三神杉が見られる屋久島トレッキング・岳参りの益救参道|龍神杉・雷神杉・風神杉を見る

三神杉が見られる屋久島トレッキング・岳参りの益救参道|龍神杉・雷神杉・風神杉を見る

屋久島には神の名がつく三本の巨大杉があります。以前からその存在は知られていたものの、最近まで登山道の整備がされていませんでした。「岳参りの益救参道」は2007年に登山道として開放された比較的新しい登山道で、まだ訪れる人が少ない穴場のコースです。今回は神秘的な雰囲気が漂う益救参道から三神杉へ続くトレッキングコースとその魅力を紹介します。沢の音を聞きながら、屋久島らしい秘境を楽しんでください。

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三神杉が見られる屋久島トレッキング・岳参りの益救参道|龍神杉・雷神杉・風神杉を見る

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「益救参道」には徒渉ヵ所あり。無理はしないで

かつては宮之浦岳参りの道であった益救参道。2007年から解放され登山可能となった新しい登山ルートです。入口からしばらくの間は、心地の良い沢の音を聞きながらトレッキングを楽しみましょう。苔むした石畳やトロッコ道など、古くから森と人とが関わっていたことが分かります。

薄暗い森を歩くうちに、光が差し込むトロッコ道が出現。トロッコ道を抜け、急な上り坂が続きます。進んでいくと徒渉(としょう)ポイントに到着します。徒渉か所は2か所ありますが、増水している場合は無理に渡らず引き返しましょう。

標高が上がっていくと、杉だった森が照葉樹の森へ。石畳の道を歩き続けると、それまで聞こえていた沢の音が消え、急に神秘的な雰囲気に。その後三神杉の神域へと入っていきます。

コースの特徴と魅力。混雑は避けられるが標高差はキツめ

益救参道登山口から三神杉までは往復約7時間。屋久島総合自然公園から益救参道登山口までは、徒歩で片道1時間ほどかかります。このコースは、トロッコ道や苔むした急な石段、そして2か所の渡河点を越えて、三神杉である龍神杉・雷神杉・風神杉にたどり着くコース。

縄文杉トレッキングコースはその人気からかなり混雑をしますが、こちらは2007年に解放されて以来まだあまり紹介されておらず、標高差があり道のりがハードであることや交通手段がないことなどからも穴場のコース。屋久島らしさを感じながら、混雑なくトレッキングができるので、混雑を避けて静かにトレッキングしたい人にとってはかなり魅力的なコースです。

コースは風情のある道ですが、標高差1,100mの急な登山となりますので、体力に自信のある方、健康な方向けのルートです。

神域にそびえる巨木「龍神杉」

標高1,370m地点、神域の奥のほうに鎮座している龍神杉。推定樹齢は2000年といわれています。益救参道にひっそりとたたずむ三神杉のなかで最も樹高が高く、かなり目立つ存在。周りにあるのは細くまっすぐ伸びる木ばかり。その中にずっしりと構える龍神杉は、かなりの存在感です。

昭和50年頃にはすでに龍神杉と呼ばれていたことは確かなのですが、登山道として整備されていなかったため、あまり認知度が高くなく、訪れる人も多くありません。龍神杉の目の前には木製のテラスがあります。一息つきながら神秘的な森に思いを馳せてみましょう。

山道を鎮護するかのような「雷神杉」

この森の主・龍神杉の名にちなみ、雷を起こす神・雷神の名が付けられた雷神杉。推定樹齢は2000年、周囲は11.6mの巨木です。龍神杉の直前で、岳参りの参拝者を待ち構えるように、参道を静かに見守っています。木の幹に皺が深く刻まれ、にらみつけるような表情をしているようにも見えることから、雷神の名が付けられたとも言われています。

注意したいのは、雷神杉にはプレートが付けられていないこと。どれが雷神杉か分からないという人もいるようです。事前にしっかりと調べておきましょう。

見分けるポイントは薄さと平たさ「風神杉」

以前からその名で呼ばれていた龍神杉にちなみ、天空を駆け風邪をつかさどる神・風神の名が付けられた風神杉。龍神杉の直前で、雷神杉と並び、参道を見守っています。

樹幹を失い、表皮だけが残っているので、横から見るととても薄く平たくなっています。薄い樹幹が“風”を想像させたのかもしれません。雷神杉と同じように、風神杉にもプレートが付けられていません。だた風神杉は特徴的なので、現地でも見分けがつきそうですね。

厳かで自然の名残が感じられる「苔蒸した石段」

入口の林道を歩き終えた後と、トロッコ道を超えたあたりに苔蒸した石段があります。岳参りのために作られた石畳は、ほかの登山道に比べ訪れる人が少ないこともあり、いまだに多くの苔に覆われています。美しい緑の苔が広がる光景を、ぜひ写真に収めてくださいね。非常に歩きやすいですが、濡れているとコケで滑ることがあるので気をつけてください。

坂道を歩くときは足元に注意!滑らないよう慎重に

雨天時は要注意

急な坂道の上は、苔で滑ることがあるので慎重に歩きましょう。トロッコ道の枕木も濡れているとよく滑ります。また、川を渡ったり沢を超えたりする場所があります。雨の場合は増水などに気をつけて通行してください。

夏場はヒルに注意。ズボン in シューズが大事

6月頃から9月頃まではヒルが多くいます。とくにトロッコ道はヒルの巣窟。心配な方はズボンを靴の中に入れたり、つばの広い帽子をかぶったり、首にタオルを巻いたりするなどヒル対策をしておくとよいでしょう。

今もまだ現役!?トロッコ軌道跡

神秘的な光景が奥へと続くトロッコ道

荒川登山口を出ると「トロッコ軌道跡(トロッコ道)」という、約8kmに渡る軌道が大株歩道まで続いています。トンネルや川にかかった鉄橋など、枕木の上をゆっくり歩いてゆけば屋久島の光景を楽しむことができますよ。

トロッコ軌道跡は、昭和49年まで伐採した木を運ぶために運行していた森林鉄道の線路で、「安房森林軌道」とも言われています。現在は屋久杉の伐採が原則禁止となっているため、登山者の緊急下山や山岳部にあるトイレ施設のし尿処理などに利用されており、日本で唯一現役の森林鉄道と言われているのです。運行数が少ないためトロッコが走る姿にもし遭遇できたらとてもラッキーだと言えるでしょう。

トロッコ軌道跡の周りでは季節折々の花や美しい苔が楽しめますので、ぜひじっくり観察してみてください。また、トロッコ軌道跡の途中には絶景の沢がいくつも点在しています。体力があれば、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

益救参道登山口入口までのアクセス

登山口までの公共交通機関がないため、タクシーかレンタカーで行くことになります。宮之浦からは車で20~30分です。また、益救参道登山口入口には数台分の駐車スペースがあります。屋久島総合自然公園から登山道入口までの道のりは荒れているので、慎重に運転することを心がけましょう。

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