奥会津の秘境路線「JR只見線」四季折々の絶景と感動の鉄道旅

乗り物・交通

奥会津の秘境路線「JR只見線」四季折々の絶景と感動の鉄道旅

「一度は乗ってみたいローカル線」として全国的に高い人気を誇るJR只見線。手つかずの自然が残る奥会津を縫うように走るこの秘境路線は、車窓から眺める四季折々の絶景が最大の魅力です。沿線の山々と、美しい只見川の渓谷美、そこに架かる趣のある鉄橋の数々は、只見線ならではの絶景。特に、紅葉シーズンには息をのむような絶景が広がり、乗っているだけで感動を味わえます。

2022年の全線運転再開以降、その魅力がさらに増している只見線の絶景ポイントや周辺の見どころ、旅の情報を余すことなくご紹介します!


この記事を書いた人


Y Yasue

京都出身、旅行が趣味です。カプリ島「青の洞窟」、ユングフラウ、アンテロープキャニオン、マウナケアでのサンライズは、特に心に残る絶景でした。またアイスランドでは、オーロラやアイスケーブの神秘的なクリスタルブルーなど、多くの感動を体験しました。これからも、旅の計画に役立つ情報から、心に響くような感動まで幅広く発信していきます!


目次

奥会津の秘境路線「JR只見線」四季折々の絶景と感動の鉄道旅

目次を閉じる

JR只見線とは?

磐梯山と雪原を走るJR只見線(福島県会津美里町)

JR「只見線(ただみせん)」は、福島県会津若松市の「会津若松駅」から新潟県魚沼市の「小出駅」を結ぶ全36駅、全長135.2kmのローカル線です。只見川に沿って奥会津の山間を縫うように走り、旅行雑誌やSNSでもその美しさが称される「秘境路線」として、全国の鉄道ファンや観光客に愛されています。

2011年の新潟・福島豪雨で一部区間が不通となっていましたが、多くの人々の尽力により2022年10月に全線で運転を再開。再びその全貌を楽しむことができるようになりました。

2025年2月4日には記録的な大雪の影響で、一部の区間が不通となってしまいましたが、約3か月間の復旧作業を終え、5月16日より全線で運転を再開しています。

紅葉の美しいJR只見線

JR只見線最大の魅力は、只見川と沿線の自然が織りなす息をのむような景観です。さっそく、ビューポイントからご案内していきます!

橋梁ビューポイント「第一只見川橋梁」

JR只見線「第一只見川橋梁」新緑

只見川に架かる「第一只見川橋梁(だいいちただみがわきょうりょう)」は、只見線を代表する絶景ポイント。只見線の鉄道橋の中で唯一の「アーチ橋」です。雄大な山々の自然と人間が共存する暮らしを象徴するこの鉄道橋は、まるで絵画のように美しいと人気を集めています。

この橋は、会津柳津駅と会津宮下駅の延伸工事によって1938年に完成し、1941年から供用が開始されました。

JR只見線「第一只見川橋梁」冬の雪景色

新緑、紅葉、雪景色と、四季折々に美しい第一只見川橋梁。特に、只見川の水面から立ち上った川霧に浮かぶ鉄道の曲線や、冬の白雪の中を力強く進む列車の姿は、まるでドラマのワンシーンのように幻想的です。

第一只見川橋梁ビューポイント

異なる角度から景色を楽しめるビューポイントが複数整備されており、これらの景色を一目見ようと多くの観光客やカメラマンが集います。なかでも「道の駅 尾瀬街道みしま宿」から近い「第一只見川橋梁ビューポイント」は、只見川と列車、そして周辺の山々が一体となったパノラマビューを楽しめるイチオシの眺望ポイントです。

橋梁ビューポイント「第二・第三・第四只見川橋梁」

JR只見線「第二只見川橋梁」

只見線の車窓から楽しめる絶景スポットは、第一只見川橋梁だけではありません。金山町内を流れる只見川には、趣の異なる美しい鉄道橋が連続して架かっています。それが、秘境感あふれる第二、第三、そして第四只見川橋梁です。

