名称:ロシア鉄道
公式・関連サイトURL:http://www.rzd.ru
名称:Russiantrain.com
公式・関連サイトURL:https://www.russiantrain.com/
日本からわずか2時間半で行けるヨーロッパ、ウラジオストク。そのウラジオストク駅からはるか約9000キロ離れたモスクワ・ヤロスラフスキー駅までを結ぶ001/002列車「ロシア」号は鉄道ファンならば誰もが憧れる存在でしょう。そのほかにも、ウラジオストクとハバロフスクを結ぶ「オケアン」号や、シベリア鉄道本線を外れて中国、モンゴル、北朝鮮など周辺国に乗り入れる列車もあります。
今回はウラジオストク周辺やウラジオストクからハバロフスクまでの利用を中心にまとめてみました。
目次
憧れのシベリア鉄道!チケットの買い方と注意~ウラジオストク⇔ハバロフスク編~
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そもそもシベリア鉄道とは?
世界最長の鉄道であるシベリア鉄道はモスクワ・ヤロスラフスキー駅~ウラジオストク駅が本線ですが、途中駅始発のものもありますし、様々な支線から列車が乗り入れてきます。また、モスクワより向こうのミンスク、サンクトペテルブルクなどへ直通する列車もあります。ウラジオストク発モスクワ行きは1日1~2本あって、特急「ロシア」号は6日と1時間48分、名前がない急行列車(99/100列車)だと6日間と17時間40分かけて走ります。
ちなみに、この急行に併結されてモスクワ~平壌を9日間かけて走る100Щ列車が所要時間・距離が世界最長の列車です。この列車はモスクワ時間でモスクワ・ヤロフラスキー駅を00:35に出発し、9日目の22:00に平壌駅に到着します(所要時間8日と15時間25分)。
シベリア鉄道の風景は基本的に単調(草原やタイガ)ですが、1番のハイライトは何といってもバイカル湖でしょう。シベリアの真珠ともいわれるバイカル湖は、世界中の凍っていない淡水の17%がここにあるとされているほど、巨大で深い湖です。
シベリア鉄道も乗りっぱなしでは疲れますので、バイカル湖やクラスノヤルスク、ノボシビルスク、エカテリンブルクなどといった都市で降りるのもおすすめですよ。
電子ビザでウラジオストク~ハバロフスク間の移動はできない
電子ビザがウラジオストクとハバロフスクの両方に導入されていることを知っている方も多いでしょう。しかし、ウラジオストクとハバロフスクはエリア(地方・州)が違うので、どちらか片方の地域しか訪問できず、通常のビザを申請する必要があります。
ウラジオストクが属する沿海地方とハバロフスク地方との境界となるのはブルリット・バラチャエフスキー駅とスヴェニイヴォイ駅との間です。したがって、ウラジオストクからウスリースクやナホトカといった、同じ沿海地方内の都市は電子ビザでOKですが、ハバロフスクは不可となっています。
このエリア跨り規制はロシア全土で電子ビザが導入される2021年1月には解消される見込みだという一部報道もあります。
シベリア鉄道のチケットの価格は需要に応じて決まる
設備は普通の座席からファーストクラス(オケアン号には「デラックス」という最上級のクラスもあります)まで様々で、同じクラスでも需要に応じてチケットの値段が異なるのが特徴です。もちろん日付が近くなるほどチケットの値段も跳ね上がっていきます。
ちなみに、2020年1月17日に2月21日のウラジオストク発ハバロフスク行きの運賃を調べたところ、一番安かったのが、351Э列車の一般座席で756ルーブル(1ルーブルは2020年1月現在1.7円)で、3等が1015ルーブルでした。逆に1番高かったのがオケアン号のデラックスで15249ルーブルだったので、雲泥の差がありますね。
余談ですが、ウラジオストクからモスクワまで、3等車だと6223ルーブル、2等だと15000ルーブルあまりです。
なお、ウラジオストクとハバロフスクの間を昼間に走る列車はありません。
ウラジオストク~ハバロフスク間の所要時間は列車によって違う
列車により異なりますが、ウラジオストク~ハバロフスクは、11時間41分で到着する「オケアン」号が最も早いです。逆に最も遅いのが先ほど紹介した351Э列車で、13時間39分かかります(2020年1月現在)。
旅行会社のツアーで申し込むのがおすすめ!
