萩観光のおすすめモデルコースを紹介

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萩観光のおすすめモデルコースを紹介

山口県萩市は山口県の北部、日本海側に位置する街です。現在は山口市が県庁所在地ですが、江戸時代当時は山口県の中心地として発展した過去があります。また近代の史跡が複数世界遺産に登録されており、近代歴史ファンの聖地とされるほど偉人を輩出した城下町としても有名です。歴史ファンなら一度は行ってみたい萩市ですが、複数のモデルコースが存在します。見逃せないおすすめの観光スポットをおすすめコース順にご紹介しますので、萩市観光をする際はぜひ参考にしてみてください。

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萩観光のおすすめモデルコースを紹介

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萩観光のおすすめモデルコース

萩市内は比較的観光スポットが点在していますが、主に東側の東萩駅エリアと西側の城下町エリアと区分されています。東西に3~4kmほどの距離となっており、歩くとやや時間がかかるものの別段距離が離れているわけではありません。ただし電車やバスで訪れる場合、観光スポットに近く高速バスの到着地になりやすい東萩駅をスタート地点としましょう。観光コースとしては、図のような東萩エリア→城下町コースがおすすめです。

高速バスは新幹線の停車駅であるJR新山口駅から出ています。東萩駅への電車は本数が多くないので、バスで向かうのも視野にいれましょう。なお、萩への最寄りの空港は「萩・石見空港」か「山口宇部空港」となっています。いずれの空港に降りても萩へは距離があるため、レンタカーを使用するのがおすすめです。

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萩市全体を回る場合はレンタサイクルがおすすめ

各エリアのモデルコースのみを回る場合は徒歩でも問題ありません。徒歩での移動を避ける場合や萩全体を回りたい場合、萩市内のレンタサイクル(貸自転車)を利用するのがおすすめ。東萩駅すぐにレンタサイクルのお店があるので、電車で到着後スムーズに観光できるのは嬉しいですね。1日の利用料金は1000円ほどで萩市の景色を見ながら移動を楽しむことができます。

ただし、荒天時など天候によっては貸し出しをしていない場合があります。天気が崩れそうな場合は市内観光バス「萩循環まぁーるバス」が便利なので、その日の天気に応じて移動手段を切り替えましょう。

1.東萩エリアのモデルコース

JR東萩駅付近は、幕末~近代の歴史に深いゆかりのある史跡が多く、人気の観光スポットが集中しています。前述の通り駅から行きやすく自転車レンタルもスムーズに行えるため、萩観光をする際はこのエリアをスタートにするのがベターと言えます。

以下では東萩エリアの観光スポットの詳細を、おすすめルート順に紹介していきます。

・萩市観光の定番「松下村塾」

出典: papa88

松下村塾は萩観光の定番観光スポットの一つで、東萩駅から歩いて15分のところにあります。近代日本を作り上げた重要な史跡として、2015年には世界遺産に登録されました。明治維新の立役者である吉田松陰が、かつて講師として若者たちに教えを説いた塾として有名です。ここで学んだ生徒はいずれも明治時代を築いた名士たちばかりで、まさしく近代日本の聖地とも言える観光スポットと言えるでしょう。

塾舎は当時のまま現存しています。室内に入ることはできませんが外観を見学することが可能です。当時から残る建物を見て、志士の若き頃に思いを馳せることができそうですね。また、付近には吉田松陰の生涯を学べる「吉田松陰歴史資料館」もあります。資料館内は当時の様子を70体以上の蝋人形で再現しているというユニークな資料館です。音声ガイドなどもあるので、わかりやすく吉田松陰の生涯や幕末維新の歴史を学ぶことができるスポットです。

・烈士が祀られている「松陰神社」

出典: kattyan

松下村塾近くにある鳥居を潜ると、そのまま松陰神社に入ることができます。同じ敷地内にあるため、迷う心配は少ないでしょう。

松陰神社はその名の通り、吉田松陰公が自立学習の祖として祀られています。なお現在の松陰神社は昭和期に移転されたものですが、移転前の場所は現在「松門神社」となっており、こちらでは松下村塾の門下生などが祀られています。

