祇園を徒歩で観光!四条河原町~八坂神社~石塀小路|京都東山散策コース

祇園を徒歩で観光!四条河原町~八坂神社~石塀小路|京都東山散策コース

世界的に名高く美しい都、京都。数日の旅行日程ならほんの一部しか観光できないほど、群を抜く観光スポットの多さを誇る歴史とモダンが共生する都市です。

見どころ満載の京都は、「今日は東山をまわろう!」などエリアを区切って観光するのがコツですが、さらに今回は東山の中でも「祇園(ぎおん)」周辺を歩いて散策するイメージでご紹介してみます。八坂神社や円山公園、高台寺、建仁寺など格式高い神社仏閣、舞妓さんに会えるかもしれない白川南通や花見小路など、祇園という狭い範囲でも多数の観光スポットがあるのはさすが京都!さっそく”はんなり”を楽しむ祇園観光に出かけましょう。

目次

祇園を徒歩で観光!四条河原町~八坂神社~石塀小路|京都東山散策コース

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1. 四条河原町から四条大橋へ。まず、鴨川周辺を楽しもう

祇園四条

四条河原町(しじょうかわらまち)は京都の有名な繁華街であり、祇園祭の山鉾巡行で「辻回し」が行われる有名な場所。ここの地下には、阪急電鉄京都線の終点である河原町駅があります。

「祇園を観光する」といっても、スタート地点や巡り方などに決まりはないので、どうやって観光するのがオススメ?といった声を聞くこともしばしば。そこで今回は京都で生まれ育った筆者が、京都観光に訪れた友達をガイドするというプランをイメージしてみました。

では早速、四条河原町から祇園エリアを歩きながら順に観光していきましょう。

◆四条大橋

四条大橋

四条河原町から四条通を東方面に歩いていくと鴨川が見えてきます。鴨川は、下鴨神社から三条大橋、四条大橋の下を大阪に向かって流れる淀川水系の一級河川。四条通にある鴨川に架かる橋が「四条大橋」です。

四条大橋の手前、西詰の南側にあるのは中華料理レストランの「東華菜館」。橋の向こう側に見えるのが「南座」です。

◆東華菜館

東華菜館

鴨川沿いの四条大橋南西角に、歴史ある建築物があります。目を惹かれるレトロなこの建物は、1926年に建てられた「東華菜館」。登録有形文化財に指定されている北京料理店で、本格的な中華料理を味わえるのはもちろん、日本に現存する最古のエレベータがあることで有名!大正時代そのままの内装や調度品も必見です。

◆鴨川座って休憩。鴨川納涼床は夏の風物詩

京都鴨川の河原、納涼床

鴨川は、カップルが等間隔に座ることで知られます。観光の行きか帰りどちらでも構いませんので、ぜひ一度、鴨川の河原へ下りて座ってみてください。なぜ多くの人たちがここに座るのか?という疑問が解けますよ!鴨川を前に、腰かけて緩やかに流れる川を眺めていると、自然と心が落ち着くのを感じます。

夏には京都の風物詩、鴨川の「納涼床(のうりょうゆか)」がオープン。鴨川の河原はさらににぎわいを増します。

◆南座(京都四條南座)

祇園南座

出典: Ari Helminen (CC BY 2.0)

毎年歳末を迎えると、年の瀬の風物詩ともいえる「吉例顔見世興行(きちれいかおみせこうぎょう)」の映像がニュースで流れるのを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ここ「南座」では、大入りを願って勘亭流のフォントで書かれた木製看板「まねき」が劇場正面に掲げられます。

出雲阿国(いずものおくに)による歌舞伎の起源とされる南座は、今も上演され続けている日本最古の劇場。正式名は「京都四條南座」で、桃山風破風造りの建物が目を引きます。歌舞伎に限らずミュージカルやコンサートなど多彩な演目が公演されているので、ぜひ演目をチェックしてみましょう。

2. 花街の石畳を散策

四条大橋と八坂神社の間には、北側に「白川南通」、南側には「花見小路通」という祇園花街の雰囲気を味わえる石畳の道があります。どちらも京都らしさを感じてみたい観光や街並み散策におすすめの場所。もしかしたら舞妓さんに会えるかもしれません!