雄大な只見川の蛇行と山々に囲まれた中に架かる第二橋梁は、鉄骨のトラス構造が特徴。水面に映る「逆さ橋梁」もまた見事な光景です。

JR只見線「第三只見川橋梁」

緑豊かな山間を短いスパンで結ぶ第三橋梁は、素朴ながらも只見線らしい秘境感を一層引き立てています。

JR只見線「第四只見川橋梁」川霧

そして、金山町の中心部近くに位置する第四橋梁は、周辺の集落との組み合わせが絵になり、只見川の広がりを特に感じられる場所です。

これら3つの橋梁は、それぞれ異なる表情を持ちながらも、只見川の豊かな自然と一体となり、どこか懐かしい日本の原風景を織りなしています。列車が鉄橋を渡る瞬間は、まさにシャッターチャンス。車窓から、また沿線の展望スポットから、その絶景をぜひ写真に収めてみてください。

川べりに浮かぶ家並み「大志集落」

大志集落(JR只見線)

川べりに浮かぶ色鮮やかな屋根が美しい「大志集落(おおししゅうらく)」も、JR只見線を代表するフォトスポットの1つです。会津川口駅から会津若松側へ2kmほど離れた非常に小さな集落ですが、只見川とその背後にある山々の景観が素晴らしく、只見線を語る上で外せない絶景スポットとなっています。

JR只見線と大志集落

列車が通り過ぎる瞬間を狙えば、記憶にも写真にも残る一枚が写せます!

大志集落(JR只見線)

「大志俯瞰(ふかん)」は、山の上から大志集落全体を見下ろして撮影できる人気スポット。朝霧が立ち込める光景も幻想的で、ドラマチックな写真が撮影できます。

妖精に会える!? 神秘の湖「沼沢湖」

沼沢湖

「沼沢湖(ぬまざわこ)」は、JR只見線「早戸駅」から車で約10分の距離にある、森に囲まれた美しいカルデラ湖です。カルデラ湖ならではの透明度の高い湖水が特徴で、その神秘的な雰囲気は訪れる人々を魅了します。

妖精美術館

沼沢湖の周辺には、世界中の妖精たちが集まるとされる「妖精美術館」もあります。ここは、絵本や文学の資料、可愛らしい人形などが飾られた日本で唯一の"妖精の館”。春には可憐な花が咲き、美術館の美しさを一層引き立てます。

また、沼沢湖の周辺には、美しい小沼に浮かぶツリードームが人気のオートキャンプ場もあり、夏にはキャンプを楽しむ人々で賑わいます。自然の中でリフレッシュしたい方や、家族連れでの旅行にもぴったりなスポットです。

ザ・秘境!「早戸駅」

JR只見線「早戸駅」

JR只見線全36駅の中でも、その美しい絶景から "秘境駅" と称され人気を集めるのが「早戸駅」です。駅に降り立つと目に飛び込んでくるのは、深緑が眩しい山々と青い空、そして只見川の雄大な景色!只見川のすぐそばに位置するホームからの眺めは絶景で、静寂の中で鳥のさえずりや川のせせらぎが心地よく響き渡ります。

運が良ければ、只見川から立ち上る幻想的な川霧の風景に出会えることも。もちろん、川霧が発生していない晴天の日も、ホームからの眺めは息をのむほど美しく、絶好の写真撮影スポットとなっています。列車を待つ間、この特別な場所でゆっくりと時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

ただし、JR只見線は上り・下り共に一日に数本しか走らないローカル線です。無計画に降りてしまうと、駅周辺には自動販売機やトイレ、コンビニエンスストアやお店もありません。事前に時刻表を確認し、お弁当や飲み物の準備を万全にしておくことをおすすめします。

沿線の拠点駅「会津川口駅」

会津川口駅(JR只見線)

「会津川口駅(あいづかわぐちえき)」は、只見線の旅でぜひ立ち寄りたいおすすめの駅です。雄大な只見川の流れに沿い、まるで船着場のように見えると有名になり、2002年には「東北の駅百選」にも選ばれました。

会津川口駅のホーム(JR只見線)

JR只見線の車窓から見える絶景はもちろんですが、駅を降りて一休みしたいという方にも最適です。駅舎内には金山町の観光情報センターも併設されており、周辺の観光情報を手に入れたり、地元の特産品をチェックしたりすることもできます。

駅周辺には温泉やスキー場もあり、ゆったりとした時間が流れるこの地域は、只見線の旅の拠点としても便利です。ここから先、只見方面への列車は本数が少なくなるため、旅の計画は綿密に立てておくことをおすすめします。

全線運転再開で注目「只見駅」

只見駅(JR只見線)

