「北の鎌倉」と呼ばれた我孫子で、文学と水辺に触れる観光を!

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「北の鎌倉」と呼ばれた我孫子で、文学と水辺に触れる観光を!

千葉県の北部に位置し、利根川の対岸はもう茨城県取手市という我孫子市(あびこし)。我孫子駅はJR成田線の始点でもあり、成田空港への移動や、その先の銚子や酒々井プレミアムアウトレット方面への観光にも便利です。

JR常磐線は東京メトロ千代田線、次いで小田急線にも乗り入れているため、都心や首都圏南西部からの日帰り観光もできますよ。

我孫子市の南西部に広がる手賀沼沿いは、かつて「北の鎌倉」と称され、白樺派をはじめとする数々の文人墨客に愛された景勝地。その爽やかな景観は今も健在!我孫子の心地よい雰囲気を求めて、観光しに来たり引っ越ししたりする人が絶えないというのも納得です。

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「北の鎌倉」と呼ばれた我孫子で、文学と水辺に触れる観光を!

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1.手賀沼

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我孫子市のシンボルともいえる手賀沼は、我孫子市街のすぐ南に細長く広がっています。古くから農業用水として利用されてきたほか、野鳥や淡水魚の宝庫としても有名!とくに手賀沼のうなぎは江戸にも聞こえた名物で、我孫子市内には鰻の老舗が今も点在しています。

現在では、都心から日帰りで気軽に行ける湖沼として人気の観光エリア。そんな手賀沼をゆったり楽しむのにおすすめのスポットを、3か所ご紹介しましょう。

◆手賀沼公園

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JR我孫子駅南口からまっすぐ歩いて突き当たりにある手賀沼公園。手賀沼を観光するならとりあえず目指しておくべきポイントです。園内には、湖水に直接手足を付けられる「ふれあい岸辺」や、のんびり湖面を眺められる「公園岬」が整備されています。

また、手賀沼公園を訪れる子供たちの大きな目的の1つが「ミニSL」。3月から11月の土日祝日および春・夏休み期間中に運行され、広い園内をぐるっと2周まわります。客車を引っ張る機関車は、ディーゼルタイプにメルヘンタイプ、そして東北新幹線はやぶさにソックリなタイプの3種類!これなら子供だけでなく、大人も童心にかえって楽しめちゃいますね。

◆手賀沼遊歩道

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手賀沼公園から東に向かって、およそ5.3kmにわたって湖岸に続く我孫子の遊歩道。観光客はもちろん、ランニングやウォーキングを楽しむ我孫子市民も多く訪れます。手賀沼公園ではレンタルサイクルも行っているので、湖風を受けながら自転車で駆けるというのも、気持ちよさそうですね。

芝や並木が手入れされているので、観光には万緑の季節がおすすめですが、まだ肌寒い春先の桜も見どころ!沿道には15種類以上の桜木が植えられていて、我孫子を訪れる人々を魅了します。夜にはライトアップもされ、湖岸に浮き上がる桜並木は実に艶やかですよ。

◆高野山桃山公園

手賀沼遊歩道の中途にある高野山桃山公園(こうのやまももやまこうえん)は、手賀沼を眺めるには最適な観光スポット!古墳を利用した高台からは、さざ波立つ手賀沼の景色を一望に付すことができますよ。

また園内には、水豊かな我孫子らしく湧き水もあります。残念ながら飲用には適しませんが、この湧水を使い、かつての里山の風景をビオトープとして再現!都心ではなかなか目にすることのできなくなった、水辺の動植物を観察することもできるんです。

2.旧村川別荘

我孫子南縁の手賀沼湖岸には、武者小路実篤や志賀直哉などの名だたる文人墨客が別荘や居宅を構えていました。そのほとんどが失われてしまっているなか、旧村川別荘は貴重な戦前の建築物となっています。

この静かな純和風邸宅を建てたのは、日本の西洋史研究の草分けとされる村川堅固。主屋は水戸街道我孫子宿本陣の離れを移築したもので、我孫子市の歴史の生き証人ともいえる存在です。庭にはケヤキやモミジが生い茂り、観光がてらの散策にピッタリですよ。

