世界遺産候補となっている飛鳥・藤原の宮都について解説します。
2022年現在、世界遺産候補は日本にも多くあります。日本全国各地、既に登録されている世界遺産が文化遺産・自然遺産ともに人気観光地として注目を浴びる一方、高い評価や重要な歴史的背景を持った建物でも登録が見送られる場合があり、今後の新世界遺産登録に期待がかかります。
本記事で紹介する「飛鳥・藤原の宮都」とは、2022年現在の世界遺産候補でもトップクラスに歴史が古く、かつ貴重なうえに謎に包まれた史跡群です。どういった魅力が隠されているのか、ぜひ覗いてみてください。
目次
【2022年最新】世界遺産候補、飛鳥・藤原宮の遺跡とは?魅力や見どころもご紹介
飛鳥・藤原宮とは?
飛鳥・藤原宮とは、主に奈良県内各所に位置する飛鳥時代前期~後期の古代遺跡群のことを指します。奈良県内で言えば大仏で有名な東大寺など、飛鳥時代から後の「平城京時代の文化財」は既に世界遺産に登録されていますが、飛鳥時代を象徴する文化財の多くは世界遺産に登録されていません。
飛鳥・藤原時代は古代日本史、当時の中国から仏教が伝来し聖徳太子によって国を挙げて広められた時代です。権力者中心だった王朝が王族(現在の天皇家)中心に代わった一大転機の時代でもあります。法律整備や国名(現在の県名)の確立なども起こり、日本が現在にまで繋がる「国」として再スタートを切った時代でもあります。重要な歴史の転換点があった時代の重要な史跡・資料として、世界遺産登録が期待されています。
また古墳の様式が変化した時代であることも史跡から伺えます。それまでの豪族は「前方後円墳」など巨大な古墳を作らせていましたが、それをやめて「方墳」と呼ばれる古墳へと変わっていった時代です。当時のお墓文化を知る上でも形が残る貴重な資料となり、高い史跡価値があると言えるでしょう。
当時の「都」は現在の明日香村
飛鳥・藤原時代の「都」は、現在の明日香村にあったとされています。
古代における都と聞くと平城京・平安京を思い浮かべる場合もありますが、それ以前も複数回の遷都を繰り返しており、必ずしも同じところに都があったわけではありません。なお、飛鳥時代はもっとも遷都が多かった時代。有名な奈良の平城京に至る前は現在の明日香村に都があったとされ、その後は藤原京などにも遷都しています。
日本最古の文化財もある?
飛鳥時代は奈良時代よりも100年近く前の時代であり、日本史的にもかなり古い時期にあたります。「日本最古の」とつく建造物も存在します。
「飛鳥寺」は、日本最古の仏教寺院であり、仏教伝来最初期の寺院として歴史に名を刻んだ建物です。完全に当時の姿で残っているわけではありませんが、現在でも飛鳥寺跡として重要文化財に登録されています。
飛鳥・藤原宮は世界遺産登録されるのか?
飛鳥・藤原宮は世界遺産登録が期待される史跡群ですが、世界遺産登録までの道は楽なものではありません。どれくらい話が進んでいるのか、何年の登録を目指しているのか、今後の課題はあるのか……以下で詳しくご紹介します。
エリア内複数の史跡群で登録される
世界遺産は近年、単体での登録というよりも複数の関連史跡と共に登録されるケースが多くなっています。前述した飛鳥寺をはじめ、飛鳥・藤原宮の遺跡群を構成する史跡は数多くあり。仮に登録される場合、これらが関連する史跡として同時に登録されることでしょう。
主に登録される候補の史跡は、寺院の跡や古墳など、当時の都を彩る建造物跡の数々です。殆どが国の重要文化財となっており、そのいずれも貴重で世界遺産に登録される価値は十分にあります。
飛鳥・藤原宮の関連遺跡は明日香村のほか、桜井市・橿原市にもあります。すべてをグルっと回る場合は距離があるので、レンタカー利用を検討しましょう。
2024年の登録を目指す
明日香村は2024年の世界遺産登録を目指してすでに行動を開始しており、2022年の現在は準備段階ながら今後登録が期待されるエリアの一つとなっています。
現在ではまだ先の話にはなるものの、史跡の価値も高く期待は十分です。楽しみにしましょう。
飛鳥・藤原宮・世界遺産化への課題
世界遺産に登録される際、必要になってくるのは「顕著な普遍的価値」。飛鳥の建造物は当時の最新技術を駆使して作られており、史跡価値としては十分です。また、日本国内で伝来したばかりの仏教が本格的に拡大したのも飛鳥時代。最新技術に宗教と、アジアの文化的な交流も厚かった時代の史跡としてアピールポイントは複数あります。
ただし大仏や法隆寺など他の世界遺産と比べて見た目のインパクトが少なく、歴史に詳しくないとその価値が伝わりにくいのが課題です。
確かに日本史的な価値や重要度は十分ですが、如何にその史跡価値をわかりやすくして観光客の関心を集めていくのか、ユネスコの評価を得ていくかがポイントとなるでしょう。
世界遺産候補、飛鳥・藤原宮まとめ
将来の世界遺産候補、飛鳥・藤原宮についてまとめました。奈良県には既に多くの世界遺産が登録されている一方、まだアピール段階の飛鳥・藤原宮。見ただけでわかるようなインパクトはないものの、現在まで続く日本国のスタートがなされた、日本史上でもっとも重要な時代の遺跡です。
今後も世界遺産登録へ向けてのアピールは続き、目指すのは2024年の登録。資料も多く残っているわけでもない古代遺跡ですが、世界遺産となるべき価値は十分となっています。続報を楽しみに待ちたいところですね。
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