「只見駅」は、2022年10月の全線運転再開で最も注目を集めた駅の一つ。かつて豪雨災害により不通となっていた区間の起点/終点として機能していましたが、復旧を経て、駅舎も木材を多用した温かみのあるデザインにリニューアルされました。駅舎内には観光案内所やお土産コーナーがあり、只見町の玄関口として利用者の利便性が向上しています。

全線開通により新潟方面へのアクセスも可能になったことで、只見駅は改めて旅の重要な中継地点となっています。四季折々の只見の自然を存分に楽しむための情報収集や準備は、この駅でどうぞ。

只見町は豪雪地帯としても知られ、冬には周辺のスキー場が賑わい、雄大な銀世界が広がります。夏には清流・只見川でのカヌーや釣りなど、年間を通じて豊かな自然を満喫できるアクティビティが人気です。

季節限定の彩りスポット「上原コスモス園」

上原コスモス園

只見線の旅に秋の彩りを添えたい時には、新潟県魚沼市の「上原コスモス園(うわっぱらこすもすえん)」がおすすめです。秋になると広大な敷地一面に、ピンクや白、赤紫など、色とりどりのコスモスが咲き誇ります。花々が絨毯を広げたような風景が美しく、訪れた人の心を癒してくれます。

只見線の越後広瀬駅から車で約10分、徒歩でも約35分と比較的アクセスしやすいため、只見線の旅のアクセントとして、秋の美しいコスモス畑を訪れてみてはいかがでしょうか。

幕末の英傑に触れる「河井継之助記念館」

河井継之助記念館(福島県南会津郡只見町)

幕末の激動期に越後長岡藩の家老として活躍した河井継之助(かわい つぎのすけ)は、旧来の武士道にとらわれず、西洋式軍備の導入や財政改革を断行した先見の明を持つ人物として知られています。

戊辰戦争で傷を負った継之助は、長岡から八十里越で会津へ向かい再起をはかりましたが、慶応4年(1868年)8月16日、破傷風のため塩沢村にて死去。享年41歳でした。

只見町の「河井継之助記念館」では、彼の生涯や思想、そして戊辰戦争での壮絶な戦いを、貴重な資料や展示を通して深く学ぶことができます。激動の時代を駆け抜けた一人の人間の生き様から、現代にも通じる多くの学びを得られるでしょう。

アクセスは、「会津塩沢駅」から徒歩約10分です。

JR只見線へのアクセス

キハE120形(JR只見線:小出駅)

JR只見線への旅は、東京方面からであれば福島県側の「会津若松駅」、新潟方面からであれば新潟県側の「小出駅」が主な玄関口となります。

【新幹線+在来線】

会津若松駅
主要駅アクセス
会津若松駅東北新幹線で郡山駅まで行き、JR磐越西線に乗り換えて会津若松駅へ
小出駅上越新幹線で浦佐駅または長岡駅まで行き、JR上越線に乗り換えて小出駅へ

【レンタカー】

レンタカー

福島県の会津若松駅や新潟県でレンタカーを借り、只見線沿線を巡るのもおすすめです。列車と車を組み合わせることで、より自由に観光スポットを巡ることができます。

skyticketでレンタカーを予約!

会津若松駅の格安レンタカーを比較する

skyticketでレンタカーを予約!

新潟県のレンタカーをエリア・空港・主要駅から探す

◎四季折々の絶景が織りなす、只見線ならではの感動体験

JR只見線 第二橋梁

春の芽吹き、夏の青葉と只見川の深緑、そして深い霧が立ち込める幻想的な風景。さらに、真っ白な雪の中を走る冬景色は、見る人の心を捉えて離しません。中でも特に秋の紅葉シーズンは格別で、窓から眺める色鮮やかな木々と青々とした只見川が織りなす絶景は、まさに息をのむ美しさです。

このJR只見線の絶景は、2008年に行われた『日経プラス1』の「紅葉の美しい鉄道路線ベストテン」で堂々の第1位を獲得しました。日本国内はもちろん、海外からも多くの観光客が訪れる、まさに世界に誇る路線としてその名を馳せています。

只見線は、単なる移動手段ではなく、それ自体が旅の目的となる特別な路線です。四季折々の美しい自然、温かい人々の暮らし、そして歴史が融合したこの奥会津の秘境路線で、心に残る唯一無二の鉄道旅をご堪能ください。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

会津若松市でおすすめの記事

会津若松市のアクセスランキング