松陰神社では学業成就のお守りが数多く置いてあり、松陰公の描かれた絵馬型のお守りや松陰公の言葉が読める「のぞき鉛筆」など、ユニークなお守りを受領できます。学業成就以外のお守りもたくさんあるので、訪れた際は見てみるのも良いでしょう。

・初代総理大臣の拠点!「伊藤博文旧宅」

松下村塾・松陰神社から徒歩5分ほどの場所に位置する史跡で、木造茅葺きの平屋建ての建築物です。名の通り伊藤博文が長州藩士時代に実際に住んでいた自宅です。伊藤博文自身は明治維新後に兵庫県知事に赴任するまではここで日々を過ごしていました。

旧宅の中には入れませんが、外観のみは見学可能です。また、建物の隣には東京に建てられたものを一部移築した「伊藤博文別邸」もあります。松陰神社からそう離れていないため、どちらも必見のスポットです。

┗伊藤博文がもっとも苦労していた時代

伊藤博文は初代総理大臣として著名な人物で、若い頃は長州のこの地で吉田松陰に教えを受けていた人物です。

今でこそ初代総理大臣という肩書きで維新前に留学経験もあり、いかにも長州のエリートといった印象がありますが、実際には百姓の出身。親が養子に入ったため形上は武士になれたものの、他の藩士と比べて身分が低めでした。松下村塾に通っていた際も建物の外で1人聴いていたと伝わるほど。当時から優秀な人間と評価されてはいたものの、この旧宅に住んでいた若年時代はかなり苦労していたようです。

・松下村塾を開いた人物!「玉木文之進の旧宅」

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松下村塾と言えば吉田松陰のイメージが強いですが、最初に塾を開いたのは松陰の叔父である玉木文之進です。後に松陰が講師になるまでの間、松下村塾で教鞭をふるっていました。松陰の死後も再び教鞭と取り、松下村塾を復活させています。吉田松陰は間違いなく明治政府成立に貢献した人物と言えますが、この玉木文之進もまた同様に評価される人物です。

そんな玉木文之進の旧宅は現存してあり、家の入り口には史跡であることを示す石碑が立っています。

・松陰先生に会いに行こう!「吉田松陰誕生の地」

玉木文之進の旧宅近くに道しるべがあり、それに従って坂道を歩いていくと到着します。この高台は萩市全体を見渡せる「団子岩」と呼ばれており、実際に松陰一家はこの周辺に住んでいたそうで、松陰が19歳の頃に松陰神社の付近に転居しました。

敷地内には吉田松陰と金子重之助が下田を通るペリー艦隊を見ているかのような銅像もあります。二人は密航渡米を企みましたが失敗し、金子重之助は捕縛後に亡くなってしまいます。西洋の文化に憧れ渡米を志すもついに果たせなかった2人ですが、今もこの高台から下田の海を眺めているのかもしれませんね。

なお、2人の像から霊園側に進むと吉田松陰のお墓もあります。周囲には玉木文之進や父兄といった親族や、高杉晋作・久坂玄瑞・吉田利麿と言った幕末期に命を落とした門下生も眠っています。

・圧巻の山門は必見!「東光寺」

吉田松陰の墓所を出て右手、通称「維新ロード」を5分ほど下って歩いていくと右手に見えるのが東光寺です。下まで降りていくと玄関である総門があるので、そこから入場しましょう。

境内の中は静かで、自然に囲まれており厳かな空気が漂っています。人が少ないときは境内外の空気感の違いに驚くかもしれません。途中見える山門は迫力満点の建造物で、総門、鐘楼、大雄宝殿ともに重要文化財に指定されています。

東光寺は萩藩主毛利家の菩提寺であるため、3代毛利吉就から代々の奇数藩主と親族・関係者の墓所があり、加えて幕末維新期の長州内戦で散った藩士たちもここに眠っています。今もこの地で長州藩、日本の未来を見守っているのかもしれませんね。