もっとも簡単な方法ですが、費用が掛かります。日本にあるロシアに強い旅行会社に申し込みましょう。ツアーの場合、ウラジオストクで入国し、ハバロフスクで出国(あるいはその逆)するのが一般的です。
費用は総額で平均12万円程度でしょう。もっと安いツアーも高いツアーもあります。この場合、ビザは旅行会社で用意してくれますが、その申請代行費用は別途かかることが多いです。
複雑な手続きやチケットの手配が1度に済んでしまうので、この方法がおすすめです。
個人でチケットを用意する方法は? ロシア鉄道HPなどで。
ロシア鉄道の公式ホームページ(http://www.rzd.ru/ 右上のイギリス国旗をクリックすれば英語になります)や英語版「Russiantrain.com」(https://www.russiantrain.com/)といったサイトで申し込めます。
ロシア鉄道公式ホームページが1番安く済みますが、ところどころロシア語から直っていないところもあるので慎重な作業が必要です。また、ビザの申請を自分で行う必要があるのも難点です。
ロシア鉄道公式サイトでチケットを買う方法
イギリス国旗のマークの右にある「Registration」をクリックすると登録画面が出てくるので、登録します。そして、出発地に「VLADIVOSTOK」と到着地に「HABAROVSK」(KHABAROVSKだとなぜか出てきません)を入力します。
そうすると、条件に合った列車が出てきます。あとは、パスポート番号など必要事項を英語で入力していき、カードで決済すればe-チケットが出てきますので、それを印刷してパスポートとともに車掌や駅窓口で提示すれば大丈夫です。
ウラジオストク⇔ハバロフスク! シベリア鉄道の見どころ
ウラジオストク駅から旅を始めていきましょう。
ウラジオストク駅を出ると、トンネルをくぐり西側にはアムールスキー・ザリーフという湾が広がっています。シベリア鉄道は長いですが、バイカル湖のような湖ではなく、海を見られる区間はここだけになります。
続いての停車駅はウーガリナヤ駅で、ウラジオストク空港とナホトカへの列車はここから分岐します。ウーガリナヤを過ぎれば誰が利用するのかわからないような小駅が続きます。あたりは原野が広がるばかりです。
ウラジオストクから100キロメートル離れたウスリースク駅の手前、バラノフスキー駅からは北朝鮮からの列車が合流。ウスリースク駅でつなぐこともあります。ウスリースク駅からは本数が極端に減るので、ウスリースク駅までのショートトリップも面白いですよ。ウスリースクは、中国の金(きん)という王朝が支配していた町で、今もその当時の名残をとどめています。
中国の国境沿いのスパッスク・ダリニーやルージナ、ダリネレチェンスクは深夜に通過することになるでしょう。夜が明け太陽が昇ってくると、いよいよハバロフスク地方です。大規模な貨物ターミナルがあり、シベリア鉄道が大陸の大動脈であることがわかります。
食堂車を使ってみよう
きっぷに簡易的な食事はついている場合もあります(サービスは購入時に選べる)が、それでも物足りないときは食堂車を利用しましょう。日本では食堂車はもうないですが、ロシアでは当たり前にあります。なお、食堂車以外での飲酒は禁止されています。
ハバロフスクの見どころ
オケアン号の終点、ハバロフスクの見どころを紹介します。ウラジオストクとは違い、ゆったりとした空気が流れています。アムール川のクルージング、ムラヴィヨフ・アムールスキー通りの散歩、博物館めぐりなどが主なアクティビティになるでしょう。
ハバロフスクの見どころ:アムール川のクルージング
アムール川は中国では黒竜江といわれています。2時間ごとに観光船が出ています。ハバロフスクのすぐとなりは中国で、中国最東端の町、撫遠(ぶえん・フィーヤン)市まで高速船も出ています。
アムール川を眺めていると日常の疲れを癒してくれます。また、「アムール川の波」という曲も有名です。
ハバロフスクの見どころ:レーニン広場とムラヴィヨフ・アムールスキー通り
ハバロフスクにはモスクワに次いで2番目に広いレーニン広場があります。そこへ続くムラヴィヨフ・アムールスキー通りや、アムールスキー並木通りは晴れていれば散歩していて楽しい通りになっています。
ハバロフスクの見どころ:ハバロフスク博物館めぐり
ハバロフスクには博物館が数多くあります。ハバロフスク郷土史博物館は極東の歴史を語るうえで非常に貴重な資料が展示されています。そして、自然科学的な観点からも、森にすむ動物などの展示も数多いです。
極東美術館はエルミタージュ美術館の分館といった趣で、絵画やイコンのコレクションが充実しています。考古学博物館では、極東ロシアに人が住み始めた時の歴史を語る様々な資料が保存されています。
シベリア鉄道の旅はまだまだ続くけれども…
いかがでしたでしょうか?シベリア鉄道の概要とウラジオストクからハバロフスクまでのほんの一握りを紹介いたしましたが、シベリア鉄道はハバロフスクよりもまだまだ先へと続いていきます。全線を一気に走破するのではなく部分的に少しずつ途中下車や何度か訪れてみて走破するのもいいかもしれませんね。