世界遺産の巡礼道を歩こう!熊野古道・伊勢路のおすすめコース6選

世界遺産の巡礼道を歩こう!熊野古道・伊勢路のおすすめコース6選

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」としても有名な熊野古道は、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へとつながる参詣道の総称のことで、パワースポットとして多くの参拝客が訪れています。今回は、参拝初心者からトレッキングに慣れた上級者にもおすすめできる、伊勢路の巡礼コースを紹介します。

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世界遺産の巡礼道を歩こう!熊野古道・伊勢路のおすすめコース6選

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大泊駅~有井駅(松本峠・鬼ヶ城・獅子岩・花窟神社)

石畳で有名な熊野古道・松本峠

大泊駅から熊野市駅、有井駅へと至るコースには、石畳で有名な松本峠があります。竹林に囲まれた松本峠には、古来より人々が歩いた石畳が残り、歴史の奥深さを感じることができます。等身大の大きなお地蔵様がところどころにあり参拝者を出迎えてくれます(※写真は松本峠の古道)。

松本峠は、熊野古道までの最後の峠道と言われています。この峠を越えてしまえば、後は緩やかな古道が続いています。松本峠は、国指定名勝天然記念物である鬼ヶ城へとつながっています。鬼ヶ城は波風によって浸食された凝灰岩によって創られた奇景で、時の流れと自然の驚異を感じることができるスポットです。鬼ヶ城では約1kmにわたって荒々しい絶景が楽しめます。

海岸に沿って進むと、獅子が大きな口を開けているように見える、獅子岩があります。獅子岩は高さ25mの巨岩で、熊野市にある大馬神社の狛犬と伝えられています。国指定名勝天然記念物と世界遺産に指定されています。

その先には日本書紀にも登場する花窟(はなのいわや)神社があります。花窟神社は、高さ45mの巨岩をご神体として祀る場所で、かつての自然崇拝を肌で感じられる場所です。

尾鷲駅~相賀駅(馬越峠越え)

熊野古道・馬越峠の頂上

出典: commons.wikimedia.org

尾鷲駅から相賀駅に至る、通称馬越峠(まごせとうげ)越えコースは、全長5.2kmの中距離のコースです。重厚感のある大きな石畳が敷き詰められた道は、雨量の多い尾鷲市の天候から参道を守ってきたという歴史があります(※写真は馬越峠の頂上)。

馬越峠には、随所に地蔵や石碑などのスポットがあります。有名な夜泣き地蔵は、旅の安全を祈願して造られたものです。子どもの夜泣きを無くしたい、という願いを叶えるとも伝えられています。馬越峠の途中にある石橋は、巨大な一枚岩を使ってかけられた見ごたえ抜群の名所です。石橋と石畳、森林、川が1つの画角に収まる撮影スポットです。

可涼園桃乙句碑(かりょうえんとういつくひ)は、近江の俳人である桃乙が詠んだ句を、桃乙の死後に弟子が偲んで立てた石碑です。「夜は花の上に音あり山の水」と刻まれており、馬越峠での旅を思って詠まれた句と言われています。

紀伊長島駅~梅ケ谷駅(ツヅラト峠越え)

紀伊長島駅から梅ケ谷駅に至るツヅラト峠道は、かつての伊勢と紀伊の国境とされていた峠道です。伊勢から熊野古道へ入る、最初の道とも言われています。ツヅラトは「九十九折」と書きますが、カーブが連続するという意味があります。全長9.2kmの長距離コースで、歩いて約4時間かかる中級者、上級者向けの本格的なトレッキングコースです。

ツヅラト峠の途中には、三十三所観音石像群があります。都を追われ、熊野詣の旅に出たかつての花山法皇が立ち寄ったとされる跡地近くにあり、33体の観音石像を見ることができます。

峠道の至る所にある野面乱層積みの石垣は、雨や雪から古道の基礎を守ってきた歴史的価値のある舗道の遺跡と言われています。密度のある石垣で、今でも熊野古道の基礎を支えています。

波田須駅~新鹿駅(波田須の道)

波田須駅から新鹿駅に至る波田須の道は、全長4kmの初心者でも歩きやすいコースです。高低差も少なく、緩やかな古道が続きます。かつて2,000年以上も前に不老不死の仙薬を求めて、中国から来た徐福という人物が上陸した場所としても伝えられています。波田須神社には今でも、不老不死の木として信じられていた「天台烏薬の木」が植えられています。

波田須の道では、伊勢路コースでも最も古い、鎌倉時代に造られたとされる石畳があります。他の道より石のサイズが大きく、明らかな違いを感じることができます。途中にある徐福の宮は、中国の高度な文明を波田須の里にもたらした徐福を祀ったお宮です。里の人々は、日清戦争の末期まで長くに渡って、徐福を信仰していたと言われています。

御足跡水は、弘法大師が残した足跡に枯れることなく霊水が溜まっていると伝えられる、熊野古道の有名スポットです。その霊水には万病に効くご利益があると伝えられています。

大曽根浦駅~三木里駅(八鬼山越え)

大曽根浦駅から三木里駅に至る八鬼山(やきやま)越えコースは、伊勢路で最大の難所と言われています。全長10.1kmの長距離に加え、高低差があり本格的なトレッキング経験者向きのコースです。

八鬼山は、かつては山賊や狼が出没することで、参拝者を苦しめる難所と言われていました。最も勾配の急な「七曲り」は、延々と続く石畳を登る体力的にもきつい場所と言われています。途中にある荒神堂は、西国の三十三所第一番札所の前札所として、多くの人々が参拝したとされる歴史を感じるスポットです。近くには、山伏万宝院の墓があり、かつて辺りの山賊を退治したとされる山伏が祀られています。

峠の山頂付近には、さくらの森広場というきれいに整備された広場があります。休憩できるベンチや東屋があり、晴れた日には志摩半島や那智山を一望できるビュースポットでもあります。

有井駅~紀伊井田駅(浜街道・七里御浜)

有井駅から紀伊井田駅に至る浜街道コース

有井駅から紀伊井田駅に至る浜街道コースは、熊野市街から七里御浜に沿って熊野神社本宮を目指します。全長12.2kmの長距離コースですが、平たんな道が続くので初心者でもチャレンジしやすい道のりです。

最初に出会う有馬立石の道標は、左の道が浜街道を経て新宮に至るコース、右の道が本宮道を経て本宮に至るコースに分かれる分岐点となっています。浜街道コースを歩く方は、左の道へ進みましょう。

途中にある「巡礼供養碑」は、かつて波にのまれて命を落とした巡礼者の供養のために建てられた石碑です。浸水被害に悩まされる地区でもあったため、近くには「浜辺の水神塔」と呼ばれる自然災害から里を守ってほしいという願いが込められた塔も建てられています。

古道歩きはしっかりした装備で

出典: crazystocker/shutterstock.com

熊野古道を歩く際には、事前にしっかりとした装備を整えることが大切です。基本的には4km以上のウォーキングが予想されるため、水分補給用の飲料や、汗拭きタオル、着替え、履きなれた靴は用意しておきましょう。また、山中の参道を歩く際には、底がしっかりしたトレッキングシューズを履いて行きましょう。普通のスニーカーや底の薄いタウンシューズは、足を痛めるだけでなく、滑って怪我をしてしまう可能性もあります。

熊野古道を安全に楽しむためにも、ウォーキングやトレッキングに必要な装備を整えておきましょう。

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