資本主義の父を生んだ深谷市で、過去から現在へと駆け抜ける旅!

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資本主義の父を生んだ深谷市で、過去から現在へと駆け抜ける旅!

埼玉県の北部に位置する深谷市。特産の深谷ねぎで全国的に知られる、野菜と切り花栽培がさかんな地域です。

しかし、深谷の観光の魅力はその歴史の奥深さにあります!中世には街道の宿場町として栄え、明治維新に際しては、日本の近代化に大きく貢献した埼玉三偉人のひとり渋沢栄一を輩出しています。近代にはレンガ産業が発展したため、深谷市内には今もレンガ造りのレトロな街並みが健在!観光で訪れるなら、深谷の歴史をたどっていくプランがおすすめですよ。

そこで今回は、深谷のおすすめ観光スポットを、時代別にまとめてみました。近代→現代→近世以前の順に、深谷をより深く知る観光を楽しみましょう。

目次

資本主義の父を生んだ深谷市で、過去から現在へと駆け抜ける旅!

近代の観光スポット4選

もともと中山道沿いの宿場町として江戸時代以前から栄えていた深谷ですが、明治維新以降は深谷の良質な土を利用した煉瓦や瓦造りが盛んとなりました。

また、産業構造や町並みの近代化が早くに図られていた土地でもあります。

まずは、輝ける近代深谷にちなんだ観光名所を見ていきましょう。

◆渋沢栄一記念館

現在の深谷市内の農家に生まれた渋沢栄一は、勤王志士の仲間入りを果たした後、最後の将軍徳川慶喜に仕えました。パリ万博に際して随行員としてヨーロッパを歴訪し、西洋社会に衝撃を受けた栄一。明治維新後は第一国立銀行の頭取に就いたのを皮切りに、現代まで続く実にさまざまな企業の設立に携わりました。

そんな栄一にまつわる多くの資料を見学できる観光施設が、深谷市の北部にある渋沢栄一記念館です。入場は無料で、解説員による詳しい説明を聞きながら、深谷が輩出した偉人渋沢栄一とその時代について学ぶことができます。

記念館へは、深谷駅から「深谷市コミュニティバス・くるりん北部定期便」を利用すれば、車がなくてもアクセスできますよ。

◆煉瓦資料館

日本の都市の近代化に欠かせなかったレンガ。そのレンガを大量に生産するため、明治政府の肝いりで深谷市上敷免に設立されたのが、日本煉瓦製造株式会社でした。この地が選ばれたのは、レンガ造りに適した良質の土が得られることと、製品の運搬手段として利根川支流の小山川の水運を利用したからです。

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設立にあたっては、ドイツから2人の技師を雇い入れていました。明治21年(1888)ごろの築とされる、彼らが住居兼事務所に使っていた木造建築が、煉瓦資料館として観光スポットになっています。ほかにも、当時最新鋭だった「ホフマン輪窯」やレンガ造りの「旧変電室」など、近代日本のよすがを感じられる建物が残存!深谷を代表する観光名所の1つです。

入場料は無料ですが、開館日は土日のみなので要注意。東京駅や赤坂迎賓館などにも使われた深谷の煉瓦のルーツを辿れる、貴重な観光地ですよ。

◆誠之堂・清風亭

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平成11年に東京都世田谷区から深谷に移築された誠之堂(せいしどう)は、渋沢栄一77歳の喜寿を祝って、第一国立銀行行員の寄付によって建てられたものです。英国カントリー風の煉瓦造りの建物で、設計は当時の第一人者田辺淳吉。素朴ながら和洋中とさまざまな意匠がバランスよく取り入れられており、国の重要文化財にも指定されています。

清風亭は、江戸出身の銀行家佐々木勇之助70歳の古希を記念して建てられたもの。栄一と深く関わる人物ということから、誠之堂と並んで深谷の清和園内に移築されました。

いずれも入館は無料!深谷駅からは、渋沢栄一記念館や旧渋沢邸に向かう途中にあるので、併せて観光するのにも便利ですよ。

◆旧渋沢邸「中の家」

深谷市血洗島の渋沢栄一生誕地には、明治28年に栄一の妹夫婦が建てた旧渋沢邸「中の家(なかんち)」があります。栄一が帰郷した際にはふらっと立ち寄ったり、寝泊まりしたりしていたそうです。純和風の農家らしい佇まいで、多忙な合間を縫って深谷に里帰りしていた栄一にとって、つかの間の安らぎを得られる大切な場所だったのでしょう。

栄一の暮らしを感じることのできる、貴重な観光スポットですよ。

現代深谷のオススメ観光スポット3選

中世から江戸時代にかけては宿場町として、明治維新以降は近代産業の町として発展してきた深谷市。しかし近年では、郊外型大規模小売店の進出により、深谷市でも中心街の衰退が問題となりました。

