裸の男衆がひしめく天下の奇祭!西大寺会陽で知っておくべきポイントを解説

画像出典:Hadaka Matsuri (-Naked Festival-) (CC BY-SA 3.0)

裸の男衆がひしめく天下の奇祭!西大寺会陽で知っておくべきポイントを解説

別名「はだか祭り」とも呼ばれる「西大寺会陽(さいだいじえよう)」は、全国的にも有名な日本三大奇祭のひとつです。毎年寒さの厳しい2月に開かれ、まわし姿の男衆およそ1万人が、2本の宝木(しんぎ)を巡って激しい争奪戦を繰り広げます。その大迫力の光景はメディアでもたびたび報道され、見事宝木を勝ち取った男性は「福男」として一躍脚光を浴びます。この記事では、そんな気になる西大寺会陽の概要と観覧方法などに加え、西大寺を観光するうえでのポイントもご紹介します。

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裸の男衆がひしめく天下の奇祭!西大寺会陽で知っておくべきポイントを解説

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1. 西大寺会陽(はだか祭り)の会陽とは?

そもそも、この西大寺会陽(はだか祭り)が行われる「会陽」とは一体なんなのでしょうか?会陽は修正会(しゅしょうえ)ないし修二会(しゅにえ)という仏教の法会(ほうえ)の1つに端を発しています。年の初めに災いを避け、福を呼ぶ儀式として一般に陰暦の1月15日に行われ、「お水取り」と呼ばれる東大寺の修二会がとくに有名です。

西大寺の会陽は、この修正会の最後を飾る結願が発展したもの。現在のような裸祭は、永正7年(1510)に僧忠阿が殺到する参詣者の頭上に守護札を投与し、人々が裸になって奪い合ったことにはじまるといわれています。

2. 西大寺会陽の流れ

それでは、西大寺会陽の流れを見ていきましょう。

(1)会陽事始式

西大寺会陽は、まず宝木を制作するところから始まります。裸祭り開催19日前の「会陽事始式」で、その年の宝木を削るための道具磨きが行われ、本堂では会陽の無事を祈願し大般若経が読経されます。

(2)宝木削り

事始式の3日後の午前0時には、西大寺から4kmほど離れたところにある広谷山如法寺無量寿院で宝木となる原木を受け取り、翌日には原木を一対の宝木として形作る「宝木削り」が行われます。

(3)修正会

会陽2週間前から、国の安泰や人々の平和などを祈願する「修正会」が結願の当日まで行われます。

また、この間に修正会と併せて「水垢離行(みずごりぎょう)」が1日2回催され、境内にある垢離取場の冷水に入って読経を行い、心身共に清めます。水垢離行については、建康であれば誰でも参加可能です。

(4)会陽宵祭り

会陽前日の夜には、祭りの安全と発展を祈願するための奉納演奏が開かれます。宝木争奪への参加は男性に限られることから、宵祭りではお餅投げで2人の福女も選ばれます。そしていよいよ翌日が、本番の西大寺会陽です。

(5)宝木投下

いよいよ本番当日、垢離取場で身を清めた男衆は本堂に集結します。夜10時に本堂周囲の明かりが落とされ、暗闇の中に2本1対の宝木が投下されます。

争奪戦の激しさは、男衆の熱が湯気となって白く浮き漂うほど!見事戦いを制し、いずれかの宝木を勝ち取った人は、その年1年の福男として祝福されます。

(6)あと祭り

また、会陽の翌日から2週間にわたる「あと祭り」も見どころ。あと祭りでは向州公園から西大寺境内にかけて屋台や植木市が並び、毎年多くの観光客で賑わいます。

ほかにも、3歳から小学生くらいまでの子供が稚児衣装を纏って参列する「稚児入練供養」や、災いや煩悩を焼き尽くして会陽のご利益にあやかるための護摩焚き「柴燈護摩」なども開催。最後の「会陽アト祭り結願祭」をもって、西大寺会陽一連の行事が終了します。

3. 西大寺会陽の観覧をするには?

