青森県酸ヶ湯温泉の観光スポット|温泉・八甲田の大自然・観光を楽しもう

青森県酸ヶ湯温泉の観光スポット|温泉・八甲田の大自然・観光を楽しもう

豪雪地帯で知られる青森県八甲田(はっこうだ)山系の中腹にある秘湯の温泉宿「酸ヶ湯温泉」をご存知でしょうか。難読な地名である「酸ヶ湯」の読み方は「すかゆ」。名前のとおり、白濁した酸性の硫黄泉が海抜900m余りの高所に湧いています。ここでは自然に囲まれた十和田八幡平国立公園の酸ヶ湯温泉にスポットを当て、その周辺に点在する火山が起源の観光地、高山植物を鑑賞できる湿地や沼、東北大学植物園、紅葉の名所として知られる城ヶ倉大橋や八甲田ロープウェーなどをご紹介。ではさっそく、酸ヶ湯温泉周辺の観光スポットご案内スタートです!

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青森県酸ヶ湯温泉の観光スポット|温泉・八甲田の大自然・観光を楽しもう

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酸ヶ湯温泉とは

酸ヶ湯温泉

JR青森駅から車で1時間あまり。「酸ヶ湯温泉」は北八甲田連峰の主峰・大岳の西麓にある温泉宿です。300年を超える歴史をもつ硫黄泉の酸ヶ湯温泉は「国民保養温泉地第1号」。山の秘湯の1軒宿としては規模が大きく、旅館棟のほか湯治棟も完備。もちろん日帰り入浴もOKです。

出典: Ely Pochomkin

そんな酸ヶ湯温泉の名物は、「千人風呂(せんにんぶろ)」と呼ばれる総ヒバ造りの巨大風呂です。青森県の県木にも指定されている青森ヒバは、「ヒノキアスナロ」とも呼ばれるヒノキ科の香木。そのヒバで造られた酸ヶ湯温泉を代表する大浴場の千人風呂は、160畳もの広さにもかかわらず柱が1本もありません!

千人風呂にある複数の浴槽についてもご紹介します。下から源泉が湧く「熱の湯」は、名前と違って意外とぬるいのですが、保温効果がとても高いお湯。温まり具合が半分程度というのが名前の由来になった「四分六分の湯」は、熱の湯より湯温が高いのが特徴です。打たせ湯の湯滝は、鹿が傷を癒やしていたという開湯伝説から「鹿の湯」とも呼ばれています。温度の低い冷泉「冷の湯」は上がり湯にもどうぞ。

出典: prelude2000

ヒバ千人風呂は基本的に混浴ですが、女性の脱衣室から入りやすいように目隠しの仕切りが付けた配慮がなされ、湯あみ着も販売されています。さらに、朝・晩の8時~9時は女性専用タイム!1時間ずつとはいえ、ヒバ千人風呂に気兼ねなく入浴することができて、混浴に抵抗がある女性に大好評!ヒバ千人風呂のほか、男女別の大浴場「玉の湯」ならいつでものんびり浸かれます。

この魅力的な温泉を目的に、全国から湯治客や観光客が大勢訪れています。酸ヶ湯温泉では、日帰り入浴や、湯治客向けの長期宿泊プランまでさまざまな要望に対応可能。

八甲田山の秘湯宿とは思えない夕食とバイキング形式のバリエーション豊かな朝食はとても美味しいので、ぜひ2食付きのプランで宿泊し、温泉と観光をゆっくり堪能してくださいね。

周辺を散策観光したり、点在する観光スポットを巡るのもおすすめ。山登りの拠点としても利用されています。それでは、酸ヶ湯温泉周辺の観光名所を、まずは歩いて巡れるスポットからご案内しましょう。

酸ヶ湯温泉へのアクセスは、JR青森駅やJR新青森駅から、JRバスで約80~100分。宿泊者へのサービスとしてJR青森駅からの無料送迎バスを利用することができるので、希望される方は問い合わせてみてください。

1.地獄沼

地獄沼

酸ヶ湯温泉から国道に沿った遊歩道を十和田湖方面に向かって少し歩くと「地獄沼」という怖い名前の沼があります。約800年前の爆裂火口跡に高温の強酸性温泉が噴き出してたまった火口湖で、魚はいません。地獄沼のすぐほとりまで行けますが、危険ですので立ち入らないようにしましょう。
 
