宇治平等院鳳凰堂の王朝美と極楽浄土を具現化した世界遺産・国宝を観光!

宇治平等院鳳凰堂の王朝美と極楽浄土を具現化した世界遺産・国宝を観光!

世界遺産『古都京都の文化財』の1つである平等院は、左右対称の鳳凰堂が有名な観光名所。鳳凰堂が10円硬貨、鳳凰像が1万円札に描かれていることで知られる寺院です。想像上の極楽浄土と、豪華絢爛な平安期の王朝美を体感できるのが平等院最大の魅力!建造物が素晴らしいのはもちろん、鳳凰堂内部にある多くの国宝や文化財も見逃せません。今回は京都府宇治市にある平等院の歴史と見所、夜間拝観、アクセス情報など、平等院観光に欠かせないポイントをわかりやすくご紹介します。

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宇治平等院鳳凰堂の王朝美と極楽浄土を具現化した世界遺産・国宝を観光!

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1.宇治平等院とは

宇治平等院

藤原頼道が1052年(永承7年)に開創した宇治平等院は、藤原全盛期の象徴ともいえる寺院です。父・道長の別荘を寺に改め、藤原摂関時代の最盛期に高まった浄土信仰に基づいて頼道が創建。極楽浄土の世界感と荘厳さを具現化しました。平成の大修理が2012年から2014年に行われ、創建当時の煌びやかさが蘇っています。

鳳凰堂の内部には、定朝作の木造阿弥陀如来坐像や天蓋など、数多くの荘厳な国宝や文化財がそろっています。鳳凰堂内部拝観は先着順各回50名定員ですので、早めに行くのがおすすめです。浄土世界の理想を表現している阿字池や平等院庭園もゆっくり散策しましょう。

2.鳳凰堂(阿弥陀堂)の特徴と魅力

宇治平等院鳳凰堂

国宝「鳳凰堂(阿弥陀堂)」は建立当時から残る唯一の建造物で、平等院一番の見どころ。浄土信仰によって平安貴族が建築した阿弥陀堂は、阿弥陀仏の住む極楽浄土を表現した建築様式の代表格として有名です。

鳳凰堂は正面から見ると鳥が翼を広げているように見えることに加え、屋根の上に一対の鳳凰が立っていることから、江戸時代初期ごろ「鳳凰堂」と呼ばれるようになりました。鳳凰堂は中央の「中堂」、その両側に「北翼廊」「南翼廊」、中堂の後ろ側には「尾廊」が控えるという計4棟から構成されています。

平等院 龍頭瓦

屋根には、現存最古・最大の「龍頭瓦(りゅうずがわら)」が飾られています。龍頭瓦は、頼通が龍の姿になって平等院を守っているという伝説から、室町時代に飾られたと伝わる珍しい飾り。鳳凰とともに、龍頭瓦も要チェックです!

3.平等院鳳凰堂・鳳凰像:10円硬貨や1万円札と見比べてみよう!

平等院鳳凰堂の鳳凰像と10円硬貨

10円硬貨の表に描かれている建物が鳳凰堂です。普段、何気なく使っている10円硬貨ですが、平等院鳳凰堂を訪れたら、手持ちの10円硬貨と見比べて、一緒に記念撮影するのが大人気!

平等院鳳凰堂が非常に美しい秘密は、中堂を中心に左右に翼廊を延ばす美しいシンメトリー。息をのむほどの美しさを堪能してください。

平等院鳳凰堂の鳳凰

鳳凰堂の大屋根を見ると、左右にそれぞれ「鳳凰」が乗っています。鳳凰堂のシンボルである鳳凰は、1万円札の裏面に描かれているあの鳳凰!日本の最高額の紙幣の絵柄としてふさわしい金色に輝く鳳凰です。現在の鳳凰は2代目で、建立時の鳳凰はミュージアム鳳翔館で見ることができます。

4.阿字池と平等院庭園

阿字池と平等院庭園

「阿字池」は鳳凰堂の周囲にある池です。鳳凰堂は阿字池の中島に、東を正面に建てられています。

阿字池に映り込んだ鳳凰堂は、その美しさをさらに際立たせとてもステキ!「平等院庭園」は平安時代につくられた最古の浄土庭園で、国の史跡および名勝に指定されています。

5.鳳凰堂の国宝

平等院には鳳凰堂のほかにも多くの国宝があります。

◆国宝「阿弥陀如来坐像」

国宝「阿弥陀如来坐像」は、平安時代の仏師・定朝(じょうちょう)によってつくられた寄木造りの仏像です。高さ約2.8mで、柔らかな曲線と柔和な表情が特徴。この阿弥陀如来坐像は定朝作と確証できる唯一の像となっています。

