歴史深い加古川市の観光スポット10選!聖徳太子や黒田官兵衛ゆかりの地

画像出典:Kent T Nikon / PIXTA(ピクスタ)

歴史深い加古川市の観光スポット10選!聖徳太子や黒田官兵衛ゆかりの地

兵庫県播磨地方の東部に位置する加古川市。市の中心を一級河川の「加古川(かこがわ)」が流れています。加古川へは、JRの新快速で神戸から約30分。神戸や姫路への交通アクセスがよく、大阪も通勤圏の加古川は、ベッドタウンとして発展してきました。

その一方で、加古川市には古墳や古刹などが数多く残っています。聖徳太子や豊臣秀吉、大河ドラマの記憶に新しい黒田官兵衛ゆかりの地としても注目される、歴史の深い町。戦前から残る風情ある町並みや洋館、野鳥が住む自然いっぱいの湖など、加古川のバリエーション豊かなおすすめ観光スポットを10選でご紹介しましょう。

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歴史深い加古川市の観光スポット10選!聖徳太子や黒田官兵衛ゆかりの地

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1.聖徳太子が建立した国宝・重要文化財だらけの「鶴林寺」

出典: ja.wikipedia.org

565年に開山された「鶴林寺(かくりんじ)」は、わずか16歳の聖徳太子が仏教を広める目的で建立したとされる寺院。戦国時代にも破壊の難を逃れた古刹です。境内は、まさに国宝や重要文化財だらけ。平安・室町・鎌倉の時代から受け継がれた建築物や絵画・彫刻などが大変多く、「播磨の法隆寺」とも呼ばれています。

また、鶴林寺は花の名所としても知られています。本堂前の菩提樹と沙羅の花を見るなら、6月中旬頃に観光するのがおすすめ。桜、サツキ、夏ハギ、センダン、ムクゲ、ツバキなど、季節を彩る花に癒されましょう。

出典: Daimon / PIXTA(ピクスタ)

最近では、江戸時代から残る石の塔が、過去やライバルなどを振り切りたい人のためのパワースポット「ふりきる門」として注目されているのも見逃せません。ふりきる門をくぐって、念じながら「ふりきり石」を回します。パワーストーンを回すことで邪念が払われ、新たな自分に生まれ変われるというパワースポット。より良い未来へ自分で向かわせる功徳があるとされているので、ぜひ試してみてくださいね。

2.加古川南部最大の前方後円墳「日岡御陵」

出典: ja.wikipedia.org

古墳が数多く遺されている加古川市の中でも、5基の前方後円墳が分布する日岡山公園。公園内の日岡山山頂にある日岡御陵(日岡陵古墳)は、第12代景行天皇の皇后である播磨稲日大郎姫命(はりまのいなびのおおいらつめのみこと)の墓とされる前方後円墳です。兵庫県南部で最大の古墳群とされるうちの1基で、宮内庁管轄の古墳。日岡山の山頂にあるため、景色を一望できます。

出典: ja.wikipedia.org

日岡山公園は桜の名所で、敷地内には各種スポーツ施設が設けられている市民の憩いの場所。日岡山の麓には、安産の神として有名な日岡神社があります。

3.官兵衛の娘の嫁ぎ先、神吉城址の「常楽寺」

「常楽寺」は、神吉城(かんきじょう)の中の丸址にある浄土宗の寺院。神吉城城主だった神吉頼定は、秀吉の播磨攻めに抗い、敵軍の30分の1ほどの軍勢で何度も撃退したことで知られています。その神吉頼定は、黒田官兵衛の娘の夫。黒田官兵衛の苦悩が推し量られますね。本堂の裏手には頼定の墓所があります。

秀吉は神吉城の攻撃に際して兵庫県高砂市にある生石神社(おうしこじんじゃ)を陣所に所望したものの、宮司だった頼定の弟に拒否されたため生石神社を焼き討ちにしました。悲劇の歴史を持つ常楽寺ですが、現在ではしだれ桜や紅葉の名所として人気の観光スポットです。

4.官兵衛が愛した妻の生家・志方城址「観音寺」

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「観音寺」は、志方城(しかたじょう)の本丸址にある曹洞宗の寺院。志方城は、黒田官兵衛の妻・光(てる)が生まれた櫛橋家の居城でした。側室が多かった戦国時代にありながら、ただ1人の女性を愛し抜いた官兵衛の逸話は有名です。

志方城は観音寺の境内を本丸とし、付近一帯を囲むかなりの規模があったといいます。しかし1578年、秀吉の攻撃で落城。約10年後に禅寺として観音寺が建立されました。観音寺の建立は、4代続いた志方城主の墓碑を守るためだといわれています。秀吉の攻撃で生家を失った光ですが、官兵衛との子供である黒田長政は、江戸時代に福岡藩の初代藩主として活躍しました。

5.加古川庶民を助け、仏の教えを広めた僧侶が起こした教信寺

出典: ja.wikipedia.org

平安時代前期に、沙弥教信(しゃみきょうしん)という僧侶が庵を建てたのが始まりで、後に庵跡に建立されたのが「教信寺」。教信は貧しい人をはじめ、多くの庶民を助けたとされ、念仏を庶民に広めました。