八甲田火山は110万年ほど前から火山活動が始まったと考えられており、現在も所々から火山ガスを噴出しています。酸ヶ湯温泉から地獄沼へ向かう自然観察遊歩道の途中にも、水蒸気や硫化水素ガスなどが噴出する荒涼とした裸地を見ることができます。地獄沼といいながらもそんなに怖くもなく気軽に歩いて観光できる場所なので、酸ヶ湯温泉に浸かって空いた時間に少し散策したいな、というプチ観光にオススメです。

2.まんじゅうふかし

地獄沼から国道を渡って少し下ったところに、「まんじゅうふかし」という観光客に人気の癒しスポットがあります。そのユニークな名前は、お尻をまんじゅうに見立てて温めるということから名付けられました。東屋には木製のベンチがあり、ベンチの内部に約95度の温泉が流れる構造になっています。

熱いかな?とこわごわ座ってみると、あったかくてちょうど気持ちいいくらい!でも時期や服装によっては火傷をすると大変なので、様子を見ながら「まんじゅう」になったつもりで温まってみてください。まんじゅうふかしも、酸ヶ湯温泉周辺で火山活動を体感できる観光スポットのひとつです。

3.東北大学植物園 八甲田山分園

東北大学植物園 八甲田山分園

まんじゅうふかしから、「東北大学植物園八甲田山分園」へ行ける遊歩道が続いています。小川の向こう側へ小さな木橋を渡って歩いていくと、そこはもう東北大学植物園八甲田山分園の中です。植物園の中は自由に散策可能。酸ヶ湯温泉方面に戻るコースとして歩けるので、ぜひ通り抜けてみてください。

園内に案内表示は立てられていますが、まんじゅうふかし側の入り口付近などにある植物園全体地図を写真に撮っておくと安心。遊歩道沿いに生える高山植物を丁寧に紹介してあるので、撮影しながらゆっくり楽しんでください。しかしここは自然のままの植物園。ほとんど人の手が加えられていない観察路ですので、足元は最低でもスニーカーが必要です。

4.酸ヶ湯インフォメーションセンター

東北大学植物園八甲田山分園から国道へ出たら、酸ヶ湯温泉方面の戻るには左手に歩きましょう。酸ヶ湯温泉の手前にある酸ヶ湯公共駐車場には、酸ヶ湯温泉や八甲田山に関する紹介施設「酸ヶ湯インフォメーションセンター」が併設されています。

さまざまな写真展示のほか、模型で八甲田山を紹介してあるので、八甲田の全体像も理解できます。各種リーフレットが置いてあるので立ち寄ってみてくださいね。

5.八甲田ロープウェー

出典: ジョウジュ / PIXTA(ピクスタ)

「八甲田ロープウェー」は、山頂からの展望や散策などの観光用として、また冬には八甲田スキー場のロープウェーとして、1年中運行している101人乗りのロープウェーです。八甲田ロープウェーに乗って北八甲田山系の西部、田茂萢岳(たもやちだけ)の山頂へ一気に上がり、沼や湿地帯を散策しながら雄大な大自然を堪能してみませんか?

山頂公園駅舎内に屋内展望室がありますが、天気が良ければぜひ屋上の展望デッキにも上がってみてください。八甲田山系や岩木山、青森市街から津軽半島、下北半島まで素晴らしいパノラマ絶景が一望できますよ。

出典: 一人旅人 / PIXTA(ピクスタ)

田茂萢岳山頂一帯は、湿地が広がり、沼やが点在する高山植物園。散策する遊歩道が数字の「8」の形に整備されているため、「ひょうたん(Gourd)」から「八甲田ゴードライン」と名付けられています。短いコースは約30分、両方回っても約1時間と手軽に散策できる人気観光コース。山頂駅にはレストランとカフェ、売店があり、多目的トイレや身障者専用エレベータも完備しています。

また、八甲田ロープウェーはトレッキングの基点としても利用されています。毛無岱(けなしたい)を経由して酸ヶ湯温泉へ向かう「毛無パラダイスライン」や、大岳を経由して酸ヶ湯温泉まで縦走する「大岳登山コース」などトレッキング客にでもにぎわっています。アクセスは、酸ヶ湯温泉から八甲田・十和田ゴールドラインを青森市街地方面へ車で10分もかかりません。

6.城ヶ倉大橋

出典: mirei / PIXTA(ピクスタ)

紅葉の名所として知られる「城ヶ倉大橋(じょうがくらおおはし)」は、酸ヶ湯温泉から黒石方面へ車で約5分ほどの場所にある絶景ポイント。アーチ支間長は約255mと日本最長で、橋全体の長さは約360m、高さ約120mと、まさに日本一の上路式アーチ橋です。城ヶ倉大橋からの美しい風景とともに、この橋と八甲田連峰がコラボレーションした絶景を眺めに多くの観光客が足を運んでいます。

