名称:鷲の巣(鷹の巣)展望台とフニクラ(ケーブルカー)
住所:プリモルスカヤ通り 29番地
運賃:15ルーブル(2020年1月現在の価格)
近年の旅行においては「安近短」の旅行地が好まれます。ソウルや台湾といったところが定番でした。しかし、今回ご紹介するウラジオストクは東京からだと、日本国内の那覇よりも近いのに「ヨーロッパ気分が味わえる街」として、小学館の女性向け雑誌「maybe!」や「CanCam」に取り上げられるなど、今、ブームになりつつあります。
ウラジオストクの中心街「アドミラーラ・フォーキナ通り(噴水通り)」にはおしゃれな店が立ち並び、鷲の巣(鷹の巣)展望台からはウラジオストクの街並みを一望することができます。軍港都市だったので、C(エス)-56潜水艦博物館や、要塞博物館、そしてミリタリーショップでは日本では手に入らないようなミリタリーグッズが手に入ります。
そして、ウラジオストクには、成田から2月28日からはJAL(日本航空)が、3月16日からANA(全日本空輸)がそれぞれ就航します。そして、羽田からはS7航空が毎日1便就航します。このように、ウラジオストクはますます注目が集まる都市になっています。
目次
JALとANAが就航!成田・羽田から2時間半の町・ウラジオストクを散歩しよう
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ウラジオストクが注目されるのは「電子ビザ」導入のおかげ
ウラジオストクが注目を集めるきっかけになったのは、日本人に対して電子ビザの導入があげられます。日本のパスポートはほとんどの国で入国するのにビザ(査証)はいりませんが、ロシアは観光においてもビザが必要な数少ない国の1つです。
従来の方式だとロシア大使館・総領事館にビザを申請し、そこにバウチャー(ロシアの旅行会社の受け入れ証明の原本またはコピー)などの必要書類とパスポートを預けて通常2週間の審査機間を経た後、ビザとパスポートをロシア大使館・総領事館に再びとりに行かなくてはいけません。とても面倒で手間のかかる作業です。
しかし、ウラジオストクをはじめとした沿海地方やサハリン、カムチャツカ、サンクトペテルブルクなどのロシアの一部の地域では電子ビザでOKです。
これは2017年8月8日より導入されたもので、ロシア連邦外務省の専用サイトで必要事項を入力し、自分の顔写真をアップロードするだけで4日後までに入国許可証がEメールで送られてきます。
それをプリントアウト(またはスマホで画面を見せるのもOKです)して入国審査官に提示すればOKです。期間は8日間です。(実際は1日目の入国時間を0時として、8日目の23:59まで)
ビザ免除まではいきませんが、以前に比べると、ぐっとハードルはさがりました。以前に比べて手間が大幅に減ったことがウラジオストクを訪れる日本人観光客が増えた要因でしょう。また、前述した航空便の増加も要因の1つです。(以前は新潟空港から週2便出ているだけでした)
ウラジオストクへのアクセス
2020年1月現在成田からは、S7航空とオーロラ航空(コードシェア:アエロフロート・ロシア航空)の2社体制ですが、前述のように日系2社が就航します。さらに大阪や札幌からも便があります。
そして、ウラジオストクへは海路でアクセスも可能です。鳥取の境港から韓国の東海(トンヘ)を経由してウラジオストクへ至る航路が週1便で開設されています。(冬季の一時期は運休)
韓国のソウルや釜山からは大韓航空、アエロフロート、S7航空のほかにLCCも飛んでおり、西日本からのアクセスも良好です。
ウラジオストクの気温・天気
ロシアといえども1年中寒いわけではありません。ベストシーズンの8月は半袖でもちょうどいいぐらいです。1年を通してみると、ゴールデンウィークでようやく春らしくなり、10月ごろまでが観光シーズンといえそうです。夏でも暖かくなるとはいえ、昼と朝晩との寒暖差が激しいので、何か羽織れるものを持って行ったほうがいいです。11月からの冬は、この季節ならではのイベントもあり面白いのですが、1月は氷点下20度ぐらいになる日もしばしばあります。
ウラジオストクの見ておきたい観光名所
「ウラジオストクの観光」といわれてもどこを観光すればよいのかわからない方も多いでしょう。今回は、ウラジオストクに来たらぜひ見ておくべき観光スポットを厳選してみました。
1. 鷲の巣(鷹の巣)展望台とフニクラ(ケーブルカー)
昼と夜で違った表情を見せる鷲の巣展望台はウラジオストクでナンバーワンのビュースポットがこの鷲の巣(鷹の巣とも)展望台です。夜はイルミネーションがきれいなこの橋は2012年のAPEC開催に合わせて作られました。私が初めてここを訪れた際には橋はありませんでした。
