名称:屋久島ガイド協会 ビジターセンター
住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町小瀬田1436-56
公式・関連サイトURL:http://www.yakushima-guide.com/forest/s_seiburindo.html
屋久島は屋久杉や苔生す森で有名ですが、「西部林道」というあまり知られていない世界遺産の県道があります。県道でありながら原生林の中を走る西部林道一帯には、ヤクシマザルやヤクシカといった屋久島固有の野生動物が生息!さらに、海岸近くの亜熱帯から山岳の亜寒帯まで多様な植生が見られることも大きな魅力です。そんな西部林道をレンタカーでドライブ、またはツアーに参加してハイキングで歩いてみませんか?
目次
【屋久島】西部林道|ヤクシマザルとヤクシカに会える世界遺産の県道
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県道78号線:日本最大級の照葉樹林道
西部林道は、屋久島の海岸線で唯一、世界遺産に選ばれた場所です。
丸い屋久島は、外周に周回道路が通じていて、西半分の海岸線が県道78号線、東半分の海岸線は県道77号線になっています。西部林道と呼ばれているのは、西海岸の県道78号線中央部。無人地帯に広がる原生林、日本最大級の照葉樹林帯を通る県道です。
舗装はされていますが、木々に覆われた細い1車線の林道なので、バスやトラックなどの大型車両は通行できません。観光バスが入れないことから、パックツアーの観光先として組み入れられることがない、穴場のイチオシ観光エリアともいえるのが、ここ西部林道です。
西部林道をドライブできるのは、レンタカーを利用した個人観光客の特権!西部林道を含めて反時計回りに1周すれば、屋久島のドライブ観光を満喫できますよ♪
一方、西部林道は世界遺産でありながら、北部の永田地区と南部の栗生(くりお)地区を結ぶ県道でもあります。道路として通過する地元の車もありますが、観光客にとっては、車で通りすぎるだけではもったいない非常に魅力的な場所。このギャップも興味深いですね。
豊かな自然の中をトレッキングすると、動物たちの鳴き声や亜熱帯性の植物を間近に感じられ、リラックスできること間違いなしです。屋久島の魅力を凝縮したような西部林道へ、レンタカーで、トレッキングで、ぜひ足を運んでみてください。
ヤクシマザル・ヤクシカを観察しよう!
西部林道はヤクシマザルとヤクシカの中心的な生息地として知られており、高確率で多くのヤクシマザルやヤクシカに出会えます。ここではそれぞれの特徴と、ヒトとの関係性ついて見ていきましょう。
◆ヤクシマザル(ヤクザル)
ヤクシマザルはニホンザルの亜種で、屋久島の固有種。ヤクザルとも呼ばれています。
特徴は、ニホンザルよりも小柄で、体毛が長いこと。生息している環境は本州に生息するニホンザルとほとんど変わらない山林地帯が主となっていて、西部林道や屋久島中心部の山岳地帯に生息。荒川登山口、ヤクスギランド方面の県道592号線周辺でもよく見かけます。
屋久島ではかつて害獣として駆除された時期もありました。しかし生息数が減少し、環境省が準絶滅危惧種に指定。人間と共生するための政策がとられた結果、生息数は回復してランク外となり、現在は共存ができています。
◆ヤクシカ
ヤクシカはニホンジカの亜種。屋久島と口永良部島のみに生息する、屋久島町の固有種です。ニホンジカと比べると、体が小さめという特徴をもっています。
ヤクシカを狩猟の対象にしていた時期もありましたが、生息数が激減してしまったため、保護政策を実施。その結果、生息域は拡大し、個体数も増加しました。
近年では生態系保全、ヒトとヤクシカとの共生という観点から、一定数の捕獲を実施するとともに、農業被害を防ぐための防鹿柵を設置しています。
動物注意の標識あり!運転は慎重に。
西部林道は、原生林の中でドライブを楽しめます。だからこそ、運転時に最も気を付けなければいけないことは、動物に注意すること!
西部林道には「動物注意」の標識が立っています。
西部林道をレンタカーで走る際には、”ゆっくりとしたスピードで、慎重に走行すること”がお約束!
ヤクシカが道路を横断していたり、
ヤクシマザルが毛づくろいして道路を封鎖していることは、西部林道においては決して珍しい光景ではありません。
ヤクシカが林から道路へ急に飛び出してくることもあるので、万が一のことを考えて徐行するようにしましょう。なお、クラクションは動物たちが驚くので鳴らさないでくださいね。
野生動物は車に対して危険意識はあるものの、いつ飛び出してくるか予測できません。くれぐれも慎重に運転を進めていきましょう。
待避所に車を停車し、耳を澄ましてみよう
待避所にレンタカーを停めて、耳を澄ましてみてください。ザワザワっと音がした方に目をやると、ヤクシマザルが樹々を飛び渡っていたり、林の中からヤクシカがこちらをじっと凝視しているかも!
動物たちと目が合っても、静かに見ているだけなら急に逃げたりしないので、ゆっくりした動作を心がけましょう。写真やビデオの撮影もできますよ。ただし、決してエサはやらないようにしてください!
