんこの街に訪れるのは一般庶民だけではありません。大名行列で中山道を通っていく武士や、高い身分の公家もこの地に宿泊しています。

「馬籠脇本陣史料館」は、そんな高い身分の人々向けの宿泊施設(本陣や脇本陣)の様子を再現し、実際に使われていた貴重な道具も展示されています。本陣は天皇家や公家など、高貴な人専用。脇本陣は一般人も泊まることができたそうですが、泊まれるとはいえ、やはり敷居の高さを感じずにはいられません。

◎まとめ

日本の歴史に名を残す多くの偉人たちが訪れた「馬籠」。当時は目的地ではなく旅の中継地点でしかありませんでしたが、旅人を癒すその暖かいもてなしの心は、現代の「馬籠」の街にもしっかりと受け継がれています。アミューズメントパークのような賑やかさではなく、懐かしい落ち着きのある街の雰囲気。古き良き日本の街並みと、この街の背景に魅了された人々が「また帰ってきたい」と思う「馬籠」のあたたかさを、皆さんもぜひ味わってください。

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