西大寺会陽の観覧にはチケットが必要です。観覧席には特別観覧席(5000円)・立見席東(1000円)・立見席西(500円)の3種類があり、おすすめはもちろん特別観覧席です。

当日券の販売もありますが、人気の行事なのでできるだけ事前にチケットを確保しましょう。例年1月下旬ごろから岡山商工会議所西大寺支所窓口で販売され、電話での予約受付けも可能です。

(※記載の情報は2019年現在のもので、変更となる可能性もあります。)

4.西大寺会陽に参加するには?

西大寺会陽は観覧するだけでも縁起が良く楽しいですが、男性であれば「福男」を目指して西大寺会陽に参加することも可能です。
毎年、数千人の大人の男性が参加していますが、その中には岡山県外の方はもちろん、海外の方が参加するなど当日はとても盛り上がります。
しかし、多くの男性が一度に走り始めるため危険を伴います。
参加するにあたって、幾つか注意点があります。

・お酒を飲んでの参加禁止
・入れ墨(タトゥー)がある方、ヒザ以外のサポーターや地下足袋、トビ足袋着用での参加禁止
・ビニールテープ類を手首や腕、足首に着用しての参加禁止
・暴力やケンカの禁止
・メガネやネックレス、ピアス等貴金属の着用、携帯端末の持ち込み禁止
※上記以外にも注意事項があるので、参加される場合は申込フォームへご連絡する際に事前に確かめるようにしましょう。

ぜひ機会があれば、この500年もの歴史をもつ伝統的な行事へ参加してみては?

5.西大寺会陽へのアクセス方法

JR赤穂線西大寺駅

続いて、西大寺会陽へのアクセス方法をご紹介します。最寄り駅はJR赤穂線西大寺駅で、岡山駅から約20分です。駅からは歩いて10分ほどで西大寺に到着します。

車の場合は、山陽自動車道山陽ICから真っ直ぐ南下して15分ほどです。また岡山駅からバスに乗って、西大寺バスセンターで下車するという方法もあります。

6. 西大寺の観光ポイント

西大寺は、正式名称を「金陵山 西大寺観音院」といいます。会陽以外にも見どころがたくさんあるので、境内の観光ポイントを見ていきましょう。

(1)西大寺観音院本堂

西大寺観音院

江戸時代末期に建てられた西大寺の本堂は、岡山市指定重要文化財に登録されています。会陽の本会場となるため岡山県下でも最大級の屋根をもつ巨大な五間堂で、完成までに18ヵ月を要しました。

(2)三重塔

西大寺三重塔と本堂

境内にある三重塔もまた、岡山県指定重要文化財の1つです。延宝6年(1678)に建立された歴史ある建造物で、本堂と比較すると小さく見えますが、スラリとした端正な塔です。

(3)仁王門

西大寺 仁王門

西大寺の仁王門は、県下でも最大級の楼門(2階造りの門)です。大棟に乗る鬼瓦の上の、長く伸びた渦巻き状の鳥衾(とりぶすま)は、県下でもごく数例しか見られない貴重なものです。

(4)牛玉所殿・奥殿

西大寺の牛玉所殿

牛玉所殿は、水垢離と本堂祈願を終えた会陽の参加者が、次に参拝する牛玉所大権現を祀ったところです。拝殿・釣殿・本殿・奥殿の4つの建物から成り、とくに奥殿はパワースポットとしても知られています。

◎西大寺会陽(はだか祭り)を見る際の注意点

西大寺会陽(はだか祭り)は人気行事のため、当日は大変混雑することが予想されます。毎年、参加者・参拝者合わせて数万人の人出があり、場所によっては危険も伴うため、公式ホームページの注意事項をよく読んだうえで参拝しましょう。とくに、飲酒をした状態での参加はできないのでご注意ください。

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