函館・国華山高龍寺|外国人墓地の東に、伝統建築が光る寺院があった!

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函館・国華山高龍寺|外国人墓地の東に、伝統建築が光る寺院があった!

教会やレンガ倉庫など異国情緒あふれる観光地の函館に、高龍寺という風格のある寺院があります。函館山の北麓に位置する高龍寺は、10もの登録有形文化財を有する函館最古の寺。神社仏閣ファンのみならず、高龍寺を訪れた観光客は誰しも、その佇まいに背筋を正すような凛とした感覚を覚えるでしょう。港町函館のイメージとは一味違った魅力と、和の品格漂う高龍寺を参拝観光する上で知っておきたい情報をご紹介していきます。

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函館・国華山高龍寺|外国人墓地の東に、伝統建築が光る寺院があった!

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1.国華山高龍寺とは

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正式名称は「国華山高龍寺(こうりゅうじ)」。1633年(寛永10年)に創建された、380年以上の歴史を持つ曹洞宗の寺院です。函館に現存する寺院の中では最も古い高龍寺ですが、歴史があるというだけではなく、伝統的な和風建築の技術や建物の美しさが高く評価されています。

2012年(平成24年)には、本堂、開山堂、位牌堂、金毘羅堂、宝蔵の5つの建築物と、山門及び袖塀、防火塀、土塀、鐘楼、水盤舎、あわせて10件が国指定の登録有形文化財に指定されました。山門に施された彫刻をはじめ、本堂、開山堂など、見どころがたくさんあります。

函館にお寺?と意外に感じるかもしれませんが、高龍寺は地元に根付いたオープンな雰囲気なので、観光客でも気軽に見学できますよ。

2.高龍寺の歴史

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高龍寺は1633年(寛永10年)、北海道松前郡にある曹洞宗「法源寺」の末寺として創建。当初は函館駅よりも北、現在の函館市万代町の辺りにありましたが、水害や大火などを経て移転。1879年(明治12年)に、現在の函館山のふもとへ場所を移して再建されました。以降、かの有名な函館大火や太平洋戦争による戦火からも免れ、函館市内で最も歴史のある寺院として現存しています。

函館港開港時にはロシア領事館一行の宿所に、函館戦争時には旧幕府軍の箱館病院の分院として負傷者を受け入れるなど、函館の歴史とともに歩んできた歴史があります。

3.山門

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訪れてまず目を引くのは、通りに面した「山門」です。高龍寺の山門は、東北より北では最大級。門をくぐる前に、まずは木造の伝統建築特有の和の雰囲気や、美しい彫刻をじっくりと観賞してみましょう。

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威厳と風格を湛えた重厚な山門は、入母屋造桟瓦葺の木造8脚門。堂々としていながら非常に繊細な彫刻が施されています。見れば見るほどその美しさに惹き込まれる彫刻は、その数200個以上!新潟県柏崎の職人が手がけたという、一つひとつが素晴らしい芸術です。

4.水盤舎

山門を入った左手には、参拝者が手や口を清める「水盤舎(すいばんしゃ)」があります。

1917年(大正6年)に造られたこの水盤舎は、”力人”が支える水盤舎の足元が特徴!お清めが済んだら、足元の力人に注目してくださいね。

5.本堂

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高龍寺の本堂は、山門をくぐった正面にある建物です。本堂は1899年(明治32年)に建立され、1907年(明治40年)の大火の際にも焼失せずに残りました。

本堂を建築したのは越後出身の名棟梁・四代目篠田宗吉をはじめとする大工や彫刻士たち。建材は越後で選び抜かれたものをわざわざ函館まで運んで建てたといわれています。

本堂内には釈迦三尊が祀られており、豪華絢爛な須弥壇(しゅみだん)は見ごたえ抜群です!

6.開山堂

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本堂に向かって左手に見えるのは、本堂に近い場所から開山堂、位牌堂、金毘羅堂です。

開山堂は本堂と同時期に建てられ、2003年(平成15年)に改修。きれいな白壁が目を惹く外観となりました。

堂宇内は荘厳な雰囲気。歴代の住職のほか、33観音、500羅漢、16羅漢、釈迦十大弟子などが祀られています。

7.位牌堂、金毘羅堂

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山門をくぐってすぐ左手にあるのは、航海安全や漁業の神様を祀る金毘羅堂です。

開山堂と金毘羅堂の間にあるのは位牌堂。先祖代々の位牌を永代に渡って祀る堂宇で、本堂と同じような入母屋瓦葺の建物です。

8.レンガ造りの防火塀

高龍寺の周囲を囲む塀は、寺院としては珍しくレンガ造りとなっています。これは、大火から寺を守る防火壁としての役割を担って造られたもの。レンガ塀にはところどころに明治時代の大火の跡と思われる焼け跡が見られ、ここにも高龍寺が歩んできた歴史を感じます。

高龍寺を取り囲むレンガ塀には「フランス積み」と「イギリス積み」と呼ばれるレンガの積み方が交ざっています。フランス積みは、一列に長さの異なるレンガを交互に積んでいく方式で、イギリス積みは横幅の長いレンガと短いレンガを一段ずつ積み上げていく方式。レンガ塀の造られた年代によって変わってくる積み方も興味深いですね。

9.一般公開情報

出典: ja.wikipedia.org

高龍寺では例年4月初旬から中旬ごろ、蠣崎波響(かきざきはきょう)の『釈迦涅槃図(しゃかねはんず)』が一般公開されています。

蠣崎波響は江戸後期の画家で、波響の描いた『釈迦涅槃図』は北海道指定有形文化財に登録されている寺宝。とても貴重なものなので、この時期に函館を訪れる予定のある方はぜひ高龍寺に足を運んでみてください。

◎アクセス・駐車場情報

高龍寺は函館駅からバスで15分ほどの場所にあります。函館駅で函館バスに乗車し、「高龍寺前」のバス停で下車後、徒歩約1分。市電を利用する場合は「函館どつく前」電停で下車後、歩いて10分ほどです。

高龍寺には無料の駐車場が完備されているので、車でもアクセスできますよ。

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