信州姨捨の絶景ポイントをお教えします！古くから知られた更科の観光名所

「日本三大車窓」「国指定の名勝」「日本夜景遺産」など、多くの絶景スポットを有している「姨捨（おばすて）」。長野県千曲市にあり、列車や雪景色、桜や紅葉、夜景など季節ごとの景観を観るために、連日多くの観光客が足を踏み入れます。本記事では、クルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」の運行開始に伴い、さらに有名になったこの「姨捨」の魅力をご紹介します。姨捨周辺の観光を考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

棚田に写る月影の妙！「田毎の月」

国の「重要文化的景観」や「日本の棚田百選」に選定された姨捨の棚田は、蓑・菅笠の下に隠れると例えられるほどの小さな田が1500あまりも連なっており、郷愁の漂う風景をつくり出しています。

これらの不揃いな形の田んぼそれぞれに月が移りゆくことを「田毎の月（たごとのつき）」といい、江戸時代から明治にかけて開田が大きく進んでいくと、小さな棚田に映りこむ月影が美しいと、より注目を浴びるようになりました。

車窓からの景色も美しい「姨捨駅」

冠着山（更科山）、三峰山の標高551mの山の中腹に位置していることから景観がよいことで知られている「姨捨駅」。駅のホームから見下ろす善光寺平は「日本三大車窓」のひとつと数えられています。

駅には、絶景を楽しめるように線路の方向とは逆にベンチが設置されていたり、屋内展望スペースがあったりと至れり尽くせり。善光寺平以外にも、有明山や鏡台山、五里ヶ峯などの雄大な自然を楽しめます。

また、鉄道マニア垂涎の「スイッチバック」（険しい斜面を登坂、および降坂するために切り返しながらジグザグに運行すること）がある珍しい駅としての一面もあるほかに、先述したクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」の停車に合わせ、ホーム上に新たに展望バーラウンジ「更級の月」が新設。とても無人駅とは思えない賑わいを見せています。

こちらは夜景で知られる「姨捨SA」

長野自動車道の姨捨SAは、長野県初の「ドラマティックエリア」として、2013年にリニューアルオープンしました。上り線には芝生の展望広場があり、デートスポットにもぴったり。

この展望広場からは善光寺平が一望でき、美しい夜景を楽しめます。姨捨は上下線ともにSAがありますが、下り線は駐車場照明が目に入るため、夜景を楽しみたいなら上り線がおすすめ。千曲川に沿って続く街の明かりと長野市内まで見渡すことができる美しい夜景は、「夜景百選」にも登録されています。

松尾芭蕉も訪れた「長楽寺」

「長楽寺（ちょうらくじ）」は信濃三十三番観音霊場の14番目の札所として知られ、ご本尊は聖観世音菩薩（しょうかんぜのんぼさつ）になっています。地元では「姨捨観音」の名で親しまれており、家内安全、健康長寿、病気平癒、交通安全、商売繁盛、良縁成就と、さまざまなご祈願にご利益があります。

観音堂の隣には「姨石」と呼ばれる、高さ約15ｍ、幅約25ｍ、奥行約25ｍの巨大な凝灰角礫岩（ぎょうかいかくれきがん）があり、謡曲「姨捨」の中で捨てられた老女が変容し、岩になったとされる石がこの「姨石」だといわれています。

この石にはなんと登ることができ、かつては、たくさんの人がこの石の上で月見をしていました。その様子は、江戸時代後期の紀行文作家・菅江真澄によって絵が残されています。眼下に広がる四十八枚田や善光寺平を見ながら、歴史に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

姨捨の全景を望む「千曲川展望公園」

姨捨の全景を一望するのなら、姨捨地区で最も高い650mほどの標高を誇る絶景スポット「千曲川展望公園」がおすすめ。ここでは、千曲川沿いに広がる千曲市や、その奥にある長野市までの夜景を一望できます。

園内にはベンチや東屋、眺望案内板の設置があり、初めて来る方にも気軽に景色を楽しめるのですが、街灯がないので夜景を見に行く際は足元に気をつけるようにしましょう。道路沿いのスポットで駐車場も完備されているため、車中から夜景を鑑賞できるのもポイント。観光のついでにも訪れやすい場所です。

◎まとめ

景色の美しい場所が点在する地であるとともに、歴史の深い「姨捨」。善光寺平は川中島の戦いの古戦場でもあるほか、麓にある武水別神社では、上杉謙信が武田信玄の討滅を祈願したという神社もあります。「姨捨」という物騒な地名のイメージから、少し怖い印象も受けるかもしれませんが、興味のある方は名勝5か所のうちのひとつ「姨捨」に、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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