出典: A.kiyoshi / PIXTA(ピクスタ)

橋の約120m下には城ヶ倉渓流が流れ、美しい渓谷美も楽しめます。特におすすめの季節は、山一面が紅葉する秋。城ヶ倉渓谷に広がる赤・黄・オレンジの色鮮やかな景色を眺めることができる酸ヶ湯温泉のおすすめ観光スポットです。

1995年に完成した城ヶ倉大橋は、四季折々の酸ヶ湯温泉周辺の自然を贅沢に味わうには最適。そして雄大な絶景を眺められる観光スポットでありながら、津軽と南部をつなぐ重要な役割を果たす橋でもあります。シーズンごとに違った表情を見せてくれるので、リピーターの観光客にも人気のある場所のひとつになっています。

7.睡蓮沼

出典: なっちゃん / PIXTA(ピクスタ)

青森県の八甲田山周辺には多くの湿原があります。酸ヶ湯温泉から国道103号線を車で約10分ほど走ると、十和田湖方面に「睡蓮沼(すいれんぬま)」があります。スイレン科のエゾヒツジグサが自生していることから睡蓮沼と呼ばれるようになりました。

国道沿いのバス停「睡蓮沼」から階段を上って、バイカモやオオタチツボスミレなどの植物を観察しながら少し歩くとすぐに到着。その先に、知る人ぞ知る酸ヶ湯温泉の観光スポット「睡蓮沼」が見えてきます。

睡蓮沼周辺は湿地帯なので、観光するための木道や柵、展望台が整備されています。睡蓮沼や八甲田の風景をゆっくり眺めることができますよ。オススメの観光シーズンは、ミズバショウが白い花を一面に咲かせる6月初旬。そのあとにはレンゲツツジやワタスゲ、夏にはエゾヒツジグサの花を鑑賞できます。紅葉で色づく秋の絶景も見逃せません。

静かに過ごしたいときや、のんびりと自然に囲まれてリラックスしたい方におすすめ。自然に囲まれ綺麗な空気を吸い込みながら、目の前に広がる山々の姿と水面が揺らめく沼の景色に癒されたいときにはぜひ訪れてみてください。

8.八甲田「雪の回廊」

出典: たろんぺ / PIXTA(ピクスタ)

青森市街地から十和田湖方面に行く国道103号線は、「八甲田・十和田ゴールドライン」と呼ばれる観光道路です。しかし酸ヶ湯温泉は、大雪のニュースでよく目にする有名な豪雪地帯。青森市街地から酸ヶ湯温泉までは年中通行できるのですが、少し東の八甲田ホテルから谷地温泉(やちおんせん)間の約8kmにわたる道路は、冬の間、閉鎖されてしまいます。

雪に埋もれた長い冬が終わった3月末、いよいよこの冬季閉鎖区間が「雪の回廊」として開通します。まずは、3月30日・31日にプレオープンとして「八甲田ウォーク」を開催。4月1日からは一般車両も通行できるようになります。高さ約5~10mの雪壁に挟まれた回廊を、ドライブしてみませんか。

ちなみに、前述の睡蓮沼や猿倉温泉(さるくらおんせん)はこの区間に位置しているため冬季は行くことができません。猿倉温泉も冬期閉鎖していますが、湧出量が多いため、一年を通して奥入瀬方面に送湯しています。

◎まとめ

出典: クロチャン / PIXTA(ピクスタ)

青森県青森市にある酸ヶ湯温泉周辺の観光スポットをご紹介しました。行ってみたい観光地や、興味がわいたスポットは見つかったでしょうか?温泉自体が素晴らしい上、周辺には雄大な自然を感じることができる観光スポットがいっぱいある酸ヶ湯温泉。

散歩がてらに少し歩くだけで、火山としての側面を見られる観光名所や高山植物を観察できます。そして車やバスに少し乗れば、八甲田ロープウェイや城ヶ倉大橋、睡蓮沼など八甲田の大自然を満喫できるなど、のんびり温泉に浸かりに行くつもりが、ついつい観光も楽しんじゃいますよ。

酸ヶ湯温泉へのアクセスは、JR青森駅から路線バスで約70分。広い駐車場があるのでレンタカーでもOK。どこかに旅行したい、とお考えの方や、次の休日にどこに行くか迷っている方は、ぜひ酸ヶ湯温泉を訪ねてみてはいかがでしょう。

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