【北海道】稚内駅・北防波堤ドームの観光情報|道の駅併設の日本最北端の駅とは?

【北海道】稚内駅・北防波堤ドームの観光情報|道の駅併設の日本最北端の駅とは?

JR稚内駅および道の駅「キタカラ」と稚内駅周辺の観光情報を解説します!JR宗谷本線の線路が果てる場所である稚内駅は鉄道ファンでなくても知名度が高く、ファンにとっては憧れの駅です。この稚内駅は「鉄道の駅」だけでなく、「道の駅」、「海の駅」と3つの駅が同じ場所にある日本唯一の場所でもあります。

また、稚内駅そばにある「北防波堤ドーム」は稚内の繁栄を今日に伝える建築物として土木界でも高い評価を受けています。そして、稚内駅周辺の市街地にはロシア人船員のためにロシア語併記の看板があるなど、稚内駅周辺を中心とした市街地は日本のほかの場所とは違う異国情緒が漂っている不思議な街です。

今回は、稚内駅と道の駅・海の駅「キタカラ」についてや、駅から徒歩ですぐの「北防波堤ドーム」をご紹介します。

目次

【北海道】稚内駅・北防波堤ドームの観光情報|道の駅併設の日本最北端の駅とは?

JR稚内駅周辺の観光概要

道路標識もロシア語併記

日本最北の駅がこちらのJR宗谷本線「稚内駅」です。ただ、稚内最大のショッピングセンター「西條デパート」や繁華街、日本最北端「宗谷岬」へは1つ旭川寄りの南稚内駅下車の方が便利なので、注意しましょう。

◆道路標識やバス停、お店の看板にもロシア語が併記!

稚内信用金庫(ロシア語併記)
ロシア語も表記

バス停や道路標識には、英語等のほかにロシア語が併記されています。以前は稚内港からサハリンのコルサコフ(日本名:大泊)までフェリーが発着し、ロシアから入港する船員も多いからです。日本語・英語・中国語・ハングルに加えてキリル文字であるロシア語が併記されていることにエキゾチックさを感じると同時に、国境の町で観光していることを実感できます。

JR稚内駅・キタカラ・北防波堤ドームの観光情報

特急宗谷

JR稚内駅では北海道を旅する方ならだれもが憧れる「日本最北端の線路を示す看板」で記念撮影する観光客も多いです。駅構内は広く、いかにもターミナル駅といった感じですが、発着列車は特急列車を含めて1日6~7本です。今では廃止されているJR天北線が乗り入れていたころはもっとにぎわっていました。

ちなみに歴史上日本最北端の駅だったのは南樺太(サハリン)の「古屯駅」(現:ポベージノ サハリンスコエ駅)でした。

◆道の駅「キタカラ」とは?日本最北の映画館も併設!

稚内駅構内

近年改築され、道の駅「キタカラ」、「わっかない海の駅」が併設されています。冒頭で述べた通り鉄道駅、道の駅、海の駅の3施設が一堂に揃うのは稚内駅だけ。駅構内には日本最北の映画館やお土産店があり、お土産店には稚内駅の駅名標をモチーフにしたキーホルダーや、マスコットキャラクター「出汁之介」グッズ、利尻昆布、稚内牛乳、バラマキ用のお菓子といった豊富なお土産が入手できます。

◆最北端の線路モニュメント

JR稚内駅の最北端の線路

営業する列車が入線する線路としては先ほどの看板の場所で終わりですが、モニュメントとして線路はもう少し北に伸びています。そして、写真の場所でレールは果て、JRとしては日本最南端の鹿児島県にある西大山駅から延びてきた線路はここで終わりです。ここで記念写真を撮影する鉄道ファンの観光客も多数います。なお、昔は稚内桟橋(北防波堤ドーム)までもう少し北へレールが伸びていました。

◆稚内駅発着の列車情報

宗谷本線の列車

稚内駅からは毎日運転の札幌駅行き特急「宗谷」旭川駅行き特急「サロベツ」の2本と日によって運休する「サロベツ」が1本、普通列車が4本発車します(稚内駅到着は3本のみ)。
列車を1本逃すと長時間待たされることもあるので、ご注意ください。

◆稚内名物「チャーメン」

稚内名物「チャーメン」

稚内のグルメといえば、たこしゃぶが有名ですが、市民の中にはグルメに「チャーメン」というあんかけ焼きそばを推す人も少なくありません。ゆでた麺を門外不出の油でパリパリに焼いたり揚げたあとに、豚骨や鶏がらで出汁を取ったとろみのある具沢山の餡(あん)をかければ出来上がりです。
とろみをつけることにより、あったかさが持続するので、寒い日にもピッタリの稚内っ子が愛する一皿といえるでしょう。

