三重県初の国宝建造物!真宗高田派本山・専修寺の見どころを紹介

三重県初の国宝建造物!真宗高田派本山・専修寺の見どころを紹介

本山 専修寺(ほんざんせんじゅじ)は三重県初の国宝建造物。浄土真宗の大きな宗派である真宗高田派の本山です。今回は専修寺の歴史を含めて、国宝に指定されている建造物など、観光的な見どころを詳しく紹介します。

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三重県初の国宝建造物!真宗高田派本山・専修寺の見どころを紹介

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専修寺とは?東海北陸の布教の拠点だった寺

専修寺は真宗高田派の寺院。真宗高田派は、浄土真宗では本願寺派・真宗大谷派に次ぎ、3番目に大きな宗派です。専修寺の歴史は、1225年に浄土真宗の開祖である親鸞聖人が下野国高田に如来堂を開いたことに始まります。親鸞聖人は京都に戻る際に寺の管理を弟子にまかせ、それが今日の真宗高田派につながっています。

真宗高田派には「本山」と「本寺」があります。本寺は如来時を受け継いだ現在の栃木県真岡市の専修寺です。本山が三重県津市一身田にある、今回紹介する専修寺になります。本寺があるのに本山が作られたのには理由があります。

浄土真宗10世の「真慧(しんね)上人」が、日本各地に教えを広めようとしたとき、特に信仰の厚い人が多かった伊勢地域に、東海北陸地方における布教活動拠点を設けようと考え「無量寿院」を建立しました。この無量寿院が現在の三重県津市一身田の専修寺の前身です。後に現在の栃木県真岡市高田にあった本寺が兵火で失われたため、三重の専修寺が高田派の中心地となり現在に至っています。

専修寺には歴史的な価値のある建物が数多くあります。中でも境内中央にある「御影堂(みえいどう)」と「如来堂」は従来国の重要文化財で、2017年に国宝に指定されています。他にも山門・唐門の2つの門や御影堂、如来堂を結ぶ通天橋や三重の太鼓櫓をもつ太鼓門が建ち並びます。これらの堂舎は規模が雄大で、浄土真宗の本山寺院としての風格を感じさせてくれます。

親鸞聖人の木像を安置する国宝「御影堂」の見どころ

御影堂の外観

御影堂の中央須弥壇(しゅみだん)には、親鸞聖人の木像が安置されています。両脇壇と両余間には歴代上人の画像も置かれています。お堂の間口は42.72メートル、奥行が33.50メートルの単層入母屋造(いりもやづくり)で、本瓦葺の荘厳にして重厚なお堂です。堂内には畳780枚が敷かれていて、現存木造建築としては国内で5番目の大きさを誇ります。

当初の御影堂は1645年に大火で伽藍が焼失していますが、1679年に修復再建されています。建築様式は純和様です。質素の中にも落ち着いた外観に手堅い細工が見事に施されています。破風板に金色に輝く五七桐紋の金具を貼りつけていて重厚感を感じさせます。

唐様の精巧な建築・国宝「如来堂」の見どころ

如来堂の外観

如来堂は、阿弥陀如来をお祀りするお堂です。阿弥陀如来立像を本尊にしています。如来堂は御影堂の西に並んでいて、2つのお堂は廊下でつながっています。如来堂は間口25.66メートル、奥行26.62メートル。御影堂には及びませんが大きなお堂です。

外見上は大きな御影堂が本堂のように思うかもしれませんが、「証拠の如来」とよばれる阿弥陀如来像が置かれた如来堂が、真宗の教義上、伽藍の本堂とされています。如来堂は入母屋造・本瓦葺の華麗な建築です。唐様の建築手法で手の込んだ精巧な建物になっています。

実際は2階建てではありませんが、2層の屋根を乗せ、棟の高さも御影堂とほぼ等しくして、本堂としての威容を示しています。1748年に落成遷仏され、1990年に大規模修繕工事が完了しています。

裏向拝の手法が珍しい重要文化財の「山門」

専修寺の山門

出典: 白熊

山門は専修寺の総門にあたる門で国の重要文化財です。山門をくぐるとすぐ正面に御影堂があります。山門は2階建になっています。間口は20メートル、奥行9メートル、高さ15.5メートルの大きくて立派な門です。

門の2階の内側には釈迦三尊像が安置されています。この門の全体の形式や組み方は1405年に建立された国宝の京都の東福寺三門を参考にしたものと考えられています。裏側で3間分の屋根が張り出ている裏向拝の手法は、他に例がない珍しい手法です。

1704年頃に完成したものと思われていますが、柱などの損傷が激しかったため、1990年代に大規模な修理が行われました。

▶ 山門の開門時間:5時~17時半
▶ 御堂の開堂時間:6時~15時半

重要文化財の「太鼓門」は三層構造が立派

専修寺の太鼓門

太鼓門は境内の東の入口に当たる門です。平屋の長屋門の上に三層の櫓を乗せていて、その最上階に大太鼓を吊っています。そのため太鼓門と呼ばれています。この太鼓は明治初期まで、町の人に時を知らせる役割を担っていました。元々は一層だけの櫓を乗せた太鼓門だったと推定されますが、1861年に親鸞聖人600年忌法要の記念事業として三層に嵩上げされました。

古い町の歴史や構造を学ぶ「一身田寺内町の館」

一身田寺内町(いっしんでん・じないちょう)は、三重県津市一身田町の真宗高田派本山専修寺を中心とする町です。大きなお寺や古い町並みが、大きな環濠に囲まれたまま残っています。

寺内町は、15世紀末~16世紀中頃に浄土真宗の寺院を中心として造られた自治都市。町の周りに濠をめぐらせていて、それを環濠と言います。一身田寺内町は、環濠がほぼ完全な形で残っている全国的にも珍しい街です。

一身田寺内町の館はこの寺内町の歴史や文化を紹介し、あわせて地域住民の交流を進めるために2002年に設置されたものです。入館無料で自由に見学できます。館の1階は休憩室で、寺内町の写真や寺内町を紹介する展示室があります。2階には有料会議室(和室)があります。

一身田寺内町も観光してみて!

三重県初の国宝建造物・真宗高田派本山 専修寺について、お寺の歴史と国宝や重要文化財について紹介しました。専修寺も周りの一身田寺内町も歴史を感じさせるとても魅力的な地域です。お寺と一緒に見て周るのがおすすめです。

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