藍で栄えた歴史の証に注目｜美馬市脇町「うだつの町並み」

歴史的な建造物が好きな方は、徳島県美馬市脇町にある「うだつの町並み」に足を運んでみてください。江戸時代から明治にかけて栄えた城下町でレトロな雰囲気の落ち着いた街並みが、写真愛好家に人気です。カメラを片手に散策を楽しむ人も少なくありません。通りにはカフェや土産店もあり、観光が楽しめます。美しい町並みを眺めながらまったり過ごせるでしょう。うだつの町並みのおすすめスポットを紹介します。

「うだつ」って何？

まずは、「うだつ」がどんなものであるのか解説していきます。うだつとは、となりの家との境界に取り付けられた「卯」の形をした袖壁のことを言います。

防火を目的として取り付けられていたのですが、取り付けるためには多くの費用が掛かり、財力のある家庭でしか取り付けることができなかったのです。その結果、豪商たちが周囲の家と競い合い豪華な「うだつ」を施すようになりました。

出世できない人や金銭に恵まれない人を意味する「うだつが上がらない」という言葉があります。商売に成功した人でないとうだつを上げられないため、この言葉が生まれたと言われているのです。

85棟もの伝統家屋は圧巻

うだつの町並みと言われる脇町南通りは430mに渡り漆喰の壁や本瓦葺きで建てられた古い町並みが広がっています。どの家も個性があり、雨戸でもある蔀戸（しとみど）や外の光を家の中に取り入れる虫籠窓（むしこまど）、魔よけや装飾の意味合いがある鬼瓦など、建具に注目しながら散策するのも面白いでしょう。

伝統的な建造物の数々は85棟にも及びます。昭和63年には国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。江戸時代にタイムスリップしたかのような雰囲気なので、懐かしい雰囲気の中、散策を楽しめるでしょう。

また、夜は昼間とは違った雰囲気になることも特徴です。うだつの街並みの軒先などに15m間隔で街灯が灯り、柔らかな光が街並みを照らしていきます。幻想的な雰囲気なのでデートにもピッタリです。

藍商で栄えた吉田家住宅へ

うだつの街並みの中で欠かせないスポットのひとつが吉田家住宅です。脇町で1、2を争うほど栄えていた豪商として知られ、全国シェアは1/4を占めていたと言われています。

建物のある約600坪もの敷地内には、5棟もの建物があり、船着き場も設けられています。市指定の文化財として一般公開されているので、内部の見学が可能です。当時の暮らしをぜひ覗いてみてください。

・開館時間：9：00～17：00（最終入館16：30）
・休館日：12月27日～1月1日
・入場料：大人510円、子ども250円
・団体割引：あり（15名以上）

※2020年1月時点での情報です

うだつの町並み周辺の観光スポット「オデオン座」

オデオン劇場は1934年に芝居小屋として建設されました。戦後は映画館や歌謡ショー講演などが開催され、地域の人々に親しまれていた施設です。

建物が老朽化してしまい取り壊されることが決まっていましたが、山田洋次監督による映画『虹をつかむ男』のロケ地として使われたことで、町指定文化財に指定され、一般公開されるようになりました。現在でも、定期的に演劇などのイベントが開催されています。

カフェ藍蔵で名物アイスを味わおう

小腹が空いたら道の駅「藍ランドうだつ」内にあるカフェ藍蔵に立ち寄ってみましょう。藍ランドうだつは、1階に徳島県の特産品や名産品が揃うショップがあります。その2階に藍蔵があり、食事やスイーツ、ドリンクなどを提供しています。

おすすめはアイスで、ゆずやすだちなどの爽やかな風味が際立つ柑橘系のアイスや、強い辛味が特徴の「みまから」を使ったアイスなど珍しいアイスもあるので、食べ比べてみるのも楽しいでしょう。うだつロールケーキも人気なので一緒に味わってみてください。

店内はガラス張りとなっているので見晴らしも抜群。うだつの街並みの景色を眺めながら食事やスイーツを楽しみ、ゆったりとしたひと時を過ごせます。

うだつの街並みのアクセスと駐車場

レトロで落ち着いた雰囲気のうだつの街並みまでのアクセスは次の通りです。

■車でのアクセス

・徳島阿波おどり空港から約60分
・徳島自動車道「脇町」ICから約10分

■電車でのアクセス

■バスでのアクセス

・JR徳島線「穴吹」駅から美馬市営路線バスに乗車。道の駅「藍ランドうだつ」で下車

■駐車場

脇町観光駐車場と道の駅「藍ランドうだつ」の駐車場を利用できます。

藍で栄えた歴史の証に注目｜美馬市脇町「うだつの町並み」