高遠城址公園とは？見どころや人気のお祭りもご紹介！

長野県伊那市東部にある「高遠城址公園（たかとおじょうしこうえん）」は、日本有数の桜の名所として有名！明治時代に入って荒廃してしまったお城の跡に、旧高遠藩士たちが桜の木を植えたのが始まりです。今では1,500本ものタカトオコヒガンザクラが城内を埋め、「天下第一の桜」とまでいわれるお花見スポットとして、全国から多数の観光客が訪れます。そこで今回は、毎年開催されている「さくら祭り」の情報やおすすめのスポットなども含め、高遠城址公園の見どころをご紹介します。

1. さくら祭りの基本情報

毎年4月上旬から下旬にかけ、高遠城址公園ではさくら祭りが行われます。2019年のさくら祭りでは、江戸時代から受け継がれている伊那市登録の無形文化財「高遠ばやしの巡行」や、美味しい「さくら茶」の無料提供、思わず写真を撮りたくなってしまう「SAKU♡フォトフレーム」などの催しが開催され、大盛況を見せました。

また、園内の一部ではカラーライトアップやプロジェクターによる投影による演出で、幻想的な夜桜も楽しめます。雰囲気が良いため、恋人とのデートにもうってつけでしょう。この時期に高遠城址公園を訪れるなら、お花見とお祭りの両方を満喫したいですね。

【アクセス】

JR中央本線高遠駅から徒歩15分
中央自動車道伊那ICから約30分

【入園料】

個人
大人(高校生以上)：500円
子供(小・中学生)：250円

団体(30人以上)
大人(高校生以上)：400円
子供(小・中学生)：200円

【駐車場（約400台）】

普通乗用車：700円
自動二輪車・原動機付自転車：200円

土日のみ、臨時駐車場も無料で開放。予約不可、先着順。

※料金などの情報はすべて2019年のものになります。お越しの際は、公式サイトでご確認をお願い致します。

2. 桜雲橋

高遠城の空堀をまたぐ「桜雲橋（おうきんきょう）」は、観光パンフレットなどでもおなじみの撮影スポット。橋から満開の桜を眺めると、花が雲のように見えることから、その名前がつきました。

枝が欄干にまで垂れる桜雲橋に立つと、桜の花が上だけでなく横や下にも広がっていることに気づくでしょう。雲や霞のように全方向に満開の桜が楽しめるのが、高遠城址公園の大きな特徴なのです。余力があれば、ぜひ堀底におりて橋を見上げてみてください。

桜雲橋を渡った先には問屋門があり、これを渡ると本丸跡になります。問屋門は、城下町に払い下げられていた城門を再移築したもの。脇には石垣が残り、橋と門、そして石積みと桜のコラボレーションは実に見事です。

3. 太鼓櫓

本丸跡の隅に建っている「太鼓櫓」は、毎日、偶数時に3つの太鼓を鳴らすことで、藩士や城下の町民に時刻を報らせていました。その時報は昭和18年まで続き、戦後も三ノ丸にあった高遠高等学校で授業のチャイムの役割を務めていました。現在、太鼓は高遠町歴史博物館に展示されています。

また、本丸には新城藤原神社や立派な枝垂れ桜もあり、撮影スポットとしてもおすすめです。ぜひ見に行ってみてくださいね。

4. 高遠閣

昭和11年に建てられ、国の登録有形文化財にも指定されている「高遠閣」。帝国ホテルや日本郵船本社などを手掛けた伊藤文四郎により設計されました。集会所や観光客の休憩所として建設されたもので、今も有料の休憩所や喫茶店として利用されています。

入母屋造の建物は、千鳥破風や唐破風、車寄など和風建築の要素が強いですが、内部には大正・昭和の近代的なデザインも取り入れられています。窓からは桜の木々を目の前に望む贅沢な景色も堪能できますよ。旅で疲れたときは、高遠閣でホッと一息ついてみてください。

5. 白山観音

高遠城址背後の五郎山の山中にある「白山観音」も、天下第一の桜のおすすめ観賞スポットの1つ。公園から30分ほど山道を登ることにはなりますが、観光客が少ないので、ゆったりと桜を楽しむことができる穴場です。体力に自信のある方は、ぜひ白山観音からの桜を楽しんでみてください。

ここから見下ろす高遠城址公園の1,500本の桜はまさにピンクの海。一目見ただけで、圧倒されること間違いなしです。桜の名所は全国にたくさんありますが、これほどの絶景はそうそうないでしょう。山道なので、歩きやすい靴や動きやすい服装がおすすめです。

6. 花の丘公園

高遠（伊那市）の有名な桜は高遠城址公園だけではありません。「花の丘公園」では、大きな枝を広げる「勝間のしだれ桜」や、八重桜や山桜など約2000本の桜が満開になります。4月下旬くらいまで桜が咲いているため、お花見の時期を逃した方でも楽しむことができるのでおすすめ。ほかにも中央アルプスや伊那谷を一望できるため、雪の残った山々の美しさも楽しめます。

約220種、1800本のバラを植栽する「高遠しんわの丘ローズガーデン」が隣接しているので、お花見の後にバラの鑑賞をしてみてはいかがでしょうか。

◎秋のもみじ祭りもおすすめ

高遠城跡公園は、桜だけが有名な訳ではなく秋に行われるもみじ祭りも有名です。美しい紅葉を鑑賞できるだけでなく、兜つくりや手工芸品展示販売、演舞などの催し物があります。

また、同時に新そば祭りも開催しており、ここでは、高遠城の美味しい蕎麦を味わえたり、そば作りの体験も楽しめますよ。蕎麦の中でも、辛み大根の絞り汁に焼味噌を溶かしたおつゆで食べる辛つゆ蕎麦は、この新そば祭りの由来となった、高遠城の殿様の大好物だったとして知られています。ぜひ、食欲の秋と芸術の秋を同時に楽しむのはいかがでしょうか。