そこで、古くからの優れた観光資源を活用すべく、深谷市では新旧融合による新しい観光スポットの開発に取り組んでいます。ここでは、そんな深谷の新しい観光名所を3つ取り上げてみましょう。

◆深谷駅

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JR高崎線の深谷駅前に降り立って、いやでも気になってしまうのがその駅舎!駅というより、ホテル!?そう疑ってしまいたくなるような、赤レンガ調の大きな建物がそびえ立っています。

この駅舎は、東京駅を模して建てられたもの。深谷産の煉瓦が、東京駅の建設に大量に使われたことにちなんでいます。周囲の風景から際立って目立つその外観に、さすがは埼玉!と唸らざるを得ません。

ミニチュア版東京駅からはじまる深谷観光の旅に、なんだかワクワクしてきますね。

◆深谷シネマ

2010年に、三百年続いた酒蔵「七ツ梅酒造」の跡地にオープンした「深谷シネマ」。埼玉県北で唯一のミニシアターであると同時に、酒蔵を改装した映画館は、全国でもここ深谷にしかありません。

敷地内には、ほかにも飲食店や喫茶室、古本屋などもあり、映画鑑賞の後もゆったりくつろげる空間となっています。宿場町の中にあって、和モダンな新しい観光スポット。中山道深谷宿観光の際には、ぜひ立ち寄っておきたいですね。

◆ふかや緑の王国

頭に深谷ねぎの生えた「ふっかちゃん」の、体の半分が緑色をしているがごとく、深谷市民は緑をこよなく愛しています。「ふかや緑の王国」は、そんな深谷のグリーン愛を体現した観光スポット!王国とはいうものの、ここには国王はおらず、王国内は多数の「王国ボランティア」によって管理されています。

元は研究施設だったことから、園内には実に多種多様な動植物が生息しています。バードウォッチングや昆虫採集、そしてちょっと変わった季節の草花を観賞しに、多くの観光客か訪れる深谷の新しいグリーンスポット。入国料も無料です。食事処や苗木の直売所などもあるので、じっくり観光できそうですね。

古代~江戸時代のオススメ観光スポット3選

利根川と荒川に挟まれ、中山道が市内を貫通していた深谷は、古くから市や宿、そして城下町として栄えてきたところでした。今も旧道沿いには、宿場町の面影が色濃く残っています。

そんな地域の中心的存在であった深谷の古跡を、3か所ピックアップしてみましょう。

◆深谷宿

江戸から数えて9番目の宿場であった中山道深谷宿。江戸を出て2日目の夜をここで過ごす旅人が多く、中山道全体を見ても最大級の規模を誇ったといわれています。

宿場のはしっこを示す石造の常夜灯が東西両端に残り、その間の通り沿いに宿場の観光ポイントが散らばっています。江戸時代の名残の木造二階屋に近代の煉瓦建築が溶け込み、深谷ならではの景観を生み出しているのも特徴!端から端まで、じっくり歩いて観光できますよ。

◆深谷城址

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戦国時代の深谷には、関東管領上杉氏の分家である深谷上杉氏の築いた深谷城がありました。徳川家康が関東に入国すると、やはりその一族が城主に任じられます。深谷がいかに重要な土地であったかが分かりますね。江戸時代初期に大老酒井忠勝が城主となったのを最後に深谷城は廃城、周辺は幕府が直接治める領地となったのです。

かつての遺構はほとんどありませんが、城内の一画が深谷城址公園となっています。お城を模した公園には広々とした空間が広がり、深谷宿観光の合間に休息するのにピッタリ!また園内には桜の木が多いので、春にはお花見観光もできますよ。

◆中宿古代倉庫群跡

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歴史の深いまち深谷では、古代の遺跡にも注目です。旧岡部町にある中宿古代倉庫群跡は、奈良時代から平安時代にかけての倉庫施設の遺跡。当時、一帯の榛沢郡内から徴収した稲穂などの穀物を集積していた、「正倉(しょうそう)」跡と考えられています。今は「中宿歴史公園」として整備され、倉庫群のうち2棟が復元されています。歴史の教科書でおなじみの校倉造やネズミ返しを、間近で見学することができますよ。

道を挟んだ隣には「道の駅おかべ」もあるので、観光にも便利!深谷ねぎをはじめとする地元の採れたて野菜や切り花類など、深谷の特産品がずらり勢ぞろいです。

◎まとめ

深谷の歴史をたどる観光ガイド、いかがでしたか?近年は中山道を歩く旅が静かなブームとなっていることもあり、宿場町深谷も観光都市として進化を続けています。

深谷市南部には秩父鉄道が走っているため、埼玉の人気観光地である秩父・長瀞方面へもアクセス可能!

埼玉北部を観光するなら、ぜひ深谷へも足を伸ばしてみてください。深谷のマスコット「ふっかちゃん」もあなたの来訪を、頭のネギを長~くして待っていますよ!

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