ロシアにはケーブルカーは2つしかないそうで、オリンピックが開かれたソチとウラジオストクのみです。(ロープウェイならユジノサハリンスクにもあります)1分足らずで到着してしまう短い路線ですが、スターリンが「東洋のサンフランシスコにしたい」と意気込んで作ったのがよくわかります。観光名所としてだけでなく、地元住民の足としても活躍しています。
2. C(エス)-56潜水艦博物館と永遠の炎
C(エス)-56潜水艦博物館は、1930-40年代にかけてソ連で建造された潜水艦の内部に入れる博物館です。中には第二次世界大戦のときの写真が展示されています。
中は大変狭く、人がやっと1人通れるくらいです。
名称:C(エス)-56潜水艦博物館と永遠の炎
住所:コラベルナヤ・ナベレジジェンスカヤ通り(海岸通り)
永遠の炎
守衛が守っているのが、「永遠の炎」です。これは独ソ戦をはじめとした第二次世界大戦などで亡くなった人々の慰霊のモニュメントです。この炎は、 365日24時間消えぬよう維持されています。
このそばには独ソ戦をはじめとした第二次世界大戦のウラジオストク出身の戦死者はもちろん、チェチェン戦争などへ出征し、戦死したウラジオストク出身の戦士の名前が刻まれています。そのおびただしい数にぞっとしますね。
名称:永遠の炎
住所:コラベルナヤ・ナベレジジェンスカヤ通り(海岸通り)(C-56潜水艦博物館となり)
3. ニコライ2世凱旋門
C-56潜水艦博物館のすぐそばにあります。ロシア最後の皇帝ニコライ2世が皇太子時代にウラジオストクを訪問するということで記念して建てられました。
ニコライ2世は日本史の教科書にも掲載されている大津事件で負傷したため、予定よりも早くウラジオストクを訪問しました。
凱旋門の完成も彼の訪問に間に合うかの瀬戸際だったそうです。この門は共産党時代に破壊され、ソ連崩壊後の2003年に再建されました。
名称:ニコライ2世凱旋門
住所:ヴァリコヴォ通り6番地(C-56博物館が至近にある)
4. アルセーニエフ記念沿海地方博物館
この博物館は、横浜正金銀行(現在の横浜銀行)のウラジオストク支店があった建物。
ウラジオストクはもともと中国(清)の領土でしたが、アイグン条約と北京条約によってロシアに割譲されました。
そのため、ウラジオストクやその北の町、ウスリースクでは先住民族や金という王朝の時代の出土物が出てくるそうです。
ウラジオストクができて150年程度ですが、その昔は未開の地で、アムールトラなどの猛獣も生息していました。
それを探検したのがウラジーミル・アルセーニエフでした。 そして、彼は黒澤明監督の作品、「デルス・ウザーラ」の主人公として有名です。
名称:アルセーニエフ記念沿海地方博物館
住所:スベトランカヤ通り20番地
5. ウラジオストク駅
モスクワから9288kmの旅路を終えて到着するのがこのウラジオストク駅です。列車番号001/002のモスクワ~ウラジオストクの「ロシア号」はロシアのみならず世界を代表する長距離列車です。(ちなみに世界一はモスクワ発平壌行き100列車です)amazonで「サハリン・シベリア時刻表」(同人誌)も売られています。
名称:ウラジオストク駅
住所:アレウツカヤ通り2番地
6. アドミラーラ・フォーキナ通り(噴水通り)
ウラジオストクで1番の繁華街。歩行者天国で、おしゃれなショップが立ち並ぶさまはヨーロッパそのものです。コスメ用品やロシア風パンケーキ(ブリヌイ)がおいしい店、「ウフ・トゥイ・ブリン」もあります。
名称:アドミラーラ・フォーキナ通り
中央通りより徒歩5分程度。
7.トカレフスキー灯台
ウラジオストクの岬の先端にあり、干潮のときにしか渡れない灯台です。最寄りバス停からはかなり歩きますが、見ごたえがあります。
名称:トカレフスキー灯台
住所:トカレフスカヤ通りの先端にある
8. ルースキー島と要塞/ミリタリーショップ巡り
軍事都市だったウラジオストクの沖合のルースキー島には要塞があり、橋が架かっているので、タクシーで行くことができます。冷戦崩壊とともに役割を終えましたが、今も日本海を見つめています。また、市内には要塞博物館もあり、12時の号砲はそこで発射されます。
軍事都市である関係で、ウラジオストクにはミリタリーショップがいくつかあり、迷彩服などの一部の軍用品が民間の観光客でも購入できます。日本ではなかなか買えないものだけに、覗いてみるのもよいでしょう。
名称:ルースキー島の要塞
住所:ルースキー島のヴィソータ81番地など。要塞は各所にある。
いかがでしたか?
ウラジオストクの「ここだけは見てほしい!」という点をダイジェストで書いてみました。個人的にはアドミラーラ・フォーキナ通りの「ウフ・トゥイ・ブリン」のパンケーキはぜひ食べてほしい!とかもっと観光スポットを紹介したいとか様々ありますし、ウスリースクなど近郊の町も紹介したいですが、機会があれば、別記事で述べることにします。日本から2時間半で行けるヨーロッパ、ウラジオストクにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。