ハイキングで観光
魅力的要素がたっぷりと詰まっている西部林道は、ハイキングにも最適です。しかし、個人ではなかなか足を踏み入れにくい場所でもあるため、ツアーへの参加をおすすめします。
西部林道のハイキングツアーでは、決まったコースがない森の中をガイドと共に歩くことが可能です。ガジュマルやヘゴシダ、アコウなどの亜熱帯性照葉樹林の森を、まるで探検しているような気分を楽しめて、本州では見られない植物を観察できます。
あちこちで、ヤクシマザルやヤクジカたちにも出会えますよ。
◆屋久島の違う表情が見られる
西部林道をハイキングすると、屋久島のイメージが変わるでしょう。屋久島のイメージを聞くと、屋久杉や苔生した森というイメージを持つ人が多いと思いますが、森林生態系の多様性も大きな魅力。馴染みのある花や木も雄大な自然の中でたくましく生きている様子が観察できます。
ヤクタネゴヨウ、ガジュマルの大木
西部林道では、いろんな植物を観察できますが、なかでも特徴的なヤクタネゴヨウとガジュマルの大木についてご紹介しましょう。
◆ヤクタネゴヨウ
ヤクタネゴヨウ(屋久種子五葉)は、屋久島と種子島だけに自生している常緑高木。西部林道には世界的にも貴重な森林生態系が残されており 絶滅危惧種に指定されているヤクタネゴヨウが自生している場所でもあります。
屋久島での自生地として知られているのは、西部林道沿いのほか、破沙岳、高平岳周辺です。近年、数が少なくなっているため、残っている個体がどのくらいあるのか調査を実施。マツクイ虫(マツ材線虫病)の拡大防止、鹿の被害対策として防護ネットを設置するなど対策も施されています。
◆ガジュマルの大木
西部林道エリアには、屋久島最大ともいわれるガジュマルの大木があります。樹齢どのくらいなのか想像できないほどの大きさは圧巻!まるで自然が造った要塞の中にいるかのような錯覚を覚えるという人もいるくらいです。
国割岳と植生垂直分布
国割岳(くにわりだけ)は、西部林道の東側にそびえる標高1,323mの山。川原岳とも呼ばれています。
そんな国割岳では「植生垂直分布」を見ることができます。植生垂直分布というのは、海岸部の亜熱帯から山頂部の亜寒帯、森林限界まで、気温の変化にしたがって植生が移り変わっていくこと。
特に、屋久島の西部地域、国割岳の西側斜面から西部林道一帯には、まさに屋久島を代表するような典型的な植生垂直分布が見られます。このことも、世界遺産の登録された大きな要因となっているんですよ。
立神岩
1車線の狭い西部林道区間を抜けると、見通しが良い海岸線に出て、県道78号線は2車線の対面通行となります。瀬切橋からもう少し海岸線を南方面へ走ったら、景色の見えるところで停車して後ろを振り返ってみましょう。
立神岩は、海に突き出た三角形の岩。神様が立ち寄られるという言い伝えのあるスポットです。立神岩は島ではなく繋がっていて、地元の人の釣りスポットとしても愛されている場所。立神岩までの道のりは険しいので、行ってみたい方は、地元の人やガイドに同行してもらうのが安全です。
そそりたった国割岳から海に向かって稜線が落ちていき、その先にピラミッドのような立神岩が見えます。そして立神岩の向こうに、シルエットのような口永良部島も望むことができますよ!
ドライブは北から南方面へ!早目の時間帯に出発しよう。
西部林道のドライブは、北から南方向へ走ることが推奨されています。
また西部林道は、17:00~翌7:00まで通行止めになっているという点も要注意。森に棲む動物たちの安全、環境への影響などを考慮し、夜間は通行止めとなっています。
西部林道は道幅が狭いため、対向車が来た時には待避所ですれ違いする必要があります。運転に自信がない人は避けた方が無難かもしれませんが、アップダウンは無いので、ゆっくり運転すれば問題ないでしょう。
できるだけ早目の時間帯から西部林道をドライブすると、屋久島南部の観光も楽しめますよ。
口永良部島って、どんな島?
「8.立神岩」で少しふれた口永良部島(くちのえらぶじま)は、屋久島から約12km北西に浮かぶ火山島。屋久島と種子島から、1日1往復運航されている「フェリー太陽」でアクセスできます。
名称:フェリー太陽
住所:鹿児島県熊毛郡 屋久島町小瀬田849-20
公式・関連サイトURL:https://www.town.yakushima.kagoshima.jp/ferry-taiyou/
◆屋久島から見える口永良部島の魅力
火山活動が活発な口永良部島は、温泉が豊富。屋久島からフェリーで行けるため、温泉を楽しむために足を運ぶ人もいます。
カメノテやシブダイ、伊勢エビなど豊富な海の幸が人気で、それらをふんだんに使った海鮮料理は絶品!
新岳や古岳の山頂から見る景色は美しく、マルバサツキが一面に咲く夏は、特に見応えがある季節です。
※2020年1月現在、新岳の火口から概ね半径2㎞以内は「噴火警戒レベル3」。入山規制が継続していますので、今後の火山情報にもご留意ください。
【気象庁】口永良部島の活動状況
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/509.html
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