江戸時代の武家町にタイムスリップ!「金ケ崎町城内諏訪小路」の観光ガイド

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江戸時代の武家町にタイムスリップ!「金ケ崎町城内諏訪小路」の観光ガイド

金ケ崎町城内諏訪小路は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている岩手県胆沢郡の知る人ぞ知る観光名所です。江戸時代の要害の城下町を散策すると、まるでタイムスリップしたような感動を覚えるでしょう。岩手県の観光の際には、侍にバッタリ出会ってしまいそうな金ケ崎町城内諏訪小路を訪れてみることをおすすめします。

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江戸時代の武家町にタイムスリップ!「金ケ崎町城内諏訪小路」の観光ガイド

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金ケ崎町城内諏訪小路とは

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金ケ崎町城内諏訪小路は、有名な伊達政宗が当主であったこともある伊達家の領地として、家臣に治めさせていた要害21か所のうちのひとつ。大町氏が管理していた武家町だった場所です。

金ケ崎要害は伊達領の中では最も北に位置し、領地の境界線を守っていました。北上川と胆沢川が合流する舌状台地にあり、北上川に沿い要害を囲むように武家町と、奥州街道の南と北には足軽町、中央部に町人町というように樹木帯により要害と周りの川や田園地帯と分けるように整備されています。

2001年には東西690m、南北980mの要害と武家町のほぼ全てが金ケ崎町城内諏訪小路として、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。保存地区の小路はほとんど江戸時代のまま残っていて、鉤形や桝形、わざと見通しが悪いように造られた弓形の道路を組み合わせた形状は城下町特有の雰囲気です。

各屋敷はサワラヒバの生垣で区画され、また、風雪を防ぐために北と西に植えられたエグネと呼ばれるスギの屋敷林など、様々な樹木が植えられています。

小路の生垣とその向こうのエグネの合間から見える風情のある寄棟造茅葺きの武家屋敷の大きな屋根が、金ケ崎町城内諏訪小路の見どころです。

白糸まちなみ交流館、公開されている旧坂本家住宅、旧大沼家侍住宅などにパンフレットがあるので入手しておきましょう。

白糸まちなみ交流館

金ケ崎町城内諏訪小路にある白糸まちなみ交流館は、2002年に造られた施設で、地域づくりの拠点となっています。

木造建築、約145平方メートルの建物で、和風建築の見学だけでなく保存地区における新築住宅の参考事例となっている他、「歴史性の伝承」、「伝建地区という環境への馴染み」、「民家の良さの再考」などさまざまな目的も。見学は無料ですが、会議室などに使える座敷もあり、こちらは有料で貸し出しています。

開館時間は午前9時から午後5時で、休館日は木曜日と年末年始ですが都合により閉館することもあるので、公式ホームページまたは指定管理者の城内街並み保存会(電話番号0197-41-2355)にて確認しておきましょう。

また、金ケ崎町城内諏訪小路のガイドを希望する場合は、白糸まちなみ交流館に7日前までの予約で、城内町並み保存会ガイド部会に在籍するガイドに案内してもらうこともできます。案内による見学時間は1~2時間30分です。

旧坂本家侍住宅

出典: manposei / PIXTA(ピクスタ)

金ケ崎町城内諏訪小路の旧坂本家侍住宅は、1830年に建てられた住宅で屋敷は約560坪です。2009年に復元された主屋は桁行(けたゆき)8間、梁間(はりま)は4.75間の喰違い4間取りで、茅葺き寄棟造り屋根です。小路側に座敷、奥側に土間があるのは、急にお殿様が来た時すぐに一番いい座敷に案内できるという利点があります。

坂本家は仙台藩の足軽でしたが、1830年に大町家臣となり現在地を拝領しました。

旧坂本家侍住宅は公開されているので見学することができます。また、食事処として郷土料理や飲み物を楽しむことができるので、金ケ崎町城内諏訪小路の観光の途中での一休みも。企画展やイベントなどが実施されていることもあります。