◆白川南通

白川南通

四条大橋を渡った北側には、小さな空間に京都らしさがギュッと詰め込まれているかのような人気の観光スポットがあります。南座を見たら北へ少し回り道して、伝統的建造物群保存地区に指定された祇園白川の石畳の道を歩いてみませんか。

白川の流れに沿った「白川南通」は、枝垂桜と柳が揺れる約200m続く石畳の道です。映画やドラマでお馴染みの辰巳大明神(たつみだいみょうじん)、白川に架かる巽橋(たつみばし)など、花街のムード漂う白川南通周辺はどこを撮っても絵になる風景。桜の季節は一層美しく、ライトアップされた様子も幻想的で、多くの観光客でにぎわっています。雨に濡れた石畳もしっとりして趣がありますよ。

白川南通

周辺には町家造りの料亭やフランス料理店が軒を連ねており、観光ではちょっと敷居が高いイメージがするかも。そんな方にはランチタイムがオススメ。手の届く価格帯のお店を探してみたり、近年増えてきたオシャレなカフェでまったりとした時間を過ごすのもいいかもしれません。

◆花見小路通

花見小路通を歩く舞妓さん

祇園という言葉を聞いてイメージする場所のひとつが「花見小路通(はなみこうじどおり)」。花見小路通は、南座と八坂神社のちょうど中間あたり、四条通と交差している道ですが、四条通をはさんだ南北で雰囲気がまったく異なっています。

祇園らしいあでやかさを感じる散策観光なら、四条通から南へ向かう花見小路通がおすすめです。

花見小路通

石畳が敷かれた道の両側には、お茶屋さんや料亭など木造の由緒ある建物が建ち並んでいて、まさに花街の祇園を体感できる場所。この花見小路通は建仁寺まで続いています。

花見小路通の散策観光は、建仁寺を参拝したあと四条通へ戻る時にゆっくりすることにして、今は四条通から花見小路通の様子を伺うだけ、もしくはちょっと歩くだけにして、このまま四条通をまっすぐ八坂神社へ向かいましょう。

3. 八坂神社

八坂神社

四条通の最東端、東大路通を渡った突き当りにあるのが、朱塗りの西楼門が印象的な「八坂神社」です。ここ祇園にある八坂神社が、全国に多数存在する八坂神社の総本社。1868年まで八坂神社は祇園社や感神院と呼ばれており、当時は境内が鴨川あたりまであったことから、この地区は「祇園」と呼ばれています。

毎年7月に行われる有名な祇園祭は、日本三大祭の1つにも数えられる日本を代表する祭。この祇園祭は、八坂神社の祭礼です。

八坂神社 本殿

東大路通りに面した石段を上がって西楼門から入って右手に進むと、鮮やかな朱色の本殿があります。

本殿の西には疫神社や大国主社、本殿の東には美御前社(うつくしごぜんしゃ)など、八坂神社の境内には摂社や末社が多数あり、舞殿の南には南楼門が建っています。

4. 円山公園

円山公園

祇園枝垂桜で有名な「円山公園(まるやまこうえん)」は、八坂神社の北東側に広がる四季の花や紅葉が楽しめる池泉回遊式の日本庭園。札幌の円山公園はこの公園をモデルに造園されたことで知られています。

円山公園

出典: terkey / PIXTA(ピクスタ)

200年以上市民に愛されていた円山公園の初代祇園枝垂桜。その遺伝子を引き継いだ2代目の祇園枝垂桜が丸山公園の真ん中で年々成長を続けています。初代にはまだまだ及ばないものの、春の夜にはライトアップされ、「祇園の夜桜」として地元、そして観光客に親しまれています。

この祇園枝垂桜をはじめ700本ほどの桜がある円山公園は、京都の人気お花見スポット。特に祇園枝垂桜の周辺では、大学サークルの新入生歓迎会や、世界中からの観光客がお花見をしていてとてもにぎやか。かがり火とアートのようなライトアップで彩られる夜桜も必見です。

坂本龍馬ゆかりの地としても知られ、園内には龍馬と中岡慎太郎の像もあります。秋にはこの像の後ろに映える紅葉が、風情ある景色を魅せてくれるでしょう。桜の季節以外でも、ゆったりした京都観光を楽しむには最適な場所ですよ。

5. 高台寺から石塀小路へ

高台寺

円山公園を散策したあとは、南方面へ行ってみましょう。高台寺や石塀小路(いしべこうじ)周辺には、趣のある石畳の道が続いています。

秀吉とねねの寺として知られる「高台寺」は、豊臣秀吉の菩提を弔うために北政所が創建した臨済宗建仁寺派の寺院です。小堀遠州(こぼりえんしゅう)による池泉回遊式庭園は、東山の麓という高低差のある地形を活かした名園。国の史跡・名勝に指定されており、春の桜はもちろんのこと、約1000本ともいわれるモミジの紅葉も見逃せません。演出にこだわったライトアップも人気があります。

八坂神社南周辺の道は広くありませんが、石畳が敷かれ、京都祇園らしい風情が漂っています。「菊乃井」をはじめとした京料理の名店が多い場所でもあるので、観光の合間に比較的手軽なランチで、本物の味を堪能してみませんか。