1286年に一遍上人が参拝。一遍上人は教信を敬慕し、終焉の地として教信寺を希望したといわれています。結局は迎えの船が来て神戸市の観音堂にて往生した一遍上人ですが、教信が人々から慕われていたかことが窺えます。

現在の教信寺は天台宗の寺院で、播磨薬師霊場8番札所。本尊は阿弥陀如来。「野口のねんぶったん」と呼ばれ、今も地域の檀家に親しまれています。付近には野口神社や野口城址など、史跡がいくつも残っています。

6.秀吉が腰かけて采配を振るった「太閤岩」

「太閤岩」は、秀吉がこの地に本陣を設けて志方城を攻める際、腰かけて采配を振るったと伝わる岩。ここからは加古川全域はもとより、遠く淡路島までの眺望が広がっています。

志方城といえば、黒田官兵衛の妻・光の生家である櫛橋家の居城だった場所。激戦の末に光の父は暗殺され、志方城は落城しました。激動の時代を見下ろしてきた岩かと思うと感慨深いですね。

7.野鳥の宝庫、自然豊かな「平荘湖」

出典: Kent T Nikon / PIXTA(ピクスタ)

加古川市の北部に位置する「平荘湖(へいそうこ)」は、昭和41年にできたダム湖です。加古川の水を揚水し、平荘第1~第4の4つのダムで1つのダム湖を形成。東播磨工業地帯の工業用水を支えています。

自然に囲まれた平荘湖周辺には、ハヤブサやオオタカなどが生息。また、冬にはたくさんのカモが飛来するなど、野鳥が多いことで知られています。約5kmにわたる外周道路は、ウォーキングやジョギングに最適。桜やアジサイなど四季を通じて花々を楽しめたり、秋には紅葉の名所としても多くの人が訪れます。

平荘湖の西には、音楽ホールやスポーツ施設、図書館、漕艇センター、海洋文化センターなどがそろった複合施設「加古川ウェルネスパーク」があります。ウェルネスセンターではプール・ジム・サウナ・浴室などを手軽な料金で利用可能。1台100円のレンタサイクルもあるので、さわやかな風をうけながら平荘湖をサイクリングしてみませんか。

※2017年7月の情報です

8.赤レンガと花崗岩のアーチが珍しい水路橋「平木橋」

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花崗岩を積み重ねたアーチと赤レンガのコントラストが美しい「平木橋(ひらきばし)」は、上に通水路がある水路橋。加古川市の指定文化財として登録された1連レンガ・石造アーチ橋です。

1915年(大正4年)に竣工しましたが、ほんの数年しか利用されず、何十年も放置されてしまいました。再び注目されるようになったのは、2001年なってから。水不足のために建築された歴史や橋自体の美しさが見直され、保存の声が高まりました。東播磨南北道路建設に伴い、2009年に約1km西へ移設。

竹林にあった移築前の様子も味がありますが、現在は橋の周辺がきれいに整備され、のんびり散策するのに適した観光スポットになっています。さまざまな角度から撮影でき、歴史を感じられる加古川観光の穴場的存在。側面の石板には「HIRAKI AQUEDUCT BUILD SEPT 1915」と刻まれています。

9.肥料王が建築した迎賓館「多木浜洋館(あかがね御殿)」

出典: BentCreek / PIXTA(ピクスタ)

「多木浜洋館」は、多木化学株式会社を創業した多木久米次郎氏が建築した洋館です。迎賓館として利用する目的で、約15年もかかって1933年(昭和8年)に完成。当時としては珍しい4階建ての洋館で、外壁が銅板張りになっているため「あかがね御殿」とも呼ばれました。現在は当時の壁色とは趣が異なっていますが、周囲からひときわ浮き出た建物が人目を惹く観光スポットです。

贅を尽した内装が見事で、建築当時は館からの眺望が素晴らしかったといいます。予約をすれば、内部の見学も可能。ガイドが1時間ほど案内してくれるため、当時の多木化学や加古川の様子を思い浮かべることができるでしょう。

10.朝ドラ「マッサン」のロケ地!日本毛織社宅建築群

出典: ja.wikipedia.org

日本毛織株式会社、通称「ニッケ」は、1896年(明治29年)に神戸で創業した毛織物メーカーです。1899年、加古川工場操業に伴い、明治末期から昭和初期に建てられたのが「日本毛織社宅建築群」。平屋や2階建ての長屋、木造の洋館などが建ち並ぶ、戦前の企業城下町が残っている貴重な場所です。

舗装していない砂利道や風情ある街並みは、NHK朝ドラ『マッサン』をはじめとするドラマや映画のロケ地として利用されています。

出典: ja.wikipedia.org

「ニッケ社宅倶楽部」は、欧米から招いた外国人技師の住まいとして1911年に建てられた木造の洋館で、加古川唯一の異人館。現在は集会場として利用されています。

日本毛織社宅建築群は現在も住宅として機能している一方、老朽化のため空き家が多く、景観の保全が課題。商用利用が進み、貴重な町並みが今後も保存されるといいですね。加古川を訪れる際には、タイムスリップしたドラマの世界を体感できる観光スポットとして、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

◎まとめ

古くからの遺跡や建造物が残されている地域は、日本国内でも今や希少。加古川市でおすすめしたい観光スポットは、ほかにもまだまだ紹介しきれないほどたくさんあります。もしこの記事で興味を持ってもらえたら、交通も至便な加古川へ観光に行ってみませんか。

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