イタリアの首都ローマで歴史と建築物の偉大さを体感するなら、ぜひ観光ルートに組み込んでおきたいのが「パンテオン」です。約2000年前に建造されてから現在まで、ほぼ完全な姿で残るこの巨大な石造り建築は、ローマ建築の最高傑作と称賛されています。
本記事では、パンテオンの歴史や建築の秘密、見どころから、2023年7月に変更された最新の入場料と予約方法まで詳しく解説します。
目次
ローマ・パンテオンの見どころ、入場料・予約方法を詳しく解説!
目次を閉じる
パンテオンの歴史
紀元前25年、最初のパンテオンが、初代ローマ皇帝アウグストゥスの側近アグリッパによって建造されました。現在のパンテオンは、焼失後に再建された2代目パンテオン。ローマ皇帝ハドリアヌスによって、128年に建造された荘厳な神殿です。
パンテオンの正面には、再建者であるハドリアヌスではなく、最初の建造者であるアグリッパに敬意を表した「M. AGRIPPA L. F. COS TERTIUM FECIT(執政官アグリッパによる建造)」という碑文が刻まれています。
すべての神々を祀る「万神殿」から教会へ
ギリシャ語の「Pantheon(パンテオン)」は、「Pan(すべての)theon(神々)」を意味します。その名の通り、建造当初はローマ神話の神々を一堂に祀る「万神殿」として機能していました。
後にキリスト教が広まると、西暦608年頃には教皇ボニファティウス4世によって、キリスト教の「サンタ・マリア・アッド・マルティレス教会(殉教者の聖マリア教会)」へと姿を変えました。これにより、古代神殿でありながら、現在まで優れた状態で保存されたといわれています。
パンテオンの建築方法
パンテオンの驚くべき点は、その建築方法にあります。
建物は、無鉄筋の「ローマンコンクリート」でつくられています。しかも、直径43.2m、床からドーム頂部までの高さも同じ43.2mという、巨大なコンクリート建築です。
現代でも、コンクリートの寿命は約100年程度と言われる中、約2000年が経過した今もなお、十分な強度を保っていることが研究で明らかにされています。
”強度の秘密は何なのか?”
今なお残る、ローマ建築技術の不思議とされています。石灰と火山岩が使われていることなど諸説ありますが、未だすべては解明されていません。
この壮麗な巨大ドームを支えるため、壁の厚さは最大で6mにも及びますが、ドームの上層部に向かうにつれて軽量化のために石材を軽くする工夫が凝らされています。
パンテオン内部の必見ポイント
パンテオン内部に一歩足を踏み入れると、荘厳な巨大ドームに圧倒的な空間が広がっています。
そしてパンテオンの構造美を象徴するかのように、ドーム中央の頂上には天へと開かれた直径約9mの巨大な円形の穴が開いており、神秘的な光を差し込ませています。
パンテオンの目「オクルス」
これは、「オクルス(Oculus=目)」と呼ばれるパンテオンの天窓。このオクルスから太陽光が差し込み、時間とともに内部を照らす光の柱が移動します。この神秘的な光景は、日時計の役割も果たしていたとされています。
オクルスにはガラスなど何も張られていませんが、円堂からドーム上部へと空気が上昇し、天井の穴から吹き出す空気の流れで、降り注ぐ雨を外へと跳ね返します。さらに、もし雨が入っても、床には水が溜まらないようにゆるやかな傾斜と22個の小さな排水溝が設けられているのです。
ドームの高さと穴の直径が絶妙なバランスで保たれていることに加え、建築工学に基づいて計算し尽くされた、驚くべき古代の英知を体感できます。
ルネサンスの巨匠 ラファエロの墓
パンテオン内部には、ルネサンスの巨匠として名高い画家兼建築家であるラファエロのお墓があります。
彼は生前、パンテオンへの埋葬を遺言として残し、わずか37歳の若さでこの世を去りました。聖母子像の下に設けられた墓には「ラファエロここに眠る」という文字が刻まれており、多くの観光客がその才能に敬意を表しています。
イタリア統一国王と王家の墓
パンテオンは、王家の墓としても重要な役割を果たしていました。ラファエロの墓の向かい側には、イタリア王国を統一に導いた初代国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のお墓もあります。
チケット予約・購入方法
以前は無料で入場できましたが、2023年7月3日より有料化されました。
第1日曜は無料で開放されていますが、通常よりも混雑が予想されます。
| 入場料 | 料金 |
|---|---|
| 26歳以上(Full price) | 5ユーロ |