石塀小路

高台寺と東大路通の間には、映画のロケ地として知られる「石塀小路(いしべこうじ)」という狭い路地があります。この路地に敷かれている石畳は、1978年まで市内を走っていた市電の敷石なんですよ。こぢんまりした路地なので、ちょっと寄り道気分で歩けます。

6. 京都霊山護國神社

京都霊山護國神社

明治天皇の詔(みことのり)により、坂本龍馬や中岡慎太郎など幕末の志士たちを祀るために建立されたのが「京都霊山護國神社(りょうぜんごこくじんじゃ)」。高台寺南側にある「維新の道」を東へ上がっていくと、山の麓に神社があります。

京都霊山護國神社 坂本龍馬・中岡慎太郎の墓

坂本龍馬と中岡慎太郎の墓が並んで建ち、その横には2人の像。一帯には桂小五郎など1000を超える志士の墓が並び、魂が祀られています。明治維新を目にすることができなかった大勢の幕末の志士たち。その志が今につながっているのだと思うと、胸に熱いものが込み上げてきて冥福を祈らずにはいられません。

道を挟んだ南側にある「霊山歴史館」には、明治天皇の皇后に献上された龍馬の写真、龍馬が斬られた刀などが展示されています。倒幕派志士の遺品だけでなく、新選組など攘夷派に関する資料も数多く所蔵・展示している幕末維新ミュージアムです。

7. 安井金比羅宮

安井金比羅宮

八坂神社の南周辺をめぐった後は、東大路通を西へ横断。四条通南側の、東大路通と鴨川にはさまれた一帯を観光しましょう。

まずは、縁切り神社として知られる「安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)」へ向かいます。京都市内唯一の金比羅宮として交通に関わる災難からのお守りと、縁切りのご利益がある神社です。崇徳天皇が、香川県の金刀比羅宮で一切の欲を断ち切って参籠(おこもり)されたことが由来で、悪縁を切って良縁を結びたい観光客に人気のパワースポットなんですよ。

ここでまず驚くのは、「形代(かたしろ)」という身代わりの神札がいっぱい貼られた巨石「縁切り縁結び碑(いし)」です。高さ約1.5m、幅約3mの絵馬形をした縁切り縁結び碑は、おびただしい数の形代に覆われていて表面が全く見えません。

祈願の方法は、形代に切りたい縁や結びたい縁の願いごとを書いて手に持ちます。まず切りたい縁を願いながら、碑の中央下部に開いた丸い穴を表から裏へくぐり、次に結びたい縁を願いながら、裏から表へくぐります。最後に形代を碑に貼る、という流れ。人との縁だけでなく、酒や煙草、ギャンブル、病気など、さまざまな悪縁を切りたい人におすすめです。

8. 建仁寺

建仁寺

安井金毘羅宮の150mほど西に、臨済宗建仁寺派の大本山「建仁寺」があります。茶祖として崇められた栄西が開山した京都五山第3位。前述の高台寺も建仁寺の末寺です。

俵屋宗達の最高傑作である国宝の屏風『風神雷神図』や、海北友松(かいほうゆうしょう)による方丈障壁画『雲龍図』などは建仁寺の所有ですが、貴重な文化財を守るため京都国立博物館に保管されています。代わりに高精細な複製品が展示されていて見応え抜群!

創建800年を記念して法堂の天井に描かれた『双龍図』も迫力がありますよ。

建仁寺 潮音庭

そして建仁寺では、庭も観光の目玉!枯山水「大雄苑(だいおうえん)」や本坊中庭の「潮音庭」など庭園が有名なので、縁側に座りながらのんびりと風に吹かれるのがオススメ。つかの間、京都の街中にいることを忘れさせてくれるはずです。

◎祇園周辺には、まだまだ見どころがいっぱい

六波羅蜜寺

建仁寺からもう少し南には、木造空也上人立像が有名な「六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)」、

六道珍皇寺

出典: 663highland (CC BY 2.5)

この世とあの世の境 "六道の辻" に建つ「六道珍皇寺」などちょっと怖い寺院があります。

清水寺

さらにその東にあるのは、京都を代表する観光名所「清水寺」。

このように、今回ご紹介した祇園周辺は東山エリアのごく一部。1日で観光するにはきびしいほど見どころがいっぱいです。できれば時間をたっぷりとって古都の雰囲気をゆっくり楽しみましょう。

【注意】私道での写真撮影が原則禁止になりました

京都祇園 舞妓さん

祇園周辺では、観光客によるマナー違反が深刻になっています。2019年10月25日、祇園町南側地区協議会の取り決めで、祇園周辺の私道では写真撮影が原則、禁止となりました。

・無断で芸子さん・舞妓さんに触らない、写真を撮影しない。
・無断で私有地に入らない
・私道での写真撮影は原則禁止
など。

一人ひとりがマナーを守り、美しい京都を気持ちよく観光してくださいね。

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