ヨーロッパで1番人気のある旅行先といえばフランスの首都、パリです。歴史的建造物や美しい街並み、文化や芸術も素晴らしく、トレンドの最先端がパリにはあります。そんな魅力的なパリにも行けないこのコロナ禍。
10/30(つまり10/29の深夜)から12/1までの【2回目の】都市封鎖を10/28に大統領が発表しました。現状はいったいどういうものなのでしょうか。
フランス、パリの状況をパリ在住のピアニスト、鈴木隆太郎さんにリポートしてもらいました。
目次
【コロナ禍の海外】フランス、パリの今
目次を閉じる
コロナ禍でのパリ
ここはかの有名な英雄、ナポレオンが眠るアンヴァリッド(廃兵院)です。この写真は1回目の都市封鎖が明けた後ですがご覧の通り、ソーシャルディスタンスもなく人で溢れています。しかしこれでもフランスの規則をやぶっているわけではないので何とも言えません。
都市封鎖のフランス
禁止事項が多い中で生活必需品の買い物や、健康を守るためのジョギングは可能になりました。自宅の半径1km以内で済ませるべきでしたが。とはいえ自宅の周りくらいですが、3回も検問されるほど取り締まっていました。
仕事は基本テレワークになりますが、どうしても出社しないといけない人は会社から毎日出社証明書を発行してもらうことが義務付けられていました。あと外出が許されていたのは出頭命令を受けた人や通院しなければいけない人は外出可能でした。
1回目の都市封鎖が5月半ばに終わってからは、マスクの着用義務や、夜間外出禁止令等が次々と発表されましたが、だんだん取り締まりも見なくなり、守らない人が増えました。結果的に現在の2回目の都市封鎖に繋がっています。
フィレンツェのトラム
ピアノのレッスンを受けにイタリア、フィレンツェに行ったときの写真です。見事に人がいません。
スペインでのコンクール
コンクールで訪れたスペインでは万全のコロナ対策がとられていました。この写真は、2席ごとに分かれておかれており、ソーシャルディスタンスをとることを指示されているものです。
リハーサル中の鈴木さん
この室内のホールの写真は、札の出ている個所に座ることを示しています。お客さんの収容を1/4にして、ソーシャルディスタンスを保つために3席あけて座るよう指示されています。
一方フランスでは・・・
パリでの演奏会では、僕の目にはソーシャルディスタンスも充分ではなく、満席に近い状態でした。
フランスでは室内に6人までの入室が可能といわれていたのでそこでホームパーティーをしているひともいました。パトカーは走るだけで取り締まりもしていないため、外出者と感染者が増えるのは仕方ない状況ですね。
僕は、フランスもフランス人も好きです。「~する自由」「表現する自由」など、自分の権利を主張するスタイルが普段は好きなのですが、コロナ禍ではその「主張」が「反発」になり、マスクを着用しなかったり、外出制限を破ってデモをしたり、とコロナの抑制の妨げになってしまっている点に残念さを感じています。
フランスのPCR検査
朝7時半前のパリ、PCR検査の例
フランスでは現地の社会保険システムに加入していれば、公立病院も私立病院も関係なく基本的にPCR検査は無料です。イタリアやスペインでは私立だと検査が有料だと聞きました。ですので、旅行で滞在する日本人は海外旅行保険に入っていればパリで検査を受けても帰国後に返金してもらえます。
外出制限で人影のなくなったパリ
僕がPCR検査を受けに行く移動中にみたパリの街並みです。
旅行者の方は「たびレジ」登録がマスト!
もし今後、海外旅行を考えられている方がいらっしゃったら、たびレジの登録をオススメします。たびレジとは、旅先の安全情報が届く外務省のメール配信サービスです。デモなどが頻繁に起こるフランスでは自国民を巻き込むまい!と現地メディアよりも具体的に情報を知らせてくれます。
情報提供者:パリ在住の鈴木隆太郎さんについて
栄光学園高等学校を卒業後、渡仏。パリ国立高等音楽院でB.リグット、H.カルティエ=ブレッソン、M.ダルベルト、M.ベロフに師事。現在はE.ヴィルサラーゼに師事し、パリを拠点に演奏活動を行う。イル・ド・フランス国際ピアノ・コンクール第1位、エミール・ギレリス国際ピアノ・コンクール第2位、ヴァルティドネ国際音楽コンクール第2位等、受賞多数。東京フィル、神奈川フィル、コロンビア国立響、ルイジアナ・フィル、オデッサ国立管等と共演するほか、フランス国営ラジオ等に出演。室内楽でも今冬バイオリニストの五嶋龍の日本ツアーで共演するなど積極的に活動している。2017年にスイス・クラヴェスよりデビューアルバムを、2020年に仏・オルトゥスから2ndアルバムをリリース、高い評価を得ている。国内ではそれぞれキングインターナショナルから発売中!
鈴木隆太郎さんのYouTubeチャンネル
鈴木隆太郎さんのTwitter
鈴木隆太郎さんのインスタグラム