◆国宝「天蓋(てんがい)」

「天蓋」は阿弥陀如来坐像の頭上を覆う荘厳具です。直径約3m。宝相華唐草(ほうそうげからくさ)をモチーフにつくられており、金箔が貼られていて、中心部は鏡になっています。

◆国宝「壁扉画(へきひが)」

鳳凰堂内には「九品来迎図」の扉画8面をはじめ、扉と壁に描かれた14面の壁扉画があります。14面のうち、平安時代後期から鎌倉時代のもの12面が国宝に指定されています。

◆国宝「雲中供養菩薩像」

阿弥陀如来坐像を取り囲むように鳳凰堂内壁を飾っているのが、雲に乗った52体の「雲中供養菩薩像」です。笛や鼓などの楽器を演奏したり、舞ったり、合掌したりと、52体すべてが異なっているのが特長。現存する52体のうち26体は、ミュージアム鳳翔館で鑑賞できます。

◆国宝「梵鐘(ぼんしょう)」

平等院の国宝 梵鐘

天人や獅子、唐草文様などのレリーフが繊細に、かつ、しっかりと施された平安時代を代表する平等院の「梵鐘」は、滋賀県の三井寺(みいでら)、京都の神護寺とともに「天下の三名鐘」と呼ばれています。

現在、鐘楼にかけられている梵鐘は複製。本物は大気汚染による錆害から守るために取り外されていますが、ミュージアム鳳翔館で保管、展示されているので観賞可能です。

◆重要文化財「十一面観音立像」

重要文化財「十一面観音立像」は、平安時代に作られた高さ約1.7mの観音像。頭に小さい顔が11個ある木造の仏像です。

6.ミュージアム鳳翔館(ほうしょうかん)

ミュージアム鳳翔館

出典: 663highland (CC BY 2.5)

「ミュージアム鳳翔館」は、平等院の2001年(平成13年)に開館した総合博物館。鳳凰堂の南に見える近代的な建物です。設計は、有名建築家の栗生明氏。地下を利用しながらも太陽光を取り入れ、照明を工夫しているデザインが特徴です。

鳳翔館では、展示物に対する空間特性を生かし、ガラスウォールケースで守りながら国宝や重要文化財などを展示しています。国宝の「鳳凰像」や「梵鐘」、26体の「雲中供養菩薩像」、重要文化財「十一面観音立像」などの貴重な文化財を、至近距離で鑑賞することができて感動すること間違いなし!大きさも体感できます。

コンピューターグラフィックスによる復元映像など最新デジタル技術を取り入れた展示も見どころ。定期的に特別展も実施しています。

ミュージアムショップでは、写真集やクリアファイル、キーホルダーなど、平等院ならではのオリジナルグッズを販売。見るだけでも楽しく、お土産にも喜ばれる商品がそろっているのでぜひ立ち寄ってみましょう。

7.カフェ「平等院茶房 藤花」で宇治茶を一服。

「平等院茶房 藤花(とうか)」は、宇治茶をいただける日本茶専門カフェ。平等院のの敷地内にあり、ミュージアム鳳翔館の東側に隣接しています。

宇治は日本茶の本場。茶房藤花では、口の中でお茶本来の旨みをしっかりと味わえるように温度や淹れ方に工夫を凝らしています。器やお菓子にもこだわった茶房藤花で、宇治茶を愉しみながら贅沢なひと時をお過ごしください。

8.夜間特別拝観&ライトアップ

宇治平等院鳳凰堂 夜間特別拝観&ライトアップ

平等院では、春と秋に夜間特別拝観を実施しています。約200本の紅葉と鳳凰堂がライトアップで浮かび上がる幻想的な光景を楽しめると好評です。最新の実施日程や詳細は公式ページでご確認ください。

◎平等院のアクセス・駐車場情報

京阪電車の宇治駅

平等院は、JR奈良線と京阪電車宇治線でアクセスできます。

【JR】京都駅から奈良線の宇治駅まで8駅。みやこ路快速なら約17分、各駅停車なら30分ほどで到着します。

【京阪電車】京阪の宇治駅は、宇治線の終点駅。円を基調とした駅舎は、グッドデザイン賞を受賞しています。京都と大阪を結ぶ京阪本線の「中書島(ちゅうしょじま)」駅で宇治線に乗り換えましょう。

JR・京阪の「宇治」駅から、歩いて10分ほどで行くことができます。
専用駐車場はないため、平等院へのアクセスは車よりも公共交通機関を利用するのがおすすめです。

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