名称:河北町紅花資料館
住所:山形県西村山郡河北町谷地戊1143
公式・関連サイトURL:http://www.town.kahoku.yamagata.jp/1833.html
河北町の紅花資料館で伝統に触れる旅!ベニバナといえば山形の特産
山形県の中央付近に位置する河北町は、それほど大きな町ではないものの、様々な名産を生み出している地域です。特に河北町は「べに花の里」と呼ばれるほど、江戸時代の頃からべに花で発展してきました。そんな河北町には、当時の名残が感じられる「紅花資料館」が存在します。そこで今回は、紅花資料館がどのような観光スポットなのか、魅力をご紹介していきましょう。気になる方はぜひチェックしてみてください。
「べに花の里」河北町
河北町は山形県西村山郡にあり、村山地域の真ん中に位置する町です。周囲には県内でもトップクラスのサクランボ生産量を誇る寒河江市(さがえし)や、将棋駒や温泉街で知られる天童市などがあります。
町の中を最上川が流れている河北町は、かつて河川舟運の船着き場があった場所です。そのため、染料に使われるべに花や織物の原料となる青苧(あおそ)などが集積されていました。現在はべに花以外にも雛人形や冷たい肉そばなどの名物もあり、周辺のエリアも含めて観光客が訪れることが多いです。
紅花資料館は、元々は堀米四郎兵衛の屋敷跡であり、約8000平方メートルもの敷地内には土蔵と板倉が合わせて13棟もありました。しかし、老朽化が進んだために多くの建物は解体されることになり、建物内にあった武器や古文書などの貴重な資料、約5000点が町に寄贈されたのです。
河北町は貴重な資料を展示することで、町の歴史を後世に伝えるために屋敷の修復や土地の整備を加えていき、昭和59年(1984年)に紅花資料館が開館しました。
武者蔵
町の中心部から少し北に位置する紅花資料館は、河北町の産業を支えてきたべに花に関する歴史や生産が学べる施設から、江戸時代の雰囲気がそのまま残る場所まで、様々な施設・スポットで構成されています。そんな施設を1つずつご紹介していきましょう。
まずは武者蔵という施設です。武者蔵は嘉永6年(1853年)に、武具関連を収納する蔵として建てられました。この頃の河北町には、幕府の命により167人で構成された農兵隊が存在しており、周辺地域の治安維持を担っていました。
現在の武者蔵では、べに花の取引で使われていた大福帳や、伊達藩白石城の城主から拝領品として授かった青銅水盤、大砲や武器などが展示されています。歴史が好きな方、特に江戸時代後期のことについて学びたい方にはおすすめの施設です。
座敷蔵
座敷蔵は武者蔵よりも古い、江戸中期頃に建てられたとされる蔵です。河北町の中でも一番古いとされており、蔵の中は客人を招けるように座敷が設けられています。元々は道具などを格納する蔵として活用されていましたが、後に座敷へと改造されたようです。
座敷の畳から一段高い床の間にある「蹴込み」と呼ばれる板に鶴と亀が描かれていたり、襖絵には伊達藩の絵師として活躍した蛎崎縉斎(かきざきしんさい)の作品が描かれていたりと、江戸時代の貴重な美術作品を堪能できる場所でもあります。
御朱印蔵
文久3年(1863年)、現在の川西町にある新山神社から御朱印状を譲り受けた時、この御朱印状を収めるために建てられたのが御朱印蔵です。
御朱印蔵の大きな特徴は、唐破風向拝付の入母屋造りであるという点です。
唐破風とは、中央が弓形になっていて両端が反り返っている破風で、神社の向拝(屋根が前に張り出している部分)によく見られます。
入母屋造りは日本建築に多く採用されている屋根の造りで、切妻造りのそれぞれの方角に庇が付けられているものです。
蔵の大きさに比べて屋根が大きく前に張り出したような形になっており、荘厳さを引き立たせています。御朱印蔵の周りは池で囲まれており、正面の橋を渡っていかなくてはなりません。
紅の館
紅の館は、資料館の敷地に入ってしばらく進んでから太鼓橋を渡ったところにある施設です。ここでは主に、べに花の歴史や生産、流通に関することなどが学べます。
施設内では、べに花を使って染色された作品をいくつも展示。例えば明るく華やかな色味の振袖は、紅色をベースにおめでたい絵柄が盛り込まれた、美しい振袖です。紅染めがどのように行われているのかも紹介しているので、ぜひ紅染めの手法も学んでみてください。
また、その他にも河北町に古くから伝わる舞楽「林家舞楽」の模型やべに花を運び入れるために使われていた船の模型、河北町のもう1つの名産品・雛人形などが展示されています。歴史的価値の高いものばかりなので、ぜひ見学に行ってみましょう。
八景園
八景園は、資料館内にある庭園やべに花畑などが見られるエリアです。7月になるとべに花が咲き誇り、周辺が緑と黄色の美しい色味に染まります。べに花畑の中には東屋や水飲み場などもあるので、適宜休憩を取りながら散歩を楽しめるでしょう。
また、べに花畑の中に藤棚があったり、滝の沢川を渡ると水車小屋や古代蓮が浮かぶ池があったり、自然豊かな環境が広がっています。美しい自然風景を堪能したい方はぜひ八景園内を散策してみてください。
鮮やかな紅染めも体験可能
紅花資料館には「紅染工房くれない」という施設があります。ここでは実際にべに花を使った紅染め体験が可能です。
(体験料・所要時間は2020年1月時点での情報です)
■体験料(入館料込)
大人:1,600円
子ども(高校生まで):1,000円
■所要時間
大人5名~15名:約65分
大人15名~50名:約1時間40分
染色作業を終えると、色止め作業に移るまで少し時間が空きますが、その間にガイド付きで紅花資料館内を見学することが可能です。
紅染め体験への参加とガイド付きでの見学は、7日前までの予約が必要。必ず問い合わせてから訪れるようにしましょう。
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