公開は9~17時、休日は月、火曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始です。

片平丁・旧大沼家侍住宅

出典: manposei / PIXTA(ピクスタ)

金ケ崎町城内諏訪小路の片平丁・旧大沼家侍住宅は、町指定有形文化財です。

大沼家は金ケ崎城の大庭のそばにあり、主屋と馬屋、庭が残っています。主屋は桁行7.5間、梁行3.5間の3間取りです。明治期に建てられた馬屋は金ケ崎町城内諏訪小路に唯一残っているものです。

2006年に厠が新築され、金ケ崎町特有の建物配置の三ツ家形式が再現されました。

公開は9~17時、休日は火、水曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始です。

大松沢家庭園

金ケ崎町城内諏訪小路の大松沢家庭園には、江戸時代後期の四脚門(よつあしもん、しきゃくもん)が残っています。四脚門とは控柱を門柱の前後に2本ずつ、左右合わせて4本立てた、日本の門の建築様式の中で多く見られる格式の高い門です。

他には板塀、石積み、屋敷林も残っていますが、大松沢家は、江戸時代には山林奉行を務めていたこともありエノキ、カエデなどがある大きな築山を中心とした大庭園が見事です。

建物は「侍屋敷 大松沢家」というカフェレストランになっていて、ランチタイムとカフェタイムを楽しむことができます。営業は10~15時で定休日は月曜日ですが、変更となる場合がありますので事前に確認しましょう。駐車場もあります。

細目家庭園

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金ケ崎町城内諏訪小路の「細目家庭園」(ほそめけていえん)は仙台藩直属の家臣、細目家の庭園で足軽町にあります。屋敷は約1000坪、屋敷がそのまま残っているわけではないのですが庭は江戸時代からあります。

ドウダンツツジやサツキツツジ、生け垣は今でも植木屋によって美しく整えられていて、特に土塀に見えるような形に刈り込まれた生け垣は見事ですよ。

現在は個人の方の庭園なので、外から生け垣を見るくらいなら大丈夫ですが、見学したい場合は事前に観光協会へ問合せが必要です。

金ケ崎要害歴史館

出典: metamorworks / PIXTA(ピクスタ)

仙台藩(伊達藩)では正式に認められた城ではないのですが、城としての機能を持ち、城のように城下町を配した要害により領地を守る要害制がありました。金ケ崎町城内諏訪小路の金ケ崎要害歴史館は、金ケ崎要害の歴史文化について紹介する施設で、建物は侍の屋敷と付属屋をイメージして造られています。

展示してある新南部叢書特装版奥州道中「増補行程記」は、自分でページをめくり自由に見ながら江戸時代の奥州街道の様子を知ることができます。

また、武家町の侍の屋敷や付属屋、庭の構造など江戸時代の侍屋敷の様子を模型として再現し展示してあるので、上からも横からもじっくり鑑賞してみてください。武士でありながら農業も行う半士半農の生活の様子も見ることも。

金ケ崎町城内諏訪小路を散策した後に模型で復習するのも、模型で学習した後に実際の屋敷を見て歩くのも楽しいものです。

開館時間は9~17時で休館日は月曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始です。

◎金ケ崎へのアクセス

【お車をご利用の場合】
東北自動車道水沢ICから約5分で、白糸まちなみ交流館と金ケ崎要害歴史館に駐車場があります。

【電車をご利用の場合】
JR東北本線の金ケ崎駅からタクシーでは約5分、徒歩でも約15分なので散策しながら訪れるのも良いでしょう。

【バスをご利用の場合】
JR東北本線の水沢駅から岩手県交通の水沢金ケ崎線に乗り、白糸まちなみ交流館へは「金ケ崎本町」下車徒歩約5分、金ケ崎要害歴史館へは「下城」下車徒歩約5分ですが、バスの本数は多くないので注意が必要です。

※記載の情報は2020年2月6日現在のものです。

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