| 18~25歳 ※25歳の誕生日の翌日まで | 2ユーロ |
| 18歳未満 | 無料(予約は必要) |
パンテオンのチケットは、イタリア文化省管轄の公式予約ポータルで、日時指定購入するのが基本です。イタリア文化省管轄のサイトなら、定価に近い価格で購入が可能です。
(チケット代に加え、1ユーロ程度の予約手数料が掛かります)
なお、公式サイトでは、ガイド付きツアー、または、オンラインオーディオガイオを予約できます。
簡単にチケット予約したい場合は、多少割高になりますが、日本語・日本円で取り扱う代理店サイトを利用しても良いでしょう。
また、当日に窓口で並び、現金 or クレジットカードでチケット購入することも可能です。ただし、予約なしの場合は、入場待ちの長い行列ができ、定員に達すると入場を断られる可能性があります。
【名称】パンテオン
【住所】Piazza della Rotonda, 00186 Rome, Italy
【公式URL】https://www.pantheonroma.com/
【営業時間】9:00〜19:00(最終入場 18:45) ※変更の可能性あり
【休館】1/1、5/1、12/25、典礼・司牧活動時など
◆イタリア文化省管轄の公式ポータルサイトで予約
チケット予約URL《イタリア文化省管轄の公式ポータル》
https://portale.museiitaliani.it/b2c/#en/buyTicketless
イタリア文化省指定の公式ポータルサイトから、[Tickets]をタップ
当月、翌月など、希望月のボタンをタップ
希望する日、時間を選んで、[Continue]
該当区分の人数を「+/-」で設定すると、右下のボタンにチケット合計料金が表示されます。
確認して、OKならタップ。
チケット購入の個人情報登録へと進みます。
予約する全員の個人情報を入力していきます。全員の
・NAME(名)
・LASTNAME(姓)
・Email
を入力したら、右下の[Continue]をタップ。
確認して問題がなければ、下部の「Login to purchase tickets」ボタンをタップ。
希望する決済方法を選択して、決済情報を入力します。
【注】クレジットカードの決済エラーについて
パンテオンのチケット決済をクレジットカードで行うと、かなりの確率でエラーが発生するようです。
この原因の多くは、不正利用の可能性が高いと認識された海外決済にセキュリティブロックが掛かったためです。
その場合には、「Apple Pay」や「PayPal」など、他の決済方法を試してみてください。
購入完了ページが表示されれば、無事、決済完了!
予約完了メールに、QRコードが付いたeチケットが添付されています。スマートフォンで提示しても良いのですが、念のため印刷して持参すると安心です。
パンテオンの入場 ベストな時間帯は?
太陽が真上に来る正午前後がおすすめです。最も光の柱が強く差し込む光の演出を見ることができます。
神秘的な雰囲気を楽しむなら、ライトアップされる夕方から夜の時間帯が人気です。
見学時の注意事項
パンテオンは教会としての機能も持っているため、肩や膝が隠れる服装が推奨されます。半ズボンやノースリーブなど露出の多い服装は入場を断られることがあるのでご注意ください。
主要観光スポットからのアクセス方法
パンテオンはローマの中心部にあり、地下鉄駅からは少し距離があるため、周辺観光スポットを巡りながら向かうのがおすすめです。
| 観光名所 | 所要時間 |
|---|---|
| ナヴォーナ広場 | 徒歩約5分 |
| トレビの泉 | 徒歩約8分 |
| 地下鉄A線「バルベリーニ(Barberini)」駅 | 徒歩約15分 |
| コロッセオ | 徒歩約30分。バスまたはタクシーで約10~15分 |
◎パンテオンとその周辺を巡り、ローマ観光を楽しもう
イタリア・ローマを訪れるなら観光ルートに組み込んでおきたいパンテオン。ここでは、歴史・建築方法、見どころ、入場方法についてご紹介しました。
パンテオン周辺は、ローマでも特に見どころが集中しているエリアです。
パンテオンから徒歩10分圏内に、噴水が美しいナヴォーナ広場や、
だまし絵の天井画で有名な「サン・ティニャツィオ教会」、カラヴァッジョやベラスケスやラファエロの有名絵画を鑑賞できる「ドリア・パンフィーリ美術館」などがあります。
歴史的な建造物を巡りつつ、周辺のカフェやレストランで本場イタリアの雰囲気もゆっくりと楽しんでくださいね。
skyticketで格安航空券を予約!