3.ミュージアムめぐり

我孫子市の手賀沼沿岸には、文学や自然にかんする3つの博物館が散在しています。せっかく我孫子へ観光に足を延ばしたなら、3館共通券の購入がゼッタイにおすすめ!さらに手賀沼沿いの観光スポットも訪ねて回れば、1日たっぷり楽しむことができますよ。

◆杉村楚人冠記念館

3館のなかで、我孫子駅からもっとも近いところにあるのが「我孫子市杉村楚人冠記念館」です。杉村楚人冠(そじんかん)は、朝日新聞の取締役などを歴任した戦前日本を代表するジャーナリストの一人。関東大震災を期に、我孫子の別荘を本邸として改築しました。

その楚人冠邸の主屋を、そのまま転用したのが当記念館。内部には、サロンに書斎に和室にと、戦前日本の言論人たるはかくありなんという部屋が並んでいます。

◆鳥の博物館

皇室とも関わりの深い山階鳥類研究所も、本拠を置いている我孫子市。一般向けの展示は行われていない山階研究所に対し、手賀沼の自然や鳥たちについて観光客も学べる施設が、この「鳥の博物館」です。

館内の展示は手賀沼に飛来する野鳥にとどまらず、恐竜から鳥類への進化の過程や、世界の珍しい鳥たちについての資料も充実しています。

平成29年1月31日までは改修工事のため休館となっているので、HPを確認してから訪ねて下さいね。

◆白樺文学館

大正時代、柳宗悦が移住したのを皮切りに、武者小路実篤や志賀直哉など、白樺派の文人たちが相次いで我孫子へと移住しました。彼らのお馴染みの作品の多くが、ここ我孫子で執筆されたのです。

白樺派をはじめとする、戦前日本文壇にまつわる多くの資料を展示しているのが白樺文学館。目の前には志賀直哉邸跡もあり、読書好きなら訪れずにはいられない我孫子の観光スポット!そのまま手賀沼公園へと歩を進めれば、気分は立派な古典文人ですよ。

4.久寺家

我孫子駅のすぐ北東にある珍地名「久寺家(くじけ)」。国道6号線久寺家交差点脇には、その名も「久寺家道」というバス停があり、そこから北に向かって「久寺家通り商店街」が伸びています。

久寺家通りを抜けて丘を1つ越えた先にそびえているのは、近年箱根駅伝で注目を浴びている中央学院大学!学生たちは、日々この久寺家道を通って登校しています。住所表記は残念ながら「我孫子市つくし野」ですが、「くじけ」ない気持ちを胸に、ぶらりと歩いてみてはいかがでしょう。

5.布佐・鮮魚街道

我孫子市の東端に位置する布佐(ふさ)は、かつて利根川随一の味と謳われた布川鮭の網場でした。利根川河口の銚子沖も、江戸時代には優れた漁場として栄えました。さてさて、双方から水揚げされる魚をいかに新鮮なうちに江戸(東京)まで運ぶか。そうして江戸中期ごろに整備されたのが、布佐から松戸の河岸までを陸路で結ぶ鮮魚街道(なまかいどう)です。

その起点となった布佐の河岸は、今では河川改修によって石碑などを残すのみ。ですが、布佐の町内には、当時の繁栄ぶりを物語る旧家や寺社などが点在しています。我孫子駅からは4駅のJR成田線布佐駅周辺を散策するだけで、明治時代中頃まで隆盛していた鮮魚街道の息遣いが聞こえてきますよ。

また、毎年ゴールデンウィーク中には「布佐新緑まつり」が行われるのでオススメ!往時の活気を一時取り戻したかのような賑わいに包まれます。

◎まとめ

手賀沼を中心として、我孫子市には大人も子供も清々しく楽しめる観光名所がたくさんありましたね。文人たちが好んだからといって、我孫子は決して堅苦しい観光スポットばかりというわけではなく、都会の喧騒から離れてちょっとリフレッシュするのにも最適です。

我孫子を観光して我孫子の鰻を食べて、パワーを充填して家路につきましょう!

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