北防波堤ドームとその周辺の観光情報

北防波堤ドーム

北防波堤ドームは札幌出身の建築家、土屋実氏によって1936年に完成した、ローマ建築をモチーフとする建築物です。その迫力は他を圧倒しますが、この材料となった石は利尻島のペシ岬近辺の山を切り崩して運ばれてきました。

ここから完成当時日本領であった南樺太(サハリン)の大泊(現在のコルサコフ)と本斗(現在のネベリスク)まで稚泊連絡船と稚斗連絡船が発着していました。そんな北防波堤ドームは、まさに国家の威信をかけた大プロジェクトといえるでしょう。

戦後しばらくはソ連の南樺太侵攻により樺太を追われた方が大勢暮らしていました。

◆大鵬幸喜上陸の地記念碑

大鵬の記念碑

「巨人・大鵬・卵焼き」と昭和のお茶の間をにぎわせた横綱「大鵬」が生まれたのは南樺太の敷香(しすか:ロシア名「ポロナイスク」)で、父親はウクライナ人です。大鵬の本名は納谷 幸喜(なや こうき)といいますが、ウクライナ人(白系ロシア人)が父だったので、イヴァーン・マルキャノヴィチ・ボリシコという名前も持っていました。

大鵬は南樺太へのソ連の侵攻に伴い、小樽行きの「小笠原丸」で引き揚げてきましたが、彼の母親の体調不良により小樽行きをあきらめ、寄港地の稚内で下船することになります。その後、小笠原丸はソ連の魚雷攻撃により留萌沖で沈没。小笠原丸では多くの犠牲者を出しましたが、大鵬親子は稚内で下船していたため難を逃れました。

大鵬自身も「ここ稚内で降りたことで今の自分がある。横綱になれたのも稚内が原点」とのちに語っています。

◆稚泊航路記念碑

稚泊航路記念碑

先述の通り、稚内と大泊(ロシア名「コルサコフ」)は、稚泊連絡船という国鉄の連絡船で結ばれていました。宮沢賢治や北原白秋、林芙美子といった著名人もこの船に乗って日本領だった南樺太へと赴き、様々な記録や作品を残しています。

稚内港国際旅客ターミナル

1945年の南樺太へのソ連侵攻により航路が廃止となりましたが、一時期再開し、1995年から2018年まで稚内とサハリンのコルサコフ(昔の「大泊」)を結ぶ船が写真にある国際客船ターミナルから運航されていました(2015年まではハートランドフェリーが「アインス宗谷」を運航)。

稚内空港・札幌駅からのJR稚内駅へのアクセス

JR音威子府駅での宗谷バス

レンタカーの場合、稚内空港からJR稚内駅までは国道238号線と国道40号線を経由して約23分、南稚内駅までは約18分で到着します。

空港連絡バスは、東京便および札幌便に合わせて1日4往復運転されます。空港から稚内駅前バスターミナルまでは約30分で到着し、運賃は大人700円(小児と障がい者手帳をお持ちの方は半額)で、途中のバス停で下車しても均一運賃です。

◆札幌駅から鉄道・バスでのアクセス

JR利用の場合、特急「宗谷」以外は特急「ライラック」、特急「カムイ」に乗り、旭川駅で特急「サロベツ」に乗り換えとなります。乗り換えの場合でも特急料金は変わりません。

札幌駅前バスターミナルから宗谷バスの高速バス「わっかない号」を利用する方法もあります。この場合、稚内市街地国道40号沿いのバス停であれば降車(札幌行きは乗車)できます(宗谷バスで要予約、電話でのご予約は宗谷バス稚内営業所:0162-33-5515または札幌予約センター:011-241-0241まで)。

◎まとめ

ノシャップ岬の夕焼け

国境の町であり、道路標識にロシア語が表記されるなどどこか異国情緒を感じさせる稚内駅周辺の観光情報を解説しました。もし余裕があれば日本最北端「宗谷岬」、夕日が美しい「ノシャップ岬」はもちろん、ハートランドフェリーで利尻富士が美しい利尻島や、最北の花の浮島である礼文島にも足を延ばしてみてくださいね。
最北端の地での旅がよき旅になることを祈っています。

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