2.城下町エリアのモデルコース

出典: mTaira

城下町エリアは、東萩駅から徒歩で30分ほどの場所にあります。東萩駅方面からは離れてしまいますが、萩城下町も定番の観光スポットです。江戸時代の間、萩は長州(萩)藩の城下町として大きく発展しました。現在も当時の様子を彷彿とさせる古風の建物が立ち並んでおり、徒歩で来ても自転車で来ても、まるでタイムスリップしたような気分で観光できる魅力的なエリアです。

城下町は東萩駅方面から入り、萩城跡に向かうコースがおすすめです。おすすめのルート順にスポットをご紹介します。

・屋敷の中に川が流れている「旧湯川家屋敷」

旧湯川家屋敷は東荻駅から松本川沿いに南へ、市内観光バスである萩循環まぁーるバス(西回りコース)「藍場川入口」バス停より徒歩約10分のところに位置している武家屋敷です。

所在地は萩の中心部から離れますが、旧湯川家屋敷も必ず行っておきたい観光スポット。この屋敷の注目ポイントは、屋敷内に川が入り込んで流れていることです。屋敷内に流れ込む川は食器の水洗いなど生活用水に使われ、「台所のハトバ」と呼ばれています。また近くを泳ぐ鯉やうなぎがこのハトバに入り込むこともあり、運が良ければ真近で見れることも。武家屋敷が残っていること自体が貴重ですが、当時の生活の一部が垣間見える面白い観光スポットとなっています。

┗注意!ここに行く場合は日程と相談しよう!

旧湯川家屋敷はおすすめの観光スポットですが、東萩・城下町いずれのエリアともやや距離が離れています。

そのため短時間で密集地を回る場合、位置関係的にこの観光スポットだけ浮いてしまうので、コースの一部として組み込む際はバスの予定時刻や、旅の日程を見て相談するのが良いでしょう。

・多くの武士が学んだ学校「旧藩校萩明倫館」

出典: 風待人

萩循環まぁーるバスの「萩・明倫センター」バス停より徒歩1分と、観光バスから降りてすぐ到着する観光スポット。藩校とは藩士の子弟らが学問や武術を学ぶことができた学校の前身です。長州(萩)の藩校は明倫館と呼ばれ、高杉晋作や井上馨といった優秀な人材を育成しました。

敷地内にある木造校舎は2014年まで実際に小学校として使われていた校舎で、現在は膨大な資料が展示されています。1号館では明倫館の歴史や、復元教室を見学可能。2号館は入館料が必要ですが、世界遺産となった萩の文化遺産の詳細。または江戸時代から残された扇風機や武器など貴重な文化財を展示した幕末ミュージアムを見学できます。

なお敷地内には剣術の稽古場だった有備館や、最古のプールとも呼ばれる遊泳の稽古に使われた水練池が現在も残されています。有備館は他国の剣術修行者も試合で使ったとされ、かの坂本龍馬がこの地で試合をしたとも。同館内の見学も可能なので、かつての偉人が汗を流した道場の空気を感じられることでしょう。

・偉人の聖地を辿る「萩城下町」

出典: takaji

奥にそびえる萩城跡から見て城下町は堀の内外でエリアが区切られており、堀より外にある地区は身分の高くない武士たちが住んでいました。中心部の菊屋・江戸屋・伊勢屋の横丁はなまこ壁が延々と伸びており、江戸時代当時の街並みを感じられることでしょう。また、この3横丁近辺には後述する高杉晋作の生誕地や、中に入って見学できる桂小五郎の旧邸宅など偉人たちゆかりの場所が点在。歴史ファンならば一日中滞在できてしまいそうなエリアです。

なお城下町近辺はお土産屋さんもたくさんあるので、立ち寄って見てみるのも良いですね。

・当時のまま残っている!?「桂小五郎の旧邸宅」

3横丁のうち、江戸屋横丁を歩くと「桂小五郎の旧邸宅」に着きます。

桂小五郎(後の名を木戸孝允)は、幕末期の京都で積極的に活動した長州藩士です。幕府を倒すこととなった薩長同盟を締結させた人物であり、西郷隆盛、大久保利通と並んで「維新の三傑」とも称されています。明治政府でも重要な役職についていました。

