西日本最高峰の霊峰「石鎚山」を初めて観光する人のための基本情報！

石鎚山は四国山地の中部、愛媛県西条市と久万高原町の境目に位置する西日本最高峰の山です。別名「石鉄山」「石土山」「伊予の高嶺」とも呼ばれる霊山で、パワースポットとしての人気も高まり多くの登山客が訪れます。今回は登山初心者にもおすすめの石鎚山について、ロープウェイやリフト、頂上社や面河渓など見どころについてご紹介します。

まずは石鎚神社「口之宮」へ

弘法大師空海ゆかりの修験場である石鎚山は、日本七霊山に数えられる神聖な山です。山に入る前には、まず山麓にある石鎚神社の本社「口之宮」を参拝しましょう。石鎚神社の拠点である口之宮は、国道11号に近く駐車場も整備されています。

朱塗りの大鳥居をくぐり、二の鳥居をくぐると神門が見えてきます。神門の外側には大天狗像・子天狗像があり、内側には武者姿の像があります。その先の本殿石段下にある鳥居が三の鳥居です。

本殿に向かう石段の中央に設けられた手すりには、山頂付近で使われていた鎖が用いられています。本殿は瀬戸内海を見渡せる丘の上にあり、長い階段を上がった先はしまなみ海道の絶景です。

石鎚神社の御祭神は石鎚大神で、朱塗りの本殿は美しく荘厳な姿で訪れる人を迎えます。手入れの行き届いた気持ちの良い庭園で、登山前の心を清めてみてください。

「成就社」まではロープウェイとリフトでラクラク！

石鎚神社の中宮が「成就社」です。石鎚山の7合目にある成就社へはロープウェイとリフトが運行しています。石鎚山ロープウェイを下車、徒歩20分ほどの位置に鎮座する社です。

成就社は様々な神事や行事を奉納する場所で、石鎚山登山の祈願、神事・行事が行われる重要な拠点となります。その昔、石鎚山開山の祖である役小角が力尽き、不思議な白髪の老人と出会った場所です。成就社境内で斧を研いでいた老人は役小角に、斧を研いで針にすると言いました。

老人の言葉に感銘を受けた役小角は行を続けて、ついに石鎚山の開山に至ります。この老人こそが石鎚大神と伝えられています。そして、山頂から下山した役小角が改めて山の頂を振り仰いだ場所が、成就社内の「見返遥拝殿」です。

成就社は役小角の故事から、諦めない精神を培い、願いの成就を祈る社であり、多くの参詣者を迎えています。成就社までは、毎時00・20・40分に発車しているロープウェイか、一人乗り観光リフトで向かいましょう。

3ヶ所の鎖場を越えて行く「頂上社」

標高1982mの石鎚山の山頂には、奥の宮「頂上社」が鎮座しています。頂上社は石鎚大神がご降臨された磐境（いわさか）です。険しい山の頂にある頂上社には、険しくも神聖な空気が流れています。

頂上社に参拝するためには、3ヶ所の鎖場を超える試練の道を乗り越えなければなりません。まさに、修験道の修行の場所という厳しさで、「鎖の行場」と呼ばれています。命がけの行場なので、訪れる際にはしっかりと準備をしていくことをおすすめします。

鎖場は一之鎖、二之鎖、三之鎖の3ヶ所あり、合計距離は約203m。鎖に命を預け、すがって岩場を登るうちに、邪念は消え無我の境地に至るでしょう。頂上社では御神像に直接触れられる特殊神事「御内陣入」を受けられます。

西日本最高地点の「天狗岳」

石鎚山の天狗岳は西日本最高峰で、弥山から続く岩場の上にあります。頂上には多くの人が滞在できるスペースはありません。

石鎚山山頂の看板がある弥山の石鎚神社からさらに登り、切り立った道を進んでいきます。かなり細い道なので無理は控えましょう。

南麓には「面河渓」の絶景あり！

面河渓（おもごけい）は愛媛県久万高原町に位置する渓谷で、「仁淀ブルー」と呼ばれる澄んだ青色の水と奇岩の絶景が見どころです。石鎚山の南麓にある面河渓は仁淀川の上流にあたる場所で、神秘的な青い水を一目見たいと多くの人が訪れます。

いくつかあるウォーキングのコースの中では、面河本流コースがおすすめです。面河本流コースは片道約45分の道のりになるので散策プランの参考にしてください。歩き始めて間もなく、五色河原の風景が訪れる人を迎えます。

五色河原は、青い水・黒い苔・白い岩・緑の藻・赤い紅葉に彩られることから名づけられたと言われています。遊歩道を進んでいくと、河原沿いの岩壁に圧倒されるでしょう。特に、亀腹と呼ばれる巨壁は高さ100m、幅200mもある一枚岩なのでぜひ確認してください。

注意事項

石鎚山は登山難易度中級レベルの山です。天候の変化に備えた重ね着をして、疲れにくい登山用のザックにレインウエアや携行食、懐中電灯や着替えなどを入れて用意しましょう。なお、南麓の面河渓と石鎚神社とはルートが異なり基本的に同時には行けません。面河渓へ向かう場合は注意してください。

西日本最高峰の霊峰「石鎚山」を初めて観光する人のための基本情報！