【コロナ禍の海外】オーストリア、ザルツブルクの今

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コンサートの様子

野外で演奏する音楽家たち

5月中旬から大学が開き、3か月ぶりにピアニストとアンサンブルの練習をしました。ロックダウン中は外に楽器を出すこともなく自室でずっと一人きりで練習していたので、久々のピアニストとの演奏は新鮮でした。

これまでロックダウン以前はホールなど、広い空間で演奏していたので、自分の楽器の音が小さく聞こえたことにとても驚きました。誰かと一緒に演奏することも、自分の部屋以外で弾くのも久々だったからでしょう。思わずピアニストに「ねぇ、私の音、なんか小さくない!?」と尋ねてしまいました。

カルテットで演奏する篠山さん

コロナ禍での一筋の光

ベルチェア・カルテット

1回目の約3ヶ月程の長いロックダウンは、人との接触はほぼなく、外出禁止令も厳しく警察によって管理されたため、今まで感じたことない緊張感の日々でした。その3ヶ月間は、人の音楽を生で聴くことは一度もありませんでした。

措置の緩和が5月からありましたが、世界中で行われる音楽祭が続々とキャンセルになり、残ったのは、ザルツブルク音楽祭だけ。しかも1ヶ月の縮小版。通常なら夏のザルツブルク音楽祭は1か月半続きます。しかも100周年目だったのでもっと長く開催される予定でした。

私としては、縮小版でもこのコロナ禍で、人からの音楽を提供してくれる場を設けてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいでした。いつものことながら、小さい町このザルツブルクに住んでいるからこそ、さっと足を運べる幸せを感じました。

それを強く感じさせてくれたのは、ベルチェア・カルテットによるコンサート。

家で一人で練習する音しか聞いておらず、人の音楽に生で触れることがなかったのです。なにか閉ざされた私の世界に、彼らが発した一つ目の音で一瞬にして私の心に光を与えてくれました。そして、自分の中でカチコチに固まっていた何かがどんどん溶けていき、心が暖かくなっていく感覚でした。それがとても新鮮で、私にとって一生忘れられないコンサートとなりました。

コロナ禍で、ヨーロッパでも多くの芸術家は難しい立場に追いやられていますが、この瞬間だけは、自分の仕事が、いい役目を果たせるお仕事なのだと確信しました。音楽は言葉よりも先に伝わるということ、そして、受け取る側はそれぞれの解釈をさせてもらえるスペースが与えられるのだと実感できました。

今は2回目のロックダウンの真っ只中ではありますが、措置の内容もそこまで厳しくありません。残念ながら11月に予定していたコンサートは全てキャンセルになってしまいましたが、今回、この夏にあったあの演奏は、これからの私に大きなエネルギーを与えてくれた、忘れられない思い出です。

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