北海道知床半島にある斜里岳(しゃりだけ)は、日本百名山にも選出されている有名な火山です。斜里山は他の百名山とは違い、沢登りが主体になるので準備は防水対策が必須です。水辺を登っていく登山はなかなか体験できませんし、頂上から見えるオホーツク海の風景は忘れられない壮大なものとして心に刻まれるでしょう。今回は、そんな斜里岳の魅力や登山コース、登山の際の見どころや注意点などをご紹介していきます。
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知床の百名山「斜里岳」|頂上から見渡す道東の風景は青と碧のパッチワーク!
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斜里岳ってどんな山?
斜里岳は、知床半島の付け根に位置し知床火山群・阿寒火山群では中央付近の成層火山です。山頂部は斜里岳・南斜里岳・西峰からなっており、いずれも古い火口を含んでいます。
日本百名山にも選出されている有名な火山で、斜里岳道立自然公園に属しており清里街の観光スポットでもあります。標高1,547mで、アイヌ語では「老いた山」を意味する「オンネプリ」と呼ばれていました。「シャリ」はアイヌ語では「葦の生えた湿原」を意味しており、葦原の中にそびえ立つ古い山のような意味合いがあります。
登山するなら清岳荘の登山口から
斜里岳の登山は、清岳荘の登山口からスタートするのが一般的なおすすめコースです。登りのルートは沢伝いに旧道を進み、下りは新道の尾根を通るルートが推奨されています。斜里岳登山の醍醐味は沢登りを含む特徴的なコースですが、下りのルートでも沢沿いを選択してしまうと、登山で疲労した足が沢でさらに滑りやすくなっているので怪我をする危険性が高まってしまいます。
距離は長くなりますが、帰りは新道を下っていくコースがおすすめです。往路は沢下りの旧道コース、復路は尾根を通る新道コースを選ぶのが斜里岳登山のスタンダードコースと言えるでしょう。
他にも北稜(三井)コースや根北峠コースなどの別ルートもありますが、これらはいずれも登山中上級者向けの難易度の高いコースになります。特に根北峠コースは、雪山登山に慣れた熟練者向けのコースです。
清岳荘⇔山頂でかかる時間はどれくらい?
清岳荘から山頂までの往復でかかる時間は、約6~7時間程度です。沢伝いの旧道コースを登り、登頂後の下山を新道コースで進む一般的なルートでは、復路の新道の方が道が長いので往路より時間が長くなります。
また、斜里岳登山はあまり道がきちんと整備されていないので、歩きやすい道を探したり前の人が渡るのを待ってから進むような場合も多く、人数や状況によって登山時間もかなり変わる可能性が高いです。
山慣れしている少人数でも中高年の方々の場合は約6時間、さらに10名程のツアー登山では9時間前後を目安にしてください。
清岳荘⇔山頂コースの見どころ
清岳荘~下二股
清岳荘を出発し、しばらくは一般的な登山道を歩いて行きます。その内沢が出現するので、沢沿いに登って川渡りを続けます。
下二股~上二股
下二股からは滝が出現し、本格的な沢登りが始まります。急斜面の地点には鎖場やロープがあり、そしてついに滝の近くは階段状の岩場となり、登っていきます。
上二股~馬の背
上二股からは沢登りは終わり、馬の背辺りはガレ(石や岩が堆積していて歩きにくい斜面)が続きます。この辺りのガレ場は落石も多いので、特に注意が必要です。
突風で小石が飛んでくることもあるので、怪我をしないようにしましょう。ガレ場を登り切ると馬の背に出ます。馬の背まで来ると、山頂が見え始めます。
馬の背~斜里岳
馬の背から山頂にかけては見晴らしがかなり良く、遠くまで風景を見渡せます。山頂からの眺めは特に美しく、天気の良い日には臼岳や阿寒の多くの山、国後島やオホーツク海までを一望できるのでぜひ絶景を眺めてみてください。
北海道東部は道や畑なども全て縦横まっすぐに区切られており、まるで幾何学模様のような光景を見下ろすことができます。
上二股(新道コース)の復路
復路の新道コースは往路よりも歩く距離が長くなります。滝のすぐ傍を通る沢下りはなく、主に木や岩の段差に注意しながら下っていきましょう。下二股では往路の旧道に合流するので、小さな沢と共に渡っていきます。
復路では龍神の池や熊見峠からの展望が楽しめ、新鮮な気持ちで下山できるでしょう。
引き返す場合のポイント1:下二股
斜里山登山は沢登りで川を渡る箇所がかなり多くなっています。増水時には特に危険が増すので、序番の下二股までの川渡りで危ないと感じた場合はそこから上には登らず、引き返した方が良いでしょう。
清岳荘から下二股までは一般的な山道ですが、下二股からは沢登りが多くなりきつくなってきます、この時点で無理そうだと感じた場合は引き返して下山してください。
引き返す場合のポイント2:上二股から熊見峠へ迂回して下山
下二股から上二股までは滝登りがメインになります。ここでも危険を感じた場合は引き返した方が賢明です。また、上二股まで来た時点でかなり疲労を感じている場合は、さらに馬の背方面に登ることはせずに熊見峠方面の新道へ進みそのまま下山しましょう。
上二股から馬の背への道はさらに傾斜がきつくなるので、無理はせず休みながら歩きましょう。体力が持たなそうだと感じた場合は迷わず迂回・下山の判断をしてください。
最後に:登山におすすめの季節は?
斜里岳の登山におすすめなのは、6月下旬の山開きから紅葉の季節である9月下旬までです。山開き前後のシーズンはまだ残雪期で雪渓があり、雪の下では沢水の流れがあることから雪を踏み抜いて足を滑らせてしまう危険性があるので注意してください。10月頃からは旧道の沢筋にも凍結箇所が見られ始めます。初心者におすすめできる6月下旬~9下旬以外の時期は、登山上級者の方なら楽しめる難易度の高いルートになります。
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