そんな桂小五郎が誕生から20年ほどを過ごしたのがこの生家で、内部の展示物を見学が可能です。風情を楽しめるだけでなくボランティアガイドもいるため、わかりやすい解説が聞けるのも魅力ですね。

・伝説はここから始まった「高杉晋作誕生の地」

高杉晋作誕生地は菊屋横丁沿いにあります。高杉晋作は松下村塾の三羽烏、または四天王とも称され、日本の未来を担える才能を持っていた人物です。幕府による弾圧で壊滅的だった長州を立て直し、奇兵隊という強力な民兵を育成。いよいよ倒幕と言ったところで病に倒れた、まさに長州の悲劇の英雄と言えるでしょう。

晋作の始まりの地が萩の城下町にあり、現在は史跡として一部が公開されています。中では自作の句碑や産湯に使ったと井戸などが見学可能。菊屋横丁沿いには「高杉晋作立志像」もあるので、一緒に回っておきましょう。

・当時の屋敷が残る「堀内地区」

萩城跡から見て堀の内側に位置するため、堀内地区と呼ばれています。萩城に近いこともあって身分の高い重臣の屋敷が多く、今も十数棟の武家屋敷が現存。当時の街並みがそのまま残されているという貴重さから、初の重要建造物保存地区として指定されています。江戸時代の武家屋敷を見ることができる魅力的な地区と言えるでしょう。

特に上級武士の屋敷だった「旧口羽家住宅」は見物で、表門は萩現存で最大規模の長屋門となっています。ガイドも常駐しており、詳しい解説付きで楽しめます。

・長州藩の本拠地!「萩城跡(指月公園)」

出典: トシチャン

堀内地区から繋がっている萩城跡も、萩観光の定番スポットです。現在城のあった一帯は指月公園という名で整備され、天守や櫓など建物が多く解体されているものの、石垣や水堀は当時のまま残されています。

萩城は春になると500本ほどの豪快なソメイヨシノが見れる桜の名所で、日本で唯一ミドリヨシノを見ることができる場所です。春に訪れる際はカメラが欠かせません。

史跡だけじゃない!萩観光を楽しめるスポットを紹介

萩は由緒正しき毛利家の料理で、さらには多くの国の代表が生まれた地であったため、史跡関係がかなり大々的にアピールされています。しかし、史跡巡りだけでなく萩ならではの楽しみ方が存在。一部をご紹介致します。

・伝統工芸に触れる!「萩焼体験」

萩焼は江戸時代初期から400年の歴史がある伝統工芸です。萩市にある窯元では、行程の見学や萩焼の体験ができます。ろくろを用いてオリジナルの作品を作ることができ、職人のような作業を体感できる魅力的なスポットとなっています。

体験内容は店舗によって異なるので、所要時間も確認しつつ旅の計画に盛り込んでみましょう。

・着物で城下町を歩こう!「着物レンタル」

上記でも触れたとおり、萩市の城下町エリアは古風な建物が立ち並ぶ日本有数のエリアです。城下町エリアの江戸屋横町では、この城下町を着物を借りられる店舗があります。

着付けまで含めて約4000円ほどですが、そのまま町歩きも可能。和を感じる町を和装で歩く、タイムスリップしたかのような一時を楽しめる魅力的な体験が可能です。

萩観光のまとめ

出典: Sean Pavone

萩は江戸時代、長きに渡り発展し続けてきました。ところが幕末から明治維新の間に拠点が山口に移されてからは、都市としての発展が止まってしまいました。しかし明治維新150年以上経った現在も、その街並み自体は変わらず色あせていません。レンタル自転車で400年変わらない街並みを楽しみながら、かつて明治の偉人たちが育った空気を肌で感じられるのも、萩観光の大きな魅力と言えるでしょう。

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