滋賀県東部の歴史を感じる!多賀町・甲良町・愛荘町のお祭り3選

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滋賀県東部の歴史を感じる!多賀町・甲良町・愛荘町のお祭り3選

滋賀県の東部、鈴鹿山脈の麓に位置する犬上郡の多賀町(たがちょう)と甲良町(こうらちょう)、そして愛知郡の愛荘町(あいしょうちょう)は古来より交通の要所であり、多くの寺社仏閣が残っている地域です。古代の集落や江戸時代の宿場町など歴史があることから、この地域のお祭りは独特なお祭りが多く、興味深いですよ。今回は滋賀県の多賀町・甲良町・愛荘町の祭りに関してご紹介していきます。

目次

滋賀県東部の歴史を感じる!多賀町・甲良町・愛荘町のお祭り3選

1. 多賀大社古例大祭(多賀町)

多賀町にある多賀大社は『古事記』以前の創建とされる神社であり、豊臣秀吉や彦根藩の厚い信仰を受けてきました。滋賀県では「お多賀さん」と呼ばれて親しまれています。この多賀大社で、毎年4月22日に行われる「古例大社(多賀まつり)」です。

古例大祭は鎌倉時代の記録にも残っており、その歴史の古さが伺えます。古例大祭当日は御神輿や御鳳輦を含めて500人以上の行列が町を練り歩きます。他に馬40頭も行列に加わり、この馬の多さが「馬祭り」とも呼ばれる所以。祭りは8:30から始まり、一行は10時には多賀大社を出発して調宮神社に向かいます。

祭りの主役たる馬頭人と御使殿は道を別にし、数々の儀式を行いながら調宮神社で合流。そこから「尼子のお旅所(たびしょ)」に行列は進み、儀式を行った後に揃って参道に移動して多賀大社に戻ります。この最後を「本渡り」と呼び、この祭り最大のハイライトとなります。

古例大祭は多賀大社の一年で最も重要な祭礼であり、多くの観光客が訪れます。湖国に春を告げる行事として、五穀豊穰を願うこのお祭り、多賀大社のお参りも兼ねてぜひ行ってみてくださいね。

九月古例祭

毎年9月9日の重陽(ちょうよう)の節句に行われる「九月古例祭」は、上記でご紹介した「古例大祭」に次ぐお祭りです。豊年満作を祈願するための秋のお祭りで、町内の青年2人による豊凶を占う「古知古知(こちこち)相撲」が行われるので必見!

「古知古知相撲」の「古知古知」とは古い出来事をしのぶという意味で、古代に多賀大社の神主らが伊吹山(いぶきやま)の八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したことから、毎年行われています。本殿で神事を行った後、境内に設けられた土俵で、町内に住む大学生2人が、東方「多賀の里」、西方「寿命ケ石」のしこ名で三番勝負!多賀の里が2勝1敗で勝つと「豊作」になるそうです。

相撲を見守る地元の方々や観光客は、カメラを持って真剣な眼差し。勝負が決まると思わず感嘆の声が出て、盛り上がっていますよ。地元の方々と一緒に九月古例祭を楽しむのもいいですね。

当日は、13時から本社殿で神遷式が行われ、14時頃から宮司が馬にまたがり、その後を神輿やおよそ200人が練り歩きます。多賀町のマスコットキャラクター「たがゆいちゃん」も一緒に歩きますよ。

「たがゆいちゃん」は、巫女さんがモデルになっており、頭には「叶多賀門(かなうたがもん)」をモチーフにした髪飾り、手には町の花「ササユリ」を持った女の子です。

「叶多賀門」とは、近江鉄道「多賀大社前駅」の前にある門で、願い事を書いた絵馬札を持ちながら、石の門を通り鳥が彫られている願いの石をなで、絵馬札を結んでつるすと幸せになれると言われています。

絵馬札は、「多賀大社前駅」の前にある多賀観光案内所で1枚200円で販売されていますよ。ぜひ行ってみてくださいね。

2. 藤まつり(甲良町)

古来より多くの著名人を輩出している滋賀県。ここ、甲良町は戦国時代の武将、藤堂高虎の出身地とされています。その藤堂高虎にゆかりのある在士八幡神社で毎年5月に行われるのが「藤まつり」です。

在士八幡神社は藤堂高虎の先祖にあたる藤堂景盛が石清水八幡宮を移して創建されたとされており、鳥居の傍と本殿の裏手にある藤の老樹は景盛の手植えと伝わっています。在士では毎年この藤を藤堂家宗家に届けてきました。この立派な藤は藤まつりの翌日には切り取られ(藤切神事)、八幡宮の拝殿に飾られます。

藤まつりでは甲冑隊のパレードや各種イベントが開催されます。棚いっぱいの藤を愛でながらの初夏のお祭りを見に甲良町まで足を運んでみてくださいね。在士八幡神社の近くには藤堂高虎ゆかりの残念石や銅像がある高虎公園もあります。併せて観光してみてください。

3. 堅井之大宮の春祭り(愛荘町)

愛荘町岩倉にある軽野神社は地元では堅井之大宮として親しまれており、毎年4月20日に近い日曜日に「堅井之大宮の春祭り」と呼ばれるお祭りが執り行われます。お祭りの当日は、美しく飾られた9基の太鼓山と呼ばれる山車を藍色の衣装を着た若衆が曳きながら町を練り歩きます。

昼頃に軽野神社の前に集合した山車は順に鳥居の中に入っていくのですが、そのあたりがこの堅井之大宮の春祭りのメインイベント。岸和田の「だんじり」の如く勇壮に山車を曳いて走って往きます。掛け声とともに9基全てが宮入りすると、太鼓を叩き、鐘を打ち鳴らして五穀豊穰を願う御渡りが行われます。長閑な田園地域を練り歩く様と、勇壮な宮入りの差が興味深いですね。さまざまなお祭りがある滋賀県でも有数の勇ましい様子が見られるお祭りです。

◎まとめ

犬上郡の多賀町・甲良町、愛知郡の愛荘町のお祭りをご紹介しました。古くから受け継がれた、五穀豊穣を願うお祭りは見ごたえ満点。あまり知られていない地域ですが、歴史を感じる近江路のスポットとして多賀町・甲良町・愛荘町をぜひ訪れてみてくださいね。

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